ひとみ経過 ― 2016年03月30日 03:24
ひとみ経過
ちょっと気になって、衛星ひとみがトラブルに落ちてからの経過を纏めてみようと思った(落ちる←禁句?)。
頭が混乱して、衛星のように、ぐるぐる回っている(いつものことですが)。
JAXAからの情報の出方が散発的なのと、外部からの情報発信が混ざっていること、事実の発生と情報の発出にずれがあることが原因だ。
イベントが継続している最中なので、整理されていないのはやむを得ないし、当事者が未確認の情報を二次的に絡めるわけにはいかない。
浮沈子は、天文ファンでもないし、基礎的な知識があるわけでもないので、物事の上っ面を眺めているに過ぎないが、何となく並べてみた方がいいような気がしてきた。
なお、時刻はJST(GMT+9)にしている。
・3月26日9時52分:
定時運用終了、最後の正常受信(通信地不明)、後のデータ解析からこの時点で次の不具合を確認
「太陽電池パドルの発生電力が想定よりも低い」
「構体内の温度分布が通常と異なる」
「太陽捕捉を示す信号が確認できない」
・3月26日10時42分頃:
米軍戦略軍統合宇宙運用センター(JSpOC)がひとみの分解時刻と分析(後述)
・3月26日頃(正確な時刻不明):
衛星軌道の急激な変化を観測
・3月26日16時40分:
定時運用開始を試みるも、通信できず(通信地不明)
・3月26日17時20分:
米軍戦略軍統合宇宙運用センター(JSpOC)がひとみの衛星軌道近傍に5個の物体を確認
・3月26日23時39分:
3分間から4分間電波受信(受信地不明)
・3月27日1時21分:
3分間から4分間電波受信(受信地不明)
・3月28日22時頃:
内之浦宇宙空間観測所(日本:鹿児島県)で短時間(11秒)電波受信
・3月28日22時20分:
倉敷科学センター(岡山県)にて衛星の明滅を確認(周期約7秒)
・3月29日0時半頃:
チリ・サンチャゴ局で短時間(6秒)電波受信
・日付時刻不明(3月29日までの間):
美星スペースガードセンター(BSGC)の望遠鏡による観測において当初の「ひとみ」の軌道近傍に2つの物体を確認
・日付時刻不明(3月29日までの間):
上齋原スペースガードセンター(KSGC)のレーダにおいて当初の「ひとみ」の軌道近傍に1つの物体を確認(ちょっと意味不明だな)
ざっとこんな感じか。
以下、若干の補足情報。
(X線天文衛星「ひとみ」、回転しながら飛行中の模様)
http://sorae.jp/030201/20160329_astroh.html
「スペースデブリなどの監視を行っているアメリカ国防総省戦略軍統合宇宙運用センター(JSpOC)は、「ひとみ」のブレークアップ(分解、分離)は日本時間の3月26日10時42分頃という分析結果を公表」
どうやって分析したのかは、分からない。
(X線天文衛星「ひとみ」から短時間の電波受信 JAXA)
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG29HGO_Z20C16A3CR8000/
「電波は28日午後10時ごろと29日午前0時半ごろに受信した。それぞれ11秒、6秒と短く、衛星の状態は分からなかった。」
(衛星「ひとみ」姿勢制御不能か - 米アマ天文家が映像撮影)
http://news.mynavi.jp/news/2016/03/29/126/
「「ひとみ」が、軌道上で姿勢制御ができずに激しく回転しているとみられる映像を、米国のアマチュア天文家が撮影」
(Video Shows Troubled Japanese Spacecraft Tumbling in Orbit:元ネタ)
http://phenomena.nationalgeographic.com/2016/03/28/video-shows-troubled-japanese-spacecraft-tumbling-in-orbit/
明滅する衛星の動画が見られる。
画像は、同じナショジオのこのページから。
(Japan Loses Contact With New Space Telescope)
http://phenomena.nationalgeographic.com/2016/03/27/japan-loses-contact-with-newest-space-telescope/
太陽電池パネルが、衛星の側面に張り付いて固定されているのが分かる。
それがどうしたということはあるが、何か気になって仕方ないのだ。
性能的には、角度的にプラスマイナス30度で機能を満たす仕様という。
思い切りくるくる回っている状況では、もちろん、どうしようもないんだろうな。
さて、上記の経過を見るにつけ、通信復旧ののぞみは徐々に薄れてきていることが分かる。
衛星の回転が徐々に速くなり、通信時間が短くなってきているからだ。
<通信時間の項抜粋>
・3月26日23時39分:3分間から4分間
・3月27日1時21分:3分間から4分間
・3月28日22時頃:11秒
・3月29日0時半頃:6秒
受信感度や、衛星の送信状態の問題もあるんだろうが、最後の2つを見ると、2時間半で5秒落ちている。
今後、受信できたとしても、1秒未満になる可能性がある。
受信周波数は不明だが、おそらく低速での受信なんだろう。
受信のネックになっているのは、衛星の姿勢そのものではなく、姿勢が変化してしまっていることによる発電量の減少とされているようだ。
おそらく、バッテリーはスカで、太陽電池パネルの受光だけが頼りで、通電した時だけ通信できるということなのかもしれない。
通信機器の仕様が分からないが、立ち上げ時の消費電力や立ち上げに要する時間もあるだろうから、あまり短い電力供給になると、通信自体が出来なくなる。
正常通信を失ってから、アップロードには1度も成功していないので、最早、そっちは完全に不可能になっているかも知れない。
衛星の回転は、内部のガスの噴出が無くても、形状によって、上空のわずかの空気抵抗が原因でも発生するようだ。
明滅のパターンから、回転方向と角速度が算出できれば、通信が回復してコマンドを送ることによって回転を止めることが出来るかもしれない。
しかし、通信が事実上途絶している状況では、何もできない。
万事休すか・・・。
「Jonathan McDowell @planet4589
It's had a bad day, but I am optimistic this morning that @JAXA_en @ISAS_JAXA will recover contact with Hitomi in the coming days.
