パキテロ2016年03月29日 13:16

パキテロ


ソフトターゲットという言葉を、初めて聞いた。

(パキスタン首相、訪米見送り 公園自爆テロ受け)
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM29H1X_Z20C16A3EAF000/

「テロリストは(軍が進める掃討作戦で)潜伏先や訓練施設を失い、残党が(防御の手薄な民間人ら)ソフトターゲットを狙い始めている」

テロリストが、堅牢に防御された軍事施設などを狙って行動を起こすというのは、あまり聞かない(テロとゲリラは違います)。

人が集まるところで、過激な行動(自爆とか)を起こしては、恐怖を煽る。

もちろん、国家や企業などによる体制側のテロもあるので、一概には言えないが、テロといえば、反体制過激勢力と相場が決まっていて、罪のない市民が数多く巻き添えになるという話がメインだ。

ハードとソフトといえば、コンタクトレンズだが(浮沈子は、していないので、良く分かりません)、ここでの意味は、困難さを表すんだろう。

ハードプロブレムとかを聞いた記憶もあるしな(確か、クオリアの話)。

70人を超える死者が出ているというし、多くの子供も含まれているという痛ましい話だ(負傷者は300人以上)。

パキスタンという国家は、複雑な歴史と経緯を背負っている。

(パキスタン)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%91%E3%82%AD%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%B3

「南アジアの国家で、イギリス連邦加盟国である。首都はイスラマバード。最大の都市はカラチ。面積は80万km²で日本 (38万km²) の約2倍程。」

ガチガチのイスラム国家であるのに、英連邦に加盟しているという。

もう、それだけで十分ややっこしい。

英連邦って、確か、国家元首はエリザベス女王じゃなかったっけえ?。

(イギリス連邦:加盟国の国家元首)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%82%AE%E3%83%AA%E3%82%B9%E9%80%A3%E9%82%A6#.E5.8A.A0.E7.9B.9F.E5.9B.BD.E3.81.AE.E5.9B.BD.E5.AE.B6.E5.85.83.E9.A6.96

「加盟国には、国家元首として独自の大統領や君主を置く国と、イギリス国王(現在は女王エリザベス2世)を元首たる国王とする国(英連邦王国)とがある。」

ああ、両方あるのか・・・。

というわけで、浮沈子の世界認識の程度はこんなもんである。

その上でパキスタンを見ると、それでも、相当ややっこしい。

「国名の変遷:
・1947年-1956年:パキスタン
・1956年-1962年:パキスタン・イスラム共和国
・1962年-1973年:パキスタン共和国
・1973年-現在:パキスタン・イスラム共和国」

わずか25年の間に3回も国名が変わっている。

英国からの独立、その際のごたごた、インドとの対立や、東パキスタンの分離独立、アフガニスタンを巡る米ソの対立に翻弄された最近の事情・・・。

インドとの対立の関係で、反ソ連(ロシア)で、米国と仲がいいくせに、インドとの対抗上、タリバンに対する支援を行っているとされる。

もちろん、核保有国だ(北朝鮮とも仲いい)。

インドとの緊張緩和にも努めているが、国内は一枚岩ではない。

「パキスタンではイスラム教徒・非イスラム教徒を問わず、イスラームやムハンマド、コーランに対する批判は禁止されており、言論の自由はない。違反した場合投獄や死刑に処される。またイスラム教徒が他の宗教に改宗することも国法で禁止されており、違反した場合死刑である。」

「また国法とは別に、慣習法による人権侵害も深刻である。例を挙げれば、婚前交渉を行った女性を家族の名誉を汚したとして処刑する名誉の殺人があり、山岳部を中心に横行している。」

人口は増加し続けていて、2012年で1.8億人だが、2050年には3.4億人になるといわれている。

その国で、テロが起きたわけだ。

「首相は28日夜の国民向けテレビ演説で「テロリストが最後の一滴の血で償うまでテロとの戦いを続ける」と決意を表明した。」

こっちも、相当過激だな。

テロが起きたのは、東部のラホールというところらしい。

(ラホール)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%AB

「パキスタン北部のパンジャーブ地方、ラーヴィー川の岸辺に位置するインドとの国境付近にある都市。」

「ラホールの人口は1千万に達すると推定されている。パキスタンではカラチに次ぐ第二の都市である。」

大都会だな・・・。

ウィキの座標で見ると、だいぶ西(400km位)に離れたところにプロットされてしまう。

なんとかしてくれ!。

まあいい。

インドとの国境が近いこともあって、グーグルアースに切り替えて比べてみると、この辺りのインド側はベタで小さな集落が広がっているのに対し、パキスタンは河川周辺に集落が限られている。

