真面目にCCR ― 2014年12月08日 04:22
真面目にCCR
最近、CCRについて、少し真面目に考えてみようと思い始めている。
未来の潜水器とか、軍事用のアイテムだとか、テクニカルダイビング御用達だとか、そういう先入観を捨てて、現在ある器材を使った、実際のレジャーダイビングが成り立つものなのかどうか。
先日、ロタでご一緒したダイバーの方にご紹介いただいたグアムのサービスのページを見ていて、これでいいのだろうかと思ったのも、そんなことを考えていたからである。
(リブリーザーダイバー向け各種サービス)
http://www.3da.us/rebreather-service
「ファンダイビング:
ファンダイビングへリブリーザーを使用して参加していただけます。
・例)午前2ボートダイブ(合計最大潜水時間120分)
料金: $155
・料金に含まれるもの: ランチ、ホテル間送迎、シリンダー(ディルエント・酸素)
・料金に含まれないもの: スクラバー、ユニットレンタル代(コンプリートセット・1日$180)、オフボードシリンダーセット、その他ダイビング器材」
「リブリーザーダイバー専用ファンダイビング:
リブリーザーの利点をフルに使ったファンダイビングメニューです。ボートダイビングはすべてチャーターボートでその日のベストコンディションまたはダイバーの希望にお答えします。潜水時間は最大180分。通常のオープンサーキットでは決して行うことができないリブリーザーダイバーだけのファンダイビングメニューです。本メニューは担当ガイドももちろんポセイドンリブリーザーを使用してガイドいたします。
・例)午前1ボートダイブ(最大潜水時間180分)
料金: $250
・料金に含まれるもの: ランチ、ホテル間送迎、シリンダー(ディルエント・酸素)
・料金に含まれないもの: スクラバー、ボート代(実費)、ユニットレンタル代(コンプリートセット・1日$180)、オフボードシリンダーセット、その他ダイビング器材」
浮沈子は、ボート代の実費がどのくらいになるのかはともかく(400ドルとある)、180分の連続潜水という従来のダイビングの常識を覆すメニューを掲げていることに対する一抹の不安を感じた。
これで、お客さんが付くんだろうか?。
さっそく、メールで問い合わせると、快く受け入れてもらえそうな返事が来たので、近々に利用してみたいと考えている。
リブリーザーダイバー専用ファンダイビングは、午前と午後に分けているので、酸素毒性を考えても、1.2ATAでは6時間以上のダイビングが可能であり、ランチが付かない午後ダイビングと合わせて、丸1日潜っていることも可能だ(ランチの有無に、そんなに拘るかあ?)。
まあ、浮沈子はやらんけどな。
250ドルというのも、人的コストを考えれば決して高くは無い。
バーゲンだな。
ほかの客をほっぽらかして、リブリーザーの客だけにスキルのある人材を貼り付け、そのガイドの器材損耗費やスクラバー代も持って、しかも通常なら3本から4本に当たる時間を水中で過ごす訳だ。
たぶん、実際には殆どマンツーマンだろう。
3時間のガイドなんて、浮沈子は死んでもやらない(30分でも御免だ)。
隣り合うポイントを3つくらいハシゴして、ようやく辻褄が合う感じだな。
富戸のヨコバマなら、右の岩場と、左のテトラポッドと、アトランティスをみっちり60分ずつ潜るようなもんだな。
ロタでいえば、センハノンドロップオフからロタホールまで、フルコースで見せるようなもんだ。
そんな超ド級なダイビングをしていたら、げっぷが止まらなくなりそうである。
ファンダイビングの概念を変える事態だ。
(料金のご紹介)
http://www.blue-palms.com/plice.html
お世話になったばかりのブルーパームスと比較して申し訳ないが、通常のボートダイビングで3本潜ると、正規料金の場合で185ドルになる。
CCRの場合、実際にはほぼプライベートダイブなので、公平を期して200ドル加算されて385ドル。
このくらい取ってもいいくらいのコストである。
ボート代が別だけど(チャーターだと400ドル)。
それに、ガイドのCCRの損耗費と消耗品代が掛かるわけだ。
やってけんのかよ?。
まあ、もちろん、当初は殆ど客が付かないから、そんな心配をしても仕方ないかな。
通常のファンダイビングの中に織り込んで、殆ど同じコストで潜らせるというのも考え物だ。
そもそも、今出回っているCCRは、そういうダイビングをするためのものではない。