11:45 PM - 28 Mar 2016」
ああ、米国人って、どうしてこうも楽天的でいられるんだろうか(爪の垢、下さい!)。
ちょっと気になって、衛星ひとみがトラブルに落ちてからの経過を纏めてみようと思った(落ちる←禁句?)。
頭が混乱して、衛星のように、ぐるぐる回っている(いつものことですが)。
JAXAからの情報の出方が散発的なのと、外部からの情報発信が混ざっていること、事実の発生と情報の発出にずれがあることが原因だ。
イベントが継続している最中なので、整理されていないのはやむを得ないし、当事者が未確認の情報を二次的に絡めるわけにはいかない。
浮沈子は、天文ファンでもないし、基礎的な知識があるわけでもないので、物事の上っ面を眺めているに過ぎないが、何となく並べてみた方がいいような気がしてきた。
なお、時刻はJST(GMT+9)にしている。
・3月26日9時52分:
定時運用終了、最後の正常受信(通信地不明)、後のデータ解析からこの時点で次の不具合を確認
「太陽電池パドルの発生電力が想定よりも低い」
「構体内の温度分布が通常と異なる」
「太陽捕捉を示す信号が確認できない」
・3月26日10時42分頃:
米軍戦略軍統合宇宙運用センター(JSpOC)がひとみの分解時刻と分析(後述)
・3月26日頃(正確な時刻不明):
衛星軌道の急激な変化を観測
・3月26日16時40分:
定時運用開始を試みるも、通信できず(通信地不明)
・3月26日17時20分:
米軍戦略軍統合宇宙運用センター(JSpOC)がひとみの衛星軌道近傍に5個の物体を確認
・3月26日23時39分:
3分間から4分間電波受信(受信地不明)
・3月27日1時21分:
3分間から4分間電波受信(受信地不明)
・3月28日22時頃:
内之浦宇宙空間観測所(日本:鹿児島県)で短時間(11秒)電波受信
・3月28日22時20分:
倉敷科学センター(岡山県)にて衛星の明滅を確認(周期約7秒)
・3月29日0時半頃:
チリ・サンチャゴ局で短時間(6秒)電波受信
・日付時刻不明(3月29日までの間):
美星スペースガードセンター(BSGC)の望遠鏡による観測において当初の「ひとみ」の軌道近傍に2つの物体を確認
・日付時刻不明(3月29日までの間):
上齋原スペースガードセンター(KSGC)のレーダにおいて当初の「ひとみ」の軌道近傍に1つの物体を確認(ちょっと意味不明だな)
ざっとこんな感じか。
以下、若干の補足情報。
(X線天文衛星「ひとみ」、回転しながら飛行中の模様)
http://sorae.jp/030201/20160329_astroh.html
「スペースデブリなどの監視を行っているアメリカ国防総省戦略軍統合宇宙運用センター(JSpOC)は、「ひとみ」のブレークアップ(分解、分離)は日本時間の3月26日10時42分頃という分析結果を公表」
どうやって分析したのかは、分からない。
(X線天文衛星「ひとみ」から短時間の電波受信 JAXA)
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG29HGO_Z20C16A3CR8000/
「電波は28日午後10時ごろと29日午前0時半ごろに受信した。それぞれ11秒、6秒と短く、衛星の状態は分からなかった。」
(衛星「ひとみ」姿勢制御不能か - 米アマ天文家が映像撮影)
http://news.mynavi.jp/news/2016/03/29/126/
「「ひとみ」が、軌道上で姿勢制御ができずに激しく回転しているとみられる映像を、米国のアマチュア天文家が撮影」
(Video Shows Troubled Japanese Spacecraft Tumbling in Orbit:元ネタ)
http://phenomena.nationalgeographic.com/2016/03/28/video-shows-troubled-japanese-spacecraft-tumbling-in-orbit/
明滅する衛星の動画が見られる。
画像は、同じナショジオのこのページから。
(Japan Loses Contact With New Space Telescope)
http://phenomena.nationalgeographic.com/2016/03/27/japan-loses-contact-with-newest-space-telescope/
太陽電池パネルが、衛星の側面に張り付いて固定されているのが分かる。
それがどうしたということはあるが、何か気になって仕方ないのだ。
性能的には、角度的にプラスマイナス30度で機能を満たす仕様という。
思い切りくるくる回っている状況では、もちろん、どうしようもないんだろうな。
さて、上記の経過を見るにつけ、通信復旧ののぞみは徐々に薄れてきていることが分かる。
衛星の回転が徐々に速くなり、通信時間が短くなってきているからだ。
<通信時間の項抜粋>
・3月26日23時39分:3分間から4分間
・3月27日1時21分:3分間から4分間
・3月28日22時頃:11秒
・3月29日0時半頃:6秒
受信感度や、衛星の送信状態の問題もあるんだろうが、最後の2つを見ると、2時間半で5秒落ちている。
