ⅰ3の真実2013年12月13日 05:12

ⅰ3の真実
ⅰ3の真実


BMWのⅰ3については、その構造的な特徴であるカーボンモノコックや、RRという駆動方式、何より、レンジエクステンダー付きのモデルを有する電気自動車という観点から、浮沈子の興味を引き付けていた。

このブログでも、何度か取り上げている。

(ⅰ3の価格:この記事に、過去のブログのリンクもある)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2013/11/14/7054480

蓄電式の電気自動車に、未来はないと思っている浮沈子にしてみれば、メガ・シティ・ビークルと割り切っているBMWの姿勢には、潔さを感じている。

彼らも、分かっているのだ。

今回取り上げたのは、以前気付かなかった試乗記が出ていたから。

しかも、今回は、レンジエクステンダー付きモデルの試乗記があったので、興味を引いた。

(電気で駆けぬける歓び)
http://www.webcg.net/articles/-/29614

(BMW i3 レンジ・エクステンダー)
http://www.autocar.jp/firstdrives/2013/11/08/57018/

島下泰久氏については、同じ空冷ポルシェ乗りということもあり、関心がある。

いつも頷ける記事が嬉しい。

(島下泰久)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B3%B6%E4%B8%8B%E6%B3%B0%E4%B9%85

(島下 泰久)
http://minkara.carview.co.jp/en/userid/362328/profile

「空冷911の(個人的)最高峰の1台、1995年式993カレラRSクラブスポーツと、1974年式911カレラという、2台の911が揃いました。」

いいなあ!。

記事の中では、やはり航続距離のことが出てくる。

「こんな気分になるのは久しぶりだなと感じるぐらい、とにかく爽快な走りっぷりだった。i3のステアリングを握っていたら、このままもっと遠くまで走っていきたいなという気持ちにさせられてしまった。」

「けれども、その航続距離には限りがある。満充電の状態から通常で160km、空調まで抑えることで距離を稼ぐECO PROモードでも、200kmがマックスだ。「MINI E」などを使っての実証実験の結果、BMW iは航続距離はこれで十分という感触を得ているという。しかし都心部のユーザーにとって、仮にガレージに充電器を設置できる環境だったとしてもなお、1台しか持てないクルマをコレにするのは簡単な決断ではないだろう。」

ここまでは、激しく同意だな。

「これはi3だけでなくEV全体の課題だが、普及への最大の問題は、やはりここにある。個人的な話をすれば、それ以外は本当に、わがガレージに迎え入れたいぐらい気に入ったi3なのだが、現時点では購入は難しい。せめて都内から箱根の往復ぐらい、途中で充電することなくこなせたら……というのは、モータージャーナリストなんて特殊な職業でなくても、現実的に誰もが思うことだろう。ちなみに日本仕様に特化した話をすれば、車両と同時に、タイマー充電などさまざまな機能をもった専用の充電機も用意されることになりそうだ。もちろん、それがなくても200V電源があれば大丈夫。そして急速充電はCHAdeMOに対応する。これは間違いなく朗報だ。」

そうだろうか?。

では、それらに既に対応している日産リーフや、三菱ⅰミーブが伸び悩んでいるのはなぜなのか。

「インフラの充実度ではオランダにだって負けていないにも関わらず、EVに対していまだ追い風とまではいえない日本で、彼らはユーザーにどんなベネフィットを届けるつもりなのか。お手並み拝見である。」

期待し過ぎなんじゃね?。

ちなみに、レンジエクステンダーについては、いささかネガティブな評価だ。

「そこでi3には、発電用の650ccエンジンを載せて航続距離を300kmまで伸ばすレンジエクステンダーも用意される。しかし、これを使えば当然、効率性は大きく落ちる。また価格的にも、うまみは少なくなる。」

さてそこで、英国での試乗となったヒルトン・ホロウェイ氏の記事だが、こちらは、そのレンジエクステンダー付きの試乗記である。

「今回試乗したのはi3のレンジ・エクステンダー・モデルだ。これは2気筒のガソリン・エンジンで18.8kWhのリチウム・イオン・バッテリーに充電するレンジ・エクステンダーを搭載する。その647ccの2気筒エンジンは、BMWのスクーターから流量されたもので、36bhp/4500rpm、5.5kg-m/4800rpmのパワー、トルクを発揮する。」

