肝を冷やす打ち上げ2018年04月06日 16:17

肝を冷やす打ち上げ
肝を冷やす打ち上げ


ライブ中継で打ち上げから13分前後で、数十秒間テレメトリーがブチ切れる事象が発生した。

( Live Ariane 5 ECA Launches Superbird-8/DSN-1 and HYLAS-4 Satellites (VA 242))
https://www.youtube.com/watch?v=5KJve2pW4gQ

それ以外は、中継局の切り替えで、ちゃんとコメントも出たが、ちょっと肝を冷やした(13分前後の時には、関係者全員の脳裏に、前回の打ち上げの悪夢が過ったんじゃないのかあ?)。

(アリアン5チョンボ)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2018/01/26/8777181

「どうも、テレメトリーが来なくなって、情況が分からなくなったらしい。」

ちょうど、スカパーの宣伝が流れてる時だったしな・・・。

スーパーバード8と、相乗りのハイラス4の打ち上げは、それ以外は順調に展開した。

(Ariane 5 returns to service with dual-satellite launch)
https://spaceflightnow.com/2018/04/05/ariane-5-returns-to-service-with-dual-satellite-launch/

(Xバンド防衛通信衛星「きらめき1号」の打上げ結果について)
http://www.mod.go.jp/j/press/news/2018/04/06a.html

「Xバンド防衛通信衛星「きらめき1号」については、本日、6時34分(日本時間)に仏領ギアナから打上げられ、ロケットから正常に分離したことが確認されました。」

やれやれ・・・。

この衛星は、スカパーが請け負って、同じ衛星(スーパーバード8)の区分所有として飛ばしている。

(スーパーバード8)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2017/01/27/8335941

「これは、実はきらめき1号のことだ。」

トランスポンダは別になっていて、アンテナとかも専用のを使っているのかもしれないが、電源や衛星バスなどは共有している(たぶん)。

軍事情報だから、もちろん暗号化されていて、スカパーの番組を見ていると、国家機密が駄々洩れになるというような話にはならない(たぶん?)。

しかし、物理的には、同じ衛星の上に乗っかっていて、何かトラブルが生じれば一蓮托生になることは間違いない。

先に打ち上げられたきらめき2号は、専用衛星として開発されて、H2Aで上がっている。

(怪しい衛星)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2017/01/23/8331876

「種子島での発射は2号のみ。」

最近の話では、3号はH3で上げるようだ。

まあ、順調に開発が進んで、予定通り打ち上げが始められればの話になる。

(H3ロケット)
https://ja.wikipedia.org/wiki/H3%E3%83%AD%E3%82%B1%E3%83%83%E3%83%88

「打ち上げ予定
・2020年度
先進レーダ衛星-試験機1号機

・2021年度
次期技術試験衛星-試験機2号機
HTV-X(2021年度以降)

・2022年度
Xバンド防衛通信衛星3号機(きらめき3号)
(以下、略)」

一応、ダメ出しが済んだころだから、それ程リスキーではないが、アリアンとかファルコンで打ち上げた方が無難な気がするがな。

まあいい。

種子島なら、船舶による輸送だから、気圧の変化でコンテナが潰れることもないだろう。

運用開始は7月あたりからになるようだ。

陸海空で異なる通信規格を調整して、一元的な通信が可能になるといわれている。

(Xバンド防衛通信衛星)
https://ja.wikipedia.org/wiki/X%E3%83%90%E3%83%B3%E3%83%89%E9%98%B2%E8%A1%9B%E9%80%9A%E4%BF%A1%E8%A1%9B%E6%98%9F

「さらに通信方式の違う陸・海・空の3自衛隊のそれぞれの通信を変換して伝送できるため、自衛隊の統合運用能力を高めることができる」

「3号機 きらめき3号 DSN-3 2022年度予定 H3ロケット」

H2Aは、打ち上げの中継とか行わなかったがな。

今朝は、アリアン5打ち上げの生中継を拝ませてもらった。

衛星の形状とかも公表されている。

(VA242 DSN-1/Superbird-8 HYLAS 4)
http://www.arianespace.com/wp-content/uploads/2018/03/VA242-launchkit-EN2.pdf

いずれにしても、無事に上がって何よりだ。

ザ・タイムズってないの?2018年04月06日 22:24

ザ・タイムズってないの?
ザ・タイムズってないの?


ペンタゴン・ペーパーズについて調べていたら、どっちかといえば、事件的にはニューヨークタイムズの方が、主役級の新聞社ということが分かってきた。

もちろん、スクープしたのもそうだし、ベトナムへ派遣した記者との繋がりから、エルズバーグが垂れ込んだ経緯を含めて考えると、こっちをドラマ化して欲しいような気もするんだがな。

色気、ないけど・・・。

キャサリン・グラハムみたいな、素人受けしやすいネタもないし。

その後のウォーターゲート事件への繋がりもないからな。

エンディングに苦労しそうな気もするけどな。

それでも、社運をかけて公表に踏み切ったのは、タイムズだったわけで、他紙は、後追いしたに過ぎない。

ワシントンポストは、当初、ベトナム戦争を支持していたともいわれている。

(ワシントン・ポストの女性社主が小型ヘリに乗り、戦場を視察した)
https://www.newsweekjapan.jp/stories/culture/2018/03/post-9853_3.php

「当時ポスト紙は、ベトナム戦争への米国の介入を強力に支持する論調で有名だった。」

そもそも、ザ・ポストという映画の題名自体が、ザ・タイムズと呼ばれていたニューヨークタイムズに対する憧れというか、そうなりたいという願望からの命名なんだそうだ(そうかあ?)。

(ウォーターゲート報道にいたる分岐点 映画『ペンタゴン・ペーパーズ』)
https://www.newsweekjapan.jp/ooba/2018/03/post-49.php

「ニューヨーク・タイムズはアメリカの新聞のなかでずば抜けた存在だ、とブラッドリーも認めざるをえないことが多かった。大きな仕事をするだけの財政的な力、取材態勢、権威と伝統をもっている新聞はタイムズ以外にない。タイムズは、政府の官僚機構に匹敵する組織をもち、独自の権力機構になっているように思えた。タイムズだけは"ザ・タイムズ"と、正式の名前で呼ばれる。そのほかは、ただの新聞に過ぎない」

へえーっ・・・。

この記事では、2ページ目に、ペンタゴンペーパーズのスクープが、如何にしてタイムズによってなされたかについても書かれている。

「タイムズは、65年にはすでにサイゴン支局に3人のきわめて優秀な記者を配置していた。そのひとりが、シーハンであり、彼はそこでダニエル・エルズバーグとも知り合っていた。」

「一方、ポストも記者を派遣していなかったわけではないが、影響力を持つ主筆がタカ派だったこともあり、ずっとベトナム戦争を支持してきた。戦争反対の姿勢を明確に打ち出したのは69年半ばのことで、東部の主要なマスコミ各社のなかで最も遅かった。ブラッドリーもベトナムには手をつけなかった。エルズバーグが機密文書をシーハンに託すのも当然だろう。」

うーん、なかなか手厳しいな。

もっとも、ニューズウィークは、かつてポストの傘下にありながら、のちに売りに出されたようだからな(そういうことかあ?)。

まあ、どうでもいいんですが。

いろいろ調べるにつけ、二番煎じでも何でもいいから、ニューヨークタイムズ側ををメインにした映画とかも作って欲しい気分になった。

その時には、本作の背景となり、米国が唯一敗北を喫したベトナム戦争について、もっと掘り下げて欲しいもんだ。

色気なし、女性社長なし、アカデミー賞なしでもいいからさ・・・。