今後、受信できたとしても、1秒未満になる可能性がある。
受信周波数は不明だが、おそらく低速での受信なんだろう。
受信のネックになっているのは、衛星の姿勢そのものではなく、姿勢が変化してしまっていることによる発電量の減少とされているようだ。
おそらく、バッテリーはスカで、太陽電池パネルの受光だけが頼りで、通電した時だけ通信できるということなのかもしれない。
通信機器の仕様が分からないが、立ち上げ時の消費電力や立ち上げに要する時間もあるだろうから、あまり短い電力供給になると、通信自体が出来なくなる。
正常通信を失ってから、アップロードには1度も成功していないので、最早、そっちは完全に不可能になっているかも知れない。
衛星の回転は、内部のガスの噴出が無くても、形状によって、上空のわずかの空気抵抗が原因でも発生するようだ。
明滅のパターンから、回転方向と角速度が算出できれば、通信が回復してコマンドを送ることによって回転を止めることが出来るかもしれない。
しかし、通信が事実上途絶している状況では、何もできない。
万事休すか・・・。
「Jonathan McDowell @planet4589
It's had a bad day, but I am optimistic this morning that @JAXA_en @ISAS_JAXA will recover contact with Hitomi in the coming days.
11:45 PM - 28 Mar 2016」
ああ、米国人って、どうしてこうも楽天的でいられるんだろうか(爪の垢、下さい!)。
ひとみ経過の怪 ― 2016年03月30日 07:40
ひとみ経過の怪
ジョナサン・マクドウェル氏が提供しているデータを、じっくり見る。
(Hitomi (ASTRO-H) orbital period versus time from @spacetrackorg data showing sudden change on Mar 26.)
https://twitter.com/planet4589/status/714118301555757060
このブログでも、何度か引用し、記事にあるように3月26日にイベントが起こったと解釈してきた。
とんでもない勘違いだったことが分かって、焦る(汗る?)。
(デブリ+ひとみ=デブリズ)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2016/03/28/8059121
「縦軸はたぶん周回時間、横軸は修正ユリウス日(MJD)。
57470は、世界協定時で3月23日の午前零時である(イベントは、3月26日に起こっている)。」
えーと、我が国は、世界協定時から9時間進んでいるので、それを加えなければならない。
グラフに垂線を引いて、まあ、概ね26日の19時くらいな感じと読み取る(画像参照)。
そう、イベントは、日本時間(JST)で、27日の朝4時頃に起こっていたことになる。
修正ユリウス日の記述があるウィキのページは、誤植があるので気を付けた方がいい(一応、「ノート」には書いておきましたが)。
こっちのページで計算して、再度確認する。
(国立天文台 > 暦計算室 > 暦象年表 > ユリウス日)
http://eco.mtk.nao.ac.jp/cgi-bin/koyomi/cande/date2jd.cgi
「ユリウス日(世界時)
年月日:時刻:ユリウス日:修正ユリウス日
2016/03/23:0:00:00:2457470.50000:57470.00000」(一部省略)
間違いない。
57470は、3月23日の午前零時だ。
垂線が下りているところは、57473.8位だろう(1目盛りで2日なので)。
世界時で概算すると、3月26日の19時が57473.79167で近似する。
というわけで、イベントは日本時間の27日の朝4時頃に起こったことになる。
これを経過に当てはめると、不可解な現象ということになる。
(ひとみ経過)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2016/03/30/8059987
「・3月26日9時52分:
定時運用終了、最後の正常受信(異常データあり)
・3月26日10時42分頃:
米軍戦略軍統合宇宙運用センター(JSpOC)がひとみの分解時刻と分析
・3月26日16時40分:
定時運用開始を試みるも、通信できず
・3月26日17時20分:
米軍戦略軍統合宇宙運用センター(JSpOC)がひとみの衛星軌道近傍に5個の物体を確認
・3月26日23時39分:
3分間から4分間電波受信
・3月27日1時21分:
3分間から4分間電波受信
・3月27日4時頃:
衛星軌道の急激な変化を観測
・3月28日22時頃:
内之浦宇宙空間観測所(日本:鹿児島県)で短時間(11秒)電波受信
・3月28日22時20分:
倉敷科学センター(岡山県)にて衛星の明滅を確認(周期約7秒)
・3月28日22時20分:
倉敷科学センター(岡山県)にて衛星の明滅を確認(周期約7秒)
・3月29日0時半頃:
チリ・サンチャゴ局で短時間(6秒)電波受信
(以下略)」
ほほう、面白いな。
・衛星の異常データ確認
・分解(分析の結果)