それでも、拡大してみると、田畑の区画が、よく整理されて広がっている。

(パンジャーブ州 (インド))
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%91%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%83%96%E5%B7%9E_(%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%89)

「パンジャーブは「5つの河」という意味のペルシア語(「پنج (パンジ:5)」+「آب(アーブ:水)」)が起源で、その名の通りインダス川と支流の5つの河が織り成す豊かな地方である。インダス川水系の河川が作り出した沖積平野である。」

「インドの中では比較的小さな州である。更に大きなパンジャーブ地域の一部で、インドのパンジャーブ州のほか、パキスタン領にもパキスタンのパンジャーブ州がある。」

国境で隔てられているが、元々は同じ地域なのだ。

「産業:
穀物生産量は、州の規模からすると大きい。2002年に生産された米890万トン(玄米重量)はインド全体の12%、小麦1,420万トンは22%にも当たる」

農業ばっか・・・。

(パンジャーブ)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%91%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%83%96

「大河に囲まれた地域で、灌漑によって小麦・米の生産力に優れた豊かな農地となっており、インド・パキスタン両国にとっては重要な穀倉地帯である。」

「言語:
パンジャーブ語」

「宗教:
住民の宗教は、イスラーム教、シク教、ヒンドゥー教の3宗教によって大別される。各宗教の信者はイギリス統治期には入り混じって暮らしていたが、現在ではおおむね前者がパキスタン領、後二者がインド領に別れている。」

宗教なんて、ごちゃごちゃ混じってた方がいいような気もするんだがな。

線引いて、こっちは何教とかに分けると、碌なことはない。

「捜査当局は28日夜までにテロ犠牲者約70人のうち、約40人がイスラム教徒だったと明らかにした。」

「イスラム過激派武装勢力「パキスタンのタリバン運動(TTP)」の一派は犯行声明で、少数派のキリスト教徒を狙ったとしていた。」

まとめて爆弾破裂させても、宗教まで区別して殺傷してくれる爆弾はない。

単なる言い訳に過ぎない。

首相が外遊を取り止めるほど、社会的にはインパクトがあったわけだ。

外務省の安全情報を見ると、ラホールはそれ程危険とはされていない。

(パキスタン | Pakistan > 危険情報・スポット情報・広域情報)
http://www2.anzen.mofa.go.jp/info/pcinfectionspothazardinfo.asp?id=11#ad-image-0

「●「レベル2:不要不急の渡航は止めてください。」(継続)
・イスラマバード首都圏
・パンジャブ州
・KP州のアボタバード郡,バタグラム郡,ハリプール郡,コヒスタン郡,マンセーラ郡及びトルガル郡
・カラチ市を含むシンド州(ジャコババード郡を除く)
・バロチスタン州(アフガニスタン及びイランとの国境付近,デラ・ブグティ郡,コールー郡及びクエッタ市を除く)
・パキスタン側カシミールの一部でアーザード・ジャンムー・カシミールと呼ばれる地域(以下「AJK」)(LOC付近を除く)」

インドとの管理ライン(以下「LOC」)等付近一帯は、退避勧告継続地域になっているが、ラホールは該当していなかった(閲覧時)。

「ラホール市
ラホールの治安情勢は比較的安定していますが,反政府勢力による警察・警察関連施設,宗派対立に根ざした宗教関連施設,バザールに対するテロ事件等が市内中心部等で発生しています。」

「2014年11月2日には,ラホール市郊外のワガー国境付近で爆発事件が発生しました。同事件による外国人被害はありませんでしたが,一般来訪者及び同国境の警備に当たっていた治安当局者約60名が死亡,100名以上が負傷しました。本事件は,同国境で毎日行われている国旗降納式終了後に発生し,同行事を観覧し終えた訪問者で混雑する駐車場前で発生したことから,多くの死傷者が発生しました。」

