4度目2016年03月05日 08:21

4度目
4度目


打上のカウントダウンは、順調に続いている。

「Falcon 9 on the launch pad in advance of the SES-9 mission. Upper level winds still a watch item, liftoff targeted for 6:35pm ET.」

上空の風が気になるが、この分でいけば大丈夫だろう(希望的観測)。

なにしろ、10日越しに4度というのは、身体によくない・・・。

前にも書いたが、スペースXは、なぜ困難な打ち上げの中で、再使用の試験をするんだろうか?。

今回は、5.3トンの静止衛星を、スーパーシンクロナス軌道に打ち上げようというわけで、重量的にも、打ち上げスピードとしても、同社にとっては、おそらく過去最大と思われる。

そういう打ち上げで、着陸脚を装着し、ドローン船に着陸させるための余分な燃料を積んで飛ばすというのは、かなりリスキーだ。

過去に、静止軌道衛星の打ち上げでは、再使用実験をしたことはない。

今回が、初めてのチャレンジになる。

それを可能にする技術が、液体酸素やケロシンを低温に冷やして密度を高め、目一杯詰め込むことだという。

今回の3度の打ち上げ中止は、全てその燃料が絡んでいる。

技術的に、かなり追い込んでいる感じだ。

余裕がない。

民間会社だから、コストパフォーマンスを追求するというのは当然だが、そこまでやるんだろうか?。

特に、今回は打ち上げ軌道について、直前に変更があったという話もある。

再使用試験は、今回は見送ってもいいんじゃないだろうか?。

いや、これこそが、スペースXたる所以であるのかもしれない。

そのチャレンジ精神に感服するとともに、ちっと心配な気分だ。

おっと、そろそろ中継が始まるぞ・・・。

(延期乗り越え今度こそ 「ファルコン9」ロケット、5日朝に打ち上げへ:追加)
http://sorae.jp/030201/2016_03_04_falcon-9.html

とりあえず無事に2016年03月05日 09:21

とりあえず無事に
とりあえず無事に


衛星のリリースまで見ていたが、とりあえず、商売の方は無事に終わったようだ。

「SES-9 spacecraft in Geo Transfer Orbit, 40,600 km in altitude.」(ツイッター:追加)

あんま、高くないんだな。

が、まあ、目標高度にはちゃんと達したようだ。

1段目の回収は、例によって直前で映像が切れてしまったところをみると、失敗したのかもしれない。

「Rocket landed hard on the droneship. Didn't expect this one to work (v hot reentry), but next flight has a good chance.」(ツイッター:追加)

まあいい。

今回は、静止衛星打ち上げと、再使用試験を同時に行ったという点で、合格ということにしよう!。

画像は、MAXQの表示が出ているところを狙ってキャプチャーした。

(最大空力温度:追加)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%80%E5%A4%A7%E7%A9%BA%E5%8A%9B%E6%B8%A9%E5%BA%A6

「ロケットなどの宇宙空間まで到達するような飛翔体が大気圏内を飛行する際に、動圧が最大になる点のことである。」

「ロケットが地上から発射され、大気圏外まで到達する場合を考えると、ρ はある高度における空気の密度、V はある時点における飛行速度」

「・発射の瞬間は、大気密度 ρ は最大だが飛行速度 V は 0 なので、q は 0 になる。
・ロケットが大気圏外に出れば、ρ が 0 なので V がいくら上昇しても q は 0 になる。
・ρ と V の両方が 0 より大きければ、q も 0 より大きな値をとる。」

「したがって、必然的に q が最大になる時点が存在するはずであり、その点がマックスQと呼ばれる。」

「スペースシャトルの通常の飛行では、マックスQは高度およそ11kmのあたりでおとずれ、アポロ計画では高度13-14kmであった。」

画像で見ると、ファルコン9の場合は、15-16kmくらいかな。

(「ファルコン9」ロケット、船への着地は「予定通り成功せず」:追加)
http://sorae.jp/030201/2016_03_05_falcon-9-landing.html

シルバークレスト2016年03月05日 20:26

シルバークレスト
シルバークレスト


北米ポルシェのオプション品(?)として設定があったというシルバークレスト。

元々、北米仕様の83タルガのフロントのトランクリッド(フロントエンジンのクルマでいえば、ボンネット)にあるマークのこと。

この部品を交換するというのはあまり聞かないんだが、浮沈子のは、別のエンブレムが付いていたので、交換することにした。

今までは、ノーズブラで隠れていたが、フロントスポイラーの効果を減殺していることが判明して(単に、外して走ってみたら、前が浮かなかっただけですが)、何となく、弄りたくなった。