・通信不能現象発生
・3分間から4分間電波受信(2回)
・衛星軌道の急激な変化を観測
・短時間(11秒)電波受信
・衛星の明滅(回転)を確認(周期約7秒)
・短時間(6秒)電波受信
衛星の通信障害が、軌道の急激な変化を挟んで2種類に分かれているような感じだ。
状況の変化は、通信が正常に出来ていた段階で発生していることは、画像のグラフからも分かる。
周期は少しずつ落ちてきている。
これが、正常な低下の範囲内なのかどうかは分からないが、次の異常が検出されていた。
「太陽電池パドルの発生電力が想定よりも低い」
「構体内の温度分布が通常と異なる」
「太陽捕捉を示す信号が確認できない」
何かが、内部で起こっていたことは間違いない。
それが高じて、分解を起こしたわけだ。
そして、その直後に通信を失う。
それでも、完全に途絶したわけではなく、短時間の受信を2回行った。
しかし、それに引き続き、衛星軌道を急激に変化させるイベントが起こったわけだ。
それまでは、通信は正常に行われていなかったが、衛星軌道は緩やかな変化だ。
衛星の回転が確認されたのは、もっと後だが、いつから回転が始まったかは不明だ。
しかし、このイベントの後の2回の受信時間が、極端に短くなっていることから、イベント時点で回転が始まったか、少なくとも加速した可能性がある。
姿勢制御装置の故障かあ?。
もちろん、どこかの時点で機能しなくなったことは間違いないが、初発の原因かもしれない。
「太陽捕捉を示す信号が確認できない」
初期の不良のサインの一つだが、この時点で姿勢制御が失われていた可能性がある。
ゆっくりと、太陽電池の角度が変わっていった・・・。
電力が十分に供給されないことによって、何らかのイベントが起こり、衛星の一部が分裂した。
それとともに、通信のための電力の供給も途絶える。
衛星は、ゆっくりと回転を始めていたに違いない。
その後に、2度目のイベントが発生する。
軌道に急激な変化を引き起こすイベントだ。
27日早朝、それとともに、おそらく衛星の回転が加速したと思われる。
その後の軌道変化があまり見られないので、単発的なイベントだったのかもしれない。
衛星軌道が、円軌道から楕円軌道に変化したのがいつなのかは分からない。
回転が速くなったために、太陽電池の受講時間が短くなり、その後は短時間の受信が2度行われただけだ。
辻褄が合うような気がするな。
もちろん、シロウトのでっちあげ推理に過ぎない。
さらに、それぞれのイベントの具体像については、さっぱり分からない。
姿勢制御システムが機能しないと、太陽電池を太陽側に向けておくことが出来ない。
だから、衛星の回転が始まったことにより、電力供給が途絶えたということは十分考えられる。
しかし、それで分裂が起こるという話になるんだろうか?。
この衛星のヤバイ積み荷は、やっぱ液体ヘリウムのデュワーだろう。
観測装置の冷却器は、複数あるようだが、それで冷却できなくなると、ヘリウムも急速に失われていくんだろう。
今回は、改良された冷却器を積んでいるし、固体ネオンも取り除かれている。
電力供給が途絶えた時の挙動は分からないが、ヘリウムが急激に膨張したってことはないんだろうか?。
まあ、衛星の環境次第だけどな。
ゆっくりと回転した向き次第ということか。
「構体内の温度分布が通常と異なる」
初期不良の一つだが、デュワーが過熱して不具合を起こしたことは、十分考えられるんじゃないのか。
分裂とガスの放出が、2段階で起こったということになれば、2度のイベントと、その結果についても説明が付く。
構体の外郭を吹き飛ばすのと、デュワー本体の爆発。
回転方向に力が加わったので、それほど軌道要素に変化がなかったということなのかもしれない。
太陽位置を補足するセンサー単独の不具合ということもあるだろうが、そこはバックアップしてあるだろう(たぶん)。
実は、もう一つ、技術的なこととは別の観点から、気になっていることがある。
対策本部の設置だ。
(「ひとみ」通信途絶 JAXAが対策本部)
http://www.asahi.com/articles/DA3S12281124.html
「JAXAは2003年11月のH2Aロケット打ち上げ失敗以来の対策本部を設置して、復旧にあたっている。」
さらっと読み飛ばしていたんだが、のぞみの時も(たぶん)、あかつきの時も、対策本部の設置はなかった。
2003年のH2Aの打ち上げ失敗は、あれは打ち上げの失敗原因を明らかにするための対策本部だ。
つーことは、今回のひとみの件は、最初っから失敗って分かってたんじゃないかってことだ。
復旧に全力を挙げるといいながら(それはホントかもしれないが)、かなりな確率で、失敗ということが分かっているんじゃないのか。
(H-IIAロケット6号機/情報収集衛星2号機の打上げ失敗について)
http://www.jaxa.jp/press/2003/11/20031129_h2af6-sac_j.html
「平成15年11月29日宇宙航空研究開発機構」
「直ちに宇宙航空研究開発機構内に理事長を長とする事故対策本部を設置した。」
事故翌日には、設置されている。
もちろん、今回の設置は、復旧と原因調査のためのものだ(ということになっている)。
(X線天文衛星「ひとみ」(ASTRO-H)の通信異常ついて)