「また,2015年2月には市内警察署を狙った爆弾テロ,3月には市内キリスト教宗教施設を狙った爆弾テロが続けて発生し,一般人を含む複数の死傷者が発生しました。」

「上記を踏まえ,市内商業地区及び郊外地区の治安動向には引き続き特段の注意を払う必要があります。」

まあ、どこへ行っても同じなんだろうな。

そこで生活している人々にとっては、多少危険だからといって、他に移るわけにはいかないのだ。

テロが起こるたびに、アホくさいと思う一方、他人ごとではないと気が滅入る。

デブリかガスか2016年03月29日 17:45

デブリかガスか
デブリかガスか


衛星ひとみとの通信を、ロストしてから3日目になった。

(天文衛星「ひとみ」に宇宙ごみが衝突か 通信途絶、破損の恐れ)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201603/CK2016032902000116.html

「専門家らは、宇宙ごみ(スペースデブリ)との衝突や衛星内部で爆発などが起きたとみている。」

「宇宙開発に詳しい沢岡昭・大同大学長は「十センチ以下の宇宙ごみが、太陽電池パネルなどにあたって部分的に壊れた」と推測する。」

「一方、宇宙関連の取材を続けるノンフィクション作家の松浦晋也さんは、内部の小爆発やガスの漏えいで破損した可能性を指摘する。「観測機器を冷やすために積んだ液体ヘリウムなどがあやしい」という。」

浮沈子も、液体ヘリウムが怪しいとみてるんだがな(ヤマカン)。

「通信途絶は非常に深刻だが、小惑星探査機「はやぶさ」や米国などの太陽観測衛星「SOHO」は途絶後に復活した。」

「衛星の姿勢が乱れ、太陽電池に十分に光があたらない状態にあるようだ。周回する中で向きが変われば回復も考えられる」

そうあって欲しいもんなんだが、こんなニュースもある。

(通信途絶「ひとみ」スピンの可能性…撮影画像に明暗)
http://mainichi.jp/articles/20160329/k00/00e/040/186000c

「7秒周期で明るさが変化しており、「ひとみはぐるぐるとスピンしている可能性がある」」(画像参照)

「29日午前現在、ひとみとの通信は回復していない。」

ということは、スピン安定状態になっていて、通信が回復していないということになる(姿勢制御装置は故障?)。

ひとみの太陽電池は、柄となる棒が付いていないので、衛星の姿勢自体を変えないとちゃんと受光できない。

8角柱の衛星本体の側面の一つに、ベタで張り付いたまま展開している構造だから。

仮に、衛星の向きがたまたま一致して受光しても、7秒間の周期のうちの一瞬ではどうしようもないだろう(たぶん)。

本体側面全てに張り付けてあるタイプではなく、1つの面にパネルを展開しているというのも、今回のような事態では、嬉しくない仕様だ(たぶん)。

まあいい。

この状態で回転が安定するか、変化していくかを見極める必要があるな。

衛星の軌道も、どうなっていくか気になる。

あまり変化しないようなら、デブリの衝突で、どんどん変わっていくようなら、ガスの噴出が続いているという可能性もある。

デブリが当たって、ガスが漏れるというのもある。

最悪・・・。

まあ、どうでもいいんですが。

通信が回復しないことには、手も足も出ないんだろう。

高度560から590km位だが、ちょっと行って直してくるというわけにもいかないしな。

ああっ、運を天に任せるというのは、こういう状態なんだろうなあ・・・。

誤解を招く表現2016年03月29日 20:19

誤解を招く表現
誤解を招く表現


310億円(打ち上げ費用込み)の科学衛星を、ゴミだとかデブリとかいってるこのブログから見れば、大した話ではないような気がするんだがな。

(X線天文衛星「ひとみ」に異常、空中分解? 軌道に影響も)
http://www.rbbtoday.com/article/2016/03/28/140993.html

「※[お詫びと訂正:2016-03-28]初出時の記事タイトルに、誤解を招く表現がございました。お詫びして訂正いたします。」

はて?、どんなタイトルだったっけえ?。

浮沈子も引用した記事なので、表題が確認できた。

(ひとみ→ゴミ)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2016/03/28/8058853

「X線天文衛星「ひとみ」に異常、空中分解して落下中か?」

「落下中か?」というところが、「軌道に影響も」という表現に替わっていることが確認できる。

浮沈子の、確信犯的な表現である「ゴミ」に比べれば、誤解を招くということはないような気がするんだがな。

もちろん、浮沈子は、落下とは言っていないから、誤解の余地はない!(そういうことかあ?)。

記事の中身(拡大して分かる添付画像)を読めば、確かに軌道周回時間がやや(4秒弱くらい)短くなっていることが分かるので、「落下」という表現は誤りではない(インパクト的変化では2.5秒くらい)。