1時間とかの細切れダイビングを、オープンサーキットと同じ深度、同じ時間で潜って、コスト的に勝てるわけが無い。
たとえばナイトロックスのダブルタンクで浅い深度で潜れば、十分CCRと同等のダイビングが出来てしまう。
まあ、浮沈子じゃ無理かもしれないが(ガス大食いなので)。
それでも、価格の叩きあいにならないような付加価値をつけて商売をしようと、CCRでのコストを十分に落として勝負に出ている感じだな。
本当に、ポセイドンで稼げるのか。
レクリエーショナルレベルでのPADIの戦略は明快だ。
何かあったら、ベイルアウト!。
スクラバーのパッキングは、客にはさせない。
酸素のマニュアルインフレーションは禁止(タイプRは、構造的に出来ない)、などなど。
従来の事故を研究し、リスクを排除し、緊急時の手順は、通常ダイバーレベルで習得させたオープンサーキットでのコントロールされた緊急スイミングアセントに委ねる(CCRの呼吸回路の浮力調整が加わるので、全く同じではありません)。
現在の器材の限界と、リスクの重要性を見極めて、運用や教育コストを加味した現実的な解を提示して、これで商売になると踏んだわけだ。
メーカーも、期待に応えようとしている。
いや、やっぱ違うな。
既存のダイビングをCCRでそのままトレースしても、無意味とはいわないまでも、積極的な意味は無い(排気音が出ないとか、自動的に最良のナイトロックス吸えるとかありますが)。
CCRは、CCRでなければ出来ない、アットーテキな性能をフルに使ったダイビングに供してこそ真価を発揮するのだ。
その意味では、180分連続ダイビングを、リスク承知で実行するというのは、コンセプトとしては正しい。
軽い減圧を入れて、少し深くまで行かせることが出来ればもっといい(テック40CCR受講兼ねて)。
装備のシンプルさ(もちろん、CCRの中身がシンプルであるという意味ではない)、軽さ、水中での取り回しの良さを考えれば、ダブルタンクに減圧用のステージボトルを持つのに比べれば、遥かに簡単だ。
まあ、コスト的には、サイドマウントのダブルタンクで十分対応できるので、到底敵いっこないが。
しかも、CCRには、オープンサーキットにおけるガスの取り違えよりも性質の悪いトラブルが山のようにある。
ガスの取り違えは、バディシステムの中でチェックできるが、CCRのトラブルは、バディチェックが出来ないものが多い。
自分で気を付けなければならないのだ。
やはり、CCRは、実際のダイビングに於いては、オープンサーキットに太刀打ちできないんだろうか?。
所詮、テクニカルな器材に過ぎないんだろうか?。
高い器材と講習料を押し付けて、コスト高のダイビングをさせようとするだけの、アコギな商売なのだろうか?。
それとも、次元の違うダイビングの扉を開く、魔法の杖なんだろうか?。
浮沈子なりの答は出ている。
100年後はともかく、200年後には、世界中のダイバーがCCRで潜っているに違いない(ここから、妄想の世界へ・・・)。
故障少なく、操作が簡単で、手順が標準化されたCCRが安価に(10万円くらい?)手に入れられるようになり、ダイビングスポットの近くのコンビニでは、共通規格のスクラバーのパッケージが、1本100円くらいで買えて、ガソリンスタンド(その頃は、水素ステーションかも)に行くと、純酸素が無料で1000気圧充填されるようになっている(セルフサービスですが)。
PADIでは(その頃まであったとして)、オープンサーキットスペシャルティというのが、随分昔にあったように聞いているが、そんなことを覚えている年寄りは誰もいない。
純酸素もディリュエントも、タンクは小型で軽く、バルブ類は全て電磁弁で作動するので、人間が手を触れてバルブを回すなどという野蛮で危険極まりないことは行わない。
バルブの開け忘れによる事故など、起こるはずも無い。
電子機器の故障など、ここ100年間で1件も起きていない。
信頼性が求められる部分は、全て多重化されているし、その切り替えもコンピューターの管理の下に行われる。
それでなくてもストレスが掛かる水中では、ダイバーは、息を吸ったり吐いたりすること以外にやることはない。
液晶モニターなど、とっくの昔になくなっている。
最近の流行は、吐く息を分析して、その日の体調や呼吸機能の状態をチェックして、ダイバーにどんなアドバイスを与えることができるかという点だ。
各メーカーは、医療機器部門の傘下にあり、コモディティ化して低価格競争に巻き込まれないように、付加価値をつけることに血道を上げている・・・。
