研究炉の研究(4) ― 2016年09月03日 06:15
研究炉の研究(4)
報道などでは、もんじゅの廃炉が検討されているという。
(もんじゅ廃炉、政治判断も)
http://jp.reuters.com/article/idJP2016082901001489?il=0
「廃炉も選択肢に対応を検討していることが29日、分かった。」
「政府内には、廃炉を決断すべきだとの見解もある。存廃が政治判断され、存続前提のシナリオが白紙に戻る可能性が出てきた。廃炉が決まれば、核燃料サイクル政策の見直しは必至。」
他紙の見解も、概ね同じだな。
高速増殖炉の実証炉としての役割は、最早、果たせないだろう。
設計も古いし、耐震工事なども必要となるらしい。
ウラン資源が枯渇し、原子力発電が行えなくなれば、それはそれで何とかなるだろう。
今後は、全世界で原子力発電の需要が増加するわけだから、ウラン資源の枯渇にも拍車がかかる。
60年といわれている埋蔵量にしても、現状の需要を前提にしているので、2倍になれば半分の期間になる。
核融合発電が実用化され、商業ベースに乗るまでに間に合うかどうか。
石油や、石炭、天然ガスなどの化石燃料を燃やして凌ぐしかない。
核燃料サイクルの破たんは当然としても、何らかの形で研究継続という道は残してもらいたいな。
研究炉マニアとしての、希望的観測だがな。
さて、もんじゅについて長々と書きかけたのだが、ハッキリ言って、もんじゅは研究炉ではない。
デカ過ぎ!。
まあ、実用化に向けての研究をするはずだったが、結局、出来ないままになりそうなだけで、もともとは実用化を目指した原型炉ということだった。
これが上手く稼働できれば、実証炉、商業炉といくはずだったわけだな。
さて、この系統の研究炉として、常陽がある。
浮沈子も、外側から建物を拝んできた(大洗研究開発センター行ってきたとき)。
この研究炉だけは、さらに建物の前に守衛所があって、他の施設とは一線を画している。
広報担当者の方も、簡単には入れないようだ。
なんか、怖そう・・・。
(常陽)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B8%B8%E9%99%BD
「常陽は日本で最初の高速増殖炉であり、高速増殖炉開発のために必要な技術・データおよび経験を得るための基礎研究、基盤研究を目的として建設された実験炉である。」
しかし、この記述には、ビミョーに誤りがある。
運転開始:1977年4月
これ以前に運転している研究炉というのがある。
(FCA)
https://www.jaea.go.jp/04/ntokai/anzen/anzen_05.html
「我が国唯一の高速炉用臨界実験装置であり、高速炉の核特性の研究を目的とする施設です。」
「1967.4:初臨界」
なんと、10年も前に臨界に達している。
もっとも、出力は2kWしかない。
(臨界実験装置 (08-01-03-06):2.FCA(Fast Critical Assembly、高速炉臨界実験装置))
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_Key=08-01-03-06
「高速中性子炉の設計、運転、安全評価に必要な炉物理データを得るための臨界実験装置として、1964年着工、1967年4月29日初臨界を達成した。当初の炉心は20%濃縮金属U燃料板と、実炉の冷却材、構造材の模擬物質としてのナトリウム板、SUS鋼板、アルミナ板から構成されていた。」
「FCAは1998年度で高速炉関係の実験を終了」
「1999年度より新たにADS(加速器駆動システム)による核変換のための基礎実験を開始」
この装置では、たぶん、増殖はできないだろうな。
(表1 高速実験炉「常陽」および高速増殖炉原型炉「もんじゅ」の主要目)
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_No=03-01-06-01
常陽は、MK-Ⅰで1.01の増殖率(増殖比)、もんじゅは約1.2となっている。
運用などにもよるだろうが、もんじゅでさえ、2倍の燃料を作るのに数十年掛かると言われているので、気長な話ではある。
(1.3 高速増殖炉の燃料が倍になるのに数十年かかるので、高速 増殖炉の基数を増やすのには長い年月がかかるのではないか? -詳細-)
http://www.jaea.go.jp/04/turuga/anncer/page/syousai/1-3.html
「外部からプルトニウムの供給が一切ない状況において、1基の高速増殖炉自らが増殖した燃料だけで2基目の燃料を賄おうとするのであれば、2基目の高速増殖炉の炉心分の燃料を作り出すのに数十年かかります」
この記事は、そうではないというニュアンスだが、書いてあることは事実だ。
FCAは、ちょっと異様な外観である。
つーか、原子炉が横向きで、真ん中から2つに割れている。
稼働させる時は、合体させることになる。
この隙間から、燃料とか試料を引き出しのように装荷することになる。
常陽は、まあ、ふつーな感じだ。
(図1 原子炉本体断面図(常陽))
http://www.rist.or.jp/atomica/data/pict/03/03010207/01.gif
鳥瞰図もある。
(「常陽」MK-III炉心性能)
https://www.jaea.go.jp/04/o-arai/facilities_share/joyomk3/index.html
ナトリウムが流れる炉心は、原子炉容器に入っていて、その外は安全容器という形になっている。
全体に、シンプルな構成に見える。
研究炉の仲間から外したけど、もんじゅはどうなんだろうか。
(図1 高速増殖炉「もんじゅ」のプラント全体図)
http://www.rist.or.jp/atomica/data/pict/03/03010202/02.gif
うーん、やっぱ格納容器があって、そのなかにごちゃごちゃ入ってるなあ。
(主要部分の鳥瞰図)
http://blogs.c.yimg.jp/res/blog-c2-53/karnak_s/folder/155068/75/4312175/img_5?1345439460
これを見ると、常陽とあまり変わらない。
オレンジ色の原子炉容器の外側に、緑色で塗られたガードベッセルという容器があるが、ナトリウムが漏れた時の受け皿らしい。
(ガードベッセル)
http://www.rist.or.jp/atomica/dic/dic_detail.php?Dic_Key=222
「高速炉の場合炉容器や一次主冷却系の損傷があればナトリウムは漏れて炉心燃料が露出しカラ炊きになるのでこれを防ぐために炉容器等が2重になっている。この原子炉格納容器、一次主冷却系循環ポンプ及び中間熱交換機外側に設けた保護容器をガードベッセルと呼んでいる。」
ここから、さらに漏れた時のこととかは、考えないことにしているんだろう。
まあ、どうでもいいんですが。
高速増殖炉の運命は、近々決まることになる。
もんじゅの廃炉は、既定路線のようだが、おそらく再処理施設の方は存続間違いなしだろうな。
MOX路線をまっしぐらということになる。
研究炉が、どういう形で生き残るかということになるわけで、プルトニウムを燃やせる高速炉が生き残れるかどうかというところだ。
もう、二度と、高速炉には手を出さないと決めれば、FCAや常陽の生き残る術はない。
研究炉というのは、それが独立して稼働し続けるということはないのだ。
我が国が、高速炉から撤退すれば、高速中性子を使った照射試験(材料開発)の意味もなくなる。
MAの核変換の研究に活路を見出そうとしているようだが、加速器駆動未臨界炉の方が、脈がありそうだしな。
まあいい。
一度、撤退すれば、元に戻ることは難しい。
50年後、いや、100年後に、やっぱウランが足りなくなりそうだから、研究を再開しようとしても、我が国では誰一人として研究者がいないということになる。
浮沈子は、それは仕方がないことだと諦めるしかないと思うけどな。
我が国には、ロシアのように、27回もナトリウム漏れしても、めげずに開発を続ける環境はないのだ。
潮目は変わった。
政治的に、もんじゅを続けることにメリットはない。
しかし、核燃料サイクルをぶち切るわけにはいかないだろう。
当面、MOX燃やして凌ぐとしても、やがては何らかの対応を迫られることになる。
再処理せずに、そのまま埋めるのが一番だろうな。
ウランが値上がりして、原発が動かせなくなれば、それこそ原発からの撤退の錦の御旗が翻るときかもしれない。
しかしなあ、値上がりすると、可採埋蔵量が増えて、可採年数が増えることになるから、何とも言えないな。
そのうち、海水からの採取が採算に乗るようになれば、1000倍の資源があると言われている。
(海水からのウランの回収 (04-02-01-12))
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_Key=04-02-01-12
「ウラン1kgあたり3万2千円と試算される。」
しかし、何といっても、四方を海に囲まれた我が国では、いくらでも採れるわけだから、数倍程度の価格であれば、吸収することは可能だろう。
湯水のごとく電気を使って生活できるわけだな。
そう考えると、わざわざややっこしいことして、プルトニウムという危ない物質を抱え込んで、それに付随するさまざまなトラブルを経験するよりは、潔く、核燃料サイクルから撤退するというのも十分考えられる。
研究炉も含めて、高速炉に関係する原子炉の運命や如何に?。
次回は、余り興味はないんだが、軽水炉関係の研究炉を調べてみよう。
報道などでは、もんじゅの廃炉が検討されているという。
(もんじゅ廃炉、政治判断も)
http://jp.reuters.com/article/idJP2016082901001489?il=0
「廃炉も選択肢に対応を検討していることが29日、分かった。」