円軌道から楕円軌道に遷移して、近地点高度も10kmくらい下がっているので、長い目(数百年?)で見れば、正常状態から落下するまでの期間は多少は短くなっているのかもしれないが、日常的な長さの時間単位で落下しているかということになれば、確かに誤解を招く話ではある。

どっかから苦情があったのかもしれないし、余りに過激だということで変更したのかもしれない(どう書いたって、事実は変わんないしな)。

復旧に必死の担当者にしてみれば、どっちだって同じだろうし・・・。

記事の内容は、やや生煮えだが、比較的しっかりしているし、追記情報も入れたりして、真面目な感じだ。

どっかのブログのような、煽り記事ではない。

しかし、衛星落下というのは、業界にとってはタブーなんだろう。

つーか、社会的影響を考えると、しっかりとした根拠に基づき計算したうえで表現されるべき事項、ということになる。

その意味では、ゴミになったという方が、罪一等軽いかもしれない(そうなのかあ?)。

ひとみは、比較的デカい衛星だが、構造を見ると殆どスカスカで、落ちてきて危なさそうなのは液体ヘリウムのデュワーくらいのような気がする(画像参照)。

SXSのシステム重量は、旧型で400kgとなっていた。

今のところ、有り難いことに、落下の兆しはない(たぶん)。

通信さえ回復させられれば、復旧の見込みもないわけではない(この表現は、実にビミョーだ・・・)。

浮沈子のブログは、事実に基づく(たまに基づかないことも)個人的妄想を綴っているに過ぎない。

誤解を招く表現、煽り、憶測、希望的観測、何でもアリだ。

社会的信用を背負っているメディアの苦労はない。

まあ、どうでもいいんですが。

(天体観測衛星「ひとみ」通信回復せず 深刻な事態か)
http://www3.nhk.or.jp/knews/20160329/k10010460211000.html

「衛星に何らかの深刻な事態が起きているとみて状況の把握を急いでいます。」

(ASTRO H)
http://www.n2yo.com/satellite/?s=41337

浮沈子が確認しているサイトだが、現在の軌道要素は以下の通り。

「Perigee: 567.3 km
Apogee: 588.0 km
Inclination: 31.0 °
Period: 96.1 minutes 」

Perigee:近地点高度
Apogee:遠地点高度
Inclination:軌道傾斜角
Period:周期

特に、周期に注目だな。

設定では96.2分になっている。

衛星は、通信できていないので、現時点では地上からの制御は不可能だ。

打ち上げロケットの残骸と同じく、どうなるかは物理の法則にお任せ状態である。

もちろん、観測は出来ないので、何の役にも立っていない。

光明星4号と変わらない(って、あっちが通信できているかどうかは不明)。

やっぱ、もう一度、ハッキリ書いておこう。

少なくとも、今のところ、衛星ひとみは宇宙のゴミである。

残念だが、誤解の余地はない・・・。

(「ひとみ」電波か、2回受信=軌道付近に物体確認—JAXA:追加)
http://jp.wsj.com/articles/JJ10571958956373563485718852094633699398935

「JAXAによると、電波は28日午後10時ごろと29日午前0時半ごろ、鹿児島県と南米チリの地上局がそれぞれ受信した。受信できたのはごく短時間で、衛星の状態は確認できなかった。」

「美星スペースガードセンター(岡山県井原市)の望遠鏡で、ひとみの軌道付近に二つの物体を確認したことも明らかにした。」

(JAXA、28日以降にX線天文衛星「ひとみ」から電波を2度受信-状態は未だ不明:追加)
http://news.mynavi.jp/news/2016/03/29/528/

「日本宇宙フォーラム所有の上齋原スペースガードセンター(KSGC)のレーダおよび美星スペースガードセンター(BSGC)の望遠鏡による観測を行っており、これまでにBSGCにおいて当初の「ひとみ」の軌道近傍に2つの物体を確認し、KSGCでもそのうちの1つの物体を確認している。」

「サンチャゴ局で受信できた電波は、KSGCで観測した物体の軌道方向からのものであることが確認されている。」

やっぱ、まだゴミだな・・・。