あれ?、BMWもスクーター作ってんのかあ?。

(BMWのスクーターに試乗)
http://ameblo.jp/outdoor-rider/entry-11404699751.html

「BMW C600 Sport  水冷4ストローク2気筒4バルブ 647cc  価格 1,120,000円
BMW C650 GT  水冷4ストローク2気筒4バルブ 647cc  価格 1,155,000円」とある。

ホントだあ!。

「i3の小さいエンジンは、9ℓの燃料タンクを持つ。そのエンジンの燃費は、換算すれば14.2km/ℓから17.7km/ℓ程度だと、BMWのスタッフは話してくれた。」

確かに、エンジン回して発電して、それを電池に溜めて、モーター回すというのはスマートではないが、電気自動車なので仕方ない。

注目したのは、この記述!。

「セントラル・ロンドンへの帰途では、必要に応じてレンジ・エクステンダーが起動するのがわかった。しかし、その単調なサウンドは非常に小さく、何とかその音を聞くことができるかどうかというレベルだった。」

「そしてレンジ・エクステンダー用の小さい燃料タンクは130km毎に補給しないとダメだということだ。」

なんと、電池切れの状態では、連続走行は130kmということだ。

それでも、走るだけまだいい。

燃料タンクを増やすというのもアリなんだろうが、シリーズ式のハイブリッドになってしまうわけで、そういう使い方は想定外だろう。

「レンジ・エクステンダーを求めるかどうかは£3,150(50万円)の価格との比較となるが、その場合でもあまりに小さい燃料タンクのサイズには不満を感じてします。」

やはり、スクーターのエンジンで、なんとか誤魔化そうという手抜きじゃあダメだということだな。

以前にも書いたが、レンジエクステンダー専用に開発した、高効率エンジン(小型ディーゼルターボか?)を搭載して、第2弾のモデルを投入するしかなさそうだな。

それにしても、この2つの記事は、どちらも、クルマの出来については、高評価である。

「センターピラーがないため、後席への乗り込みも容易だ。この構造も、CFRPの耐クラッシュ性の高さがあってこそ実現できたものである。」

「フットワークも上々だ。容量22kWhのバッテリーが床下に敷き詰められているおかげで重心が低く抑えられ、しかも駆動輪はBMWらしく後輪なだけに、それこそ交差点ひとつ曲がるのでも軽快感にうれしくさせられる。以前にテストコースで走らせたプロトタイプでは、軽くスライドさせながらの走りまで許容したほどだから、加速含めてその走り、決して草食系なんかじゃない。」

「乗り心地も文句なし。やはりボディー剛性の高さゆえか、細かな入力はすべてさらりといなし、大入力にもビクともせず、サスペンションがよく動いてくれる。リアなどは見るからにストロークが短く、大きなうねりを突破する時などには多少あおられる感じもあるが、不満といえばそのぐらいだ。」

以上、島下氏。

「i3はこれまでのBMWのプロダクション・モデルと異なり、ブランドのベストともいうことのできるキャラクターが盛り込まれている。その短く高いスタイリングの中に、素晴らしい重さのステアリング、一線級のドライブトレイン、光るロード・パフォーマンス、卓越したハンドリングが納められているのだ。」

「i3はあらゆる面で従来のBMWモデルとは異なるが、それでも間違いなく本物BMWであるということも付け加えておかなければならない。」

以上、ホロウェイ氏。

細かい注文はあっても、クルマの出来は上々のようである。

浮沈子は、この2つの記事を読んで考えさせられてしまった。

このシャシーと、カーボンモノコックを使って、ガソリンエンジン車を作ってくれないものか。

軽量、高剛性のボディと、頂点に達した感のあるガソリンエンジン(ハイブリッドでもいいです)を組み合わせれば、本当に優れたクルマができるような気がするのだが。

もちろん、そんな方向けには、ⅰ8があるわけだが、1917万円という価格は、いかがなものか。

「大衆車」でないことは、明らかである。

バッテリーの代わりにガソリンタンクを収め、モーターの代わりにエンジンを積んだⅰ3(っていうのかあ?)を求める人々に、BMWは、どう応えるのだろうか。

ボリュームモデルにカーボンボディを投入した英断には、拍手を送りたいが、今後の展開に期待したい。

理想をいえば、燃料電池車ということになるんだが、トヨタとのコラボで実現するのかどうか。

ⅰ3の真実は、やがて、明らかになることだろう。

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