予想に反してあっさりと成功したSN5のホップ飛行:悔しいけど大ニュースだな2020年08月05日 15:53

予想に反してあっさりと成功したSN5のホップ飛行:悔しいけど大ニュースだな
予想に反してあっさりと成功したSN5のホップ飛行:悔しいけど大ニュースだな


空中でド派手に爆発するかと思ったら、綺麗に制御された飛行で、内蔵の着陸脚の作動も順調で、あっさりと着陸してしまった。

(SpaceXが次世代のスターシップロケットプログラムの大きなハードルをクリア)
https://spaceflightnow.com/2020/08/05/spacex-clears-big-hurdle-on-next-gen-starship-rocket-program/

「火曜日にサウステキサスの発射台から離陸し、およそ500フィートの高さまで飛行し、その後、近くの着陸台に制御された降下を行いました。」

ビデオ映像では、最後の着陸がどうなったかは見えないが、着陸脚が内部から出てきているのは分かる。

もうもうと舞い上がった煙が消えたところで、着陸して倒れずに立っているSN5が現れる。

大歓声だろうな。

しかし、考えてみれば、昨年の今頃には寸足らずの給水塔が同じことをしており、1年経っても大して変わっていないという話でもある。

(給水塔に翼を付けた感じのスターホッパーが150mの高度に上がった様だが、注目すべきは水平方向に100m程移動した点かも)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2019/08/28/9146575

「もうもうと舞う土埃は、何とかして欲しいもんだが、そこは本質ではない。」

それはそれとして、301ステンレススチールは、最終材料ではないようだから、今後繰り返されるプロトタイプの打ち上げ実験には注目していく必要がある。

既に、SN8(304Lステンレススチール製)は建造が進んでいるようだし、おそらくラプターエンジンも3基搭載されるはずから、何らかのイベント(ドカーン!?)が期待できるかも知れない。

このホップ飛行はギガジンネタにもなっていた。

(SpaceXの試作宇宙船「Starship SN5」が高度150メートルの飛行テストに成功)
https://gigazine.net/news/20200805-spacex-starship-sn5-150m-hop/

「SNリーズはマイナーバージョンアップを繰り返し、最終的にSN20に到達した段階で、「Starship バージョン1.0」になるとのこと。」

そいつは知らなかったな(あと15機ぶっ壊せるということか)。

まあいい。

(SpaceX Starshipが火星に向けて飛躍的に躍動するデビュー)
https://www.teslarati.com/spacex-starship-sn5-hop-debut-success-mars/

「Starship SN8は、機能する機首と空力制御面を搭載した最初の本格的なプロトタイプとなり、前述の20 kmの「スカイダイバー」の回復と着陸のテストを試みます。」

ひょっとすると、年内の離陸もあるかも知れない(無事着陸できるかは別だがな)。

我々はひょっとすると、画期的なロケットの開発の最初期段階を見ているのかも知れない。

浮沈子的には、その開発が壁にぶち当たり、頓挫したり長期間の延期を余儀なくされる方に100票だがな。

ファルコンヘビーの開発が、当初予定から4年遅れになったことを考えても、それは明らかな気がする。

エンジンの開発から始めて、全く新しい巨大なロケットを作り上げることを考えると、順調に進展すると考える方が不自然だ。

乗り越えるべき課題は多く、初めて取り組むことも少なくない。

ファルコンヘビーは、既存のロケットを3本束ねて打ち上げるだけだったし、使い捨てロケットではあったが、既にデルタ4ヘビーという同じコンセプトの機体も存在した。

スターシップ/スーパーヘビーは、全てが新しく、しかも完全再使用を目指している。

火星に到達できるかどうかは別としても、地球低軌道上で給油するというコンセプトが実現すれば、メタン燃料の特性から月以遠の宇宙開発で使える可能性は高い。

運用限界は、地球低軌道がせいぜいだったスペースシャトル以上となるし、運搬能力はそれを上回ることになる。

完全再使用が実現すれば、打ち上げ頻度の飛躍的な向上が見込める(それまでに、どんだけ壊すかだがな)。

ラプター1基で150m上がっただけだ。

この一歩は、小さな一歩に過ぎないが、その先は火星に続いているかもしれない(いやあ、月くらいがせいぜいかも)。

ISSからのクルードラゴンの帰還、SN5のホップ飛行を次々と成功させたスペースX。

明後日には、延期に延期を繰り返していたスターリンク(V1L9)+相乗りブラックスカイが上がる。

その先には、スターリンク(V1L10)+相乗りスカイサット、スターリンク(V1L11:相乗りなし?)も続いているし、アルゼンチンの衛星(SAOCOM 1B)の打ち上げも控えている。

