読書の春2017年02月06日 14:00

読書の春
読書の春


先週水曜日の夜から、風邪を引き込んでいる。

木曜日は、大事をとって大人しくしていたが、金曜日はシャックリが止まらなくて、土曜日の明け方まで寝付けなかった。

IE講習のお手伝いは、一応支障なく(???)ご一緒できたが、昨日今日と、ボーっとした状況は変わらない(いつもと同じ?)。

痰が絡むのと、やや咳も出て、こじらせようかどうしようかと迷っている感じ。

こういう時は、栄養を摂って大人しくしているに限る。

アマゾンで注文していた「機長の危機管理」が届いたが、細かい字を読むのが苦痛で、柳田邦夫の前書きくらいしか読んでいない。

形あるものは全て壊れる世の中で、空気より重い飛行機などという代物を飛ばしているのだから、事故は一定の確率で起こるだろうし、商売としてやっているわけだから、どこかで線を引かなければ儲からないわけで、それを人間の精神力で何とかしようという話に、浮沈子はそもそも懐疑的だ。

手に取ってみようと思ったのは、機械と人間の関わり、特に全自動運転前夜の現代において、機械とどうかかわっていくのか、安全管理という観点から、ダイビングや自動車の運転に参考になる点はないかということに関心があったから。

須賀次郎さんのブログで、読書ノートが開示されていて、いくつか興味深い視点があったことがきっかけだった。

(0131 読書ノート 機長の危機管理)
http://jsuga.exblog.jp/26598486/

「究極の危機管理は覚えないようにすることです。覚えなければ忘れることもないわけですから、そのために安全が損なわれることはないわけです。」

そのうち、AIが人間に代わって操縦するようになるかもしれない。

しかし、想定外の事象が起こった時に、総合的に判断して最善の策を取ることができるのは人間だろうと思っている。

最悪の策も取るけどな。

昔、超音速漂流という本を読んだ記憶がある。

(第21回『超音速漂流』の巻)
http://d.hatena.ne.jp/honyakumystery/20130716/1373931200

「保険会社の人間は、航空会社の悪人と結託して、飛行機を墜落させようとします。いっそ全員死亡のほうが払うお金がすくないからって!!」

AIなら、間違いなくそういう決定をするかもしれない。

人間の人間による人間のためのオペレーション。

本書(機長の危機管理)の末尾には、人間に対する洞察と信頼が述べられている。

「没個性、没人間性の時代からヒューマニズムを復活させ、二十一世紀が人間の時代として歴史に刻まれることを願っています。」

20世紀末に書かれた本書は、いささか古くなったのかもしれない。

全てがAIに取って代わられるようになるまでには、まだ、いくばくかの時間があるだろう。

その間、如何にAIに人間愛を注入することが出来るかだな。

そのためには、人間自身が人間愛に溢れていなければならないだろう。

没個性、没人間性、技術に埋没し、欲得のしがらみから離れられない人間が作り出すAIが、正しい判断と行動をとれるわけはない。

巷では、米国一国の安全を守るために、特定国からの移民を制限する大統領令を巡って、連邦裁判所との対立が表面化している。

何が正しいかということは、それ自体が困難な命題だ。

しかし、それを決めるのは人間だ。

AIではない。

人間は過ちを犯すこともある。

しかし、それは人間が犯した過ちであるからこそ、改めたり克服したりすることが可能になる。

AIに判断を委ねてしまったら、一体、誰がその過ちを正すことが出来るのか。

浮沈子は、米国の移民規制に伴う状況を危機管理の問題として見ている。

そのなかで、米国の制度や国民の議論がどうなっていくのかを注視している。

米国は、その有り余る力を振りかざして、とんでもない過ちを繰り返しているが、そこにはオープンな議論と人間臭い判断がある。

それが常に正しいとは限らないが、少なくとも浮沈子の目には健全に映る。

本書を読み終えて、何か感じるところがあれば、また書く。

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