損耗率5パーセントは想定の範囲内なのか ― 2019年07月04日 04:40
損耗率5パーセントは想定の範囲内なのか
将来の高速インターネット接続のバックボーンであり、地球上の未接続地域の解消も狙う、人類の未来のネットワーク=低軌道衛星コンステレーション。
その嚆矢であるスターリンク衛星群(まあ、ワンウェブの方が6機先に上げたけどな)。
最終的には1万2千機をブンブン回して運用する予定なんだが、とりあえずは60機打ち上げた。
その後、光学的天文観測の障害になるとか、電波天文学的には破滅だとか、難癖付けられてたみたいだが、順調な飛行をしていると思われていた。
(SpaceXは3つのStarlink衛星との連絡が途絶えました:標題から自動翻訳のまま:以下同じ)
https://www.universetoday.com/142733/spacex-has-lost-contact-with-3-of-its-starlink-satellites/
「先月の間に、SpaceXは60の衛星すべてが応答していたと発表しました、しかし最近接触がそれらのうちの3つと失われたことを示しました。」
さらに、大気圏に再突入して消滅させる運用に供するため、2機が計画的に失われるという。
合計5機が、宇宙の藻屑となる(えーと、通信できなくなった3基も、「受動的に」再突入するためにデブリにはならない模様)。
60機上げて、3基は意味なく損耗したわけだ。
初回の打ち上げとはいえ、5パーセントの損耗率は決して低くはない。
まあ、あのデプロイの仕方(衛星保持機構から1基ずつ放出するのではなく、2段目をぶん回して、纏めて放り出すだけ)を見れば、3機位壊れたからと言って不思議はないような気もする。
今後は、故障の原因を追究して、損耗率を下げていくことになるだろう。
なにしろ、1万2千機だからな。
その5パーセントということになると、ざっと600機だからな。
お安くない話だ・・・。
「SpaceXのスポークスマンが出した声明によると、残りの衛星はうまく機能しており、それらのほとんどすべてが正常に運用軌道に到達しています。」
「これまでのところ、45個の衛星が軌道を上げ終えており、5個がまだ軌道に乗っていて、残りの5個はロケットを使う前にシステムチェックを完了しています。」
「それらがすべて動作可能になると、これらの衛星はStarlinkネットワークの信号速度と容量、さらに宇宙から信頼性のある低遅延、高帯域幅のインターネットサービスを提供する能力をテストします。」
「SpaceXは2024年4月までにフェーズI星座の前半(1,584衛星)を展開し、続いて2027年11月までにフェーズII(別の2200衛星)を展開することを計画しています。」
まあ、この手の話は、ころころ予定が変わるから、当てにしないでおこう。
当面は、衛星間光通信がないKaバンドだけのサブセットのようだしな。
未来は、1日にして成らずだ。
それでも、数千機規模の衛星群の展開について、具体的なスケジュールを示していて、それが実現可能なのはスペースXだけだろう。
低軌道でなければ、低遅延時間(低レイテンシ)の実現は困難だし、軌道が低ければ薄い大気の影響で衛星寿命が短くなり、運用上、大量の追加打ち上げを必要とする。
打ち上げ能力と低レイテンシには、密接不可分な関係があるわけだ。
ワンウェブにしても、その他のサービスにしても、衛星インターネットを実現させるために、その兼ね合いを見ている。
浮沈子がインターリンクに注目しているのは、大型の部分的再使用ロケットを量産でき、打ち上げコストと頻度をコントロールできるスペースXが始めた事業だからということもある。
衛星の設計製造にも乗り出し、ロケットへの搭載や放出に際して最適化された設計を施している。
全て自前でなければ、こういう芸当は難しいだろうな。
その本格的な打ち上げの中で、損耗が具体的に出てきたわけで、今後の展開にも影響が出そうだ。
インターリンク衛星については、ファルコンシリーズの打ち上げとは異なる意味で、今後も注目してく。
何かあれば、また書く。
(スペースXのネット衛星群、3基と通信が途絶えるも「順調」:追加)
https://www.technologyreview.jp/nl/spacex-has-lost-communication-with-three-of-its-60-starlink-satellites/
「スペースXは米国連邦通信委員会(FCC)から「優先権」を得ている。つまり、地球低軌道(LEO)で他社の人工衛星の通信ネットワークと競合が生じたら、FCCが最初にスペースXの周波数を選ぶこともあり得るということだ。」
へええーっ、知らなかったな・・・。
(衛星ブロードバンド「スターリンク」3基が通信不能に:追加)
https://sorae.info/030201/2019_07_08_star.html
「すべての人工衛星が予定通りに動作しないのは想定済みだ」(元記事の原文:"It's possible that some of these satellites may not work, and in fact [there's a] small possibility that all of the satellites will not work,":以下略)
日本語って難しいな(「すべての人工衛星」が動作しなかったら大変だけどな)・・・。
