『当然の結果』 ― 2015年01月14日 14:58
『当然の結果』
(リベリアのエボラ流行、6月までに終息の可能性 米研究)
http://www.afpbb.com/articles/-/3036472
(Ebola Cases and Health System Demand in Liberia:元記事)
http://journals.plos.org/plosbiology/article?id=10.1371/journal.pbio.1002056
「エボラ出血熱の流行が世界で最も深刻な国のひとつのリベリアでは、発病した患者85%の入院治療を続けることができれば、6月までに流行が終結する可能性があるとの研究論文が13日、米オンライン科学誌プロス・バイオロジー(PLoS Biology)に掲載された。」
「ジョン・ドレーク(John Drake)准教授は、85%の入院率を維持できれば、エボラの流行は今年6月までにほぼ封じ込められるはずと話す。」
「これは現実的な可能性で『当然の結果』などではない」と指摘する。そして「必要とされるのは、現在の警戒レベルを維持し、力の及ぶ限り努力し続けることだ」
リベリアの増加は確かに一時期よりは減少したが、昨年の暮れから首都圏を中心に増加が伸びているようにも見える。
シエラレオネやギニアが減少に転じているように見えるのとは逆だ。
それでも、6か月先という具体的な時期を掲げて、終息の見込みを具体的に示した研究結果は浮沈子が知る限り初めてである(元記事:原論文では、「March to June, 2015.」といっている)。
この間に、いいニュースもあった。
(英国でエボラ熱診断の看護師、容体が改善)
http://www.cnn.co.jp/world/35058930.html
「西アフリカ・シエラレオネから英国へ帰還した後でエボラ出血熱と診断され、重体に陥っていた女性看護師の容体が改善したことが分かった。入院先の病院が12日に発表した。」
血清療法と試験的な治療薬が効いたのかもしれないが、何にしても良かった。
しかし、これは英国の話であって、今も主要3か国では毎日のように感染が広がり、およそ半数の患者が死んでいる。
終息の見込みが推し量れるようになったというのは結構な話ではあるが、それは全力で対応した時の話であるし、その間に亡くなる方も大勢いるということだ。
例によって、最新の感染者は以下の通り。
国名:感染者:集計日
ギニア:2799:1月10日
リベリア:8278:1月7日(WHO)
シエラレオネ:10143:1月12日
その他:35:-
合計:21255:ー
昨年の12月27日に2万人を突破してから、およそ2週間で約1200人が増えたことになる。
高致死率の感染症としては、未だに凄まじい勢いであることは間違いない。
しかし、画像のグラフには、明らかな変化が見て取れる。
ギニアは、ここ数日、感染者の増加が殆ど見られない。
集計が遅れているのかもしれないし、終息へのプロセスなのかもしれない。
シエラレオネは、明らかに減少傾向が出てきた。
期待していいだろう。
しかし、これらは「当然の結果」などではないことを肝に銘じておかなければならない。
85パーセントの感染者を隔離できればいいというが、残りの15パーセントは放っておいていいんだろうか?。
机上の議論ではそうなるんだろうが、感染経路を完全に遮断しない限り、感染が終息することはない。
今後、この手の終息ネタが、メディアに続々と掲載されるようになるだろう。
それは良い知らせであり、現場の状況がどれ程悲惨であれ、その終息に向かっているということなのだ。
問題なのは、撤収のタイミングと、規模、適切な事後対策である。
まだ、それについて語る時期ではないし、今はむしろ感染者の減少とは逆に、資源を増やしていく時期だ。
僅かでも感染者が増加しているということは、感染経路の遮断(隔離を含む)が不十分ということであり、トレースに漏れがあり、予期せぬ新たな感染経路が作られる可能性があるということになる。
トレースした関係者のリストの管理は大丈夫なんだろうか。
地域間の移動による感染拡大に対する対策は、十分に出来ているのだろうか。
終息に向かってロングテイル状態になった時、必要な支援は十分受けられるのだろうか。
政治的な関心が薄れ、現場の作業は変わらず、実務的な困難はむしろ増加するかもしれない。
撤退が最も難しいのだ。
通常の感染規模なら、その判断は比較的容易だろうが。
2万人超である。
終息までには、少なくとも3万人にはなるだろう。
しかも、広範囲にわたって感染区域が広がっている。
感染者の増加が少なくなったからといって、「当然の結果」として終息するわけではない。
(リベリアのエボラ流行、6月までに終息の可能性 米研究)
http://www.afpbb.com/articles/-/3036472
(Ebola Cases and Health System Demand in Liberia:元記事)
