CCRの底力2014年12月24日 19:04

CCRの底力
CCRの底力


今回、3日間ではあるがポセイドンセブンでグアムの海を潜った。

残念ながらCCRでは外洋に出られなかったが、ギャブギャブ2もアメリカンタンカーも、全く別のダイビングのように感じた。

両方とも何度目かのダイビングで、様子はわかっているつもりだったが、70分に渡るアメリカンタンカーというのも初めてなら、水深30mというギャブギャブ2も聞いたことはない。

全く別のポイントであると感じた。

相乗りボートでCCRダイバーが体験する世界は、残念ながらダブルタンクにナイトロックスをパツンパツンに詰めたサイドマウントダイバーでも困難なダイビングである。

純酸素で加速減圧でもしなければ無理だ。

そう、通常ならテクニカルダイビングの領域に入っているのである。

船の上で多少場所をとるとはいいながら、それ以外はご迷惑をかけているわけではない(浮沈子の存在そのものが迷惑と言われれば、まあ、否定はしないが)。

まずは、こうしてCCRダイバーの存在を、世間に知ってもらうところからスタートだな。

水深40m未満で無限圧というレクリエーショナルダイビングの限界内に留まりながら、下手なテクニカルダイバーも真っ青なプロファイルで潜るわけだ。

シリンダーを交換して加速減圧するとか、そういうややっこしい話は一切ない(まあ、何かあったらベイルアウトですが)。

もちろん、無限圧限界内に留まっているのだから、コントロールされた浮上を行うだけでよい。

通常のダイビングと何ら変わることなく完了することが出来る。

そして、全く異なる疲労感(というか、疲労感がない!:筋肉痛はあります・・・)。

ナイトロックスを散々吸ってきた浮沈子は、あんなもんで疲労感が軽減されるというのは詐欺に等しいと断言する。

気のせいじゃね?。

CCRは、明らかに違いが分かる。

ネスカフェ飲むより、確かに分かる。

浮沈子のポリシーとして、ダイビングは1日2本で仕舞にしているが、CCRなら3本でも4本でもOKだな。

画像は、ギャブギャブ2の餌バケツに猛然と突っかかるサメだが、ダイバーが群れているに時は現れないそうだ。

(Gab Gab llでのオオテンジクザメ、食事中:最後の方に浮沈子がチラッと映っています:動画出ます)
https://www.youtube.com/watch?v=9sN0PzXT07o

無音(正確には無音ではありませんが)で泡を出さない(正確には、ちっと出ますが)ダイバーだけになった餌場に現れた。

これがCCRダイビングの底力というものである。

もう、ダイビングシーンが根底から変わる。

初日、2日目とアプラ湾内のビーチで潜ったが、上田さんはクロスズメダイの鳴き声を聞けと言う・・・。

グルルル・・・。

そういう声で鳴いているんだそうだ。

縄張りに侵入してきた他のクロスズメダイを威嚇するための声なんだそうである。

残念ながら、浮沈子は今回、その声を聞き取ることはできなかった(耳が遠くなっただけじゃね?)。

これは、何としてもリベンジしなければならない。

聴力が衰えるのが先か、聞き取ることが出来るのが先か・・・。

まあいい。

CCRで音と言えば、モアルボアルのペスカドール島で、イワシの大群が泳ぐ音を聞いたことがある。

まあ、あれは普通のダイバーにも聞こえると思うほどの轟音だ。

特に向きを変えるときの、「ザッ、ザッ」という音は恐怖を感じるほどである。

それだけではなく、水中は様々な音に満ちた世界である。

沈黙の世界ではないのだ。

CCRで潜ると、そのことが良く分かる。

一番気になるのがスクリュー音。

次が、他のオープンサーキットダイバーの排気音。

しかし、CCRに慣れてくると、自分のCCRの作動音が気になり始める。

酸素のソレノイドバルブが開いて、圧縮ガスが音速で吐出される時の短い連続した噴出音、ポセイドンの場合は2個ある酸素センサーを動的にキャリブレーションするためにおよそ5分に1回の長い噴射もある。

プシュー・・・。

これを喰らうと、回路内のガスが明らかに増えて、人間がガスを出してやらなければならない。

気の利いたポセイドンダイバーになると、このタイミングでマスククリアをすることによって、ディリュエントの消耗を抑制するという小技を繰り出す・・・。

まあ、それでなくてもそういったテクニックに長けた連中が使っているのだから、他にも多くのティップスがあるのだろう。

まあ、どうでもいいんですが。

余りにも静かなCCRの後に、オープンサーキットに戻った時には、その轟音の凄まじさにたじろぐ。

オエッ!、こんなんで潜ってたのかよ!?。

しかし、人間とは不思議なもので、3日も経つとそれが当たり前になってしまう。

まあ、慣れてしまえば、どちらにしても同じなのかもしれないが、水中の音に拘る方には、是非一度CCRを試してもらいたいものだ。

度肝を抜かれること請け合いである。

テクニカルダイビング並みのプロファイル、高分圧ナイトロックスの威力、アットーテキな無音ダイビング・・・。

もちろん、深度に影響を受けない桁外れのガス持ちの良さは漏れなく付いてくる。

CCRダイバーとオープンサーキットのダイバーが、よく知ったポイントに同時に潜るという経験は、モアルボアルやセブでもあったが、今回ほど明白に感じたことはない。

フィリピンでは、同じグループ内にオープンサーキットダイバーがいたために、そちらに合わせたプロファイルで潜らざるを得なかったからだ。

逆説的だが、CCRの威力は、同じ船に乗り合わせたダイバーが、同じポイントを異なるプロファイルで潜った時に明らかになる。

本気で潜ったら、夕方まで上がってこないことになりかねないので、そこは少しは考えなければならない。

グアムの外洋で近場を続けて潜るなら、潜りっぱなしでもいいんですが。

減圧不要の浅場のテクニカルダイビングと考えていい。

それは、ダイビングのスタイルを塗り替えかねないパワーを持っている。

有無を言わせぬその底力を、今回はまざまざと感じた。

3DAの狙いも、正にそこにある。

その比類なきパワーをどこまでも引き出すダイビングを提案している。

いわく、180分連続ダイビング、いわく、水面休息時間不要の乗り合いボートダイビング、クロスズメダイの声を聞けダイビング(?)・・・。

チャーターボートで好き放題潜るというメニューは、予算の関係で今回はなしだったが、そんなことになったら、どうなることやら・・・。

レクリエーショナルレベルのCCRを舐めてはならない。

イニシャルコストは確かに高いが、ランニングコストはそれ程の差はなくなってきている。

特に、ボートの場合、実際のダイビング時間で割り返したらトントンなのではないか。

3DAでオープンサーキットで潜ると、1本目50分、2本目45分くらいである。

これで130ドル(1分1.37ドル)。

CCRは、70分と70分で155ドル(1分1.11ドル)。

逆転してる!。

まあ、この中にはスクラバーの価格等は含まれていない。

入れると202.5ドルでさらにオフボードシリンダーのレンタル料を入れると210ドルとなり、1分1.5ドルとなる。

しかも、メニューとしては最大120分といっているので名目上は1分1.75ドルとなり、オープンサーキットよりも3割弱高くなるが、逆に、その値段でCCRダイビングを楽しめるというのがすごいと感じる。

CCRの足音は、もう、グアムではそこまで聞こえてきているのだ。

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