2日酔いでダイビングしようとする輩を排除するために、アルコールを一定以上検知するとプレブリージングの段階で作動を止めてしまうという機能は、随分前から標準になっている一方、タバコを吸った後に潜ろうとすると警告を出す機能は、タバコ自体がなくなったので、最近の器材には付いていない。
・・・って、結局、未来のリブリーザーの話になっちまうのかよ!。
200年後に、人類がダイビングなんかに現を抜かしているかどうかなんて、誰にもわかりっこないじゃん!?。
要するに、CCRの未来を信じられるかどうかだな。
CCRなんて、商売で考えたら普及するはずはない。
現在のレクリエーショナルレベルのオープンサーキットと同じ土俵では、コスト的に敵うはずはないのだ。
CCRでしか出来ないようなダイビングをしない限り、はっきりいって出番はない。
テクニカルダイビングの、ごく一部、大量のタンクを持ち込めない状況とか、深潜りを繰り返すようなダイビングスタイルで、ようやく真価が見えてくる。
器材の価格とか、サービスのコストとか、そういう問題ではないのだ。
オープンサーキットなどという野蛮な(野蛮かあ?)潜水器に、人類が翻弄され続けていることに憤りを感じているかどうか。
これからは、これしかないと信じられるかどうかだ。
CCRは、潜水器であると同時に、レクリエーショナルダイビングのスタイルを変える凶器でもある。
酔狂な一部のダイバーだけがやっているならいいが、こんなもんが普及して、何百万人もが使うようになったら、ショップはたまらないだろう。
3時間のファンダイビングをこなさなければならなくなり、泡でどこにいるかを管理することも出来ず、1人くらいならともかく、複数のトラブルには対処できない。
今までは、器材の損耗費といってもたかが知れていたが、これからは桁違いのコスト管理をしなければならなくなる。
スタッフにしても、ガイドに適したダイバーが大勢いるという買い手市場の状況ではない。
ちゃんとしたCCRダイビングの出来るガイドは、殆どいないだろう。
既存のガイドの中からCCRダイバーを仕込むか、CCRダイバーをガイドに仕込むか・・・。
同じダイビングポイントに潜るとしても、コース取りとか余程考えないとメリットを感じてもらえなくなる。
様々な要素を考慮して、商売として成り立つかどうかを考えると、やはり一気に普及という状況にはならない。
一定の需要はあっても、規模のメリットは出しにくい。
年間で、数十人というところか。
3桁にはいくまい。
そうなると、スペシャルなダイビングという形でしか商売できない。
これはもう、道楽である。
ビジネスとしては成立しない。
CCR限定ポイントを開拓して、それを売りにするか、CCRばっかのダイブクルーズを企画するとかしない限り、商売としての旨味はない。
既存のダイビングスタイルの中にCCRを混ぜて単価アップを図ろうとしても、客が付くかどうかは疑わしいし、ダイバーとしてもメリットは享受できない。
まあ、そもそも潜れる所が限られているので、当初はそれでもいいかもしれないが、メリットを感じられなければ客は離れていく。
大体、CCRをやっているダイバーは、その辺りには敏感なのだ。
この器材で潜る、アットーテキなメリットを感じられることが魅力なのだ(浮沈子自身がそうです)。
まあ、浮沈子の場合はプールダイビングでもいいんですけど。
こう考えてくると、やはり、CCRの普及は、今までのダイビングと発想を変えて、全く新しいダイビングのスタイルを考え出さないと、ものにならないということだ。
その中には、安全管理や器材の管理、スタッフの育成や確保も含まれる。
場合によっては、テクニカルダイビング(もちろんCCRでの)へのパスも作っておかなければならない。
テック40CCRくらいは、普通に出来て当たり前だろう。
グアムの店には、テックCCRのインストラクターも絡んでいるようだ。
(MARTIN ROBSON)
http://www.3da.us/archives/our_team/martin-robson
(Martin Robson Tec Diving)
http://www.eau2.com/
この御仁、何と今年6月に柏崎さんを教えていた。
(Big in Japan)
https://eau2.wordpress.com/2014/06/28/446/
いやあ、この世界、狭いですなあ!。
このブログでも、いい加減なことを書いていると、予想外のところからお叱りを頂きそうなので、この辺で退散しよう・・・。
