過去との決別2014年03月10日 08:59

過去との決別


こんな記事がある。

(歴史や領土問題で日本と妥協の余地ない=中国外相)
http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPTYEA2801920140309

「過去と明確に決別してこそ、現在の対立を脱して関係が生まれ、将来が開ける」

まあ、お互い様だな。

過去を引きずっていかざるを得ないのは、国家も個人も同じだ。

都合良く決別できるくらいなら、苦労はないのだ。

戦争やそれに伴う侵略というのは、立場が違えば全く異なる認識になるし、歴史や領土問題は、まさにそういった立場の違いによるものだ。

尖閣の問題は、我が国から見れば、中国の軍事力による侵略に見える。

過去に1度たりとも実効支配したことがない領土なんて、聞いたこともない。

そういった過去と決別して、実力による支配を行いたいのは中国側なのではないか。

しかし、大量の揚陸艦艇を使って侵攻してきた場合、日米にはこれを押し留める手段はない。

1隻や2隻ならともかく、1000隻が同時にやってきたらお手上げである。

だいたい、その揚陸艦艇が無数の漁船だったりするわけだ。

民間船を装って、宣戦布告なく急襲された場合は、あっけなく上陸を許すことになる。

しかも、彼らには武器を与えなかったとしたらどうなるか。

我が国から見たら大量の不法入国者だが、彼の国から見たら、単なる遭難者になる。

それを保護するという名目で、今度は正規の軍隊を送り込む。

同胞の保護という名目で、いくらでも送り込む。

自国の領土だと主張しているのだから、他国への侵犯には当らない。

もともと、外交でケリを着けようという気は全く無いので、時間さえ稼げればいいのだ。

人的損失を厭わず、外交的孤立を恐れない国に、外交で対向することはできない。

我が国が、尖閣の実効支配を失うことは、確実だな。

過去との決別で、未来を開きたい中国と、過去を大切にして中国の海洋進出を封じ込めたい日米との対立の構図は明らかだ。

日本の支配階層が狙っているのは、尖閣ではない。

中国本土だろう(え、えーっ?)。

経済発展に伴い、共産党政権が崩壊した後、中国国内での経済活動をバックボーンにして、中国の政治支配を試みるわけだ。

その際に、最も問題になるのが軍隊である。

中国軍がどれほど拡張しようと、他国を蹂躙して侵攻することなど出来はしない。

その際の膨大な戦費を賄うことが出来る程の経済力を持ってはいないからだ。

しかし、中国国内で、共産党政権が崩壊した場合の最大の課題であることは間違いない。

我が国をはじめとして、西側諸国が恐れているのは、強大化した中国軍が、事実上の軍事国家を作り上げ、先軍政治を敷くことであろう。

北朝鮮の拡大版が出来るわけだな。

堂々と核兵器を所有し、ICBMを保有し、月に探査機を送り込む軍事国家である。

中国と北朝鮮の蜜月の中で、韓国も取り込まれていくに違いない。

その共通のスローガンは、抗日である。

それは、我が国にとってはまずいわけだ。

世界の生産国から、世界の消費国へと成長していく中国市場を、失うことになりかねない。

過去に朝鮮半島と台湾を支配し、中国東北部に傀儡国家を樹立した我が国は、歴史認識において妥協することはないだろう。

領土についても、国際法に則り、法の支配の下での領有について妥協することはない。

過去と決別し、未来を実力で開きたい気持ちは分るが、歴史と領土問題について、我が国が中国と妥協することは有り得ないのだ。

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