初飛行前夜2015年10月14日 22:22

初飛行前夜


なんか、カッコ悪いし、当初想定していたカーボンファイバーの主翼じゃなくなったし、生産規模に不安がある中で、いよいよ初飛行が近づいているMRJ。

(MRJ、走行試験が本格化 最高時速、40キロに到達)
http://www.asahi.com/articles/ASHB73V4WHB7OIPE00H.html

「最高時速は、これまでで最も速い約40キロに達した。」

うーん、イマイチだな。

「これまでの最高速度は約30キロだった。」

なんだ、たった10キロ上がっただけで、記事が出るのかあ?。

「初飛行の直前には離陸時とほぼ同じ200キロでの走行試験も行う。」

このくらいの速度で走ったら、記事にしてもいいが、40キロというのはそれにしても遅いな。

「操縦性能やブレーキの利き方などを調べた。」

(MRJ)https://ja.wikipedia.org/wiki/MRJ

「最大離陸重量:
・MRJ70STD:36,850kg
・MRJ70ER:38,995kg
・MRJ70LR:40,200kg
・MRJ90STD:39,600kg
・MRJ90ER:40,995kg
・MRJ90LR:42,800kg
(STD:標準型、ER:航続距離延長型、LR:長距離型)」

ほぼ40トン前後の重量である。

こんなのが200kmで走るんだから、大変なこった!。

もっとも、コーナーリング性能とかは、あんま必要ないんだろうが。

浮沈子は、あまりこの飛行機が好きではない(機首なんか、ボンバそっくりだしな)。

国産旅客機ということで、関心は高いが、きっと売れないに決まってるし、中国やロシアの追い上げもある。

400機余り受注しているらしいが、そんな程度では元は取れない。

「受注数は407機(確定223機、オプション160機、購入権24機)」

「投資回収が始まる目安が累計750機になるという見通し」

ホンダジェットのような、親しみを感じない。

あっちはエンジンを先に開発して、それを積む飛行機を後から作ったようなもんだ。

MRJは、初めから商売することを優先して考えている。

コストを削減するために(たぶん)、主翼の材料もケチった。

「強度確保のためには積層枚数の増加・補強材追加の必要性が判明し、予定したほどの軽量化が望めなくなったためとされている」(ホントかあ?)

ボンバ(ルディア)やエンブ(ラエル)の市場に割って入ることができるのかどうか。

価格では中国やロシアには敵わないだろうし、販売網ではカナダとブラジルには大きく離されている。

「主な競合機の受注状況(2013年6月現在)。
中国商用飛機:ARJ 202機
中国商用飛機:C919 380機
イルクート:MS-21 241機
スホーイ:SSJ 244機
エンブラエル:E-Jet 2713機
ボンバルディア:CRJ 1855機」

話にならんな・・・。

メンテナンスや販売では、ボーイングと提携する話もあったと記憶しているが、その後どうなっているかは知らない。

「YS-11の教訓からボーイングとカスタマーサポート契約を、SAABとプロダクト・サポート契約を結んでいる。」

もちろん、エンジンはP&Wにおんぶにだっこだ。

「エンジンに関しては、2015年2月12日に米大手プラット・アンド・ホイットニー社がサポートサービスを提供すると発表した」

エンジンくらい、国産で出来なかったのかなあ。

もっとも、世界中に売るわけだから(たぶん)、売った先でメンテナンスサービスが出来なければ話にならないけどな。

航空機産業は、戦後、結局根付かなかった。

防衛関係の細々とした需要と、外国企業の下請けに甘んじてきた。

今回のプロジェクトMRJが、流れを変えることができるのかどうか。

国家予算を400億円もつぎ込み、他社の航空機を使いたいに決まってるビッグキャリアを脅して買わせたり、経産省もなりふり構わないが、その心は、今度こそ、航空機産業を根付かせたいということなんだろう。

運用コストが安い小型ジェットが飛べば、地方空港も復活するかもしれないしな。

そんな期待を一身に担って、MRJは飛び立とうとしている。

やっぱ、問題は飛んだ後なんだろう。

YSー11も飛んだが、後が続かなかった。

初飛行に向けて、地上滑走試験を繰り返している今、飛んだ後のことまで考えなくてもいいのかもしれないが、目標の1500機を売りまくって稼ごうというんだから、如何に飛ばし続けることができるかが勝負の分かれ目だ。

初めから勝負にならないんじゃないかと浮沈子は見ているんだが、販売の仕方次第では、売れないこともないかもしれない。

何かと抱き合わせで売るとか。

ボーイングと組んで、主力機とセットで売ってもらうとか。

儲けは少なくなるかもしれないが、継続して売り続けることは出来るし、売り辛いマーケットにも展開できる。

鉄道や、高速自動車道路などの社会資本の整備が進んでいない新興国にも、航空機は入りやすい。

点と点で結べば、効率的にネットワークが作れる。

アジアを中心に、世界中に売りまくりたいんだろう。

(民間航空機に関する市場予測 2015-2034)
http://www.jadc.jp/files/topics/98_ext_01_0.pdf

この資料は、ちょっと要約できないが、世界の航空機需要は、今後20年で倍増する。

それを賄うためにも、我が国の製造業は貢献すべきだし、国産機で商売できるに越したことはない。

まあ、あまり期待できないけどな。

航空機産業の裾野は広い。

スピンオフした技術は、自動車や製造機械などにも及んでいくに違いない。

航空機は下請けだっていいから、そっちの関連技術の方でも頑張ってもらいたいもんだ。

そうすると、だんだん下々の方にも恩恵が下りてきて、83タルガが200kmオーバーで第1コーナーに突っ込めるようになるかもしれない(現在、140km)。

まあ、どうでもいいんですが。

83タルガの重量は、たかだか1.2トンに過ぎない。

40トンの航空機とは比較にならない。

カーボンブレーキとかが安く作れるようになれば、考えてもいいかな(今は、数百万円かかるようだ)。

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