前倒し繋がり ― 2017年02月16日 11:23
前倒し繋がり
イリジウムが、実質的に前倒しでリスケされた記事を書いた。
引用しようと、ソラエを見たら、SLSの記事が出ていた。
(NASA、次世代巨大ロケット「SLS」初打ち上げに宇宙飛行士搭乗を考慮中)
http://sorae.jp/030201/2017_02_16_nasa.html
当初、無人で月を周回させようとしていたミッションをリスケして、初めから有人で飛ばすことを検討しているんだそうだ。
「EM-2で利用される「Black 1B」はより大型で、パワフルなロケット第2段の「Exploration Upper Stage(EUS)」が採用されます。しかしこのEUSがまだ製造されておらず、EM-1に間に合うのかがわからないのです。」
記事では、遅れとされているが、有人飛行は2021年に予定されていたわけで、2020年までに上がれば、むしろ前倒しということになる。
前にも書いたが、米国の政治的都合で、NASAが振り回されているわけだ。
みえみえ・・・。
「宇宙飛行士を搭乗させるとなれば多大な予算計画の変更、さらには搭乗員のリクス低減などに大きな労力を払う必要があります。」
いずれにしても、これらは行う必要があるわけで、有人飛行による月への帰還を果たせば、米国の威信をアピールできるかもしれない。
しかしなあ、それって、アポロ8号と変わんないじゃん!?。
(アポロ8号)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%9D%E3%83%AD8%E5%8F%B7
「アポロ計画における二度目の有人宇宙飛行である。1968年12月21日に発射され、地球周回軌道を離れて月を周回し、再び安全に地球に戻ってきた初の宇宙船となった。」
「この1968年のミッションはサターン5型ロケットの三度目の飛行であり、また同ロケットを使用しての初の有人飛行であった。」
「発射台:フロリダ州ケネディー宇宙センター LC 39A発射台」
今度、ファルコン9が上がるところだ。
「当初の予定では1969年初頭に司令・機械船と月着陸船を楕円中軌道に乗せての二度目の試験飛行となるはずだったが、着陸船の制作が遅れていたため1968年8月に予定が変更され、より意欲的に司令・機械船のみを使って月を周回することに決定した。」
そう、この飛行もスケジュールが前倒しされていたわけだな。
1968年には大統領選挙が行われている。
(1968年の大統領選 共和党のニクソンが辛勝する)
http://naotatsu-muramoto.info/amerikasi/amerikasi.60nendai22.html
「1968年の大統領選挙では、ジョンソン政権の副大統領である民主党のヒューバート・ハンフリーと、共和党のリチャード・ニクソンが争いました。」
まあ、選挙は11月だし、アポロ8号は12月だから、どれほどの関連があったかは分からない。
ケネディの公約を実現するためには、前倒しして進めざるを得なかったかもしれないしな。
「8号の成功は、ジョン・F・ケネディ大統領が公約した「1960年代の終わりまでに人間を月に到達させる」という目標をアポロ11号が達成するための道を切り開いた。」
アポロ8号のリスケには、月着陸船(LM)の開発の遅れが原因となっている。
「その後の計画が成功するかどうかは、月着陸船 (Landing Module, LM) の製造にかかっていた。」
「だがLMの製造開発は遅れていた。さらに8号のLMが1968年6月にケープ・カナベラルに到着したとき明らかな欠陥が見つかったため、製造担当企業であるグラマン社はLMの軌道実験は少なくとも1969年2月まで遅れることを表明せざるを得なかった。」
「1969年の終わりまでに人間を月に着陸させるという計画全体の目標が達成できなくなる可能性があった。」
「9月21日、1969年中に月面着陸をするという目標にさらなるプレッシャーを与えるできごとが起こった。ソビエト連邦のゾンド5号がヨツユビリクガメやいくつかの生き物を乗せて、月を周回して地球に帰還したのである」
いやはや、当時のNASAは、相当なプレッシャーを受けていたわけだな。
サターン5型ロケットの第3段であるS-IVB(月遷移軌道に投入するためのロケットでもある)は、太陽を周回する軌道上に今も残っている(たぶん:2013年には確認済みとある)。
「S-IVBのその後の軌道は、太陽からの距離 0.92~0.99天文単位 (138~148ギガメートル)、黄道に対する傾斜角 23.47°、公転周期は 340.80日である」
もう、半世紀近くも前の話になる。
人類の月周回軌道への帰還は、その意味では歴史的な話になる。
ケネディの暗殺後、後を継いだジョンソンは、1968年の選挙には出ず、ハンフリーが出てニクソンに敗れた。
人類の月着陸は、共和党のニクソン大統領の時代に実現する。
ソ連が元気で、世界は核戦争の脅威のただなかにあり、そもそも宇宙開発は代理戦争の様相を呈していた時代だ。
前倒しも結構だが、周到に準備して、トラブルのないようにしてもらいたいもんだな。
