🐱怪しい「みちびき」2023年02月03日 00:04

怪しい「みちびき」
怪しい「みちびき」


宇宙の軍事利用が民間の資源を当てにし出している(調べているのは、スターシールド絡み)。

このことについては、稿を改めて書くけど、関連情報を当たっていたら、瓢箪から駒が出た。

(米国は、日本の衛星に搭載される 2 つの宇宙センサーのうちの最初のものを納入)
https://spacenews.com/u-s-delivers-first-of-two-space-sensors-to-be-hosted-on-japanese-satellites/

「米国の 2 つのペイロードは、静止軌道上の別々の QZSS 衛星でホストされます。」

「マサチューセッツ州ハンスコム空軍基地の米空軍技術者は、2023 年 1 月 5 日に準天頂衛星システム QZSS 衛星に搭載される予定の打ち上げのために日本に出荷された米国センサー ペイロードのコンポーネントを確保します。」(記事の写真のキャプションより)

「最初のセンサーは QZS-6 で飛行し、2 番目のセンサーは QZS-7 で飛行し、現在、それぞれ 2023 年と 2024 年に打ち上げられる予定です。」

「日本の国家宇宙政策事務局および三菱電機株式会社と協力して、QZS-6 および QZS-7 にセンサーを統合しています。」

「ペイロードは、マサチューセッツ州のハンスコム空軍基地の第 66 航空基地翼から日本の横田空軍基地の第 374 空輸航空団まで航空移動司令部が運用する軍用機で輸送されました。 」

この件については、米軍関係の記事が上がっている。

(日本の国家宇宙政策局が米国宇宙軍と歴史的な覚書に署名)
https://www.spaceforce.mil/News/Article/2451728/japans-office-of-national-space-policy-signs-historic-mou-with-the-us-space-for/

「米国宇宙軍と日本の国家宇宙政策局は、今週、日本の準天頂衛星システムで 2 つの米国ペイロードを打ち上げるための歴史的な覚書に署名しました。」

「空軍の宇宙ミサイルシステムセンターは、スペースドメイン認識光学センサーを備えたペイロードを開発しており、それぞれ2023年と2024年に日本の種子島宇宙センターから打ち上げられる予定です。」

このセンサー自体は、静止軌道上の衛星を監視するためのアイテムで、レーザーぶっ放して片っ端から破壊するようなことはしない(うーん、未確認!)。

(リンカーン研究所は、日本の衛星に統合するためのペイロードを設計しています)
https://news.mit.edu/2020/lincoln-laboratory-designing-payload-integrate-japanese-satellites-1203

「米国は、日本が開発中の地域航法衛星に搭載されるセンサーを提供する。」

画像を見ると、衛星本体に取り付いているコバンザメ程度の大きさだ。

記事にあるように、同じ様な仕掛けは、既に独自衛星として低軌道で運用され、静止軌道上の衛星を監視し続けている。

「宇宙システム技術部門は、SDA センサー開発、特に現在低地球軌道 (LEO) で運用されている ORS-5/SensorSat 衛星の開発における豊富な経験から、このプログラムを主導することに従事しました。」

「2017 年に LEO に打ち上げられた SensorSat は、地球から約 35,800 キロメートル上空にある GEO ベルトの宇宙活動を監視しています。」

同じ様な光学センサーを使って、静止軌道上からの監視体制を併用することになるわけだな。

「独自の電力(太陽電池、バッテリーなど)を生成する必要がなく、誘導、ナビゲーション、および制御機能も必要としないという点で、完全自律型衛星よりも単純」

「ただし、ペイロードは、LEO で SensorSat が直面するよりも GEO 軌道ではるかに厳しい放射線環境に耐えなければなりません。」

「日本は、ペイロードのダウンリンクに毎秒 2 キロビットしか割り当てることができませんが、SensorSat は、地上受信機の空軍宇宙管制ネットワークへの専用リンクを介して毎秒 7.5 メガビットを利用します。」

どーすんの!?。

「画像処理のかなりの量をペイロードに搭載して実行し、ターゲットのトラックと観測を地上に送信する必要があります」

「対照的に、SensorSat は未加工の圧縮画像を処理のために地上局に送信します。」

「日本の衛星は GEO ベルト内に配置されているため、ベルト内の他の衛星を非常に狭く見ることができます。より大きな視野を可能にするために、2 軸スキャン ミラーが設計に追加され、SensorSat プログラムと同じ基本システムでミッション ユーティリティが改善されました。」

