ダイビングと新型コロナの怪しい関係2020年04月25日 22:50

ダイビングと新型コロナの怪しい関係


おうちにいてね週間の初日。

いますよ、ちゃんと!。

午前中に近所のレストランで会食し、その時発見したNバンのパンク修理をディーラーにお願いして直してもらった以外は。

寄り道もせず、真っ直ぐに帰ってきて引きこもり状態。

今日もネットでいろいろな記事を読み漁る。

やはり、市中感染がどれ程広がっているのかとか、ガキンチョが感染を広めている隠れた媒体になっているのではないかとか、その手の情報が気になる。

高齢者の方がウイルスが多いとか、世界で行われている抗体検査の実績とか、楽天が売り出し中の邦人向けPCR検査キットの衝撃とか。

中でも、浮沈子の関心をひいたのは、軽症とされる入院待機患者が、なぜコロリと死んでしまうかという点に関する記事だったな。

(コロナ「突然重症化した人」の驚くべき共通点)
https://toyokeizai.net/articles/-/346423

「肺炎症状が出ているのに、息切れ感じない」

「肺炎では患者は通常、胸部の不快感や呼吸時の痛みなどの呼吸障害を発症する。しかし、新型コロナ肺炎の場合、当初患者は酸素量が低下しても、息切れを感じない。しかしその間、驚くほど酸素濃度が低下し、中等度から重度の肺炎(胸部X線写真で見られる)になっていく。正常な酸素飽和度は94%から100%だが、私が見た患者の中には、酸素飽和度が50%にまで低下していた例もある。」

自覚症状無き「サイレント(無症候性)低酸素症」の恐怖だ。

CCRでも、要注意とされる致命的トラブルの一つ。

呼吸回路の中で、水酸化カルシウムによる化学反応により強制的に二酸化炭素を除去しているため、バルブの開け忘れとか酸素分圧のモニタリングの欠如、器材の故障、その他諸々の原因(えーと、そもそもタンクに酸素が入っていないとかも!)で十分な酸素が供給されていない状況に陥っても、息苦しさを感じることなく唐突に意識を失う。

二酸化炭素の増加は、息苦しさを感じさせ、呼吸の必要性を脳に伝える仕組みがあるけど、それを強制的にキャンセル(外部環境として)しちまってるからな。

もちろん、酸素の欠乏に反応する生体の仕組みもあるけど、そっちは補助的みたいだ(追加2:参照)。

新型コロナの無症状低酸素症において、初期に二酸化炭素の換気が行われていることが原因ではないかという記述もある。

「新型コロナ肺炎の炎症が起こり始めると、肺胞が虚脱し、酸素レベルが低下する。それでも当初は、肺はこの状態に適応し、硬くなることも、液体を貯めることもない。この状態であれば、患者は二酸化炭素を排出できる。二酸化炭素が蓄積されなければ、患者は息切れを感じない。」

「患者は血中の酸素が低下するにつれ、より速く、深く呼吸をするようになる。無自覚に、だ。この無症候性低酸素症とそれに対する患者の生理的反応によって、炎症はいっそう進み、より多くの肺胞が虚脱する。ついには肺炎が悪化して、酸素レベルが急激に低下する。患者が激しく呼吸することで、いっそう肺を傷つけているわけだ。」

肺炎の進行に伴う速く深い呼吸を誘発しているのは、脳の酸欠を感知する仕組みが働いているのかも知れないな(追加参照)。

記事では、対策としてパルスオキシメーターの使用を勧めている。

(パルスオキシメーター)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%91%E3%83%AB%E3%82%B9%E3%82%AA%E3%82%AD%E3%82%B7%E3%83%A1%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%83%BC

「パルスオキシメーター(pulse oximeter)とは、検知器(プローブ)を指先や耳たぶなどに付けて、侵襲を伴わずに脈拍数と経皮的動脈血酸素飽和度 (SpO2) をリアルタイムでモニターするための医療機器である。」

そういえば、埼玉の自宅待機でもパルスオキシメーターを導入するとか言ってたっけ(知事が、自宅待機はやめると方針変えたから、どうなるかは知りませんが)。

「驚いたことに、私が見た患者のほとんどは、1週間ほど前から発熱、咳、胃もたれ、倦怠感などの症状が出ていたが、来院するまで息切れは感じていなかった。肺炎は明らかに何日も続いており、来院した時はすでに重体になっていることが多い。」

「私が診た新型コロナ肺炎患者の大多数は、トリアージ時の酸素飽和度が著しく低く、一見通常生活を送れないような状態なのに、挿管の準備をする時でさえスマホをいじっていた。」

やれやれ・・・。

いずれにしても、無自覚な低酸素症になる前に、発熱などの自覚症状はあるので、パルスオキシメーター(数千円で買えます)を自前で購入する必要はないかも知れない(思わずポチっとしそうになりました)。

まあ、どうでもいいんですが。

もう一つの記事は、もっと直接的にダイビングに関係している。

(新型コロナウイルス感染症から回復しても肺には深い傷跡が残るとの指摘)
https://gigazine.net/news/20200424-irreversible-lung-damage-coronavirus/

「・・・その中には6人の現役のダイバーがいましたが、全員が「病院での治療は不要」と判断されたため自宅に戻され、数週間の自主隔離の後回復しました。ハルティヒ氏らが回復後の経過観察を行ったダイバーは全員、せきやダイビングのパフォーマンスの低下が見られる以外は健康そのものだったとのこと。」