http://journals.plos.org/plosbiology/article?id=10.1371/journal.pbio.1002056
「エボラ出血熱の流行が世界で最も深刻な国のひとつのリベリアでは、発病した患者85%の入院治療を続けることができれば、6月までに流行が終結する可能性があるとの研究論文が13日、米オンライン科学誌プロス・バイオロジー(PLoS Biology)に掲載された。」
「ジョン・ドレーク(John Drake)准教授は、85%の入院率を維持できれば、エボラの流行は今年6月までにほぼ封じ込められるはずと話す。」
「これは現実的な可能性で『当然の結果』などではない」と指摘する。そして「必要とされるのは、現在の警戒レベルを維持し、力の及ぶ限り努力し続けることだ」
リベリアの増加は確かに一時期よりは減少したが、昨年の暮れから首都圏を中心に増加が伸びているようにも見える。
シエラレオネやギニアが減少に転じているように見えるのとは逆だ。
それでも、6か月先という具体的な時期を掲げて、終息の見込みを具体的に示した研究結果は浮沈子が知る限り初めてである(元記事:原論文では、「March to June, 2015.」といっている)。
この間に、いいニュースもあった。
(英国でエボラ熱診断の看護師、容体が改善)
http://www.cnn.co.jp/world/35058930.html
「西アフリカ・シエラレオネから英国へ帰還した後でエボラ出血熱と診断され、重体に陥っていた女性看護師の容体が改善したことが分かった。入院先の病院が12日に発表した。」
血清療法と試験的な治療薬が効いたのかもしれないが、何にしても良かった。
しかし、これは英国の話であって、今も主要3か国では毎日のように感染が広がり、およそ半数の患者が死んでいる。
終息の見込みが推し量れるようになったというのは結構な話ではあるが、それは全力で対応した時の話であるし、その間に亡くなる方も大勢いるということだ。
例によって、最新の感染者は以下の通り。
国名:感染者:集計日
ギニア:2799:1月10日
リベリア:8278:1月7日(WHO)
シエラレオネ:10143:1月12日
その他:35:-
合計:21255:ー
昨年の12月27日に2万人を突破してから、およそ2週間で約1200人が増えたことになる。
高致死率の感染症としては、未だに凄まじい勢いであることは間違いない。
しかし、画像のグラフには、明らかな変化が見て取れる。
ギニアは、ここ数日、感染者の増加が殆ど見られない。
集計が遅れているのかもしれないし、終息へのプロセスなのかもしれない。
シエラレオネは、明らかに減少傾向が出てきた。
期待していいだろう。
しかし、これらは「当然の結果」などではないことを肝に銘じておかなければならない。
85パーセントの感染者を隔離できればいいというが、残りの15パーセントは放っておいていいんだろうか?。
机上の議論ではそうなるんだろうが、感染経路を完全に遮断しない限り、感染が終息することはない。
今後、この手の終息ネタが、メディアに続々と掲載されるようになるだろう。
それは良い知らせであり、現場の状況がどれ程悲惨であれ、その終息に向かっているということなのだ。
問題なのは、撤収のタイミングと、規模、適切な事後対策である。
まだ、それについて語る時期ではないし、今はむしろ感染者の減少とは逆に、資源を増やしていく時期だ。
僅かでも感染者が増加しているということは、感染経路の遮断(隔離を含む)が不十分ということであり、トレースに漏れがあり、予期せぬ新たな感染経路が作られる可能性があるということになる。
トレースした関係者のリストの管理は大丈夫なんだろうか。
地域間の移動による感染拡大に対する対策は、十分に出来ているのだろうか。
終息に向かってロングテイル状態になった時、必要な支援は十分受けられるのだろうか。
政治的な関心が薄れ、現場の作業は変わらず、実務的な困難はむしろ増加するかもしれない。
撤退が最も難しいのだ。
通常の感染規模なら、その判断は比較的容易だろうが。
2万人超である。
終息までには、少なくとも3万人にはなるだろう。
しかも、広範囲にわたって感染区域が広がっている。
感染者の増加が少なくなったからといって、「当然の結果」として終息するわけではない。
PADIの魂 ― 2015年01月14日 20:30
PADIの魂
パディ・ガイド・トゥ・ティーチングを読む(画像参照)。
明日は、横浜で座学なので、一応予習を兼ねて目を通しておく。
ノウハウ本だが、それだけではない。
PADIの魂だな。
紙本で注文したつもりになっていたが、更新が無料であることと、持ち運びに便利なのでDVD版を頼んでいたようだ。
インストーラーを起動すると、圧縮ファイルが展開されるらしく、PDFファイルが生成される。
2014年版で216ページである。