「政府内には、廃炉を決断すべきだとの見解もある。存廃が政治判断され、存続前提のシナリオが白紙に戻る可能性が出てきた。廃炉が決まれば、核燃料サイクル政策の見直しは必至。」
他紙の見解も、概ね同じだな。
高速増殖炉の実証炉としての役割は、最早、果たせないだろう。
設計も古いし、耐震工事なども必要となるらしい。
ウラン資源が枯渇し、原子力発電が行えなくなれば、それはそれで何とかなるだろう。
今後は、全世界で原子力発電の需要が増加するわけだから、ウラン資源の枯渇にも拍車がかかる。
60年といわれている埋蔵量にしても、現状の需要を前提にしているので、2倍になれば半分の期間になる。
核融合発電が実用化され、商業ベースに乗るまでに間に合うかどうか。
石油や、石炭、天然ガスなどの化石燃料を燃やして凌ぐしかない。
核燃料サイクルの破たんは当然としても、何らかの形で研究継続という道は残してもらいたいな。
研究炉マニアとしての、希望的観測だがな。
さて、もんじゅについて長々と書きかけたのだが、ハッキリ言って、もんじゅは研究炉ではない。
デカ過ぎ!。
まあ、実用化に向けての研究をするはずだったが、結局、出来ないままになりそうなだけで、もともとは実用化を目指した原型炉ということだった。
これが上手く稼働できれば、実証炉、商業炉といくはずだったわけだな。
さて、この系統の研究炉として、常陽がある。
浮沈子も、外側から建物を拝んできた(大洗研究開発センター行ってきたとき)。
この研究炉だけは、さらに建物の前に守衛所があって、他の施設とは一線を画している。
広報担当者の方も、簡単には入れないようだ。
なんか、怖そう・・・。
(常陽)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B8%B8%E9%99%BD
「常陽は日本で最初の高速増殖炉であり、高速増殖炉開発のために必要な技術・データおよび経験を得るための基礎研究、基盤研究を目的として建設された実験炉である。」
しかし、この記述には、ビミョーに誤りがある。
運転開始:1977年4月
これ以前に運転している研究炉というのがある。
(FCA)
https://www.jaea.go.jp/04/ntokai/anzen/anzen_05.html
「我が国唯一の高速炉用臨界実験装置であり、高速炉の核特性の研究を目的とする施設です。」
「1967.4:初臨界」
なんと、10年も前に臨界に達している。
もっとも、出力は2kWしかない。
(臨界実験装置 (08-01-03-06):2.FCA(Fast Critical Assembly、高速炉臨界実験装置))
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_Key=08-01-03-06
「高速中性子炉の設計、運転、安全評価に必要な炉物理データを得るための臨界実験装置として、1964年着工、1967年4月29日初臨界を達成した。当初の炉心は20%濃縮金属U燃料板と、実炉の冷却材、構造材の模擬物質としてのナトリウム板、SUS鋼板、アルミナ板から構成されていた。」
「FCAは1998年度で高速炉関係の実験を終了」
「1999年度より新たにADS(加速器駆動システム)による核変換のための基礎実験を開始」
この装置では、たぶん、増殖はできないだろうな。
(表1 高速実験炉「常陽」および高速増殖炉原型炉「もんじゅ」の主要目)
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_No=03-01-06-01
常陽は、MK-Ⅰで1.01の増殖率(増殖比)、もんじゅは約1.2となっている。
運用などにもよるだろうが、もんじゅでさえ、2倍の燃料を作るのに数十年掛かると言われているので、気長な話ではある。
(1.3 高速増殖炉の燃料が倍になるのに数十年かかるので、高速 増殖炉の基数を増やすのには長い年月がかかるのではないか? -詳細-)
http://www.jaea.go.jp/04/turuga/anncer/page/syousai/1-3.html
「外部からプルトニウムの供給が一切ない状況において、1基の高速増殖炉自らが増殖した燃料だけで2基目の燃料を賄おうとするのであれば、2基目の高速増殖炉の炉心分の燃料を作り出すのに数十年かかります」
この記事は、そうではないというニュアンスだが、書いてあることは事実だ。
FCAは、ちょっと異様な外観である。
つーか、原子炉が横向きで、真ん中から2つに割れている。
稼働させる時は、合体させることになる。
この隙間から、燃料とか試料を引き出しのように装荷することになる。
常陽は、まあ、ふつーな感じだ。
(図1 原子炉本体断面図(常陽))
http://www.rist.or.jp/atomica/data/pict/03/03010207/01.gif
鳥瞰図もある。
(「常陽」MK-III炉心性能)
https://www.jaea.go.jp/04/o-arai/facilities_share/joyomk3/index.html
ナトリウムが流れる炉心は、原子炉容器に入っていて、その外は安全容器という形になっている。
全体に、シンプルな構成に見える。
研究炉の仲間から外したけど、もんじゅはどうなんだろうか。
(図1 高速増殖炉「もんじゅ」のプラント全体図)
http://www.rist.or.jp/atomica/data/pict/03/03010202/02.gif
うーん、やっぱ格納容器があって、そのなかにごちゃごちゃ入ってるなあ。
(主要部分の鳥瞰図)
http://blogs.c.yimg.jp/res/blog-c2-53/karnak_s/folder/155068/75/4312175/img_5?1345439460
これを見ると、常陽とあまり変わらない。
オレンジ色の原子炉容器の外側に、緑色で塗られたガードベッセルという容器があるが、ナトリウムが漏れた時の受け皿らしい。
(ガードベッセル)
http://www.rist.or.jp/atomica/dic/dic_detail.php?Dic_Key=222
「高速炉の場合炉容器や一次主冷却系の損傷があればナトリウムは漏れて炉心燃料が露出しカラ炊きになるのでこれを防ぐために炉容器等が2重になっている。この原子炉格納容器、一次主冷却系循環ポンプ及び中間熱交換機外側に設けた保護容器をガードベッセルと呼んでいる。」
ここから、さらに漏れた時のこととかは、考えないことにしているんだろう。
まあ、どうでもいいんですが。
高速増殖炉の運命は、近々決まることになる。
もんじゅの廃炉は、既定路線のようだが、おそらく再処理施設の方は存続間違いなしだろうな。
MOX路線をまっしぐらということになる。
研究炉が、どういう形で生き残るかということになるわけで、プルトニウムを燃やせる高速炉が生き残れるかどうかというところだ。
もう、二度と、高速炉には手を出さないと決めれば、FCAや常陽の生き残る術はない。
研究炉というのは、それが独立して稼働し続けるということはないのだ。
我が国が、高速炉から撤退すれば、高速中性子を使った照射試験(材料開発)の意味もなくなる。
MAの核変換の研究に活路を見出そうとしているようだが、加速器駆動未臨界炉の方が、脈がありそうだしな。
まあいい。
一度、撤退すれば、元に戻ることは難しい。
50年後、いや、100年後に、やっぱウランが足りなくなりそうだから、研究を再開しようとしても、我が国では誰一人として研究者がいないということになる。
浮沈子は、それは仕方がないことだと諦めるしかないと思うけどな。
我が国には、ロシアのように、27回もナトリウム漏れしても、めげずに開発を続ける環境はないのだ。
潮目は変わった。
政治的に、もんじゅを続けることにメリットはない。
しかし、核燃料サイクルをぶち切るわけにはいかないだろう。
当面、MOX燃やして凌ぐとしても、やがては何らかの対応を迫られることになる。
再処理せずに、そのまま埋めるのが一番だろうな。
ウランが値上がりして、原発が動かせなくなれば、それこそ原発からの撤退の錦の御旗が翻るときかもしれない。
しかしなあ、値上がりすると、可採埋蔵量が増えて、可採年数が増えることになるから、何とも言えないな。
そのうち、海水からの採取が採算に乗るようになれば、1000倍の資源があると言われている。
(海水からのウランの回収 (04-02-01-12))
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_Key=04-02-01-12
「ウラン1kgあたり3万2千円と試算される。」
しかし、何といっても、四方を海に囲まれた我が国では、いくらでも採れるわけだから、数倍程度の価格であれば、吸収することは可能だろう。
湯水のごとく電気を使って生活できるわけだな。
そう考えると、わざわざややっこしいことして、プルトニウムという危ない物質を抱え込んで、それに付随するさまざまなトラブルを経験するよりは、潔く、核燃料サイクルから撤退するというのも十分考えられる。
研究炉も含めて、高速炉に関係する原子炉の運命や如何に?。
次回は、余り興味はないんだが、軽水炉関係の研究炉を調べてみよう。
ホンモノ ― 2016年09月04日 01:14
ホンモノ
(フェラーリ・F12ベルリネッタ)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%83%AA%E3%83%BBF12%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%AA%E3%83%8D%E3%83%83%E3%82%BF
最近は、ボクスターの点検か、車検の時くらいしか行かない。
まあ、試乗車とかあれば行きますけど。
都内、某ポルシェセンター。
今日は、神田と秋葉原に行ったついでに、帰りに寄ってみた。
お土産のグッズは、愚弟にくれてやる(トランクの中に入れておく、間仕切りみたいなボックス)。
で、貰うモノ貰ったら、さっさと帰るに限る。