どーせなら、北米仕様ということもあり、ブラックに再塗装されていることと合わせて、ここはひとつシルバーで決めてみようかと・・・。

2まん9せん8ぴゃくえん!(税込み)。

高っか・・・。

まあいい。

こういうものの価値というのは、プライスレスなものだしな。

(オリジナル ポルシェ クレスト)
http://www.porsche.com/japan/jp/accessoriesandservice/classic/genuineparts/producthighlights/crest/

まあ、メーカーは、いろいろ蘊蓄を傾けているようだが、浮沈子のように、カッコなんかどーでもいーやと思っている輩にとっては、うざい話に過ぎない・・・。

実は、今日、ボクスターと入れ替えたばかりで、疎開先に行ってしまっていて、取り付けは後日ということになった。

まあ、慌てることはないし、もう少し手元において(にやにやしながら)眺めていたい気もする(不気味・・・)。

これまた、例によってプレステージで話し込んで、今後のメンテナンス(改造?)について、ああでもない、こうでもないと検討を続ける。

フロントのリフトについては、車高を下げてみようかという話になり、下回りを弄るなら、ヘタリが出ているダンパーを交換しようかということになりつつある。

それで、収まらないようなら、再び空力付加物について検討しようということに。

ついでに、ヘッドランプのLSD化についても、調査するということで、今日はお開き。

もちろん、バッテリーをリチウムイオンにするとか、いろいろ宿題は多い。

この先、長く付き合うつもりなので、少しずつ手を入れていきたい。

今日は、高速も走ってみたが、80kmとか90kmでは、何の問題もない。

フロントリフトといっても、それ以上の、サーキットでのタイムアタックレベルの問題である。

入れ替えということで、ボクスターにも乗ってみるが、相変わらず優等生だな。

手放すのが惜しい気もする。

間違いなく、21世紀のクルマだ。

何の気遣いもなく、安心して走れる。

駐車場に収めて、久々のドライブが終わった後の充実感を味わう。

ポルシェの、独特の乗り味(って、ホイールベースが短いので、ピョコピョコする感じ)や、足の裏に直結するエンジンの吹け上がりを、少しだけ堪能した。

道楽で乗るクルマとしては、これ以上のものはいらない。

どちらのクルマも、間違いなくポルシェの味がする。

最近のモデルには、暫く乗っていないが、そこのところは、少なくともスポーツモデルについては変わっていないだろう。

もちろん、カイエンや、マカン、パナメーラにもそういうテイストはあることはあるが、それは、あくまで「らしさ」であって、本家ではない。

911やボクスター、ケイマンでなければ具現できない世界があって、それがポルシェの記号になっている。

そう、ポルシェをポルシェたらしめているのは、エンブレムではないのだ。

んじゃあ、なんでクレストに3万円も払うんだあ?。

まあ、どうでもいいじゃないですか・・・。

静止軌道再び2016年03月05日 21:28

静止軌道再び
静止軌道再び


(スペースX、衛星打ち上げ成功 ロケット洋上着陸はまた失敗)
http://www.afpbb.com/articles/-/3079381

浮沈子のヨタブログを読んでいただいている方は、しつこく取り上げることをご容赦願いたい・・・。

「衛星は、国際宇宙ステーション(ISS)よりも約100倍高い上空4万キロの静止軌道に無事到達した。」

AFPといえば、押しも押されぬ大手通信社である。

(フランス通信社)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B9%E9%80%9A%E4%BF%A1%E7%A4%BE

「フランスの通信社。国内最大にして世界最古の報道機関。現在、AP通信、ロイターに次いで世界第3位の規模を持つ。」

「1971年 - 人工衛星によるニュース配信を開始。」

自分とこだって、お世話になってるくせに・・・。

(静止軌道)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9D%99%E6%AD%A2%E8%BB%8C%E9%81%93

「地球では、赤道上の高度約35786kmの円軌道であり、軌道周期は23時間56分4秒となる。この軌道は地球の自転に同期しているため、赤道上の上空に見かけ上静止しているように見える。」(画像参照)

