スピード772015年10月16日 17:20

スピード77
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「免疫学的特権部位」

エボラの記事を読んでいたら、この言葉が出てきた。

(エボラウイルス、感染9か月後に検出 一部生存者精液から)
http://www.afpbb.com/articles/-/3063218

「エボラウイルスが血液中に存在していなくても、免疫学的特権部位に隠れている可能性がある。これは、新たな感染拡大の原因となる可能性もあるため、注意が必要」

従来から、神経系(眼球含む?)や、生殖細胞系は、免疫反応(炎症とか)を回避する機能があり、免疫学的特権部位といわれてきたらしい。

最近は、ある条件では反応が出ることが分かってきているらしいが、概ねそういう理解でいいんだろう。

問題は、エボラがここに隠れて残存し、治癒から相当な時間が経過した後も、再発(晩期合併症を発症)したり、再感染(たぶん)させる可能性があるということだ。

(エボラ治癒の英看護師、晩期合併症で再び隔離 「重篤な状態」)
http://www.afpbb.com/articles/-/3062798

浮沈子は、大規模な流行であった今回の感染で、不顕性キャリアの問題が、顕在化するのではないかと懸念していたが、とうとう具体的になってきたわけだな。

免疫学的特権部位は精巣や卵巣にもあるらしいので、垂直感染(!)のケースも懸念される。

(免疫: 特権的な立場)
http://www.natureasia.com/ja-jp/nature/highlights/30714

「骨髄造血幹細胞(HSC)のニッチ(幹細胞が存在する特殊な微小環境)が免疫特権部位であることが、新しい研究により明らかになった。こういう性質が精巣や卵巣、毛嚢に存在することは知られていたが・・・(後略)」

1万7千人を超える感染後の回復者を生み出した今回の流行を考えると、垂直感染のリスクは無視は出来ない。

問題は、性交渉等による水平感染だけではないのだ。

WHOの統計を信じるならば、感染者の増加は落ち着いてきているが、これらの残存ウイルスの脅威が去ったわけではない。

(Ebola Situation Report - 14 October 2015)
http://apps.who.int/ebola/current-situation/ebola-situation-report-14-october-2015

(エボラに性感染の恐れ、回復した患者から:追加)
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2015/10/post-3994.php

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