担当の営業さんは、マカンを買いそうなお客さんの対応に忙しそうだったしな。
整理札を係の方に渡して、ボクスターが出てくるのを待っていると、真っ赤な、本当に、真っ赤なスポーツカーのエンジン音が轟いた。
ドヲン、ロロロロロロオオオ・・・。
ロングノーズ、ショートデッキ、4本の排気管から出る排気音・・・。
つーか、痺れるミュージックは、紛れもないフェラーリのもの、いや、フェラーリ「だけ」のものだ。
(フェラーリ F12 ベルリネッタ 中古車試乗インプレッション FERRARI F12:動画出ます)
https://www.youtube.com/watch?v=E5CgobqxsJ0
「馬って、「匹」でいいんだっけ?」
馬は、「頭」です!。
まあ、どうでもいいんですが。
6リッターオーバー、740馬力。
馬、740「頭」分です。
このビデオのように、乾いた排気音をさせながら、走り去った後に、浮沈子の986ボクスターが出てくる。
・・・。
ショボ。
オーディエンスの視線が、つらそうにそらされるのが分かる。
仕方ないだろう。
見栄えと押し出しでは、ポルシェはフェラーリの敵ではない。
気筒数半分だしな。
カッコ悪いしな。
986は、丸っこいだけだしな。
ファニーな感じもあるしな。
涙目だしな。
銀色だしな。
派手さのカケラもない。
いいクルマなんだがな。
手放そうと、何度思っても、手放せないしな。
しかし、ド派手なF12を見た後には、ちょっと辛いものがある。
それ程に、衝撃的だ。
もちろん、ポルシェのモデルだって、凄いのはいくらでもあるだろうが、派手さでは敵わない。
F12は、どこへ出しても恥ずかしくない。
いや、恥ずかしいかな。
浮沈子は、くれるといっても乗れないだろう。
くれないしな・・・。
見かけだけではない。
このクルマの動的性能は、とびぬけている。
(【試乗記】「F12ベルリネッタはフェラーリ史上最高傑作のモデル!」)
http://jp.autoblog.com/2012/10/26/2013-ferrari-f12-berlinetta-first-drive-review-video/
「いま一般道を走っているアメリカやイギリス、ドイツの車と比べるなどということはまったくナンセンスなのだ。」
そうかもしれない。
バルカンは、公道走れないしな。
(限定24台のアストンマーティン・ヴァルカンが日本に1台上陸)
https://www.carnny.com/magazine/p870
「ヴァルカンはサーキット専用車として開発されている」
12気筒、ターボなし。
電動補助装置もなし。
神のエンジンが、咆哮する。
そういえば、帰り道には、アヴェンタドールも拝んだ。
(ランボルギーニ・アヴェンタドール)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%9C%E3%83%AB%E3%82%AE%E3%83%BC%E3%83%8B%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%B4%E3%82%A7%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%89%E3%83%BC%E3%83%AB
「2013年、ドバイでパトカーに採用された」
ちょっと、捕まってみたい気もするな。
「後ろの席で、書類書いてもらおうか。」
無理です!(2人乗りなので)。
まあいい。
ボクスターだって、2人乗りだい!。
ホンモノのスポーツカーを目にすると、そのオーラに圧倒される。
走るために、走るため「だけ」に作られたクルマ。
そう、サラブレッドそのものだ。
フェラーリについては、いろいろすったもんだがあるようだが、こういうクルマを作り続けるということは、これから益々難しくなっていくんだろう。
バルカンは、そこをサーキット専用ということで、上手くクリアした。
24台しか作らないしな。
2おく3ぜんまんえんだしな。
F12は4せんまんえんくらいだ。
安い!(頭、ぶっ壊れてます・・・)。
ちなみに、アヴェンタドールは4せん3びゃくまんえんくらい。
これも安い。
4輪駆動だしな。
今日は、目と耳の保養をした。
たまには、フェラーリの音を聞いて、リセットしないとな・・・。
(フェラーリ・F12ベルリネッタ)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%83%AA%E3%83%BBF12%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%AA%E3%83%8D%E3%83%83%E3%82%BF
最近は、ボクスターの点検か、車検の時くらいしか行かない。
まあ、試乗車とかあれば行きますけど。
都内、某ポルシェセンター。
今日は、神田と秋葉原に行ったついでに、帰りに寄ってみた。
お土産のグッズは、愚弟にくれてやる(トランクの中に入れておく、間仕切りみたいなボックス)。
で、貰うモノ貰ったら、さっさと帰るに限る。
担当の営業さんは、マカンを買いそうなお客さんの対応に忙しそうだったしな。
整理札を係の方に渡して、ボクスターが出てくるのを待っていると、真っ赤な、本当に、真っ赤なスポーツカーのエンジン音が轟いた。
ドヲン、ロロロロロロオオオ・・・。
ロングノーズ、ショートデッキ、4本の排気管から出る排気音・・・。
つーか、痺れるミュージックは、紛れもないフェラーリのもの、いや、フェラーリ「だけ」のものだ。
(フェラーリ F12 ベルリネッタ 中古車試乗インプレッション FERRARI F12:動画出ます)
https://www.youtube.com/watch?v=E5CgobqxsJ0
「馬って、「匹」でいいんだっけ?」
馬は、「頭」です!。
まあ、どうでもいいんですが。
6リッターオーバー、740馬力。
馬、740「頭」分です。
このビデオのように、乾いた排気音をさせながら、走り去った後に、浮沈子の986ボクスターが出てくる。
・・・。
ショボ。
オーディエンスの視線が、つらそうにそらされるのが分かる。
仕方ないだろう。
見栄えと押し出しでは、ポルシェはフェラーリの敵ではない。
気筒数半分だしな。
カッコ悪いしな。
986は、丸っこいだけだしな。
ファニーな感じもあるしな。
涙目だしな。
銀色だしな。
派手さのカケラもない。
いいクルマなんだがな。
手放そうと、何度思っても、手放せないしな。
しかし、ド派手なF12を見た後には、ちょっと辛いものがある。
それ程に、衝撃的だ。
もちろん、ポルシェのモデルだって、凄いのはいくらでもあるだろうが、派手さでは敵わない。
F12は、どこへ出しても恥ずかしくない。
いや、恥ずかしいかな。
浮沈子は、くれるといっても乗れないだろう。
くれないしな・・・。
見かけだけではない。
このクルマの動的性能は、とびぬけている。
(【試乗記】「F12ベルリネッタはフェラーリ史上最高傑作のモデル!」)
http://jp.autoblog.com/2012/10/26/2013-ferrari-f12-berlinetta-first-drive-review-video/
「いま一般道を走っているアメリカやイギリス、ドイツの車と比べるなどということはまったくナンセンスなのだ。」
そうかもしれない。
バルカンは、公道走れないしな。
(限定24台のアストンマーティン・ヴァルカンが日本に1台上陸)
https://www.carnny.com/magazine/p870
「ヴァルカンはサーキット専用車として開発されている」
12気筒、ターボなし。
電動補助装置もなし。
神のエンジンが、咆哮する。
そういえば、帰り道には、アヴェンタドールも拝んだ。
(ランボルギーニ・アヴェンタドール)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%9C%E3%83%AB%E3%82%AE%E3%83%BC%E3%83%8B%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%B4%E3%82%A7%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%89%E3%83%BC%E3%83%AB
「2013年、ドバイでパトカーに採用された」
ちょっと、捕まってみたい気もするな。
「後ろの席で、書類書いてもらおうか。」
無理です!(2人乗りなので)。
まあいい。
ボクスターだって、2人乗りだい!。
ホンモノのスポーツカーを目にすると、そのオーラに圧倒される。
走るために、走るため「だけ」に作られたクルマ。
そう、サラブレッドそのものだ。
フェラーリについては、いろいろすったもんだがあるようだが、こういうクルマを作り続けるということは、これから益々難しくなっていくんだろう。
バルカンは、そこをサーキット専用ということで、上手くクリアした。
24台しか作らないしな。
2おく3ぜんまんえんだしな。
F12は4せんまんえんくらいだ。
安い!(頭、ぶっ壊れてます・・・)。
ちなみに、アヴェンタドールは4せん3びゃくまんえんくらい。
これも安い。
4輪駆動だしな。
今日は、目と耳の保養をした。
たまには、フェラーリの音を聞いて、リセットしないとな・・・。
軽水炉 ― 2016年09月04日 18:13
軽水炉
研究炉シリーズで、軽水炉の系譜について書こうとして勉強中。
現在稼働中、あるいは稼働可能、あるいは近々稼働予定の商業用原子炉の約8割が軽水炉ということもあり、メジャーな原子炉形式だ。
そもそも、原子炉の区分というのは、様々な切り口で行われるので注意が必要だ。
浮沈子も、やや混乱しているので、この辺りで整理しておこう。
その前に、原子核反応の特性を理解しておく必要がある。
化学反応により、急速な酸化を起こして燃料が燃えるのとは異なり、核分裂を起こして熱を発生させる場合は、「燃える」という比喩的な表現が使われるだけで、いわゆる燃焼とは全く違う特性がある。
