似て非なるもの ― 2015年01月23日 19:04
似て非なるもの
追い詰められると、人間何をするか分からない。
ポセイドンは、従来の他社製リブリーザーにおいて、二酸化炭素吸収剤のパッキングにかかわる事故が多発したことから、モレキュラー社と共同してパッキング済みのカートリッジを開発し、ユーザーに弄らせないような方法を採った。
プレパッキングされたソフノダイブ(モレキュラー797)の登場である。
南の島でCCRすることが多い浮沈子は、暑い屋外で重い樽からスクラバーに水酸化カルシウムの顆粒を移し替える作業が面倒くさくて(安全性も考慮して)、メインの機種をポセイドンに乗り換えたわけだ。
が、しかし、ここで見たのは、天地がひっくり返る程の代物だった(画像参照)。
ご覧のとおり、ソフノダイブの上蓋を切り取り、二重の蓋にしてセンターの長い棒にスプリングを噛ませてネジ止めするという極悪非道の改造である!。
詳しい構造については、ここでは省略する(推奨していると思われたくないので)。
上蓋には、ちゃんと本体側に当てるOリングも付いているが、リクツの上ではガスが流路を通らずに漏れる可能性はある。
容器の側面と蓋との間には密閉構造がなく、樹脂が触れ合っているだけで、ここからガスは漏れている。
漏れたガスはどうなるかというと、容器の側面を伝って、容器底面に当てられている下側の本体の蓋の横のスリットから再度容器の底に入る。
まあ、二酸化炭素吸収済みガスの流路が二股に分かれ、一方は循環回路に戻るが、一部は回路の分岐のループを回ることになる。
二酸化炭素を除去されていないガスが、回路内に漏れていれば一大事だが、たぶん大丈夫なのかもしれない。
浮沈子は流体力学には詳しくないので、この構造がどのようなデメリットを生むのかを完全に理解できないでいるが、僅かにリークしたガスが、再び回路に戻るとしても、それは二酸化炭素を除去済みのガスなのでいいんじゃないかと考えている。
もちろん、この蓋とケースの隙間から逆流した場合は、チャネルが出来たことと同じになり、重大な結果を招くことになる。
底蓋の横に開いているスリットの方が開口面積ははるかに大きいので、大部分のガスはこちらから吸い込まれて二酸化炭素除去材を通過するはずだと考えている(しかし、流入した後の抵抗は上蓋の隙間から入った方が小さいだろう)。
構造的に欠陥を抱えた代物であることに変わりはない。
漏れるものは漏れる。
「モレ」キュラーだから・・・(なんちゃって!)。
まあ、どうでもいいんですが(良かぁないです!)。
フィリピンでは、797が手に入らないのだろうか?。
マニラには、メンテナンスが可能な拠点があるというので、確認が必要だが、普通に手に入るならそれを使って欲しいな。
基本的には邪道の極みだし。
繰り返して書いておくが、浮沈子はこの方法を推奨しているわけではない。
水酸化カルシウムの充填量を少なくした場合は、容器の高さが減ってしまい、上蓋の天面のOリングが機能しない状態になる(上蓋には縁が付いているので、極端に下がることはない)。
それを確認するには、底蓋と本体との隙間が空いていているかどうかだけだ。
元々、ポセイドンの設計は、寸法的にシビアなやり方であり、プレパッキングされた寸法精度の良い工業製品であるソフノダイブを使うことを前提にしている。
この改造は、余程慎重な運用を行わないと事故に繋がる可能性がある。
命がけだ。
こんなことに命賭けていいのかあ?
で、ここまで書いておきながら、今日もスタッフに手伝ってもらいつつ、CDグレード(変色なし、粒径2mmから5mm)のソフノライムを充填する。
入念にタッピングし、微妙な量を調整し、上蓋の面をピッチリ合わせ、底蓋の4つのネジをいつもよりシッカリ締めた後、スリットを慎重に確認する。
OKだな。
今日まで4日間は無事に生きている。
しかし、明日、明後日と生きている保証はない。
残念だが、現状ではスコッティーズに、他のポセイドンダイバーを連れて来ることはできない。
ガイドがCCRのことを知らないという点については、ミカさんに伝えて、少なくとも緊急時の手順だけは教えておいて貰うことになった。
本日のガイドのケネスは、この点はバッチリだ。
日本人ガイドには、浮沈子から伝えた。
そう、ここでは、CCRダイバーをガイドするということが殆どないのだそうだ。
本格的に活用するためには、その辺りも考えておかなければならない。
しかし、酸素は使い放題だし、どこかの国のダイブサイトのようにCCR持ち込み禁止とかいうことはない。
ガイドさんの教育とソフノダイブの件がクリアされれば、設備の整った気持ちのいいダイビングが安心して楽しめる。
スタッフの質は、まあ、フィリピン基準でいえば高いだろう。
一流ホテルのマリンレジャーを、20年以上仕切っているだけのことはある。
突っ込み始めればキリはないけど。
まあいい。
南の島に期待していいことと、無益なことはあるのだ。
浮沈子は、日本人スタッフのマサさんと、フィリピンのコーヒー事情について意見が一致したということに感動して、もう、それだけで十分のような気になっている。
「コーピー」と浮沈子が名付けた飲み物は、我々が「コーヒー」と呼んでいるものとは似て非なるものである。
この国に、美味いコーヒーを期待してはならないのだ。
モレキュラー797ならぬ、「漏れ」キュラー詰め替えキットもまた、似て非なるものである・・・。
この件については、何か進展があれば、また報告する。
さて、ホテルの喫茶店に、「コーピー」でも飲みに行くかな・・・。