最近、CCRについて、少し真面目に考えてみようと思い始めている。
未来の潜水器とか、軍事用のアイテムだとか、テクニカルダイビング御用達だとか、そういう先入観を捨てて、現在ある器材を使った、実際のレジャーダイビングが成り立つものなのかどうか。
先日、ロタでご一緒したダイバーの方にご紹介いただいたグアムのサービスのページを見ていて、これでいいのだろうかと思ったのも、そんなことを考えていたからである。
(リブリーザーダイバー向け各種サービス)
http://www.3da.us/rebreather-service
「ファンダイビング:
ファンダイビングへリブリーザーを使用して参加していただけます。
・例)午前2ボートダイブ(合計最大潜水時間120分)
料金: $155
・料金に含まれるもの: ランチ、ホテル間送迎、シリンダー(ディルエント・酸素)
・料金に含まれないもの: スクラバー、ユニットレンタル代(コンプリートセット・1日$180)、オフボードシリンダーセット、その他ダイビング器材」
「リブリーザーダイバー専用ファンダイビング:
リブリーザーの利点をフルに使ったファンダイビングメニューです。ボートダイビングはすべてチャーターボートでその日のベストコンディションまたはダイバーの希望にお答えします。潜水時間は最大180分。通常のオープンサーキットでは決して行うことができないリブリーザーダイバーだけのファンダイビングメニューです。本メニューは担当ガイドももちろんポセイドンリブリーザーを使用してガイドいたします。
・例)午前1ボートダイブ(最大潜水時間180分)
料金: $250
・料金に含まれるもの: ランチ、ホテル間送迎、シリンダー(ディルエント・酸素)
・料金に含まれないもの: スクラバー、ボート代(実費)、ユニットレンタル代(コンプリートセット・1日$180)、オフボードシリンダーセット、その他ダイビング器材」
浮沈子は、ボート代の実費がどのくらいになるのかはともかく(400ドルとある)、180分の連続潜水という従来のダイビングの常識を覆すメニューを掲げていることに対する一抹の不安を感じた。
これで、お客さんが付くんだろうか?。
さっそく、メールで問い合わせると、快く受け入れてもらえそうな返事が来たので、近々に利用してみたいと考えている。
リブリーザーダイバー専用ファンダイビングは、午前と午後に分けているので、酸素毒性を考えても、1.2ATAでは6時間以上のダイビングが可能であり、ランチが付かない午後ダイビングと合わせて、丸1日潜っていることも可能だ(ランチの有無に、そんなに拘るかあ?)。
まあ、浮沈子はやらんけどな。
250ドルというのも、人的コストを考えれば決して高くは無い。
バーゲンだな。
ほかの客をほっぽらかして、リブリーザーの客だけにスキルのある人材を貼り付け、そのガイドの器材損耗費やスクラバー代も持って、しかも通常なら3本から4本に当たる時間を水中で過ごす訳だ。
たぶん、実際には殆どマンツーマンだろう。
3時間のガイドなんて、浮沈子は死んでもやらない(30分でも御免だ)。
隣り合うポイントを3つくらいハシゴして、ようやく辻褄が合う感じだな。
富戸のヨコバマなら、右の岩場と、左のテトラポッドと、アトランティスをみっちり60分ずつ潜るようなもんだな。
ロタでいえば、センハノンドロップオフからロタホールまで、フルコースで見せるようなもんだ。
そんな超ド級なダイビングをしていたら、げっぷが止まらなくなりそうである。
ファンダイビングの概念を変える事態だ。
(料金のご紹介)
http://www.blue-palms.com/plice.html
お世話になったばかりのブルーパームスと比較して申し訳ないが、通常のボートダイビングで3本潜ると、正規料金の場合で185ドルになる。
CCRの場合、実際にはほぼプライベートダイブなので、公平を期して200ドル加算されて385ドル。
このくらい取ってもいいくらいのコストである。
ボート代が別だけど(チャーターだと400ドル)。
それに、ガイドのCCRの損耗費と消耗品代が掛かるわけだ。
やってけんのかよ?。
まあ、もちろん、当初は殆ど客が付かないから、そんな心配をしても仕方ないかな。
通常のファンダイビングの中に織り込んで、殆ど同じコストで潜らせるというのも考え物だ。
そもそも、今出回っているCCRは、そういうダイビングをするためのものではない。
1時間とかの細切れダイビングを、オープンサーキットと同じ深度、同じ時間で潜って、コスト的に勝てるわけが無い。
