😼欧州大戦争:ウクライナ分割2024年12月02日 19:06

欧州大戦争:ウクライナ分割
欧州大戦争:ウクライナ分割


(ゼレンシキー氏「ウクライナは占領地に関する第5条なしでもNATOに加盟できる」)
https://www.njpwfun.com/%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9/25523/%E3%82%BC%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%82%AD%E3%83%BC%E6%B0%8F%E3%80%8C%E3%82%A6%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%8A%E3%81%AF%E5%8D%A0%E9%A0%98%E5%9C%B0%E3%81%AB%E9%96%A2%E3%81%99%E3%82%8B%E7%AC%AC5/

「・ヴォロディミル・ゼレンスキー大統領は今週、NATOに対しウクライナを同盟に招待するよう求めている。
・同氏は日曜日、NATOの自衛協定はウクライナ占領地に適用される必要はないと述べた。
・同氏の提案は、トランプ次期チームがウクライナのNATO加盟を阻止するとの予想の中で出された。」(記事冒頭の要約)

自動翻訳調の記事だからな。

どこかに原文があるんだろうけど、調べてはいない。

NATO加盟に焦点を絞ってキャンペーンを始めたウクライナだが、その詳細に触れているところがミソだ。

浮沈子的要約はこうなる。

・NATO加盟は、ウクライナ全域を対象
・第5条発動は、現在のキエフ支配地域のみ
・次期トランプ政権は、NATO加盟を阻止する

つまりだな、将来的外交的奪還(いつのことやら)の希望を残しておくために、ロシア占領地域(クリミア含む)を含めた全域を加盟させながら、国境未定による第5条の発動を行うというハードルをクリアするために、それは現支配地域に限定して停戦における安全保障(ロシアの停戦破りの阻止)を計ろうとしているわけだ。

「このような提案は、NATOに関する限り、本質的にウクライナを2つの地域に分割する可能性がある。」

「これは、ウクライナがロシア指導者ウラジーミル・プーチンとの停戦と引き換えに、少なくとも一時的に占領地を譲渡することを示唆している。」

「これはゼレンスキー大統領がこれまで断固として拒否してきた概念だ。」

「そのような協定が冷戦時代のドイツを彷彿とさせるウクライナの分裂を生み出すのではないかという懸念もある。」

まあ、ドイツは分割が先(1945年:4か国による分割:正確にはポーランドに編入された地域もあるので5分割か)で、西ドイツのNATO加盟(1955年)が後だけどな(東ドイツの加盟(つーか、統一されたドイツとして)は1990年)。

ウクライナは、その現実を認め、それでも早期の停戦を模索しなければならないところに追い詰められている。

「戦争の激化局面を止めたいなら、我々が支配しているウクライナ領土をNATOの傘下に入るべきだ」

止めたいのはウクライナ自身だ。

このまま戦闘が続けば、上記のプランでウクライナが支配する地域は、じり貧で縮小していく。

米国の軍事援助の縮小が見えている中、プーチンが停戦に応じる可能性はない。

NATO加盟でロシアの攻勢に対抗し、停戦で急ブレーキをかけ、捲土重来を期す必要があるわけだ。

しかし、見方を変えれば、それこそ正にウクライナ紛争にNATOを引きずり込む戦略そのものだ。

当初から、NATOは軍事支援は行うけど、直接交戦を避け、ロシアのしっぽを踏まないように慎重に対応してきた(まあ、プーチンから見れば何度もレッドラインを越えてるんだろうけどな)。