オープン・ウォーター・インストラクター・マニュアルとは、クルマの両輪のようなものだ。
基準を示したマニュアルの、実践的な解説になっている。
読むというより、捲っただけともいう。
何がどこに書いてあるか程度だな。
実際には、このノウハウに更に肉付けしなければならない。
人間が人間にものを教えるというのは、文字に出来ない要素があるのだ。
そのうち、ティーチングロボットが進歩して、ホログラムになったインストラクターが教えるようになるかもしれないが、アシストしたり緊急対応したりするにはホログラムではダメだ。
水中ロボットだな。
それでも、受講者のモチベーションを高めるためには、人間の方がいいに決まっている。
中には、思いっきり、やる気を失わせるインストラクターがいるかもしれないが。
まあいい。
人間が人間に教える。
それは、人間が生物として他の種族から分かれて独自の道を歩み始めた根源的な行為である。
ダイビングは命に関わるレジャーだから、そのインストラクションはテーブルマナーを教えるのとはわけが違う。
もちっと敬虔なものだ。
誤って教えれば、最悪、お陀仏になる。
死と隣り合わせの環境で、死なないためのノウハウを学ぶ。
遊びとはいえ、そこには究極の真剣さが求められる。
と同時に、効率よく、かつ楽しく学ばせなければ商売にはならない。
病気、へたくそ、思い上がりによって死なないためには、外形的に基準を守るというだけではダメで、ダイビングに対する態度として、控えめに潜るとか、健康管理に気を配るとか、継続教育を受け続けるということが必要になってくる。
そういった、態度を身に付けさせることができるかどうか。
インストラクターが、ダイビングの合間にタバコを吸っていたり、前日に深酒したりしているようでは、受講生に対して説得力はないだろう。
禁酒、禁煙は当たり前、日頃から摂生に努め、適度な運動を欠かさず、インストラクター自身のダイビングに対するスキルアップも継続しているのがよろしい(できれば、CCRとか・・・)。
お前に言われたくない!・・・。
そういえば、ダイブマスターの講習の時に、メントールという言葉(まあ、よくあるPADI語の類だな)が出てきた。
(メンター)
http://gogen-allguide.com/me/mentor.html
「メンターは、ギリシャの詩人 ホメロスが書いたといわれる叙事詩『オデュッセイア』に登場する老賢人「Mentor(メントール)」の名から。」
「そこから、メンターは「助言者」「教育者」「恩師」などの意味で使われるようになった。」
メントールで調べても、薄荷(はっか:メンソール)の類しか出てこないので、悪しからず。
まあ、どうでもいいんですが。
もう、信頼関係が全てだろう。
庇護者という意味もある。
傅(めのと:乳母)という訳を充てている辞書もある。
(mentor)
http://ejje.weblio.jp/content/mentor
単に物事を教えればいいというわけではないのだ。
陸上で生きる術を教えるように、水中で生きる術を教える。
それが適わなければ命を失うという意味では、少なくとも初めは絶対的な庇護者として君臨する。
受講者のスキルが上がってくれば、良き指導者、そして助言者としての意味が出てこようというものだ。
メンター(メントール?)の役割は、動的に変わってくるのである。
受講者が一定レベルの技量と経験を積み、認定レベルになれば評価を行ってダイバーとして認定する。
いやあ、恐いなあ。
認定したダイバーが事故でも起こして帰らぬ人となったりしたら、さぞかし寝覚めが悪いだろうな。
夜な夜な化けて出るかもしれない。
そういう残念なことにならないようにするために、教える方も教わる方も、真剣かつ集中して行わなければならないのだ。
しかも、楽しく・・・。
んなこと、出来るわきゃないっしょ!?。
改めて、オープン・ウォーターの講習内容を見ると、もう、盛り沢山で、こんなに出来るようにならなくっちゃならないんだと呆れる。
浮沈子は、一応、ダイブマスターということになっているが、かなり怪しい・・・。
まあ、やれといわれれば出来るかもしれないし、それなりにやっては見せるが、得手不得手はある。
そんな状態で、メンターになれんのかあ?。
まあ、時間を掛けて、じっくり取り組むことにしよう。
もし、インストラクターになれたとしても、CCR以外のダイバーは教えたくないな。
「すいませんが、ホバリングのお手本、見せてください!」とかいわれたら、どーする?。
「あのー、スノーケリング、教えて欲しいんですけどお」
他を当たってください!。
ダイブショップ浮沈子は、CCR限定です!(まあ、いつになることやら・・・)。
パディ・ガイド・トゥ・ティーチングを読む(画像参照)。
明日は、横浜で座学なので、一応予習を兼ねて目を通しておく。
ノウハウ本だが、それだけではない。
PADIの魂だな。
紙本で注文したつもりになっていたが、更新が無料であることと、持ち運びに便利なのでDVD版を頼んでいたようだ。