ウランとかプルトニウムの核分裂を継続的に起こすためには、まあ、放っておいても自然に崩壊するとはいえ、数万年という半減期では、役に立たない。
人間にとって都合よくエネルギーを取り出すには、中性子をぶつけて連鎖反応を起こさせる必要がある。
その場合、原爆のように一気に反応が進んで制御不可能にならないような仕組みが必要なわけだ。
実は、そこのところが良く分かっていない。
燃料が一定以上集まると、連鎖反応が起こるとか、中性子の速度を落としてやると連鎖反応が進むとか、燃料の温度を上げてやると反応が減少するとか、そういう定性的な話は出てくるが、そもそもなぜそうなのかが分からない。
たぶん、一番重要なのは、どんな燃料を使うかというところなんだろう。
濃縮されていない天然ウランを使うとか、低濃縮ウランを使うとか、高濃縮ウランを使うとか、プルトニウム(混合燃料)を使うとかいうのもある。
高速炉の場合、減速材を使わないというが、それで連鎖反応が進むというのも理解できていない。
その高速炉で使われるMOX燃料が、速度を落とした中性子を使って反応させる原子炉の中で燃えるというのも分からない。
中性子を吸収させてやると、反応が減少するというのもある。
効率よく反応させるためには、なるべく中性子を吸収しない方がいいらしいのだが、そういう材料を使って、燃え方を制御するということも行っている。
原子炉の説明の中でよく出てくる制御棒とか、冷却材の中には、中性子を吸収する成分が含まれていて、それを調節して出力を制御している。
ざっと、こんな感じかあ?。
というわけで、さっぱり分かっていないことがバレたわけだが、原子炉の区分というのが、中性子を減速させるかさせないか、減速のための材料は何かという切り口で行われる場合、それは、原子核分裂という原子炉の根幹にかかわる部分での区分であることが分かる。
冷却材についても、中性子の吸収という点では無関係ではない。
とにかく、中性子をどう制御するかというのが、原子炉のキモだということなわけだ。
・燃料:天然ウラン、低濃縮ウラン、高濃縮ウラン、プルトニウム混合燃料、その他(トリウム、溶融塩炉など)
・減速材:使わない(高速炉)、黒鉛、重水、軽水、その他
・冷却材:空気、二酸化炭素、ヘリウム、重水(減速材と共用)、軽水(減速材と共用の場合あり)、ナトリウム、鉛、その他
この他に、軽水炉では、加圧水型と沸騰水型があるし、冷却水の溜め方にしても、プール型とかループ型があったりする。
冷却材の温度に着目して、高温炉というのもある。
適当に組み合わせるわけにはいかないにしても、いろいろな原子炉が考えられるわけで、原料の供給、濃縮の手間、運用や経済性、規模拡張性の問題から、ある範囲に絞られてくるんだろう。
もともと、原子力潜水艦の動力炉(ボイラーの熱源)として発展した軽水炉にしても、ウラン濃縮可能な米国を中心に普及したわけだ。
(GTHTR300(C))
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2016/08/15/8152509
「・米国:
加圧水型×68(建設中×5)
沸騰水型×34」
約100基の商用原発全てが軽水炉だ。
・燃料:低濃縮ウラン
・減速材:軽水
・冷却材:軽水
冷却については、加圧水型と沸騰水型があるが、どちらも軽水を使う。
しかし、良く調べてみると、全く同じではない。
沸騰水型は、まあ、使っているうちにいろんなものが混じってくるとしても、基本的にはただの水だが、加圧水型にはホウ酸を混ぜて、その濃度を変えることにより、中性子の吸収をある程度コントロールしている。
(ホウ酸:用途)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9B%E3%82%A6%E9%85%B8#.E7.94.A8.E9.80.94
「ホウ素の高い中性子捕獲能力を利用して、原子炉の核分裂で生成する熱中性子への毒物質として利用されることがある。この場合は容易に水溶するホウ酸として利用することが多く、ホウ酸水の場合は冷却材も兼ねる。」
加圧水型の原子炉の場合は、冷却材はホウ酸水というのが正しいんだろうな。
ホウ酸水を使わない加圧水型の原子炉があるのかどうかは知らない。
なお、沸騰水型は、気相(水蒸気)と液相(水)が出来ることから、ホウ酸が析出するために、混ぜることが出来ないらしい。
(ケミカルシム)
http://www.rist.or.jp/atomica/dic/dic_detail.php?Dic_Key=242
「原子炉冷却材に熱中性子吸収の大きなホウ酸を溶解し、ホウ酸の濃度を調節することにより反応度を制御する方法をいう。」
「加圧水型軽水炉では、原子炉の出力を制御するため炉心に制御棒を挿入すると出力分布にひずみを生じるため、これを緩和するためにケミカルシムを併用している。」
「また、燃料の燃焼に伴う時間的に緩やかな反応度低下に対して補償を行う役割を担っている。」
「なお、沸騰水型軽水炉では一次冷却水が水と蒸気の二相流となり、溶解物が析出する可能性があるのでケミカルシムは行わず、再循環流量の調整等によって出力制御を行う。」
加圧水型の場合、一次冷却系は、圧力がかかっていて冷却水が沸騰しないために、吸収材を混ぜて動的に制御しているわけだ。
なんか、こっちの方が有利な感じがするな。
沸騰水型は、一次冷却水をいきなり沸騰させてタービンに送り込むわけで、熱効率は高いかもしれないが、ちょっと野蛮(?)な気がする(そうなのかあ?)。
さて、いい加減な知識で、適当にヨタ記事を書いていたら、こんなニュースが出ていた。
(停止中の伊方原発2号機で冷却水漏れたか)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160901/k10010664781000.html
「冷却水に含まれるホウ酸がこびりついているのが見つかりました。」
「漏れた量はおよそ10ミリリットルと推定され、外部への影響はないとしています。」
放射性物質を含む一次冷却系の配管が破れていたことが明らかになったわけで、停止中とはいえ、本来なら大騒ぎかも知れないが、福一の事故の後は、感覚がマヒしているので、全く気にならない(そっ、そうなのかあ?)。
既に廃炉作業中の1号機(1977年)と同じ頃に建設されていた(1981年)同型炉なわけだから、ひょっとすると、廃炉に向けてのアピールなのかもしれない。
3号機(再稼働中)だけで、十分なのかもしれない。
(伊方原発の事故想定し避難訓練 3号機の再稼働後初)
http://www.asahi.com/articles/ASJ936DWSJ93PTIL011.html
「避難経路や岸壁の崩壊、津波の危険性などは想定されなかった。」
「伊方3号機は今月7日にも営業運転に入る見込み。」
まあいい。
2号機は、圧力容器本体にも懸念がある。
(国内8カ所13基調査へ 圧力容器に強度不足の疑い)
http://mainichi.jp/articles/20160903/k00/00m/040/093000c
「問題のメーカーが製造していたのは、ほかに東京電力福島第2原発2、4号機(福島県)▽北陸電力志賀1号機(石川県)▽関西電力高浜2号機(福井県)、大飯1、2号機(同)▽日本原子力発電敦賀2号機(同)▽四国電力伊方2号機(愛媛県)▽九電玄海2、3、4号機(佐賀県)−−の原子炉圧力容器。」
どうやら、強度不足の疑いがあるらしい。
「6社は10月末までに強度に問題がないかなどをそれぞれ調査し、規制委に報告する。」
志賀1号機は、直下に活断層の疑いがあり、高浜2号機は60年の運転延長が認められるなど、話題が尽きない。
まあ、どうでもいいんですが。
ちなみに、米国では、加圧水型はウエスチングハウス、沸騰水型はゼネラルエレクトリックが開発を進めてきた経緯がある。
(原子力発電技術の開発経緯(PWR))
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_No=02-04-01-01
「PWRを最初に採用したのは1954年に進水した米国原子力潜水艦Nautilusである。ウェスチングハウス社(WH社)はこの開発に協力しこれを基に発電用原子炉の開発を進めた。」
(原子力発電技術の開発経緯(BWR) (02-03-01-01))
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_No=02-03-01-01
「炉容器内で軽水を沸騰させて直接蒸気を得る沸騰水型炉(BWR)は、発電プラント構成が単純化でき経済的にも優れたものとして、原子力発電の技術開発の当初より期待されていた。」
「GE社はカリフォルニア州のバレシトス研究所に電気出力500kWの原型炉(VBWR)を建設し1957年11月全出力運転に成功した。」
なお、記事中にもあるように、アルゴンヌ国立研究所が当初の開発を行っている。
この研究所については、そのうち、詳しく調べなくっちゃな。
研究炉シリーズで、軽水炉の系譜について書こうとして勉強中。
現在稼働中、あるいは稼働可能、あるいは近々稼働予定の商業用原子炉の約8割が軽水炉ということもあり、メジャーな原子炉形式だ。
そもそも、原子炉の区分というのは、様々な切り口で行われるので注意が必要だ。
浮沈子も、やや混乱しているので、この辺りで整理しておこう。
その前に、原子核反応の特性を理解しておく必要がある。
化学反応により、急速な酸化を起こして燃料が燃えるのとは異なり、核分裂を起こして熱を発生させる場合は、「燃える」という比喩的な表現が使われるだけで、いわゆる燃焼とは全く違う特性がある。
ウランとかプルトニウムの核分裂を継続的に起こすためには、まあ、放っておいても自然に崩壊するとはいえ、数万年という半減期では、役に立たない。
人間にとって都合よくエネルギーを取り出すには、中性子をぶつけて連鎖反応を起こさせる必要がある。
その場合、原爆のように一気に反応が進んで制御不可能にならないような仕組みが必要なわけだ。
実は、そこのところが良く分かっていない。