そのことは、前事務総長のストルテンベルグも認めている。

プーチンの停戦条件の中で、NATO非加盟の表明は絶対条件だ。

米国を含めたNATO諸国が加盟に応じる可能性はゼロだ(つーか、マイナスかも!)。

もっと言えば、2022年に本格侵攻を受けた時点で、ウクライナ加盟の可能性は消えている。

しかし、現状ではなく、ロシアの侵攻が進み、ウクライナの大部分がロシア占領下に陥った場合は、変則的に加盟(加盟なのかあ?)が実現する可能性は残っている。

先日引用した航空万能論の地図を画像に掲載した(現在のウクライナ国境とメドベージェフが認めた将来のウクライナ(現キエフ州)国境は浮沈子が追記)。

ポーランド、ハンガリー、ルーマニアに分割された地域は、もちろん、第5条の発動を含めた正真正銘のNATO加盟区域になる(たぶん)。

万々歳だ(そうなのかあ?)。

キエフ州だって、ロシアは欲しくもなんともないだろうから、NATO加盟を認めるかもしれない。

が、そこでも喧嘩っ早い勢力が第5条の発動を促すような行為に出る可能性もあるからな。

それこそ、第5条の適用範囲外として、有名無実の加盟を認める程度かも知れない(意味ねー・・・)。

第5条適用範囲外の加盟というのは、法的に領有を放棄したわけじゃないという理論上の便法であって、本加盟(第5条適用含む)している領土とセットになって初めて意味を持つ。

まあ、どうでもいいんですが。

が、しかし、ロシア以外の3か国に分割合併された地域はフルスペックのNATOに加盟したことになるからな(やや無理筋?)。

もっともこのパターンが意味するのは、ウクライナという国家のアイデンティティが限りなく矮小化され、実質的に消滅することを意味しており、1991年から20XX年まで、かつて「ウクライナ」と呼ばれた国家が存在したという話になりかねない(画像の地図を投稿したメドベージェフの主張そのものだ)。

だがな、話はそこで終わりじゃない。

目出度し目出度しでNATOフル加盟になった地域は、次なる展開(欧州大戦争)の中でNATO離脱を強要されることになる(そうなのかあ?)。

それこそが、プーチンが望んでいる大ロシア帝国の再興なわけで、結局、NATO支配地域は消えて無くなるわけだ(そんなあ!)。

まあ、そこんとこは、まだ浮沈子の妄想の範囲を超えていない(うーん、その兆候はアリアリなんがけどな・・・)。

まあいい。

世界がロシアの思惑通りになるかどうかは分からない。

それを押し留めようとした西側の戦略は大きく棄損した。

そりゃあ、ウクライナの未来は大事だけど、欧州は自らの安全保障を最優先しなくちゃならないからな。

NATOは、そのための組織だ。

ウクライナの加盟は、どんな形であれ確実なリスクを伴う。

火中の栗だ。

それを拾うメリットを見出せない限り、ウクライナ加盟はあり得ない。

米国がパワーポリティクスで積極介入しても難しいだろう。

まして、トランプだしな。

やれやれ・・・。

ゼレンスキーはNATO加盟という最後の賭けに出ている。

この賭けに敗れれば、停戦は実現しないか、ロシアの主張を丸呑みにするしかなくなる。

米国が、その停戦協定にどんな支援をするのかは知らないが、ロシアが呑まなければそれまでだ。

先日読んだケビンロバーツの見立て通り、領土放棄と加盟断念に追い込まれる公算が高い。

賭けの勝ち目はないだろうな・・・。

<以下追加>ーーーーーーーーーー

(トランプ氏指名のウクライナ特使による終戦計画、プーチン氏を喜ばせる可能性)
https://www.cnn.co.jp/world/35226770.html?ref=rss

「計画は見通しの暗い戦争のために用意された、見込みの薄い妥協案に他ならない。」

「事態はそこで終わらず、新たな章を開く」

「そこでは西側の結束と支援が崩壊し始める一方、プーチン氏が少しずつ成果を手にする。交渉のテーブルと前線の両方で、同氏は自ら掲げた目標へとさらに近づいていく。」

CNNが、このペシミスティックな記事を掲載するということ自体が、米国とウクライナが置かれた状況を象徴している気がしてならない。

停戦案は混乱し、散逸し、ロシアを納得させるだけの内容はない。

「計画では停戦により前線を凍結し、非武装地帯を設置する。これに合意する見返りとして、ロシアには限定的な制裁の緩和を認める。全面緩和はウクライナにとって望ましい和平協定への署名が行われる場合にのみ実現する。ロシアのエネルギー輸出にかかる課徴金はウクライナの復興のために支払われる。」