だから、まず、今回の打ち上げで4万km(40,600 km)というのは、静止軌道ではない。

また、この軌道は、最終的に静止軌道に乗せるための暫定的な軌道で、さらに、静止軌道より遠地点高度を上げて打ち上げ地点の緯度の差を埋めようという特殊な軌道である。

(スーパーシンクロナス・トランスファー軌道)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2016/02/19/8022738

「通常の静止トランスファー軌道は、遠地点高度が静止軌道と同じ約3万5800kmだが、ロケットのエンジン噴射をさらに続け、これをもっと上げ、6万kmや10万kmといった、ぐんと高い軌道に衛星を乗せる。」

今回は、その高さが4万km程度と、あまり高くなかった。

それはいいとして、AFPがこういう初歩的な間違いを犯すというのは、ちょっといただけないな。

宇宙ネタというのは、最早、一部の人々だけの話ではない。

放送や通信、地球観測など、全世界の人々にとって、欠くことのできないサービスになっている。

GPSや気象衛星では、毎日のようにお世話になっている。

静止軌道については、このブログでも既に触れた。

(静止軌道)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2013/12/05/7092571

「(スペースX、通信衛星の打ち上げに成功)
http://www.cnn.co.jp/fringe/35040915.html
「SES―8は重さ約3.2トン。上空約8万kmの軌道上で南アジアやアジア太平洋地域からの信号を中継する。」」

この中で引用した、CNNの記事も、8万kmで通信衛星を運用するようなことが書いてある。

まあ、CNNだから、しょうがないか・・・。

2年以上経った本日現在も、記事はそのままであり、訂正されていない。

この手の誤報は、報道上の問題にならないんだろうか?。

浮沈子に言わせれば、罪、万死に値するところなんだがな。

まあいい。

この時は、浮沈子も知らなかったが、8万kmというのは、スーパーシンクロナストランスファー軌道の遠地点高度のことだったんだろう。

浮沈子の記事の最後に登場するサンダーバード5号が、445kmの静止軌道上にあるというのは、まあ、お子様向けの人形劇だから許せるとしても(許せるのかあ?)、今や、小学生でも知っている静止軌道高度くらいは、しっかりと確認して報道してもらいたいもんだ。

今回、AFPには、一応メールで誤りを指摘したが、どーせ、何言ってるかさえ分かんないだろうな・・・。

(追加:3月9日に、AFPBB Newsからメールが来て、内容は訂正されたようです。)

(人工衛星の速さ:追加)
http://www.wakariyasui.sakura.ne.jp/p/mech/bannyuu/jinnkou.html

「静止衛星:
(中略)
静止衛星は地球の中心から 約4.23×10^7m (約42300km)の高さにある、と分かりました。」

地表からの高度を求めるには、ここから地球の半径を引けばいいわけで、概算では36000kmとなっている。

妄想から目覚めよ2016年03月05日 23:26

妄想から目覚めよ


ドキッとした。

浮沈子のことかよ!?。

(韓国外務省 「北朝鮮は妄想から目覚め非核化を」)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160305/k10010432771000.html

「核兵器が体制を守るという妄想から目覚め、一日も早く非核化に向けた変化の道を選ぶよう強く求める」

こんな報道もある。

(朴大統領、「北朝鮮、核が体制を保障するという妄想を捨てよ」)
http://japanese.donga.com/List/3/all/27/527007/1

「朴大統領は(中略)将校合同任官式の祝辞で、「今、北朝鮮を立ち止らせなければ、民族の未来に取り返しのつかない災いをもたらし、核武装のために北朝鮮住民を一層搾取し、苦しめるだろう」と指摘した。」