燃料が一定以上集まると、連鎖反応が起こるとか、中性子の速度を落としてやると連鎖反応が進むとか、燃料の温度を上げてやると反応が減少するとか、そういう定性的な話は出てくるが、そもそもなぜそうなのかが分からない。
たぶん、一番重要なのは、どんな燃料を使うかというところなんだろう。
濃縮されていない天然ウランを使うとか、低濃縮ウランを使うとか、高濃縮ウランを使うとか、プルトニウム(混合燃料)を使うとかいうのもある。
高速炉の場合、減速材を使わないというが、それで連鎖反応が進むというのも理解できていない。
その高速炉で使われるMOX燃料が、速度を落とした中性子を使って反応させる原子炉の中で燃えるというのも分からない。
中性子を吸収させてやると、反応が減少するというのもある。
効率よく反応させるためには、なるべく中性子を吸収しない方がいいらしいのだが、そういう材料を使って、燃え方を制御するということも行っている。
原子炉の説明の中でよく出てくる制御棒とか、冷却材の中には、中性子を吸収する成分が含まれていて、それを調節して出力を制御している。
ざっと、こんな感じかあ?。
というわけで、さっぱり分かっていないことがバレたわけだが、原子炉の区分というのが、中性子を減速させるかさせないか、減速のための材料は何かという切り口で行われる場合、それは、原子核分裂という原子炉の根幹にかかわる部分での区分であることが分かる。
冷却材についても、中性子の吸収という点では無関係ではない。
とにかく、中性子をどう制御するかというのが、原子炉のキモだということなわけだ。
・燃料:天然ウラン、低濃縮ウラン、高濃縮ウラン、プルトニウム混合燃料、その他(トリウム、溶融塩炉など)
・減速材:使わない(高速炉)、黒鉛、重水、軽水、その他
・冷却材:空気、二酸化炭素、ヘリウム、重水(減速材と共用)、軽水(減速材と共用の場合あり)、ナトリウム、鉛、その他
この他に、軽水炉では、加圧水型と沸騰水型があるし、冷却水の溜め方にしても、プール型とかループ型があったりする。
冷却材の温度に着目して、高温炉というのもある。
適当に組み合わせるわけにはいかないにしても、いろいろな原子炉が考えられるわけで、原料の供給、濃縮の手間、運用や経済性、規模拡張性の問題から、ある範囲に絞られてくるんだろう。
もともと、原子力潜水艦の動力炉(ボイラーの熱源)として発展した軽水炉にしても、ウラン濃縮可能な米国を中心に普及したわけだ。
(GTHTR300(C))
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2016/08/15/8152509
「・米国:
加圧水型×68(建設中×5)
沸騰水型×34」
約100基の商用原発全てが軽水炉だ。
・燃料:低濃縮ウラン
・減速材:軽水
・冷却材:軽水
冷却については、加圧水型と沸騰水型があるが、どちらも軽水を使う。
しかし、良く調べてみると、全く同じではない。
沸騰水型は、まあ、使っているうちにいろんなものが混じってくるとしても、基本的にはただの水だが、加圧水型にはホウ酸を混ぜて、その濃度を変えることにより、中性子の吸収をある程度コントロールしている。
(ホウ酸:用途)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9B%E3%82%A6%E9%85%B8#.E7.94.A8.E9.80.94
「ホウ素の高い中性子捕獲能力を利用して、原子炉の核分裂で生成する熱中性子への毒物質として利用されることがある。この場合は容易に水溶するホウ酸として利用することが多く、ホウ酸水の場合は冷却材も兼ねる。」
加圧水型の原子炉の場合は、冷却材はホウ酸水というのが正しいんだろうな。
ホウ酸水を使わない加圧水型の原子炉があるのかどうかは知らない。
なお、沸騰水型は、気相(水蒸気)と液相(水)が出来ることから、ホウ酸が析出するために、混ぜることが出来ないらしい。
(ケミカルシム)
http://www.rist.or.jp/atomica/dic/dic_detail.php?Dic_Key=242
「原子炉冷却材に熱中性子吸収の大きなホウ酸を溶解し、ホウ酸の濃度を調節することにより反応度を制御する方法をいう。」
「加圧水型軽水炉では、原子炉の出力を制御するため炉心に制御棒を挿入すると出力分布にひずみを生じるため、これを緩和するためにケミカルシムを併用している。」
「また、燃料の燃焼に伴う時間的に緩やかな反応度低下に対して補償を行う役割を担っている。」
「なお、沸騰水型軽水炉では一次冷却水が水と蒸気の二相流となり、溶解物が析出する可能性があるのでケミカルシムは行わず、再循環流量の調整等によって出力制御を行う。」
加圧水型の場合、一次冷却系は、圧力がかかっていて冷却水が沸騰しないために、吸収材を混ぜて動的に制御しているわけだ。
なんか、こっちの方が有利な感じがするな。
沸騰水型は、一次冷却水をいきなり沸騰させてタービンに送り込むわけで、熱効率は高いかもしれないが、ちょっと野蛮(?)な気がする(そうなのかあ?)。
さて、いい加減な知識で、適当にヨタ記事を書いていたら、こんなニュースが出ていた。
(停止中の伊方原発2号機で冷却水漏れたか)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160901/k10010664781000.html
「冷却水に含まれるホウ酸がこびりついているのが見つかりました。」
「漏れた量はおよそ10ミリリットルと推定され、外部への影響はないとしています。」
放射性物質を含む一次冷却系の配管が破れていたことが明らかになったわけで、停止中とはいえ、本来なら大騒ぎかも知れないが、福一の事故の後は、感覚がマヒしているので、全く気にならない(そっ、そうなのかあ?)。
既に廃炉作業中の1号機(1977年)と同じ頃に建設されていた(1981年)同型炉なわけだから、ひょっとすると、廃炉に向けてのアピールなのかもしれない。
3号機(再稼働中)だけで、十分なのかもしれない。
(伊方原発の事故想定し避難訓練 3号機の再稼働後初)
http://www.asahi.com/articles/ASJ936DWSJ93PTIL011.html
「避難経路や岸壁の崩壊、津波の危険性などは想定されなかった。」
「伊方3号機は今月7日にも営業運転に入る見込み。」
まあいい。
2号機は、圧力容器本体にも懸念がある。
(国内8カ所13基調査へ 圧力容器に強度不足の疑い)
http://mainichi.jp/articles/20160903/k00/00m/040/093000c
「問題のメーカーが製造していたのは、ほかに東京電力福島第2原発2、4号機(福島県)▽北陸電力志賀1号機(石川県)▽関西電力高浜2号機(福井県)、大飯1、2号機(同)▽日本原子力発電敦賀2号機(同)▽四国電力伊方2号機(愛媛県)▽九電玄海2、3、4号機(佐賀県)−−の原子炉圧力容器。」
どうやら、強度不足の疑いがあるらしい。
「6社は10月末までに強度に問題がないかなどをそれぞれ調査し、規制委に報告する。」
志賀1号機は、直下に活断層の疑いがあり、高浜2号機は60年の運転延長が認められるなど、話題が尽きない。
まあ、どうでもいいんですが。
ちなみに、米国では、加圧水型はウエスチングハウス、沸騰水型はゼネラルエレクトリックが開発を進めてきた経緯がある。
(原子力発電技術の開発経緯(PWR))
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_No=02-04-01-01
「PWRを最初に採用したのは1954年に進水した米国原子力潜水艦Nautilusである。ウェスチングハウス社(WH社)はこの開発に協力しこれを基に発電用原子炉の開発を進めた。」
(原子力発電技術の開発経緯(BWR) (02-03-01-01))
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_No=02-03-01-01
「炉容器内で軽水を沸騰させて直接蒸気を得る沸騰水型炉(BWR)は、発電プラント構成が単純化でき経済的にも優れたものとして、原子力発電の技術開発の当初より期待されていた。」
「GE社はカリフォルニア州のバレシトス研究所に電気出力500kWの原型炉(VBWR)を建設し1957年11月全出力運転に成功した。」
なお、記事中にもあるように、アルゴンヌ国立研究所が当初の開発を行っている。
この研究所については、そのうち、詳しく調べなくっちゃな。
プルトニウム燃料 ― 2016年09月05日 01:37
プルトニウム燃料
高速炉が燃える(炉は、燃えませんが)理由が、どうしても分からん!。
熱中性子炉で、ウラン原子が中性子を捕獲するためには、減速材で中性子の速度を落としてやり、ウランの原子核に捕まり易くしてやる必要があるということは、何となく分かったような気がしている。
ちゃんと分かったわけではない。
だから、高速炉でMOX燃料を燃やすということが分からない。
減速材がないんだから、燃えないんじゃないのか?。
もし、それで燃えるのなら、熱中性子炉である軽水炉でMOX燃料が燃えるというのが理解できなくなる。
ドツボだ・・・。
(プルトニウム燃料の特徴 (04-09-01-09))
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_No=04-09-01-09
「プルトニウム239が中性子1個を吸収した時の平均中性子発生数ηは、熱中性子領域で2.11、高速中性子領域では2.49であり、中性子経済の観点からは、プルトニウムは熱中性子炉よりも高速炉での利用において優れた特性をもつ核燃料物質である。」
「プルトニウムの原子核1個が核分裂すると約200MeVのエネルギーを発生し、これは235Uが核分裂した場合とほとんど差はない。」
「中性子1個を吸収した際に平均的に新たに発生する中性子の数η(<ν)が、実際に核分裂連鎖反応で利用できる中性子の数を表す。炉外への中性子の洩れを考慮すると、ηが1.2以上であれば連鎖反応(臨界状態)が維持できる。」