コバンザメ仕様にするためや、視野角の確保のための改造が施されている。

問題なのは、我が国の独自衛星に、米軍のインスツルメントが搭載されることだろうな。

中国やロシアからの衛星攻撃のターゲットになるわけだ。

まあ、そもそも測位衛星自体が軍事衛星なわけだから、そこは相乗りの敷居は低い。

スカパーの放送衛星に自衛隊の通信衛星が相乗りするよりは、無理のない話に聞こえる。

浮沈子的に気になっているのは、準天頂衛星とは言いながら、相乗りするお相手のQZS-6とQZS-7が、いずれも静止軌道な点だ。

(準天頂衛星システム)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%BA%96%E5%A4%A9%E9%A0%82%E8%A1%9B%E6%98%9F%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%A0

「みちびき3号機:
・・・
3号機は1・2・4号機と異なり、静止軌道へ投入して静止衛星で運用」

3号機と合わせると、7機態勢のうち、3機が静止軌道で運用されることになる。

(衛星測位に関する取組方針)
https://www8.cao.go.jp/space/qzs/houshin/houshin.pdf

「過去、7機体制のシステム構成を検討するにあたっては、持続測位、すなわち、他国の測位衛星が使用できない場合でも、我が国のシステムのみで最低限の測位サービスの提供を持続できること、及び、常に日本とその近傍の高仰角方向に衛星が存在する時間率を評価指標として、衛星機数や軌道配置が検討されたという経緯がある。その結果、準天頂軌道衛星4機と静止軌道衛星3機(準静止衛星含む)の計7機のシステム構成が選択されている。」

(「みちびき3号機」が静止軌道なのはなぜ?)
https://fanfun.jaxa.jp/topics/detail/10421.html

「衛星測位では、特定方向に衛星が偏った状態で信号を受信すると精度が落ちるので、測位精度を向上させるには衛星がまんべんなく天空に散らばっている状態が望ましいとされています(=DOP:Dilution of Precision、精度低下率といいます)。」

「3機が交替で「ほぼ」天頂付近に位置すると、もう1機が(地球の自転と同じ周期で公転し、一点に留まっているように見える)静止軌道であれば、GPS衛星(=地球の自転周期と無関係の中高度軌道で、地上から見て常に位置が変わる)と組み合わせて、DOPを小さくし、測位精度を向上させることができます。」

DOPの改善だけが理由なら、3機もいらないと思うんだがな。

そもそも、静止軌道は我が国からは高仰角にはならないしな。

内閣府の資料にある「準静止衛星」というのが、何を指しているのかは知らないが、ビミョーに静止していないのかもしれないし、このビミョーなズレこそが、米軍のインスツルメントの搭載に都合がいいのかも知れない(3号機は、純然たる静止軌道だし・・・)。

まあ、どうでもいいんですが。

浮沈子は、こういう重箱の隅をつつくような話が大好きだ。

神は細部に宿る。

確認しておこう。

我が国の軍事衛星であるみちびきシリーズの今後の打ち上げの中で、米軍のアイテムの搭載が予定されていて、少なくとも1台は既に横田に搬入されている。

打上げは、5号機(準天頂軌道?)が2023年度、アイテムを積む6号機、7号機(いずれも静止軌道?)が2024年度とされている(H3ロケット予定:ちょっとずれ込んでるけどな)。

これからも、米軍のアイテムを搭載する我が国の衛星は増えるに違いない。

というよりも、軍事アイテムを乗せることを前提に、民生用衛星が設計される時代になるのだ。

それらは、当然攻撃の対象となる。

新たなスターウォーズの時代が始まる。

数万機のスターリンク衛星を初めとして、ターゲットに不自由はない。

それらが破壊されていく中で、スペースデブリは桁違いに増えていくだろうな。

特に、静止軌道上のスペースデブリは始末に負えないからな(落ちてくることはないし、静止軌道上で他の衛星を破壊しまくることになる)。

MIT開発のセンサーが、静止軌道上の破壊工作を探知して、未然に防いでくれることに繋がればそれに越したことはないが、米軍自体が敵国の静止衛星を破壊することに使うかも知れないしな。

我が国は、その破壊行為に加担することになるわけだ。

みちびきは、のほほんとした民生用の衛星じゃない。

軍事利用を前提とした、センチメートル級の精度を誇る超精密測位衛星だ。

今後配備される精密誘導ミサイルなどの攻撃兵器にとっては、なくてはならない仕掛なわけだ。

そこに、米軍のセンサーが搭載される。

結構な話じゃないの・・・。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。

名前:
メールアドレス:
URL:
次の質問に答えてください:
kfujitoの徒然の筆者のペンネームは、
「○○子」です。
○○を記入してください。

コメント:

トラックバック