そうこうしているうちに、ISSへのクルー1が行われる(9月末予定)。

それまでに、一体、何機のスターシッププロトタイプが屠られるのかは知らない。

爆発なくして進歩なし(そんなあ!)。

今回、SN5が無事に着陸したのは奇跡かも知れない(ニュース価値はデカいな)。

ファルコンで稼いでスターシップをぶっ壊すパターンは、しばらく続きそうだな・・・。

<以下追加>----------

(SpaceX、宇宙船StarshipプロトタイプSN5の150m離陸試験を無事に完了)
https://japanese.engadget.com/spacex-starship-prototype-sn5-150-052049074.html

副題には、空飛ぶスプレー缶とある。

「浮上試験ではロケットの点火とともにこの巨大なヘアスプレー缶がゆっくりと浮上し、上空で水平移動をした後、発射台のそばにある着陸パッドに降り立ちました。」

「このプロトタイプはロケットの胴体にエンジンをくっつけただけの代物」

着陸脚もあると、突っ込みを入れたくなるけどな。

「SpaceXは約1年前に”Starhopper”と名付けたレトロな炊飯器のような形状のプロトタイプ機で150mの浮上試験を行って移行(以降?)・・・」

うーん、炊飯器には見えなかったがな。

「今回の試験でSN5の機体はその役割を終える」

それは何とも言えない。

材料(301ステンレス鋼)や構造(エンジン単体取付)も同じSN6もあるしな。

ホップ試験で得られた知見をフィードバックしたり、条件を追い込んで限界を見極める必要もある。

どんな条件を与えたら限界に達するのか、そしてその限界はどれ程なのか。

んなもん、壊してみなけりゃわからんだろう?。

「SpaceXはSuper Heavyを構築するための専用ベイの建設も数週間前より開始ししています。」

さて、何機のスーパーヘビーが吹っ飛ぶことになるかが楽しみだな・・・。

(SpaceXのStarship SN5プロトタイプが1回目のテストフライトで急上昇します!「火星は本物に見えている」とエロン・マスクは言う)
https://www.space.com/spacex-starship-sn5-prototype-1st-test-flight.html

「「発射プロセスをスムーズにするために、私たちはいくつかの短いホップを実行し、それからボディフラップで高高度に行きます」とマスクは今日別のツイートで述べました。(「高高度」は、以前のマスクのツイートがガイドである場合、約12マイル(20キロメートル)上昇する可能性があります。)」

SN8のお出ましは、暫く先の話のようだな。

(信じられないほどのSpaceX StarshipビデオがSN5の「ホップ」を非常に詳細に披露)
https://www.cnet.com/news/incredible-spacex-starship-video-shows-off-sn5-hop-in-exquisite-detail/

「火曜日のホップの最高のビジョンは、プロトタイプスターシップの内側と外側のカメラで撮影されました。」

公式映像の追加(ラプターの燃焼の様子や着陸脚が反転して出ていくシーンもあります)。

とにかく、爆発しないで空中を飛行し、転倒しないで着陸しただけでも大ニュースに違いない。

爆発してたら、こんだけ報道されることはないだろうからな(またか・・・)。

<さらに追加>----------

さっき、上記の映像を見ていて気付いたんだが、離陸の時に地上の何か(茶色い板状のもの1枚と、小さい破片をいくつか)を吹き飛ばしているのが映っている(右下の辺り)。

離陸した後、その辺りでは炎も上がっている。

きっと、地上施設の一部をぶっ壊したに違いない。

やれやれ・・・。

さらに注目すべきは、ラプターエンジンの付け根のところからも炎が上がっている点だ(メタン燃料のリークがあるのかも知れない:液酸と混合前なら大気中の酸素で穏やかに燃えるだけだしな)。

これは尋常ではない。

ラプターは、世界で唯一飛行したフルフロー2段燃焼サイクルエンジンだからな。

ノズル以外から炎が出るはずはない(看板に偽りありかあ?)。

飛行自体は1分くらい(50秒だそうです)で終わってしまって、エンジンが止まる時には炎は消えているようだが(圧力が下がってリークが止まったのかも)、ラプター自身にも解決すべき問題が多いことが分かった(打ち上げ前には、燃料スピンバルブが開かなかったりしているしな)。

3kmとか20kmの打ち上げに移行する前に、相当程度詰めておかないと、エンジンがドカンといく可能性がありそうな気がする。

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