宇宙旅行の値段2019年06月15日 21:57

宇宙旅行の値段


バージンギャラクティックやブルーオリジンが画策する弾道飛行によるなんちゃって宇宙旅行(無重力になるのは5分くらい)ではなく、地球を周回する国際宇宙ステーションに1か月滞在する本格的な宇宙旅行だといくらかかるか。

(NASAが1泊約400万円で国際宇宙ステーションを民間に開放、商業目的の利用が可能に)
https://gigazine.net/news/20190610-nasa-opens-international-space-station/

「2019年6月7日、アメリカ航空宇宙局(NASA)は国際宇宙ステーションを一般に開放することを発表し、民間企業が宇宙ステーションを商業利用できるようになりました。」

「国際宇宙ステーションの生命維持システムやトイレ、食料や医療用品などの利用料金、光熱費といった金額を含めると、滞在1日あたり約3万5000ドル(約390万円)もの費用が必要」

為替の問題とかあるので、ざっと400万円として、30日だと1億2千万円ということになる。

どーせ宇宙食だし、30日もいたら地球に戻った時には廃人同様で、リハビリに半年くらいかかるかも知れない。

筋肉は衰え、骨はボロボロ、放射線の影響だって無視できないだろう。

やることなくて、1か月もいたら飽きちゃうんじゃね?。

まあ、どうでもいいんですが。

しかし、どうでもいいと無視できないのが、その交通費の方だ。

「ロケットの打ち上げなどにかかる往復の移動費におよそ5000万ドル(約55億円)以上かかる」

ここのところは、5800万ドルとか、5200万ドルとか、複数の金額が出ている。

(60億円で宇宙基地に旅行 NASA、来年にも:追加)
https://www.sankei.com/life/news/190608/lif1906080029-n1.html

「宇宙船による往復の交通費で5800万ドル(約63億円)が必要になる」

(ISS宇宙旅行、スペースX・ビゲローから開始。NASA価格より割安:追加)
https://news.yahoo.co.jp/byline/akiyamaayano/20190612-00129823/

「搭乗する宇宙船はスペースXのクルードラゴンを使用し、搭乗費用は5200万ドル(約56億円)とこれまでNASAが示していた価格より割安となる。」

なんか、この値段をポンと払える人にとっては、大した違いはないような気がするんだがな・・・。

具体的な話ではないので、これが一人当たりなのか、1回の打ち上げ当たりなのかもわからない。

仮に一人当たり60億円とした場合、1か月の滞在費なんざ、たった5パーセントに過ぎないということになる。

消費税分にもならない。

宇宙への往復が如何に大変な話か、実に分かりやすい事例だな。

だが、この中には、宇宙ステーションの打ち上げから廃棄に至るまでの減価償却費は含まれていない。

(国際宇宙ステーション)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E5%AE%87%E5%AE%99%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3

「運用終了までに要する費用は1540億USドルと見積もられている」

この中には、当然、ランニングコストも含まれている。

内訳はよく分らないが、その一部でも旅行者に負担させようとすれば、金額は桁違いになる。

簡単のために、固定費分を1000億ドルとすれば、1パーセントでも10億ドル(1100億円)だからな。

NASAは、建設費まで元を取ることは考えていないに違いない。

ランニングコストが賄えれば(その、ほんの一部としても)上等だと考えているに違いない。

本当に、宇宙ホテルを独自に作って運用しだそうとすれば、その全てを顧客に求めることになる。

格安のビゲロー風船を使ったとしても、半端な金額ではない。

滞在費用なんて、1泊400万円どころか、100倍(4億円)もらっても割に合わないだろう。

そして、60億円の交通費は変わらない。

10日間で100億円の地球低軌道滞在。

うーん、それなら100億円払って月周回軌道へ行く方が魅力的な気がするけどな・・・。