ここでは、燃料の増殖のことは考えないことにしよう(そんな余裕はない!)。
これを見ても、さっぱり分からない。
(高速増殖炉燃料の特徴 (04-09-02-04))
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_No=04-09-02-04
「燃料ペレットには、30wt%程度までの高いPu富化度のMOX燃料が使用される(Puのうち239Pu+241Puの割合は通常65~80wt%程度であるから核分裂性核種濃度としては、24wt%程度までとなる)。これは、高速中性子に対する核分裂断面積が熱中性子のそれに比べ約1/300と小さく、臨界性を確保するために核分裂性核種の濃度(個数密度)を高くする必要があるためである。」
ははあ、何となく少し分かってきた。
要するに、MOX燃料にも、軽水炉で燃やすための低富化度のヤツと、濃いプルトニウムの高富化度のMOX燃料とがあって、名前は同じMOX燃料だが、似て非なるものだということだ。
(表1 高速増殖炉燃料と軽水炉燃料の比較)
http://www.rist.or.jp/atomica/data/pict/04/04090204/01.gif
表中のPu-fissile富化度というのは、これのこと。
(核分裂性核種)
http://www.rist.or.jp/atomica/dic/dic_detail.php?Dic_Key=762
「一般に熱中性子(約0.0025電子ボルト(eV)のエネルギーをもつ)によって核分裂する核種、すなわちU-233、U-235、Pu-239などをいう」
「広義には2000万電子ボルト(=20 MeV)以下のエネルギーをもつ中性子の入射により核分裂を起こす可能性のある核種をいう。」
後者は、つまり、高速中性子含むということになる。
(高速中性子)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%AB%98%E9%80%9F%E4%B8%AD%E6%80%A7%E5%AD%90
「厳密な定義は無いがエネルギー値が0.1 - 1.0MeV(メガ電子ボルト)よりも大きいものを指すことが一般的」
参考までに、熱中性子も。
(中性子線)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E6%80%A7%E5%AD%90%E7%B7%9A
「中性子線を物質に当てると、中性子は物質内の原子の原子核と衝突を繰り返すうちにエネルギーを失って行く。やがて、周りの原子(分子)の熱運動と熱平衡状態に達し、その熱運動と同程度のエネルギー状態(kBT程度、kBはボルツマン定数、Tは絶対温度)となる。この状態になった中性子のことを、熱中性子と言う。」
「常温での値(=kBTでT = 300Kとして)は、およそ0.025eVである。」
高速炉用の燃料は、稠密配置されるようだな。
増殖率を上げるには、その方がいいらしい。
なんか、危ない話だなあ(そうなのかあ?)。
軽水炉燃料に比べて、冷却材温度が高いこと、燃焼度が高いことなども特徴だ。
しかし、何といっても、プルトニウム富化度が高いことが特徴だな。
もんじゅ燃料の場合は、総重量比30%未満かも知れないけどな。
劣化ウランと混ぜて、炉内で燃やせるわけだ。
高速中性子でもドンと来い!。
いやあ、しかし、まだよく分からないな。
ちょっと気になる記述もある。
「MOX燃料の再処理に当たっては、燃料ペレット中にスポット的にプルトニウム濃度の高い部分が散在して、100%PuO2またはそれに近い部分があると、不溶解残渣として溶け残ってしまう。一般に、MOXの場合Pu含有量が30%までならば溶解可能であると言われている。」
不可逆的に重合して、溶解できなくなるらしい。
(もんじゅ存廃議論 原子力行政の転換につなげたい)
http://www.ehime-np.co.jp/rensai/shasetsu/ren017201608317222.html
「青森県の再処理工場は稼働のめどが立たず、しかも使用済みMOX燃料は扱えない。」
あれま、こりゃ、マズいんじゃね?。
(論点5 使用済MOX燃料の再処理)
http://www.pref.miyagi.jp/uploaded/attachment/4085.pdf
実験的には、東海再処理工場で、ふげん(新型転換炉)の使用済みMOX燃料の再処理を行った実績があるようだが、燃焼度に注目すると、高々20GW以下だ(単位については、よく分かりませんが)。
もんじゅの燃料は、94GW程度の燃焼度を予定している。
世界のどこでも処理した実績はない。
(重水炉(新型転換炉)燃料の実例(原型炉「ふげん」用燃料) (04-09-02-06))
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_No=04-09-02-06
「軽水炉用MOX燃料と比較すると、ややプルトニウム富化度が低い」
ダメじゃん・・・。
2010年頃から検討して、2047年頃の六ケ所再処理工場が停止するまでには第2再処理工場を建てて、何とかするということになっているようだが、その第1再処理工場の稼働は延期に延期を重ねているので、そのうち、稼働開始前に耐用年数が経ってしまうんじゃないんだろうか?。
MOX燃料のことを考える時には、軽水炉用のヤツと、高速炉用のヤツを区別する必要があること、軽水炉用MOX燃料は、六ケ所再処理工場では処理できないこと、もんじゅクラスの高速炉用MOX燃料を再処理した実績はないことを考えておく必要がある(燃焼度記載ないしな)。
高速炉を考える時には、特に、燃料を念頭に置かないといけないようだ。
軽水炉のMOX燃料と異なり、プルトニウムの富化度が高いことがミソである。
このことが、高速中性子を上手く捕獲して、連鎖反応を起こすことに繋がるわけらしい。
画像は、高レベル放射性物質研究施設のパンフからのパクリだが、この数字は、もちろん同位体を含んだ数字だ。
反応に寄与するプルトニウム239の割合は、21パーセント程度だろう(70%として)。
軽水炉用のMOXの方については、せいぜい一桁に違いない。
この割合と、稠密度実装だけで、高速炉を駆動するということになる。
詳しいことは分からないが、もう、たぶん、人間業じゃないんだろうな。
自動運転必須だな(たぶん)。
いろいろなところで、もんじゅは危ないという話が出てくるのも、分かるような気がする。
が、しかし、なぜそうなのかというところは、依然として分からないままだ。
電源開発に紹介してもらった本は、まだ読んでいない。
(プルトニウム 単行本 – 1994/3)
https://www.amazon.co.jp/%E3%83%97%E3%83%AB%E3%83%88%E3%83%8B%E3%82%A6%E3%83%A0-%E9%88%B4%E6%9C%A8-%E7%AF%A4%E4%B9%8B/dp/4900622044
明日でも(もう、今日ですが)、東工大で立ち読みして来よう。
高速炉が燃える(炉は、燃えませんが)理由が、どうしても分からん!。
熱中性子炉で、ウラン原子が中性子を捕獲するためには、減速材で中性子の速度を落としてやり、ウランの原子核に捕まり易くしてやる必要があるということは、何となく分かったような気がしている。
ちゃんと分かったわけではない。
だから、高速炉でMOX燃料を燃やすということが分からない。
減速材がないんだから、燃えないんじゃないのか?。
もし、それで燃えるのなら、熱中性子炉である軽水炉でMOX燃料が燃えるというのが理解できなくなる。
ドツボだ・・・。
(プルトニウム燃料の特徴 (04-09-01-09))
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_No=04-09-01-09
「プルトニウム239が中性子1個を吸収した時の平均中性子発生数ηは、熱中性子領域で2.11、高速中性子領域では2.49であり、中性子経済の観点からは、プルトニウムは熱中性子炉よりも高速炉での利用において優れた特性をもつ核燃料物質である。」
「プルトニウムの原子核1個が核分裂すると約200MeVのエネルギーを発生し、これは235Uが核分裂した場合とほとんど差はない。」
「中性子1個を吸収した際に平均的に新たに発生する中性子の数η(<ν)が、実際に核分裂連鎖反応で利用できる中性子の数を表す。炉外への中性子の洩れを考慮すると、ηが1.2以上であれば連鎖反応(臨界状態)が維持できる。」
ここでは、燃料の増殖のことは考えないことにしよう(そんな余裕はない!)。
これを見ても、さっぱり分からない。
(高速増殖炉燃料の特徴 (04-09-02-04))
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_No=04-09-02-04
「燃料ペレットには、30wt%程度までの高いPu富化度のMOX燃料が使用される(Puのうち239Pu+241Puの割合は通常65~80wt%程度であるから核分裂性核種濃度としては、24wt%程度までとなる)。これは、高速中性子に対する核分裂断面積が熱中性子のそれに比べ約1/300と小さく、臨界性を確保するために核分裂性核種の濃度(個数密度)を高くする必要があるためである。」
ははあ、何となく少し分かってきた。
要するに、MOX燃料にも、軽水炉で燃やすための低富化度のヤツと、濃いプルトニウムの高富化度のMOX燃料とがあって、名前は同じMOX燃料だが、似て非なるものだということだ。
(表1 高速増殖炉燃料と軽水炉燃料の比較)
http://www.rist.or.jp/atomica/data/pict/04/04090204/01.gif
表中のPu-fissile富化度というのは、これのこと。
(核分裂性核種)
http://www.rist.or.jp/atomica/dic/dic_detail.php?Dic_Key=762