「北朝鮮が『核を放棄しなければ、体制の生存は不可能だ』ということを明確に悟らせなければならない」

「夜明け前が最も暗いように、韓半島が平和と統一に進むにあたって今が最も難しい最後のヤマだ」

「北朝鮮政権は核兵器が体制を保障するという誤った妄想を捨て、1日も早く本当の変化の道に出てくるよう再度強く求める」

韓国は、意外と冷静だな。

ゆとりすら感じられる。

この記述には、焦ったけどな。

「新任将校には、「祖国を守る無敵の戦死(戦士?)になると信じる」と激励した。」

まあいい。

新聞に誤植はつきものだからな。

核兵器こそ、体制を保証する唯一の手段と信じて疑わない北朝鮮指導部に、妄想を捨てよと呼びかけても、浮沈子は無駄に終わると考えている。

核兵器を捨て、ミサイルを放棄し、拉致被害者を開放し、韓国との交流を深め、経済特区を振興し、中国以外の諸外国との貿易を拡大して、経済を復興させ、国を開く・・・。

韓国が、そんな未来を考えているとしたら、それこそが妄想だろう。

もちろん、そうあることが望ましいが、その前提として、北朝鮮指導部が消えてなくなる必要がある。

体制を維持するために、あらゆることを行うというのは、どんな国家でも同じだろう。

そのための軍備であり、教育であり、経済である。

それらを放棄するというのは、体制そのものの崩壊を意味する。

とんでもない話で、とてもとても、まともに応じるわけがない。

応じるだろうか?。

可能性は、ゼロではない。

体制を維持できる保証を、何らかの形で与えればいいのだ。

この国の統治者一族には、奇妙な家風(?)がある。

(深化組事件)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B7%B1%E5%8C%96%E7%B5%84%E4%BA%8B%E4%BB%B6

「1997年から2000年にかけて朝鮮民主主義人民共和国で発生した大規模な粛清事件。」

「最高指導者になったばかりで金日成時代からの古参幹部の取り扱いに困っていた金正日は、(中略)経済危機と大飢饉で国民の不満が高まっていた機を利用して、当時、組織指導部第一副部長だった張成沢を起用して、一気に古参幹部たちと、その側近、彼らの親戚3親等までをスケープゴートに大粛清を行った」

「深化組の拠点は全国数百カ所に及び、捜査員は約8千人にのぼり、最終的に粛清された総人数は約2万5000人、このうち1万人が殺害され、1万5千人が収容所に送られた」

凄まじいな。

(張成沢)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BC%B5%E6%88%90%E6%B2%A2

「(2013年)12月9日に朝鮮中央通信が、8日に開かれた朝鮮労働党政治局拡大会議の決定により、張成沢を全ての役職から解任し党から除名したと正式に報じた。」

「12月13日、朝鮮中央放送が、前12日に開かれた国家安全保衛部特別軍事法廷で張成沢に死刑判決を下し、即時処刑したことを発表した。」

「張の処刑の翌日13日午後10時ごろ、張の親族が多数暮らす平壌市平川地区へ武装した国家安全保衛部員の軍人が押し入り、遠縁を含む親族数百人を連行した。親類は政治犯強制収容所へ移送されたと憶測されている」

「張に近い人物から複数の自殺者が出たとの情報を報じた。」

「複数の北朝鮮消息筋からの情報として、全英鎮前駐キューバ大使(張の姉の夫)、張勇哲前マレーシア大使(張の甥)を始め、張成沢の一族の大半が処刑され、特に張の2人の兄(故人)の直系子孫は幼い子供まで皆殺しにされた」

ちょっと、読んでいて気分が悪くなってくる・・・。

体制を維持するために、敵対する勢力(先代の重用した重臣だったりする)を粛清するという伝統を持っている統治者一族を、どう納得させるか。

核兵器の代わりに、何をもって、体制の維持に繋がると確信させられるか・・・。

(北朝鮮、国連人権理事会ボイコットを表明)
http://www.afpbb.com/articles/-/3078931

「人権理事会は北朝鮮の人権状況を繰り返し批判しており、2014年には北朝鮮とその指導者が広範な「人道に対する罪」を犯しているとした大部の報告書をまとめている。」

「政治的な攻撃だけのために(北朝鮮の)人権状況を取り上げる国際会議には今後参加しない」

有り得ない話ではあるが、北朝鮮の非人道的振る舞いを不問にし、なおかつ、関係各国が、しかるべき人質多数を北朝鮮に置いて、気に入らなければ粛清し得るという条件を与えれば、体制維持の担保として受け入れる可能性はある。

もちろん、そんな話が現実味を帯びることなどあり得ない、

悪夢だ・・・。

妄想なんてもんじゃない。

この国の指導者は、しかし、国内ではそうやって体制を維持してきた。

それを続けさせるための保証を与えるなんて、浮沈子は出来っこないと思っている。

順序が逆なんだろう。

体制を崩壊させ、その後に核武装を解除するというのが、正しい順番だろう。

粛清によって、強固に固められた体制は、そう簡単に崩壊することはないだろうし、中国やロシアは、その維持に協力してきた。

いや、世界がそれを容認し続けたといってもいい。

世襲が続くかどうかは別にしても、核兵器を開発し続け、それを盾に権力を維持するという構造は、変わらないのではないか。

妄想を捨て、夢から覚めなければならないのは、我々の方なのかもしれない。