嵐の夜2015年05月17日 17:24

嵐の夜(5月15日)


夜11時くらいから、ようやく風、雨共に収まってきた。

台風7号、コードネーム「ドルフィン」は、ようやくグアムを通り過ぎていった。

長かったな。

雨は朝から降っていたが、風は夕方から強くなり始めて、6時間近く吹きまくったことになる。

ホテルの廊下では、雨漏りを受けるのに、ゴミ箱を置いている。

やれやれ。

照明の一部、ケーブルテレビ、インターネットの復旧は、下手すると月曜日以降になるかもしれない(明日は土曜なので)。

まあ、南の島ですから。

フロントで借りた電気ポットでお湯を沸かして、2ドルで買ったビーフ味のカップ麺を啜る。

さっきから、ビーフの切れ端を探しているんだが、文字通り影も形もない。

まあいい。

ちっこい肉らしきものを見つけて、密かに喜ぶ・・・。

ショボイ話だ。

収まったといいながら、まだ風鳴りはしているし、雨も降り続いているが、明らかにピークは超えた。

午後からうつらうつらしてたので、なかなか寝付けずにいる。

カップ麺をたいらげ、1ドルで買ったスナック菓子をポリポリ食べながら、昼間、ホテルの支配人から聞いた話を思い出す。

神戸生まれの韓国人だそうだ。

戦時中に、疎開の経験もあるという。

戦後、韓国に渡り、1968年にグアムに来たそうだ。

もちろん、会話は日本語で、浮沈子よりも語彙が多い(!)。

戦中、戦後を生きてきた方の話を、久々にじっくりと伺った。

日韓(韓日)の話になると、やはり熱くなる。

言語的にも、生活の価値観のうえからも、文化的に近い国が、なぜ仲良くなれないのかと嘆く。

戦争のことをハッキリと謝って、スッキリと出直すべきだという。

その一方で、我が国が正規軍を持って、普通の国になることには反対しないのだそうだ。

そういう考えもあるのか・・・。

まあ、今はグアムにいるわけで、その意味では遠い国の話なのかもしれない。

息子さんは、ホテルのフロントで活躍している。

さっきも、フロントに立っていた。

昼間も居たから、大変だろう。

嵐の夜で、夜勤のスタッフが出てこられないのかもしれない。

いろいろ出た話の中で、印象深いものをいくつか。

今時の若い者は・・・。

やっぱ、出たな、この手の話!。

アムトラックの事故について、社員教育がなっていないからだと自説を主張する。

親の躾け方にも問題があるんだと!。

なんと、自動運転自動車の話も出た!。

もちろん、反対!。

そうだろうなあ・・・。

3時間近くもお話した。

浮沈子には珍しく、大人しく拝聴した。

議論の余地は山程あったが、そういう場でないことは、いくら世間知らずの身とはいえ、一応心得ている。

いろいろ参考になる話もあったし。

浮沈子の親の世代だ。

もうすぐ、こんな話も聞くことができなくなってしまうんだろう。

何か、とても貴重な時間を過ごしたような気がした。

スナック菓子を食べ終えたら、眠気が差してきた。

もう少し書こう。

どうせ、明日は潜らないんだし。

もう夜中過ぎだが、窓から見える道路を通る車が増えている。

といっても、1分に数台だが。

風が落ち着いてきたので、急ぎの用事を足しに動き始めたというところか。

今日は、地元の人達の中にも、ホテルに避難してくる人たちが居て、大変だったようだ。

彼らの家は、無事だったのだろうか。

しかし、人間が無事なら、後で贖いは着く。

人の営みの儚さと、しぶとさを見る思いだ。

そういえば、一体、人類はあとどのくらいの期間存在するんだろうか。

100年や200年は大丈夫だろう。

1000年くらいは楽勝ではないか。

しかし、1万年ということになると、やや怪しくなる。

10万年、100万年となると、保証の限りではない。

1000万年、1億年ということになれば、滅亡の方に掛けた方が分がいいだろう。

10億年を生き抜いた生物は限られているし、10億年後の地球環境がどうなっているかという話もある。

100億年先には、地球上の生命そのものが存在しない。

太陽の寿命というのは、あと50億年くらいなんだそうだ。

その時に、巨星化して、地球軌道近くまで膨れ上がる(少し前までは、地球軌道を飲み込むといわれていた)。

仮に、他の天体(火星とか)に移住していたとしても、あるいは、地球軌道を変更させて絶滅を免れたとしても、結局、太陽に依存した生命の形態は取れない。

太陽の実質的な消滅と共に、その星系の生命は終わる。

さらに、何らかの方法で、他の星系に移り住むことが出来たとしても、数百億年先には、宇宙の熱的な死というやつが待っている。

まあ、どうでもいいんですが。

そんな先のことを考えても仕方ない。

人間は、結局、そういう風にしか生きられないのだ。

せいぜい、数年先を考えるので精一杯。

それでいい。

まだ、どこかで風鳴りがしている。

通り過ぎた台風の名残だ。

漆黒の宇宙を進む地球という惑星の上で、大気が揺れて、少し渦を巻いただけ。

いつも暮らしているユーラシア大陸の東に浮かぶ島国から、ほんの少しだけ離れた小さな島に来て、嵐の夜を過ごしただけ。

僅かの時間(時差1時間)と僅かの空間を隔てただけなのに、意識は数百億年と数百億光年の彼方に飛んでいる(飛び過ぎじゃね?)。

テレビもネットもない部屋で、嵐の音に怯えながら、気を紛らわせるために書き散らした。

さて、そろそろ寝るとしようか。

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