そりゃあ良かった。

しかし・・・。

「6人中2人の肺は大きく機能が低下しており、負荷がかかるとすぐに血中の酸素が低下してしまうようになった」

「残りの4人のダイバーについても、肺の変化が見られた」

「これは衝撃的で、何が起こっているのか理解できません。彼らはおそらく生涯の患者として、定期的な診断を受けるべき状態になってしまいました。当然、ダイビングはもうできません」

「完全に回復すると考える事は難しい」

ヤッバっ!。

掲載されている写真はアプネア(競技用息こらえ潜水)のものだが、スクーバダイバーに関する記述かもしれない。

「前述の6人のダイバーが、回復後にNitroxや酸素ボンベなどを使用したダイビングを行ったかは不明」

問題は、しかし別のところにある。

「入院は不要だと判断されたほど症状が軽かった人の肺が大きく損傷していた原因は不明ですが、一部の医療関係者は「人工呼吸器を使用した人が急に症状が悪化してしまうことと関係があるのではないか」と考えています。」

ええっ!?。

「イタリアでは人工呼吸器を使用した患者の多くが死亡してしまうという事例が見られました。そのため、アメリカの医療現場ではできるかぎり人工呼吸器を使用するのを遅らせる試みが行われている」

そんなあ!。

「血中の酸素濃度が低い人に酸素を吸入させると症状が緩和されますが、数時間後には多くの患者が重度の肺不全に陥って集中治療室に入ってしまいます」

「酸素がなんらかの引き金になっているのではないか」

肺が損傷して酸素を取り込めなくなっているから、濃いい酸素を吸入させて(肺によるガス交換を行う人工呼吸器は、強制的に呼吸させているだけ)なんとかガス交換させようとしているのに、その酸素が悪さをするという話なわけだ。

エクモ(体外に設置した人工膜経由でガス交換を行う)とかに早期に切り替えた方がいいということか。

「COVID-19から回復した人は、たとえ軽症しか出ていなかったり、回復後に受けたダイビングのテストに合格したりしたとしても、ダイビング専門の医師に徹底的に検査してもらうべきです」

「またダイバーでなくても、COVID-19から回復した人は、肺の損傷の具合が明らかになるまで夏場のスポーツのトレーニングなどは控えた方がいいとのことです。」

記事には、肺のレントゲン画像が掲載されているけど、浮沈子には何処に異常があるのかは分からない(資料画像とは書いてないからな)。

また、どんな損傷が見られたのかについても、記事を読んでもよく分らない。

入院を要しない軽症者でも、生涯に渡ってダイビング禁忌になるほどの不可逆的な損傷を受ける可能性があるということは、認識しておいた方がいいかもな。

新型コロナの臨床的な情報は、医療者の間でも不足していると言われている。

数百万の臨床事例があると言われているのに、その情報共有は追いついていないわけだ。

我々の周りにウヨウヨいる(たぶん)新型コロナ。

その実態は、まだまだ闇の中なのかもしれない・・・。

<追加1>

ちなみに、医療系の学会では、レジャーダイビング一般に対して、それでなくても乏しい医療資源を圧迫すべきではないという観点から、強力に自粛を要請している。

((一社)日本高気圧環境・潜水医学会より
潜水に関わる方々へのお願い)
https://marinediving.com/topics/22659.html

「【レジャー・ダイバーの方々へ】
流行収束に目途が立つまで、レジャー・ダイビングは極力控えるようご検討お願い致します」

安心して、思い切りダイビングが出来る日を待つしかないか・・・。

<追加2>

(呼吸調節)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%91%BC%E5%90%B8%E8%AA%BF%E7%AF%80

「Paco₂に敏感に反応するのは、延髄にある中枢化学受容体である。ここからの信号が主に呼吸を調節している。」

「Pao₂に反応するのは、末梢化学受容体である。やや感度が低い、ある程度低酸素状態(Pao₂60mmHg以下:SpO2で概ね90%以下(浮沈子:注))になった時はじめて反応する。」(追加3:参照)

NYタイムズで紹介されている事例は、この仕組みと整合している気がする。

二酸化炭素の換気が保たれ、酸素分圧が低下していき、息苦しさが意識されないまま、ストンと落ちる・・・。

おお、こわっ!。

更に、その後の経過を示唆する記述が続く・・・。

「Paco₂が異常に高い状態が長期間継続するとPaco₂に対する中枢化学受容体の反応性が低下してしまうため、低酸素状態に対する末梢化学受容体からの信号が呼吸中枢を刺激する唯一の入力になる。この状態で、高濃度の酸素濃度を吸引させると、Pao₂が急激にあがり、末梢化学受容体からの信号が途絶え呼吸維持が困難になる。」

ひょっとしたら、CO₂ ナルコーシスを見落としているだけなんじゃないのかあ?。

やっば!。

<追加3>

(PaO2(酸素分圧)とSpO2との換算表はありますか?)
https://www.konicaminolta.jp/healthcare/support/faq/medical/pulsoxseries/pulsox/pulsox_040.html

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。

名前:
メールアドレス:
URL:
次の質問に答えてください:
kfujitoの徒然の筆者のペンネームは、
「○○子」です。
○○を記入してください。

コメント:

トラックバック