インセンティブとして経済制裁の緩和を掲げているが、それが前線の凍結を促すかどうかはビミョーだ。

NATO加盟については、卵が先か鶏が先か的提案になっちまっている。

「ウクライナの北大西洋条約機構(NATO)加盟については、無期限保留とするべき」

「ケロッグ氏は加盟の交換条件として「安全保障を伴う包括的かつ検証可能な和平協定」を挙げる。」

べらぼーめ・・・。

ウクライナは、その安全保障自体をNATOに求めているわけで、それをどこか別のところで調達出来たら加盟させてやるというのは本末転倒も甚だしい。

やれやれ・・・。

軍事支援もザルだ。

「計画によれば今後の米国からの支援は融資となる公算が大きいが、それにもウクライナがロシアと交渉するという条件が付く。そして米国の軍事支援は、ウクライナの自衛を可能にし、ロシア側のさらなる前進を阻止できる水準を念頭に行われる。」

これは、現在の数倍の支出を伴い、米国の支援の限界を超える。

現在、ウクライナがロシアの前進を阻止できていないことを考慮すれば、そのことは自明だろう。

「計画の指摘するところによれば、米国は155ミリ砲弾を月1万4000発生産するが、ウクライナ軍はその数をたった48時間で使い切ってしまうこともある。」

「ケロッグ氏は米国にもっとウクライナを武装させて欲しいと望みつつ、現実にはそれが不可能だと認めてもいる。」

ぶっちゃけ、米国にウクライナを自衛させるに足る軍事支援を与えることはできない。

浮沈子的注目は、中国への対応だな。

「ケロッグ氏によれば、米国は新たな紛争に関与する必要はない。自前の兵器の備蓄がウクライナ支援の影響を被る中、米国は台湾を巡って中国との紛争に直面しかねない状況にある。」

トランプは、台湾侵攻を静観するという観測もあるが、もしドンパチするなら米国の武器弾薬の備蓄が減っちまってることは大問題だ。

交渉に臨むとしても、「力による平和」を振りかざすことはできない。

力なき正義は無力なり・・・。

まあいい。

「米国にとって極めて重要な戦略的利益がウクライナ戦争の中で危機に瀕(ひん)しているのではないかと不安を抱いている。米軍が戦争に関与するのではないか、米国がロシアとの代理戦争にのめり込むのではないかと懸念する。そうなれば事態は激化し、核による紛争を引き起こしかねない」(ケロッグ氏)

それこそが、プーチンが仕掛ける戦略的恫喝なわけで、その罠にまんまとハマっちまってることになる。

「バイデン氏はトランプ氏のやり方をリベラルな国際主義者のものに置き換えた。それが促進するのは西側諸国の価値観と人権、そして民主主義だ」

それでは欧州の安全保障を担保できないとしている。

欧州がプーチンの餌食になるなら勝手になってくれ!(そういうことかあ?)。

「つまりウクライナの戦争にまつわる価値観を我が国が永続させる必要はなく、我が国としてはプーチン氏の核の脅威から距離を置くべきだとする見解だ。それは現行の西側諸国の結束とは対極に位置する。」

「一連の流れは、狡猾(こうかつ)で不誠実なプーチン氏を喜ばせるだろう。停戦を利用し、西側の弱点に付け込むのは同氏の得意とするところであり、3年近くも待ち続けたのはまさにこの瞬間のためだった。」