たとえばナイトロックスのダブルタンクで浅い深度で潜れば、十分CCRと同等のダイビングが出来てしまう。
まあ、浮沈子じゃ無理かもしれないが(ガス大食いなので)。
それでも、価格の叩きあいにならないような付加価値をつけて商売をしようと、CCRでのコストを十分に落として勝負に出ている感じだな。
本当に、ポセイドンで稼げるのか。
レクリエーショナルレベルでのPADIの戦略は明快だ。
何かあったら、ベイルアウト!。
スクラバーのパッキングは、客にはさせない。
酸素のマニュアルインフレーションは禁止(タイプRは、構造的に出来ない)、などなど。
従来の事故を研究し、リスクを排除し、緊急時の手順は、通常ダイバーレベルで習得させたオープンサーキットでのコントロールされた緊急スイミングアセントに委ねる(CCRの呼吸回路の浮力調整が加わるので、全く同じではありません)。
現在の器材の限界と、リスクの重要性を見極めて、運用や教育コストを加味した現実的な解を提示して、これで商売になると踏んだわけだ。
メーカーも、期待に応えようとしている。
いや、やっぱ違うな。
既存のダイビングをCCRでそのままトレースしても、無意味とはいわないまでも、積極的な意味は無い(排気音が出ないとか、自動的に最良のナイトロックス吸えるとかありますが)。
CCRは、CCRでなければ出来ない、アットーテキな性能をフルに使ったダイビングに供してこそ真価を発揮するのだ。
その意味では、180分連続ダイビングを、リスク承知で実行するというのは、コンセプトとしては正しい。
軽い減圧を入れて、少し深くまで行かせることが出来ればもっといい(テック40CCR受講兼ねて)。
装備のシンプルさ(もちろん、CCRの中身がシンプルであるという意味ではない)、軽さ、水中での取り回しの良さを考えれば、ダブルタンクに減圧用のステージボトルを持つのに比べれば、遥かに簡単だ。
まあ、コスト的には、サイドマウントのダブルタンクで十分対応できるので、到底敵いっこないが。
しかも、CCRには、オープンサーキットにおけるガスの取り違えよりも性質の悪いトラブルが山のようにある。
ガスの取り違えは、バディシステムの中でチェックできるが、CCRのトラブルは、バディチェックが出来ないものが多い。
自分で気を付けなければならないのだ。
やはり、CCRは、実際のダイビングに於いては、オープンサーキットに太刀打ちできないんだろうか?。
所詮、テクニカルな器材に過ぎないんだろうか?。
高い器材と講習料を押し付けて、コスト高のダイビングをさせようとするだけの、アコギな商売なのだろうか?。
それとも、次元の違うダイビングの扉を開く、魔法の杖なんだろうか?。
浮沈子なりの答は出ている。
100年後はともかく、200年後には、世界中のダイバーがCCRで潜っているに違いない(ここから、妄想の世界へ・・・)。
故障少なく、操作が簡単で、手順が標準化されたCCRが安価に(10万円くらい?)手に入れられるようになり、ダイビングスポットの近くのコンビニでは、共通規格のスクラバーのパッケージが、1本100円くらいで買えて、ガソリンスタンド(その頃は、水素ステーションかも)に行くと、純酸素が無料で1000気圧充填されるようになっている(セルフサービスですが)。
PADIでは(その頃まであったとして)、オープンサーキットスペシャルティというのが、随分昔にあったように聞いているが、そんなことを覚えている年寄りは誰もいない。
純酸素もディリュエントも、タンクは小型で軽く、バルブ類は全て電磁弁で作動するので、人間が手を触れてバルブを回すなどという野蛮で危険極まりないことは行わない。
バルブの開け忘れによる事故など、起こるはずも無い。
電子機器の故障など、ここ100年間で1件も起きていない。
信頼性が求められる部分は、全て多重化されているし、その切り替えもコンピューターの管理の下に行われる。
それでなくてもストレスが掛かる水中では、ダイバーは、息を吸ったり吐いたりすること以外にやることはない。
液晶モニターなど、とっくの昔になくなっている。
最近の流行は、吐く息を分析して、その日の体調や呼吸機能の状態をチェックして、ダイバーにどんなアドバイスを与えることができるかという点だ。
各メーカーは、医療機器部門の傘下にあり、コモディティ化して低価格競争に巻き込まれないように、付加価値をつけることに血道を上げている・・・。