イリジウムが、実質的に前倒しでリスケされた記事を書いた。
引用しようと、ソラエを見たら、SLSの記事が出ていた。
(NASA、次世代巨大ロケット「SLS」初打ち上げに宇宙飛行士搭乗を考慮中)
http://sorae.jp/030201/2017_02_16_nasa.html
当初、無人で月を周回させようとしていたミッションをリスケして、初めから有人で飛ばすことを検討しているんだそうだ。
「EM-2で利用される「Black 1B」はより大型で、パワフルなロケット第2段の「Exploration Upper Stage(EUS)」が採用されます。しかしこのEUSがまだ製造されておらず、EM-1に間に合うのかがわからないのです。」
記事では、遅れとされているが、有人飛行は2021年に予定されていたわけで、2020年までに上がれば、むしろ前倒しということになる。
前にも書いたが、米国の政治的都合で、NASAが振り回されているわけだ。
みえみえ・・・。
「宇宙飛行士を搭乗させるとなれば多大な予算計画の変更、さらには搭乗員のリクス低減などに大きな労力を払う必要があります。」
いずれにしても、これらは行う必要があるわけで、有人飛行による月への帰還を果たせば、米国の威信をアピールできるかもしれない。
しかしなあ、それって、アポロ8号と変わんないじゃん!?。
(アポロ8号)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%9D%E3%83%AD8%E5%8F%B7
「アポロ計画における二度目の有人宇宙飛行である。1968年12月21日に発射され、地球周回軌道を離れて月を周回し、再び安全に地球に戻ってきた初の宇宙船となった。」
「この1968年のミッションはサターン5型ロケットの三度目の飛行であり、また同ロケットを使用しての初の有人飛行であった。」
「発射台:フロリダ州ケネディー宇宙センター LC 39A発射台」
今度、ファルコン9が上がるところだ。
「当初の予定では1969年初頭に司令・機械船と月着陸船を楕円中軌道に乗せての二度目の試験飛行となるはずだったが、着陸船の制作が遅れていたため1968年8月に予定が変更され、より意欲的に司令・機械船のみを使って月を周回することに決定した。」
そう、この飛行もスケジュールが前倒しされていたわけだな。
1968年には大統領選挙が行われている。
(1968年の大統領選 共和党のニクソンが辛勝する)
http://naotatsu-muramoto.info/amerikasi/amerikasi.60nendai22.html
「1968年の大統領選挙では、ジョンソン政権の副大統領である民主党のヒューバート・ハンフリーと、共和党のリチャード・ニクソンが争いました。」
まあ、選挙は11月だし、アポロ8号は12月だから、どれほどの関連があったかは分からない。
ケネディの公約を実現するためには、前倒しして進めざるを得なかったかもしれないしな。
「8号の成功は、ジョン・F・ケネディ大統領が公約した「1960年代の終わりまでに人間を月に到達させる」という目標をアポロ11号が達成するための道を切り開いた。」
アポロ8号のリスケには、月着陸船(LM)の開発の遅れが原因となっている。
「その後の計画が成功するかどうかは、月着陸船 (Landing Module, LM) の製造にかかっていた。」
「だがLMの製造開発は遅れていた。さらに8号のLMが1968年6月にケープ・カナベラルに到着したとき明らかな欠陥が見つかったため、製造担当企業であるグラマン社はLMの軌道実験は少なくとも1969年2月まで遅れることを表明せざるを得なかった。」
「1969年の終わりまでに人間を月に着陸させるという計画全体の目標が達成できなくなる可能性があった。」
「9月21日、1969年中に月面着陸をするという目標にさらなるプレッシャーを与えるできごとが起こった。ソビエト連邦のゾンド5号がヨツユビリクガメやいくつかの生き物を乗せて、月を周回して地球に帰還したのである」
いやはや、当時のNASAは、相当なプレッシャーを受けていたわけだな。
サターン5型ロケットの第3段であるS-IVB(月遷移軌道に投入するためのロケットでもある)は、太陽を周回する軌道上に今も残っている(たぶん:2013年には確認済みとある)。
「S-IVBのその後の軌道は、太陽からの距離 0.92~0.99天文単位 (138~148ギガメートル)、黄道に対する傾斜角 23.47°、公転周期は 340.80日である」
もう、半世紀近くも前の話になる。
人類の月周回軌道への帰還は、その意味では歴史的な話になる。
ケネディの暗殺後、後を継いだジョンソンは、1968年の選挙には出ず、ハンフリーが出てニクソンに敗れた。
人類の月着陸は、共和党のニクソン大統領の時代に実現する。
ソ連が元気で、世界は核戦争の脅威のただなかにあり、そもそも宇宙開発は代理戦争の様相を呈していた時代だ。
前倒しも結構だが、周到に準備して、トラブルのないようにしてもらいたいもんだな。
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