「一般に熱中性子(約0.0025電子ボルト(eV)のエネルギーをもつ)によって核分裂する核種、すなわちU-233、U-235、Pu-239などをいう」
「広義には2000万電子ボルト(=20 MeV)以下のエネルギーをもつ中性子の入射により核分裂を起こす可能性のある核種をいう。」
後者は、つまり、高速中性子含むということになる。
(高速中性子)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%AB%98%E9%80%9F%E4%B8%AD%E6%80%A7%E5%AD%90
「厳密な定義は無いがエネルギー値が0.1 - 1.0MeV(メガ電子ボルト)よりも大きいものを指すことが一般的」
参考までに、熱中性子も。
(中性子線)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E6%80%A7%E5%AD%90%E7%B7%9A
「中性子線を物質に当てると、中性子は物質内の原子の原子核と衝突を繰り返すうちにエネルギーを失って行く。やがて、周りの原子(分子)の熱運動と熱平衡状態に達し、その熱運動と同程度のエネルギー状態(kBT程度、kBはボルツマン定数、Tは絶対温度)となる。この状態になった中性子のことを、熱中性子と言う。」
「常温での値(=kBTでT = 300Kとして)は、およそ0.025eVである。」
高速炉用の燃料は、稠密配置されるようだな。
増殖率を上げるには、その方がいいらしい。
なんか、危ない話だなあ(そうなのかあ?)。
軽水炉燃料に比べて、冷却材温度が高いこと、燃焼度が高いことなども特徴だ。
しかし、何といっても、プルトニウム富化度が高いことが特徴だな。
もんじゅ燃料の場合は、総重量比30%未満かも知れないけどな。
劣化ウランと混ぜて、炉内で燃やせるわけだ。
高速中性子でもドンと来い!。
いやあ、しかし、まだよく分からないな。
ちょっと気になる記述もある。
「MOX燃料の再処理に当たっては、燃料ペレット中にスポット的にプルトニウム濃度の高い部分が散在して、100%PuO2またはそれに近い部分があると、不溶解残渣として溶け残ってしまう。一般に、MOXの場合Pu含有量が30%までならば溶解可能であると言われている。」
不可逆的に重合して、溶解できなくなるらしい。
(もんじゅ存廃議論 原子力行政の転換につなげたい)
http://www.ehime-np.co.jp/rensai/shasetsu/ren017201608317222.html
「青森県の再処理工場は稼働のめどが立たず、しかも使用済みMOX燃料は扱えない。」
あれま、こりゃ、マズいんじゃね?。
(論点5 使用済MOX燃料の再処理)
http://www.pref.miyagi.jp/uploaded/attachment/4085.pdf
実験的には、東海再処理工場で、ふげん(新型転換炉)の使用済みMOX燃料の再処理を行った実績があるようだが、燃焼度に注目すると、高々20GW以下だ(単位については、よく分かりませんが)。
もんじゅの燃料は、94GW程度の燃焼度を予定している。
世界のどこでも処理した実績はない。
(重水炉(新型転換炉)燃料の実例(原型炉「ふげん」用燃料) (04-09-02-06))
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_No=04-09-02-06
「軽水炉用MOX燃料と比較すると、ややプルトニウム富化度が低い」
ダメじゃん・・・。
2010年頃から検討して、2047年頃の六ケ所再処理工場が停止するまでには第2再処理工場を建てて、何とかするということになっているようだが、その第1再処理工場の稼働は延期に延期を重ねているので、そのうち、稼働開始前に耐用年数が経ってしまうんじゃないんだろうか?。
MOX燃料のことを考える時には、軽水炉用のヤツと、高速炉用のヤツを区別する必要があること、軽水炉用MOX燃料は、六ケ所再処理工場では処理できないこと、もんじゅクラスの高速炉用MOX燃料を再処理した実績はないことを考えておく必要がある(燃焼度記載ないしな)。
高速炉を考える時には、特に、燃料を念頭に置かないといけないようだ。
軽水炉のMOX燃料と異なり、プルトニウムの富化度が高いことがミソである。
このことが、高速中性子を上手く捕獲して、連鎖反応を起こすことに繋がるわけらしい。
画像は、高レベル放射性物質研究施設のパンフからのパクリだが、この数字は、もちろん同位体を含んだ数字だ。
反応に寄与するプルトニウム239の割合は、21パーセント程度だろう(70%として)。
軽水炉用のMOXの方については、せいぜい一桁に違いない。
この割合と、稠密度実装だけで、高速炉を駆動するということになる。
詳しいことは分からないが、もう、たぶん、人間業じゃないんだろうな。
自動運転必須だな(たぶん)。
いろいろなところで、もんじゅは危ないという話が出てくるのも、分かるような気がする。
が、しかし、なぜそうなのかというところは、依然として分からないままだ。
電源開発に紹介してもらった本は、まだ読んでいない。
(プルトニウム 単行本 – 1994/3)
https://www.amazon.co.jp/%E3%83%97%E3%83%AB%E3%83%88%E3%83%8B%E3%82%A6%E3%83%A0-%E9%88%B4%E6%9C%A8-%E7%AF%A4%E4%B9%8B/dp/4900622044
明日でも(もう、今日ですが)、東工大で立ち読みして来よう。
病的偏執 ― 2016年09月05日 04:20
病的偏執
もんじゅの廃炉の話を追いかけた。
ただの高速増殖炉の原型炉の廃止に、何を大騒ぎしているのかと思って調べていくと、とてつもない話に膨れ上がる。
もんじゅをやめるということは、高速増殖炉の開発そのものをやめるということであり、核燃料サイクル、再処理、MOX燃料、燃料のバックエンド(ゴミ処理ですな)の見直し、エネルギー政策全般、果ては、核兵器開発(の中止?)から日米安保条約の見直しに至るまで、全部絡んでくる話だという。
そうなんだろうか?。
欠陥だらけで、動かせなくて、さらに金を食う話になりそうだから、この際、やめましょうよというだけじゃないのかあ?。
浮沈子は、やめた方がいい方に1票だな。
だからといって、ちゃぶ台ひっくり返す必要はない。
時代が変わったのだ。
原発の過酷事故が続き、エネルギー事情も変わった。
核兵器を持ちたいという国家は別にして、向こう100年は採掘可能なウランを、ワンススルーで使えばいいだけの話になっただけだ。
今後、すうせんおくえんを掛けて研究するということであれば、核融合とかの方がいいような気もするしな。
夢があっていいしな。
高速増殖炉は、なんというか、こう、生臭くなってしまったわけだ。
常陽くらいで、引っ張っておけば良かったのだ。
再処理にしても、100年掛かりますくらいに言っておけば良かったんだろう(そうかあ?)。
来年出来ますとか言うからおかしくなる。
我が国に、原発を導入してきたジジイどもは、あと数年でいなくなる。
気にすることはない、キッパリと止めちまって、冥途の土産に持たせてやればいい。
浮沈子は、高速増殖炉を将来像にした核燃料サイクル自体に、うさん臭さを感じている。
いいじゃないの、ワンススルーで。
資源を外国に頼らざるを得ないというのは、我が国の宿命であって、それを未来永劫受け入れていけばいいだけの話だ。
それに、ちょっと調べれば分かるが、海水からのウランの採取は、結構いい線いっている。
無尽蔵の資源だ。
核燃料サイクルにしがみついて、どぶに金を捨て続けるか、目先の経済性に目が眩んで、国家百年の計を誤るか。
浮沈子なら、間違いなく目先だな。
先のことなんて分かりっこない。
もちろん、やっぱ、核燃料サイクルがいいという結論になるかもしれない。
しかし、今の我が国の状況では、このまま100年続けるわけにはいかない。
一度、撤退して、仕切り直しがいいような気がする。
結論を急ぎ過ぎたんだろう。
それは、どこからかの圧力だったのかもしれない。
米国とか、フランスとか。
あれだけの事故を起こしたわけだし、暫くの間、開発が停滞したって仕方ない。
宇宙開発や、航空機開発のようなもんだ。
我が国は、2011年3月11日に、敗戦したのだ・・・。
原発産業は、さながら焼野原だな。
再稼働さえ、おぼつかない。
核燃料サイクルを見直したって、我が国のエネルギー供給に直ちに問題が発生するわけではない。
核廃棄物の処理では苦労することになるだろうが、核兵器開発疑惑を受けなくて済むという、まあ、当然のメリットもあるしな(メリットかあ?)。
核燃料サイクルを見捨てて、ワンススルーで、核廃棄物は電力会社が費用負担して処分するという仕切り直しをして、それでも原発がいいというなら、それはそれでいいだろう。
他の国は、それでやってるわけだし、出来ない話ではないはずだ。
電力会社は、いくつか潰れるかもしれないが、それで電気が止まるわけではない。
多少、産業が停滞したり、経済の混乱があるかもしれないが、それは一時期の話だ。
むしろ、不良債権を整理して、健全経営を果たしたということで、評価されるかも知れないしな。
ただし、将来に向けての研究開発は続けるべきだろう。
時間をかけて、じっくり行えばいいのだ。
100年でも、200年でも、時間はたっぷりある。
(高速増殖炉の必要性 (03-01-01-02))
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_No=03-01-01-02
「資源小国の日本においてエネルギーの安定供給を長期的に確保するためには、限られた量のU資源を有効利用できるFBRの開発が必要である。」
この手の記事を読むと、ちょっと病的な偏執を感じる。
エネルギーを自前で調達しなければならないというのは、なぜなのか。
世界で、自前のエネルギーだけでやっていける国なんて、数が知れている。