2日酔いでダイビングしようとする輩を排除するために、アルコールを一定以上検知するとプレブリージングの段階で作動を止めてしまうという機能は、随分前から標準になっている一方、タバコを吸った後に潜ろうとすると警告を出す機能は、タバコ自体がなくなったので、最近の器材には付いていない。
・・・って、結局、未来のリブリーザーの話になっちまうのかよ!。
200年後に、人類がダイビングなんかに現を抜かしているかどうかなんて、誰にもわかりっこないじゃん!?。
要するに、CCRの未来を信じられるかどうかだな。
CCRなんて、商売で考えたら普及するはずはない。
現在のレクリエーショナルレベルのオープンサーキットと同じ土俵では、コスト的に敵うはずはないのだ。
CCRでしか出来ないようなダイビングをしない限り、はっきりいって出番はない。
テクニカルダイビングの、ごく一部、大量のタンクを持ち込めない状況とか、深潜りを繰り返すようなダイビングスタイルで、ようやく真価が見えてくる。
器材の価格とか、サービスのコストとか、そういう問題ではないのだ。
オープンサーキットなどという野蛮な(野蛮かあ?)潜水器に、人類が翻弄され続けていることに憤りを感じているかどうか。
これからは、これしかないと信じられるかどうかだ。
CCRは、潜水器であると同時に、レクリエーショナルダイビングのスタイルを変える凶器でもある。
酔狂な一部のダイバーだけがやっているならいいが、こんなもんが普及して、何百万人もが使うようになったら、ショップはたまらないだろう。
3時間のファンダイビングをこなさなければならなくなり、泡でどこにいるかを管理することも出来ず、1人くらいならともかく、複数のトラブルには対処できない。
今までは、器材の損耗費といってもたかが知れていたが、これからは桁違いのコスト管理をしなければならなくなる。
スタッフにしても、ガイドに適したダイバーが大勢いるという買い手市場の状況ではない。
ちゃんとしたCCRダイビングの出来るガイドは、殆どいないだろう。
既存のガイドの中からCCRダイバーを仕込むか、CCRダイバーをガイドに仕込むか・・・。
同じダイビングポイントに潜るとしても、コース取りとか余程考えないとメリットを感じてもらえなくなる。
様々な要素を考慮して、商売として成り立つかどうかを考えると、やはり一気に普及という状況にはならない。
一定の需要はあっても、規模のメリットは出しにくい。
年間で、数十人というところか。
3桁にはいくまい。
そうなると、スペシャルなダイビングという形でしか商売できない。
これはもう、道楽である。
ビジネスとしては成立しない。
CCR限定ポイントを開拓して、それを売りにするか、CCRばっかのダイブクルーズを企画するとかしない限り、商売としての旨味はない。
既存のダイビングスタイルの中にCCRを混ぜて単価アップを図ろうとしても、客が付くかどうかは疑わしいし、ダイバーとしてもメリットは享受できない。
まあ、そもそも潜れる所が限られているので、当初はそれでもいいかもしれないが、メリットを感じられなければ客は離れていく。
大体、CCRをやっているダイバーは、その辺りには敏感なのだ。
この器材で潜る、アットーテキなメリットを感じられることが魅力なのだ(浮沈子自身がそうです)。
まあ、浮沈子の場合はプールダイビングでもいいんですけど。
こう考えてくると、やはり、CCRの普及は、今までのダイビングと発想を変えて、全く新しいダイビングのスタイルを考え出さないと、ものにならないということだ。
その中には、安全管理や器材の管理、スタッフの育成や確保も含まれる。
場合によっては、テクニカルダイビング(もちろんCCRでの)へのパスも作っておかなければならない。
テック40CCRくらいは、普通に出来て当たり前だろう。
グアムの店には、テックCCRのインストラクターも絡んでいるようだ。
(MARTIN ROBSON)
http://www.3da.us/archives/our_team/martin-robson
(Martin Robson Tec Diving)
http://www.eau2.com/
この御仁、何と今年6月に柏崎さんを教えていた。
(Big in Japan)
https://eau2.wordpress.com/2014/06/28/446/
いやあ、この世界、狭いですなあ!。
このブログでも、いい加減なことを書いていると、予想外のところからお叱りを頂きそうなので、この辺で退散しよう・・・。
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