http://www.jaxa.jp/press/2016/03/20160327_hitomi_j.html
「この衛星状態を受け、復旧及び原因調査に万全を期すため、本日、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構内に理事長を長とする対策本部を設置し、第1回会合を開催いたしました。」
しかし、浮沈子的には、かなり引っかかるな。
H2Aの6号機は、積み荷が積み荷だっただけに(スパイ衛星、2個も!!←2個)、原因調査に万全を期す必要があったというのは分かる。
だって、妨害工策の可能性だってあるじゃん!?。
しかし、今回は、たかが科学衛星(!)じゃん!?。
ネットでは、某国の宇宙テロではないかという話がもっぱらだが、浮沈子はそうは思わないな。
しかし、対策本部の設置が行われた背景には、何らかの動きがあったんだろう(きっと)。
なんたって、米国と共同開発しているSXSが、3タテ食っちゃったんだからな。
まあ、どうでもいいんですが。
衛星搭載のレーザー兵器食らったとか、キネティック攻撃食らったとか、そういう結論が出て来たら、また、絶対書く!(まあ、そうでなくても書きますけど・・・)。
ジョナサン・マクドウェル氏が提供しているデータを、じっくり見る。
(Hitomi (ASTRO-H) orbital period versus time from @spacetrackorg data showing sudden change on Mar 26.)
https://twitter.com/planet4589/status/714118301555757060
このブログでも、何度か引用し、記事にあるように3月26日にイベントが起こったと解釈してきた。
とんでもない勘違いだったことが分かって、焦る(汗る?)。
(デブリ+ひとみ=デブリズ)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2016/03/28/8059121
「縦軸はたぶん周回時間、横軸は修正ユリウス日(MJD)。
57470は、世界協定時で3月23日の午前零時である(イベントは、3月26日に起こっている)。」
えーと、我が国は、世界協定時から9時間進んでいるので、それを加えなければならない。
グラフに垂線を引いて、まあ、概ね26日の19時くらいな感じと読み取る(画像参照)。
そう、イベントは、日本時間(JST)で、27日の朝4時頃に起こっていたことになる。
修正ユリウス日の記述があるウィキのページは、誤植があるので気を付けた方がいい(一応、「ノート」には書いておきましたが)。
こっちのページで計算して、再度確認する。
(国立天文台 > 暦計算室 > 暦象年表 > ユリウス日)
http://eco.mtk.nao.ac.jp/cgi-bin/koyomi/cande/date2jd.cgi
「ユリウス日(世界時)
年月日:時刻:ユリウス日:修正ユリウス日
2016/03/23:0:00:00:2457470.50000:57470.00000」(一部省略)
間違いない。
57470は、3月23日の午前零時だ。
垂線が下りているところは、57473.8位だろう(1目盛りで2日なので)。
世界時で概算すると、3月26日の19時が57473.79167で近似する。
というわけで、イベントは日本時間の27日の朝4時頃に起こったことになる。
これを経過に当てはめると、不可解な現象ということになる。
(ひとみ経過)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2016/03/30/8059987
「・3月26日9時52分:
定時運用終了、最後の正常受信(異常データあり)
・3月26日10時42分頃:
米軍戦略軍統合宇宙運用センター(JSpOC)がひとみの分解時刻と分析
・3月26日16時40分:
定時運用開始を試みるも、通信できず
・3月26日17時20分:
米軍戦略軍統合宇宙運用センター(JSpOC)がひとみの衛星軌道近傍に5個の物体を確認
・3月26日23時39分:
3分間から4分間電波受信
・3月27日1時21分:
3分間から4分間電波受信
・3月27日4時頃:
衛星軌道の急激な変化を観測
・3月28日22時頃:
内之浦宇宙空間観測所(日本:鹿児島県)で短時間(11秒)電波受信
・3月28日22時20分:
倉敷科学センター(岡山県)にて衛星の明滅を確認(周期約7秒)
・3月28日22時20分:
倉敷科学センター(岡山県)にて衛星の明滅を確認(周期約7秒)
・3月29日0時半頃:
チリ・サンチャゴ局で短時間(6秒)電波受信
(以下略)」
ほほう、面白いな。
・衛星の異常データ確認
・分解(分析の結果)
・通信不能現象発生
・3分間から4分間電波受信(2回)
・衛星軌道の急激な変化を観測
・短時間(11秒)電波受信
・衛星の明滅(回転)を確認(周期約7秒)
・短時間(6秒)電波受信
衛星の通信障害が、軌道の急激な変化を挟んで2種類に分かれているような感じだ。
状況の変化は、通信が正常に出来ていた段階で発生していることは、画像のグラフからも分かる。
周期は少しずつ落ちてきている。