この記事の見立てによれば、ロシアが停戦に乗ってくる可能性はゼロじゃない。

経済制裁の緩和に釣られて(釣られた振りして?)交渉の場に出てくるかもしれない。

緩やかな停戦条件を出し、いつでも敗れるように仕組んでおく。

ウクライナのNATO加盟についても、時間軸やレベルなどの条件を出し、場合によっては認めてもいい雰囲気を醸し出すかもしれない。

が、それは罠だ!。

「計画は西側の戦争疲れを容認する。各国の兵器の生産は遅れがちで、掲げる価値観には無駄が多い。今後ロシアが展望を覆す行動に出た場合、対応は困難だろう。」

それが分かっていても、米国は自国の利益を優先してウクライナを切る。

ついでに欧州も突き放そうとしている。

ウクライナ紛争は欧州マターで、自分たちで何とかしてくれ!。

米国第一主義の錦の御旗のもと、欧州への関与は縮小されるだろう。

ウクライナは、その激動の渦中に埋没する。

この記事の見立ては悲惨だ。

読んでいて力が抜けてくるのを感じる。

まあ、実際の交渉の中で、どういう展開になるのかは分からないが、こういうスタンスが貫かれるとすれば多くは期待できないだろう。

プーチンの高笑いが聞こえるような気がするな・・・。

<さらに追加>ーーーーーーーーーー

(ゼレンシキー宇大統領、ウクライナをNATOへ招待するのに懐疑的な国に言及)
https://www.ukrinform.jp/rubric-defense/3933283-zerenshiki-yu-da-tong-lingukurainawohe-zhao-daisurunoni-huai-yi-dena-guoni-yan-ji.html

「私たちは、外相から勧告を受け取りたいが、(編集注:その可能性について)幻想はない。同じ『懐疑的な』国があり、米国も現在はそのリストに入っている…。」(ウクライナのゼレンシキー大統領:原文のまま)

「他にドイツとハンガリーがいる…。まとまったシグナルのみが、全ての首脳によって肯定的に受け止められるのだ」

つまりだな、12月3日のNATO加盟国外相会談には、多くを期待していないということだ。

「同時に同氏は、12月3日の会合が本件の決定にとっての最後の可能性となるわけではないと指摘した。」

「いずれの場合であれ、政治的意志があるなら、次のステップへ期待することが可能だ。」

驚いたのは、次の発言だな。

「私も、NATOの大半の加盟国も、NATOへのウクライナの将来の加盟という将来的な未来に関する勧告について何らのリスクも目にしていない。」

誰も、どの国の外相であれ、ウクライナに対して「未来永劫NATO加入の可能性はない」などとは言わない。

その、文字通りの外交辞令(外交上に使う感じのいい言葉。転じて、口先だけの空(から)世辞)に、国家の命運を託している。

破滅的発想だな。

この国は亡びる。

そうせざるを得ない状況は理解できても、それを前提に事を進めてはなるまいに・・・。

外相会談では、予定調和的玉虫色のメッセージが出され、それぞれの首脳に伝達されるだろう。

全て世は事もなしか・・・。

<さらにさらに追加>ーーーーーーーーーー

(領土割譲の可能性に言及 ウクライナ和平巡り―NATO前総長)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2024120201106&g=int

「ウクライナの安全を保証する方法について、NATO加盟以外にも、軍事的な支援などを通じてロシアに対する抑止効果を発揮できる「他の可能性」があると語った。」

いやあ、浮沈子的にはこっちの方がおったまげたんだがなあ。

国家の命運を賭け、NATOへの早期加盟一択で攻め込んでくるゼレンスキーに対し、NATO加盟国外相会談を間近に控えたこの時期に、「他の可能性」に言及するなんてのはご法度なんじゃね?。

前事務総長だぜえ?。

ルッテに、自分が敷いたレールの上を走ってもらいたいという気持ちは分からなくもないけど(そういうことかあ?)。

対ロ強硬派だと思っていたストルテンベルグが、実はロシアのしっぽを踏まないようにと慎重に行動していた話は既に書いた。

武器支援はしても、直接参戦はしないとかな。

NATOは、レッドラインを越えてロシアが直接侵攻してくれば矢面に立つことになる。

第5条の発動は悪夢だ。

しかし、その規定の存在こそがロシアの侵略を阻止してきたわけだし、加盟国の連帯の象徴でもある。

我が国では「集団的自衛権」の行使とされる。

(今回はNATOの第4条 第5条)
https://www.nhk.or.jp/politics/kotoba/92031.html

「第5条は、加盟国が1国でも攻撃を受けた場合、これを加盟国全体への攻撃とみなして反撃などの対応をとる集団的自衛権の行使が規定されていて、軍事同盟であるNATOの根幹をなす条項」

「2001年のアメリカの同時多発テロについて、NATOはアメリカへの攻撃とみなして、史上初めて第5条を発動」

浮沈子は、その発動に懐疑的だけど、ウクライナが仮に加盟して、それをロシアが承認した場合、発動のリスクは一挙に跳ね上がる。