どこの国も、他国から輸入して、やりくりしている。
ほんの一握りの国だけが、自前のエネルギーでやっていけるだけだ。
なぜ、我が国がそうならなければならないのか。
そんな理由はどこにもないだろう。
無理せずに、身の丈に合った生活をすればいいのだ。
ウラン資源を100倍にして使おうなんて話は、普通に考えればあり得ない話だということは誰でも気づく話だ。
世の中に旨い話はないのだ。
あるとすれば、詐欺である。
国家の詐欺に、まんまと騙されて、今まで半世紀以上もドブに金を捨ててきたわけだが、気付いただけでもめっけもんだろう。
今なら、傷が浅いうちに手を打てる。
幸い、景気は回復しそうもないし、エネルギー需要も逼迫してはいない。
これからは、国内産業は縮退していく運命にあるわけだし、いいタイミングかも知れない。
我が国には、これ以上新たな投資をする価値もないしな。
成長の限界というやつだ。
潮時かあ。
そんな気もする。
100年間、10兆円を掛けて、地道に研究することだな。
もんじゅに金をかけるなら、その金を違うことに使った方がいい。
昨日も書いたが、我が国には、ロシアのように27回ものナトリウム漏れを許容する度量はない。
その度に20年ずつ停炉すれば、完成するまでには、後520年掛かることになる。
もんじゅは年間220億掛かるそうだから、11ちょう4せん4ひゃくおくえんの出費だ(電卓、桁溢れ!)。
まあいい。
たぶん、そういう計算にはならないんだろうけど、そのくらいの感覚でいいのだ。
それだって、我が国が抱えている借金の1パーセントくらいの話だ。
無理して、維持する話じゃないし、おそらく技術的にも、新しい研究に投資した方が有益に決まっている。
当事者としては、いろいろ言いたいことがあるだろうし、原発反対の意見の方にしてみれば、全面的な原発廃炉に繋がらないのはもどかしいかもしれないが、先のことは分からない。
100年経ったら、少なくとも人口は3分の1だしな。
原発なんて、そもそも必要ないかもしれないしな。
水力と、若干の火力、再生可能エネルギーで、十分やっていけるだろう。
それが、真の意味での国家百年の計に違いない(って、そうなのかあ?)。
まあ、どうでもいいんですが。
ウランなんて、その頃は、価格が暴落して、産出国が、泣いて買ってくれと言ってるかもしれないしな。
いやいや、ウランどころか、プルトニウムや核兵器だって、余って仕方がないに違いない(ロシアは、だから高速炉(増殖はしません)を、無理して開発したわけだしな)。
細々と研究を続けながら、再起の時を待つしかないだろう。
別に、我が国に限った話ではないだろうしな。
山のような核廃棄物に埋もれ、自分たちの祖先を恨みながら暮らしている子孫たち・・・。
何をすべきか、何をすべきでないのかを、今こそ、じっくりと考えるべきだろう・・・。
もんじゅの廃炉の話を追いかけた。
ただの高速増殖炉の原型炉の廃止に、何を大騒ぎしているのかと思って調べていくと、とてつもない話に膨れ上がる。
もんじゅをやめるということは、高速増殖炉の開発そのものをやめるということであり、核燃料サイクル、再処理、MOX燃料、燃料のバックエンド(ゴミ処理ですな)の見直し、エネルギー政策全般、果ては、核兵器開発(の中止?)から日米安保条約の見直しに至るまで、全部絡んでくる話だという。
そうなんだろうか?。
欠陥だらけで、動かせなくて、さらに金を食う話になりそうだから、この際、やめましょうよというだけじゃないのかあ?。
浮沈子は、やめた方がいい方に1票だな。
だからといって、ちゃぶ台ひっくり返す必要はない。
時代が変わったのだ。
原発の過酷事故が続き、エネルギー事情も変わった。
核兵器を持ちたいという国家は別にして、向こう100年は採掘可能なウランを、ワンススルーで使えばいいだけの話になっただけだ。
今後、すうせんおくえんを掛けて研究するということであれば、核融合とかの方がいいような気もするしな。
夢があっていいしな。
高速増殖炉は、なんというか、こう、生臭くなってしまったわけだ。
常陽くらいで、引っ張っておけば良かったのだ。
再処理にしても、100年掛かりますくらいに言っておけば良かったんだろう(そうかあ?)。
来年出来ますとか言うからおかしくなる。
我が国に、原発を導入してきたジジイどもは、あと数年でいなくなる。
気にすることはない、キッパリと止めちまって、冥途の土産に持たせてやればいい。
浮沈子は、高速増殖炉を将来像にした核燃料サイクル自体に、うさん臭さを感じている。
いいじゃないの、ワンススルーで。
資源を外国に頼らざるを得ないというのは、我が国の宿命であって、それを未来永劫受け入れていけばいいだけの話だ。
それに、ちょっと調べれば分かるが、海水からのウランの採取は、結構いい線いっている。
無尽蔵の資源だ。
核燃料サイクルにしがみついて、どぶに金を捨て続けるか、目先の経済性に目が眩んで、国家百年の計を誤るか。
浮沈子なら、間違いなく目先だな。
先のことなんて分かりっこない。
もちろん、やっぱ、核燃料サイクルがいいという結論になるかもしれない。
しかし、今の我が国の状況では、このまま100年続けるわけにはいかない。
一度、撤退して、仕切り直しがいいような気がする。
結論を急ぎ過ぎたんだろう。
それは、どこからかの圧力だったのかもしれない。
米国とか、フランスとか。
あれだけの事故を起こしたわけだし、暫くの間、開発が停滞したって仕方ない。
宇宙開発や、航空機開発のようなもんだ。
我が国は、2011年3月11日に、敗戦したのだ・・・。
原発産業は、さながら焼野原だな。
再稼働さえ、おぼつかない。
核燃料サイクルを見直したって、我が国のエネルギー供給に直ちに問題が発生するわけではない。
核廃棄物の処理では苦労することになるだろうが、核兵器開発疑惑を受けなくて済むという、まあ、当然のメリットもあるしな(メリットかあ?)。
核燃料サイクルを見捨てて、ワンススルーで、核廃棄物は電力会社が費用負担して処分するという仕切り直しをして、それでも原発がいいというなら、それはそれでいいだろう。
他の国は、それでやってるわけだし、出来ない話ではないはずだ。
電力会社は、いくつか潰れるかもしれないが、それで電気が止まるわけではない。
多少、産業が停滞したり、経済の混乱があるかもしれないが、それは一時期の話だ。
むしろ、不良債権を整理して、健全経営を果たしたということで、評価されるかも知れないしな。
ただし、将来に向けての研究開発は続けるべきだろう。
時間をかけて、じっくり行えばいいのだ。
100年でも、200年でも、時間はたっぷりある。
(高速増殖炉の必要性 (03-01-01-02))
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_No=03-01-01-02
「資源小国の日本においてエネルギーの安定供給を長期的に確保するためには、限られた量のU資源を有効利用できるFBRの開発が必要である。」
この手の記事を読むと、ちょっと病的な偏執を感じる。
エネルギーを自前で調達しなければならないというのは、なぜなのか。
世界で、自前のエネルギーだけでやっていける国なんて、数が知れている。
どこの国も、他国から輸入して、やりくりしている。
ほんの一握りの国だけが、自前のエネルギーでやっていけるだけだ。
なぜ、我が国がそうならなければならないのか。
そんな理由はどこにもないだろう。
無理せずに、身の丈に合った生活をすればいいのだ。
ウラン資源を100倍にして使おうなんて話は、普通に考えればあり得ない話だということは誰でも気づく話だ。
世の中に旨い話はないのだ。
あるとすれば、詐欺である。
国家の詐欺に、まんまと騙されて、今まで半世紀以上もドブに金を捨ててきたわけだが、気付いただけでもめっけもんだろう。
今なら、傷が浅いうちに手を打てる。
幸い、景気は回復しそうもないし、エネルギー需要も逼迫してはいない。
これからは、国内産業は縮退していく運命にあるわけだし、いいタイミングかも知れない。
我が国には、これ以上新たな投資をする価値もないしな。
成長の限界というやつだ。
潮時かあ。
そんな気もする。
100年間、10兆円を掛けて、地道に研究することだな。
もんじゅに金をかけるなら、その金を違うことに使った方がいい。
昨日も書いたが、我が国には、ロシアのように27回ものナトリウム漏れを許容する度量はない。
その度に20年ずつ停炉すれば、完成するまでには、後520年掛かることになる。
もんじゅは年間220億掛かるそうだから、11ちょう4せん4ひゃくおくえんの出費だ(電卓、桁溢れ!)。
まあいい。
たぶん、そういう計算にはならないんだろうけど、そのくらいの感覚でいいのだ。
それだって、我が国が抱えている借金の1パーセントくらいの話だ。
無理して、維持する話じゃないし、おそらく技術的にも、新しい研究に投資した方が有益に決まっている。
当事者としては、いろいろ言いたいことがあるだろうし、原発反対の意見の方にしてみれば、全面的な原発廃炉に繋がらないのはもどかしいかもしれないが、先のことは分からない。
100年経ったら、少なくとも人口は3分の1だしな。
原発なんて、そもそも必要ないかもしれないしな。
水力と、若干の火力、再生可能エネルギーで、十分やっていけるだろう。
それが、真の意味での国家百年の計に違いない(って、そうなのかあ?)。
まあ、どうでもいいんですが。
ウランなんて、その頃は、価格が暴落して、産出国が、泣いて買ってくれと言ってるかもしれないしな。
いやいや、ウランどころか、プルトニウムや核兵器だって、余って仕方がないに違いない(ロシアは、だから高速炉(増殖はしません)を、無理して開発したわけだしな)。
細々と研究を続けながら、再起の時を待つしかないだろう。
別に、我が国に限った話ではないだろうしな。
山のような核廃棄物に埋もれ、自分たちの祖先を恨みながら暮らしている子孫たち・・・。
何をすべきか、何をすべきでないのかを、今こそ、じっくりと考えるべきだろう・・・。
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