これが、正常な低下の範囲内なのかどうかは分からないが、次の異常が検出されていた。
「太陽電池パドルの発生電力が想定よりも低い」
「構体内の温度分布が通常と異なる」
「太陽捕捉を示す信号が確認できない」
何かが、内部で起こっていたことは間違いない。
それが高じて、分解を起こしたわけだ。
そして、その直後に通信を失う。
それでも、完全に途絶したわけではなく、短時間の受信を2回行った。
しかし、それに引き続き、衛星軌道を急激に変化させるイベントが起こったわけだ。
それまでは、通信は正常に行われていなかったが、衛星軌道は緩やかな変化だ。
衛星の回転が確認されたのは、もっと後だが、いつから回転が始まったかは不明だ。
しかし、このイベントの後の2回の受信時間が、極端に短くなっていることから、イベント時点で回転が始まったか、少なくとも加速した可能性がある。
姿勢制御装置の故障かあ?。
もちろん、どこかの時点で機能しなくなったことは間違いないが、初発の原因かもしれない。
「太陽捕捉を示す信号が確認できない」
初期の不良のサインの一つだが、この時点で姿勢制御が失われていた可能性がある。
ゆっくりと、太陽電池の角度が変わっていった・・・。
電力が十分に供給されないことによって、何らかのイベントが起こり、衛星の一部が分裂した。
それとともに、通信のための電力の供給も途絶える。
衛星は、ゆっくりと回転を始めていたに違いない。
その後に、2度目のイベントが発生する。
軌道に急激な変化を引き起こすイベントだ。
27日早朝、それとともに、おそらく衛星の回転が加速したと思われる。
その後の軌道変化があまり見られないので、単発的なイベントだったのかもしれない。
衛星軌道が、円軌道から楕円軌道に変化したのがいつなのかは分からない。
回転が速くなったために、太陽電池の受講時間が短くなり、その後は短時間の受信が2度行われただけだ。
辻褄が合うような気がするな。
もちろん、シロウトのでっちあげ推理に過ぎない。
さらに、それぞれのイベントの具体像については、さっぱり分からない。
姿勢制御システムが機能しないと、太陽電池を太陽側に向けておくことが出来ない。
だから、衛星の回転が始まったことにより、電力供給が途絶えたということは十分考えられる。
しかし、それで分裂が起こるという話になるんだろうか?。
この衛星のヤバイ積み荷は、やっぱ液体ヘリウムのデュワーだろう。
観測装置の冷却器は、複数あるようだが、それで冷却できなくなると、ヘリウムも急速に失われていくんだろう。
今回は、改良された冷却器を積んでいるし、固体ネオンも取り除かれている。
電力供給が途絶えた時の挙動は分からないが、ヘリウムが急激に膨張したってことはないんだろうか?。
まあ、衛星の環境次第だけどな。
ゆっくりと回転した向き次第ということか。
「構体内の温度分布が通常と異なる」
初期不良の一つだが、デュワーが過熱して不具合を起こしたことは、十分考えられるんじゃないのか。
分裂とガスの放出が、2段階で起こったということになれば、2度のイベントと、その結果についても説明が付く。
構体の外郭を吹き飛ばすのと、デュワー本体の爆発。
回転方向に力が加わったので、それほど軌道要素に変化がなかったということなのかもしれない。
太陽位置を補足するセンサー単独の不具合ということもあるだろうが、そこはバックアップしてあるだろう(たぶん)。
実は、もう一つ、技術的なこととは別の観点から、気になっていることがある。
対策本部の設置だ。
(「ひとみ」通信途絶 JAXAが対策本部)
http://www.asahi.com/articles/DA3S12281124.html
「JAXAは2003年11月のH2Aロケット打ち上げ失敗以来の対策本部を設置して、復旧にあたっている。」
さらっと読み飛ばしていたんだが、のぞみの時も(たぶん)、あかつきの時も、対策本部の設置はなかった。
2003年のH2Aの打ち上げ失敗は、あれは打ち上げの失敗原因を明らかにするための対策本部だ。
つーことは、今回のひとみの件は、最初っから失敗って分かってたんじゃないかってことだ。
復旧に全力を挙げるといいながら(それはホントかもしれないが)、かなりな確率で、失敗ということが分かっているんじゃないのか。
(H-IIAロケット6号機/情報収集衛星2号機の打上げ失敗について)
http://www.jaxa.jp/press/2003/11/20031129_h2af6-sac_j.html
「平成15年11月29日宇宙航空研究開発機構」
「直ちに宇宙航空研究開発機構内に理事長を長とする事故対策本部を設置した。」
事故翌日には、設置されている。
もちろん、今回の設置は、復旧と原因調査のためのものだ(ということになっている)。
(X線天文衛星「ひとみ」(ASTRO-H)の通信異常ついて)
http://www.jaxa.jp/press/2016/03/20160327_hitomi_j.html
「この衛星状態を受け、復旧及び原因調査に万全を期すため、本日、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構内に理事長を長とする対策本部を設置し、第1回会合を開催いたしました。」
しかし、浮沈子的には、かなり引っかかるな。