将来の高速インターネット接続のバックボーンであり、地球上の未接続地域の解消も狙う、人類の未来のネットワーク=低軌道衛星コンステレーション。
その嚆矢であるスターリンク衛星群(まあ、ワンウェブの方が6機先に上げたけどな)。
最終的には1万2千機をブンブン回して運用する予定なんだが、とりあえずは60機打ち上げた。
その後、光学的天文観測の障害になるとか、電波天文学的には破滅だとか、難癖付けられてたみたいだが、順調な飛行をしていると思われていた。
(SpaceXは3つのStarlink衛星との連絡が途絶えました:標題から自動翻訳のまま:以下同じ)
https://www.universetoday.com/142733/spacex-has-lost-contact-with-3-of-its-starlink-satellites/
「先月の間に、SpaceXは60の衛星すべてが応答していたと発表しました、しかし最近接触がそれらのうちの3つと失われたことを示しました。」
さらに、大気圏に再突入して消滅させる運用に供するため、2機が計画的に失われるという。
合計5機が、宇宙の藻屑となる(えーと、通信できなくなった3基も、「受動的に」再突入するためにデブリにはならない模様)。
60機上げて、3基は意味なく損耗したわけだ。
初回の打ち上げとはいえ、5パーセントの損耗率は決して低くはない。
まあ、あのデプロイの仕方(衛星保持機構から1基ずつ放出するのではなく、2段目をぶん回して、纏めて放り出すだけ)を見れば、3機位壊れたからと言って不思議はないような気もする。
今後は、故障の原因を追究して、損耗率を下げていくことになるだろう。
なにしろ、1万2千機だからな。
その5パーセントということになると、ざっと600機だからな。
お安くない話だ・・・。
「SpaceXのスポークスマンが出した声明によると、残りの衛星はうまく機能しており、それらのほとんどすべてが正常に運用軌道に到達しています。」
「これまでのところ、45個の衛星が軌道を上げ終えており、5個がまだ軌道に乗っていて、残りの5個はロケットを使う前にシステムチェックを完了しています。」
「それらがすべて動作可能になると、これらの衛星はStarlinkネットワークの信号速度と容量、さらに宇宙から信頼性のある低遅延、高帯域幅のインターネットサービスを提供する能力をテストします。」
「SpaceXは2024年4月までにフェーズI星座の前半(1,584衛星)を展開し、続いて2027年11月までにフェーズII(別の2200衛星)を展開することを計画しています。」
まあ、この手の話は、ころころ予定が変わるから、当てにしないでおこう。
当面は、衛星間光通信がないKaバンドだけのサブセットのようだしな。
未来は、1日にして成らずだ。
それでも、数千機規模の衛星群の展開について、具体的なスケジュールを示していて、それが実現可能なのはスペースXだけだろう。
低軌道でなければ、低遅延時間(低レイテンシ)の実現は困難だし、軌道が低ければ薄い大気の影響で衛星寿命が短くなり、運用上、大量の追加打ち上げを必要とする。
打ち上げ能力と低レイテンシには、密接不可分な関係があるわけだ。
ワンウェブにしても、その他のサービスにしても、衛星インターネットを実現させるために、その兼ね合いを見ている。
浮沈子がインターリンクに注目しているのは、大型の部分的再使用ロケットを量産でき、打ち上げコストと頻度をコントロールできるスペースXが始めた事業だからということもある。
衛星の設計製造にも乗り出し、ロケットへの搭載や放出に際して最適化された設計を施している。
全て自前でなければ、こういう芸当は難しいだろうな。
その本格的な打ち上げの中で、損耗が具体的に出てきたわけで、今後の展開にも影響が出そうだ。
インターリンク衛星については、ファルコンシリーズの打ち上げとは異なる意味で、今後も注目してく。
何かあれば、また書く。
(スペースXのネット衛星群、3基と通信が途絶えるも「順調」:追加)
https://www.technologyreview.jp/nl/spacex-has-lost-communication-with-three-of-its-60-starlink-satellites/
「スペースXは米国連邦通信委員会(FCC)から「優先権」を得ている。つまり、地球低軌道(LEO)で他社の人工衛星の通信ネットワークと競合が生じたら、FCCが最初にスペースXの周波数を選ぶこともあり得るということだ。」
へええーっ、知らなかったな・・・。
(衛星ブロードバンド「スターリンク」3基が通信不能に:追加)
https://sorae.info/030201/2019_07_08_star.html
「すべての人工衛星が予定通りに動作しないのは想定済みだ」(元記事の原文:"It's possible that some of these satellites may not work, and in fact [there's a] small possibility that all of the satellites will not work,":以下略)
日本語って難しいな(「すべての人工衛星」が動作しなかったら大変だけどな)・・・。

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