インストーラーを起動すると、圧縮ファイルが展開されるらしく、PDFファイルが生成される。
2014年版で216ページである。
オープン・ウォーター・インストラクター・マニュアルとは、クルマの両輪のようなものだ。
基準を示したマニュアルの、実践的な解説になっている。
読むというより、捲っただけともいう。
何がどこに書いてあるか程度だな。
実際には、このノウハウに更に肉付けしなければならない。
人間が人間にものを教えるというのは、文字に出来ない要素があるのだ。
そのうち、ティーチングロボットが進歩して、ホログラムになったインストラクターが教えるようになるかもしれないが、アシストしたり緊急対応したりするにはホログラムではダメだ。
水中ロボットだな。
それでも、受講者のモチベーションを高めるためには、人間の方がいいに決まっている。
中には、思いっきり、やる気を失わせるインストラクターがいるかもしれないが。
まあいい。
人間が人間に教える。
それは、人間が生物として他の種族から分かれて独自の道を歩み始めた根源的な行為である。
ダイビングは命に関わるレジャーだから、そのインストラクションはテーブルマナーを教えるのとはわけが違う。
もちっと敬虔なものだ。
誤って教えれば、最悪、お陀仏になる。
死と隣り合わせの環境で、死なないためのノウハウを学ぶ。
遊びとはいえ、そこには究極の真剣さが求められる。
と同時に、効率よく、かつ楽しく学ばせなければ商売にはならない。
病気、へたくそ、思い上がりによって死なないためには、外形的に基準を守るというだけではダメで、ダイビングに対する態度として、控えめに潜るとか、健康管理に気を配るとか、継続教育を受け続けるということが必要になってくる。
そういった、態度を身に付けさせることができるかどうか。
インストラクターが、ダイビングの合間にタバコを吸っていたり、前日に深酒したりしているようでは、受講生に対して説得力はないだろう。
禁酒、禁煙は当たり前、日頃から摂生に努め、適度な運動を欠かさず、インストラクター自身のダイビングに対するスキルアップも継続しているのがよろしい(できれば、CCRとか・・・)。
お前に言われたくない!・・・。
そういえば、ダイブマスターの講習の時に、メントールという言葉(まあ、よくあるPADI語の類だな)が出てきた。
(メンター)
http://gogen-allguide.com/me/mentor.html
「メンターは、ギリシャの詩人 ホメロスが書いたといわれる叙事詩『オデュッセイア』に登場する老賢人「Mentor(メントール)」の名から。」
「そこから、メンターは「助言者」「教育者」「恩師」などの意味で使われるようになった。」
メントールで調べても、薄荷(はっか:メンソール)の類しか出てこないので、悪しからず。
まあ、どうでもいいんですが。
もう、信頼関係が全てだろう。
庇護者という意味もある。
傅(めのと:乳母)という訳を充てている辞書もある。
(mentor)
http://ejje.weblio.jp/content/mentor
単に物事を教えればいいというわけではないのだ。
陸上で生きる術を教えるように、水中で生きる術を教える。
それが適わなければ命を失うという意味では、少なくとも初めは絶対的な庇護者として君臨する。
受講者のスキルが上がってくれば、良き指導者、そして助言者としての意味が出てこようというものだ。
メンター(メントール?)の役割は、動的に変わってくるのである。
受講者が一定レベルの技量と経験を積み、認定レベルになれば評価を行ってダイバーとして認定する。
いやあ、恐いなあ。
認定したダイバーが事故でも起こして帰らぬ人となったりしたら、さぞかし寝覚めが悪いだろうな。
夜な夜な化けて出るかもしれない。
そういう残念なことにならないようにするために、教える方も教わる方も、真剣かつ集中して行わなければならないのだ。
しかも、楽しく・・・。
んなこと、出来るわきゃないっしょ!?。
改めて、オープン・ウォーターの講習内容を見ると、もう、盛り沢山で、こんなに出来るようにならなくっちゃならないんだと呆れる。
浮沈子は、一応、ダイブマスターということになっているが、かなり怪しい・・・。
まあ、やれといわれれば出来るかもしれないし、それなりにやっては見せるが、得手不得手はある。
そんな状態で、メンターになれんのかあ?。
まあ、時間を掛けて、じっくり取り組むことにしよう。
もし、インストラクターになれたとしても、CCR以外のダイバーは教えたくないな。
「すいませんが、ホバリングのお手本、見せてください!」とかいわれたら、どーする?。
「あのー、スノーケリング、教えて欲しいんですけどお」
他を当たってください!。
ダイブショップ浮沈子は、CCR限定です!(まあ、いつになることやら・・・)。
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