H2Aの6号機は、積み荷が積み荷だっただけに(スパイ衛星、2個も!!←2個)、原因調査に万全を期す必要があったというのは分かる。
だって、妨害工策の可能性だってあるじゃん!?。
しかし、今回は、たかが科学衛星(!)じゃん!?。
ネットでは、某国の宇宙テロではないかという話がもっぱらだが、浮沈子はそうは思わないな。
しかし、対策本部の設置が行われた背景には、何らかの動きがあったんだろう(きっと)。
なんたって、米国と共同開発しているSXSが、3タテ食っちゃったんだからな。
まあ、どうでもいいんですが。
衛星搭載のレーザー兵器食らったとか、キネティック攻撃食らったとか、そういう結論が出て来たら、また、絶対書く!(まあ、そうでなくても書きますけど・・・)。
バッテリー爆発 ― 2016年03月30日 19:10
バッテリー爆発
あまり、考えたくないオプションなんだがな。
(日本の天文衛星「ひとみ」が通信途絶。世界最先端の宇宙望遠鏡に一体何が起きたのか)
http://hbol.jp/88712
今回、なぜかマイナビで書かせてもらえない鳥嶋さんの記事を読めた。
うーん、やっぱ、一味違う洞察力だ。
28日時点と、やや古いが、いくつか参考になることも書かれているので見てみよう。
「同日23(3月26日)時39分ごろと、27日1時21分ごろに、短時間ではあるものの衛星からの電波を受信できた」
時刻が詳しく書かれている。
「当初、JAXAの発表では「誤差かもしれない」とされていたが、その後JSpOCの観測によって、実際に高度が下がっていることが確認されている。その下がり方は小さなもので、また下がり続けているわけではない」
やはり、一過性のイベントだったわけだ。
「たとえば衛星から意図せずガスが噴き出した、あるいはスペース・デブリ(宇宙ごみ)が衝突したといった異常が起きたということを示している。」
「しかし、デブリが原因である可能性は小さく、何らかのトラブルで衛星内部から燃料やガスなどが吹き出し、軌道が変わった可能性のほうが大きい。」
「衛星が自発的に破裂を起こした、つまり内部の燃料タンクやバッテリーなどが破裂した可能性のほうが大きい。」
ここんとこは、重要だな。
可能性は完全には排除できないが、デブリの衝突という、マンガチックな選択をやんわりと退けている。
「実際にはデブリはまばらにしか存在しないため衝突する可能性は小さく、こういう事故の場合には、衛星が自発的に何か問題を起こした可能性が真っ先に考えられる。」
その中に、バッテリーの破裂というのがあるわけだ。
なるほど・・・。
浮沈子も、現時点では内部原因説が有力と思っている(特に液体ヘリウム)。
「通信異常が起こる原因となった出来事があったから物体が発生したのか、それとも物体が発生するような異常が起こったことがきっかけで、通信異常が起きたのか、その関係性はわかっていない。」
ツリー解析の出発点をどこにおくかということだ。
たぶん、いろいろな可能性について、網羅的に検討しているに違いない(たぶん)。
「回転しているらしいことも判明している。これは正常な状態に衛星の姿勢を保つための装置が機能していないということを意味している。」
「通信を受信することができなければ、衛星の状態を詳しく知ることができず、衛星の復旧に向けて何を行えばいいのかという計画も立てられない。まずはともかく、通信を回復させる必要がある。」
タマゴが先と分かっているが、ニワトリを先にして、タマゴを産ませることはできないもんだろうか?。
「通信異常の直前に太陽電池の発電量が低くなっていることから、時間が経過するごとに衛星の電力は足らなくなる可能性が高い。」
「衛星には充電池が搭載されているが、その充電量にも限りがある。」
浮沈子が引っかかっているのは、ここのところだ。
バッテリーが、何らかの過負荷を受けて暴走し、バンっていっちゃったのかもしれないと考えている。
(X線天文衛星「ひとみ」爆発か、付近に5つの破片)
http://zapzapjp.com/48214423.html
「バッテリーは搭載しているもののこちらも7時間あまりで切れてしまうとしており、通信が途切れた当時観測機器は稼働していたということで「これよりも短い時間でバッテリーはなくなってしまう」との趣旨のコメントもしていました。」
今のところ、浮沈子は以下のように考えてるんだがな。
姿勢制御が故障、太陽電池からの電力供給が遮断(または、極度の減少)、何らかのバッテリーへの過負荷、バッテリーの爆発(これにより、分裂)、(ほぼ)全電力喪失(通常通信途絶)、冷却できなくなったデュワーが爆発(これにより、軌道変化)、太陽光を受光出来た時だけ短時間電波発信・・・。
「復旧できなかった場合について同衛星は高度575kmに投入されていることを考えると少なくとも十数年は宇宙を周回し続けるものと考えられます。」
(X線天文衛星「ひとみ」を救えるか、「故障の木解析」とは)
http://sorae.jp/02/20160328_fta.html
ツリー解析について、分かり易く書かれている。
通信が確保された事例なら、何とかなるかも知れないが、今回の瞳の場合は、それが出来なくなっていることが厳しい。
キーボードが打てず、モニターも消えているノートパソコンを直そうとしているようなもんだ。