追い詰められると、人間何をするか分からない。
ポセイドンは、従来の他社製リブリーザーにおいて、二酸化炭素吸収剤のパッキングにかかわる事故が多発したことから、モレキュラー社と共同してパッキング済みのカートリッジを開発し、ユーザーに弄らせないような方法を採った。
プレパッキングされたソフノダイブ(モレキュラー797)の登場である。
南の島でCCRすることが多い浮沈子は、暑い屋外で重い樽からスクラバーに水酸化カルシウムの顆粒を移し替える作業が面倒くさくて(安全性も考慮して)、メインの機種をポセイドンに乗り換えたわけだ。
が、しかし、ここで見たのは、天地がひっくり返る程の代物だった(画像参照)。
ご覧のとおり、ソフノダイブの上蓋を切り取り、二重の蓋にしてセンターの長い棒にスプリングを噛ませてネジ止めするという極悪非道の改造である!。
詳しい構造については、ここでは省略する(推奨していると思われたくないので)。
上蓋には、ちゃんと本体側に当てるOリングも付いているが、リクツの上ではガスが流路を通らずに漏れる可能性はある。
容器の側面と蓋との間には密閉構造がなく、樹脂が触れ合っているだけで、ここからガスは漏れている。
漏れたガスはどうなるかというと、容器の側面を伝って、容器底面に当てられている下側の本体の蓋の横のスリットから再度容器の底に入る。
まあ、二酸化炭素吸収済みガスの流路が二股に分かれ、一方は循環回路に戻るが、一部は回路の分岐のループを回ることになる。
二酸化炭素を除去されていないガスが、回路内に漏れていれば一大事だが、たぶん大丈夫なのかもしれない。
浮沈子は流体力学には詳しくないので、この構造がどのようなデメリットを生むのかを完全に理解できないでいるが、僅かにリークしたガスが、再び回路に戻るとしても、それは二酸化炭素を除去済みのガスなのでいいんじゃないかと考えている。
もちろん、この蓋とケースの隙間から逆流した場合は、チャネルが出来たことと同じになり、重大な結果を招くことになる。
底蓋の横に開いているスリットの方が開口面積ははるかに大きいので、大部分のガスはこちらから吸い込まれて二酸化炭素除去材を通過するはずだと考えている(しかし、流入した後の抵抗は上蓋の隙間から入った方が小さいだろう)。
構造的に欠陥を抱えた代物であることに変わりはない。
漏れるものは漏れる。
「モレ」キュラーだから・・・(なんちゃって!)。
まあ、どうでもいいんですが(良かぁないです!)。
フィリピンでは、797が手に入らないのだろうか?。
マニラには、メンテナンスが可能な拠点があるというので、確認が必要だが、普通に手に入るならそれを使って欲しいな。
基本的には邪道の極みだし。
繰り返して書いておくが、浮沈子はこの方法を推奨しているわけではない。
水酸化カルシウムの充填量を少なくした場合は、容器の高さが減ってしまい、上蓋の天面のOリングが機能しない状態になる(上蓋には縁が付いているので、極端に下がることはない)。
それを確認するには、底蓋と本体との隙間が空いていているかどうかだけだ。
元々、ポセイドンの設計は、寸法的にシビアなやり方であり、プレパッキングされた寸法精度の良い工業製品であるソフノダイブを使うことを前提にしている。
この改造は、余程慎重な運用を行わないと事故に繋がる可能性がある。
命がけだ。
こんなことに命賭けていいのかあ?
で、ここまで書いておきながら、今日もスタッフに手伝ってもらいつつ、CDグレード(変色なし、粒径2mmから5mm)のソフノライムを充填する。
入念にタッピングし、微妙な量を調整し、上蓋の面をピッチリ合わせ、底蓋の4つのネジをいつもよりシッカリ締めた後、スリットを慎重に確認する。
OKだな。
今日まで4日間は無事に生きている。
しかし、明日、明後日と生きている保証はない。
残念だが、現状ではスコッティーズに、他のポセイドンダイバーを連れて来ることはできない。
ガイドがCCRのことを知らないという点については、ミカさんに伝えて、少なくとも緊急時の手順だけは教えておいて貰うことになった。
本日のガイドのケネスは、この点はバッチリだ。
日本人ガイドには、浮沈子から伝えた。
そう、ここでは、CCRダイバーをガイドするということが殆どないのだそうだ。
本格的に活用するためには、その辺りも考えておかなければならない。
しかし、酸素は使い放題だし、どこかの国のダイブサイトのようにCCR持ち込み禁止とかいうことはない。
ガイドさんの教育とソフノダイブの件がクリアされれば、設備の整った気持ちのいいダイビングが安心して楽しめる。
スタッフの質は、まあ、フィリピン基準でいえば高いだろう。
一流ホテルのマリンレジャーを、20年以上仕切っているだけのことはある。
突っ込み始めればキリはないけど。
まあいい。
南の島に期待していいことと、無益なことはあるのだ。
浮沈子は、日本人スタッフのマサさんと、フィリピンのコーヒー事情について意見が一致したということに感動して、もう、それだけで十分のような気になっている。
「コーピー」と浮沈子が名付けた飲み物は、我々が「コーヒー」と呼んでいるものとは似て非なるものである。
この国に、美味いコーヒーを期待してはならないのだ。
モレキュラー797ならぬ、「漏れ」キュラー詰め替えキットもまた、似て非なるものである・・・。
この件については、何か進展があれば、また報告する。
さて、ホテルの喫茶店に、「コーピー」でも飲みに行くかな・・・。
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