リセットスイッチも効かない。
最悪だな。
たぶん、バッテリーは死んでいて、外部電源が時々通電しているだけの状態だ。
OSが立ち上がる以前の問題で、バイオスも怪しい。
もちろん、内部に手を突っ込んで直すこともできない。
衛星は、宇宙空間だしな。
手も足も出ない。
口は、いくらでも出せるんだがな・・・。
あまり、考えたくないオプションなんだがな。
(日本の天文衛星「ひとみ」が通信途絶。世界最先端の宇宙望遠鏡に一体何が起きたのか)
http://hbol.jp/88712
今回、なぜかマイナビで書かせてもらえない鳥嶋さんの記事を読めた。
うーん、やっぱ、一味違う洞察力だ。
28日時点と、やや古いが、いくつか参考になることも書かれているので見てみよう。
「同日23(3月26日)時39分ごろと、27日1時21分ごろに、短時間ではあるものの衛星からの電波を受信できた」
時刻が詳しく書かれている。
「当初、JAXAの発表では「誤差かもしれない」とされていたが、その後JSpOCの観測によって、実際に高度が下がっていることが確認されている。その下がり方は小さなもので、また下がり続けているわけではない」
やはり、一過性のイベントだったわけだ。
「たとえば衛星から意図せずガスが噴き出した、あるいはスペース・デブリ(宇宙ごみ)が衝突したといった異常が起きたということを示している。」
「しかし、デブリが原因である可能性は小さく、何らかのトラブルで衛星内部から燃料やガスなどが吹き出し、軌道が変わった可能性のほうが大きい。」
「衛星が自発的に破裂を起こした、つまり内部の燃料タンクやバッテリーなどが破裂した可能性のほうが大きい。」
ここんとこは、重要だな。
可能性は完全には排除できないが、デブリの衝突という、マンガチックな選択をやんわりと退けている。
「実際にはデブリはまばらにしか存在しないため衝突する可能性は小さく、こういう事故の場合には、衛星が自発的に何か問題を起こした可能性が真っ先に考えられる。」
その中に、バッテリーの破裂というのがあるわけだ。
なるほど・・・。
浮沈子も、現時点では内部原因説が有力と思っている(特に液体ヘリウム)。
「通信異常が起こる原因となった出来事があったから物体が発生したのか、それとも物体が発生するような異常が起こったことがきっかけで、通信異常が起きたのか、その関係性はわかっていない。」
ツリー解析の出発点をどこにおくかということだ。
たぶん、いろいろな可能性について、網羅的に検討しているに違いない(たぶん)。
「回転しているらしいことも判明している。これは正常な状態に衛星の姿勢を保つための装置が機能していないということを意味している。」
「通信を受信することができなければ、衛星の状態を詳しく知ることができず、衛星の復旧に向けて何を行えばいいのかという計画も立てられない。まずはともかく、通信を回復させる必要がある。」
タマゴが先と分かっているが、ニワトリを先にして、タマゴを産ませることはできないもんだろうか?。
「通信異常の直前に太陽電池の発電量が低くなっていることから、時間が経過するごとに衛星の電力は足らなくなる可能性が高い。」
「衛星には充電池が搭載されているが、その充電量にも限りがある。」
浮沈子が引っかかっているのは、ここのところだ。
バッテリーが、何らかの過負荷を受けて暴走し、バンっていっちゃったのかもしれないと考えている。
(X線天文衛星「ひとみ」爆発か、付近に5つの破片)
http://zapzapjp.com/48214423.html
「バッテリーは搭載しているもののこちらも7時間あまりで切れてしまうとしており、通信が途切れた当時観測機器は稼働していたということで「これよりも短い時間でバッテリーはなくなってしまう」との趣旨のコメントもしていました。」
今のところ、浮沈子は以下のように考えてるんだがな。
姿勢制御が故障、太陽電池からの電力供給が遮断(または、極度の減少)、何らかのバッテリーへの過負荷、バッテリーの爆発(これにより、分裂)、(ほぼ)全電力喪失(通常通信途絶)、冷却できなくなったデュワーが爆発(これにより、軌道変化)、太陽光を受光出来た時だけ短時間電波発信・・・。
「復旧できなかった場合について同衛星は高度575kmに投入されていることを考えると少なくとも十数年は宇宙を周回し続けるものと考えられます。」
(X線天文衛星「ひとみ」を救えるか、「故障の木解析」とは)
http://sorae.jp/02/20160328_fta.html
ツリー解析について、分かり易く書かれている。
通信が確保された事例なら、何とかなるかも知れないが、今回の瞳の場合は、それが出来なくなっていることが厳しい。
キーボードが打てず、モニターも消えているノートパソコンを直そうとしているようなもんだ。
リセットスイッチも効かない。
最悪だな。
たぶん、バッテリーは死んでいて、外部電源が時々通電しているだけの状態だ。
OSが立ち上がる以前の問題で、バイオスも怪しい。
もちろん、内部に手を突っ込んで直すこともできない。
衛星は、宇宙空間だしな。
手も足も出ない。
口は、いくらでも出せるんだがな・・・。
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