NASAの月ミッション2017年03月13日 05:01

NASAの月ミッション
NASAの月ミッション


今月は、打ち上げが目白押しだ。

・3月14日:エコースター23:ファルコン9:LCー39A
・3月16日:偵察衛星(レーダー5号機):H2A:種子島
・3月17日:WGS-9:デルタ4M+:SLC-37
・3月21日:SGDC-1 and Koreasat-7:アリアン5ECA:ギアナ
・3月21日:OA-7:アトラスV 401:SLC-41

決まってるだけでこれだけある。

3月27日には、SES-10が予定されているし(4月とも)、インドの打ち上げが31日だそうだ。

(launch-schedule)
http://www.spaceflightinsider.com/launch-schedule/

(Launch Schedule)
https://spaceflightnow.com/launch-schedule/

(Traffic Jam: Space Coast could see 3 launches in 8 days:追加:米国のみ)
http://www.spaceflightinsider.com/space-centers/ccafs/traffic-jam-space-coast-could-see-3-launches-in-8-days/

目白押しだな。

(目白押し)
http://kotowaza-allguide.com/me/mejirooshi.html

「用例:今月は楽しみなイベントが目白押しだ」

適切な用例をどうも!。

さて、何かイベントは起きないかな、っと・・・。

しかし、SES-10を除けば、チャレンジングな打ち上げはない。

明後日の午後に打ち上げ予定のエコースター23は、回収予定はないと発表されているが、着陸脚は付けるんだろうか?(付けないようです)。

1段目回収のテストを全く行わないのであれば、燃料搭載量を増やした方が安心だしな。

もう、1段目の回収については、十分にテストが行われたということであれば、無理をしないのが一番だ。

SES-10については、ファルコン9の初の再使用打ち上げという正念場だ。

価格の折り合いが付かずに延期になっていたが(そうなのかあ?)、いくらで手を打ったんだろうな。

まあいい。

マーリンエンジンは、再使用を前提に設計されているようなので、エンジン自体には大きな問題はないんだろう。

ターボポンプに亀裂が入った件については、スペースXは、問題はないといしている。

亀裂が拡大しているわけではないということだそうだ。

テストの際に生じたのか、回収したエンジンに生じたのか、9つのうちの、いくつに生じたのか、原因は何か、対策はどのように取ったかなど、詳細は不明だ。

既に回収済みの1段目については、それを整備して再使用するという方法を取るが、その回数は1回ないし2回という。

より再使用に適したブロック5を作って、そっちで10回程度の再使用を行うらしい。

2段目の再使用は断念、フェアリングの再使用を検討するという。

まあ、堅実なところだな。

SES-10については、何か情報が上がったら取り上げることにしよう。

他の打ち上げでは、アトラスVが、トラブルを起こして、2日間延期になっている。

(Atlas V technical issue delays OA-7 Cygnus flight to NET March 21)
http://www.spaceflightinsider.com/organizations/ula/atlas-v-technical-issue-delays-oa-7-cygnus-flight-net-march-21/

「According to ULA, a booster hydraulic issue was discovered during pre-launch testing.」

2日で治るなら、問題はないだろう。

ハイドロ系のトラブルって、何なんだろうな。

なんか、期待してもいいのかな。

アトラスVは、完璧に近い打ち上げ履歴を持っている。

(アトラス V:アトラス V の打ち上げ)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%88%E3%83%A9%E3%82%B9_V#.E3.82.A2.E3.83.88.E3.83.A9.E3.82.B9_V_.E3.81.AE.E6.89.93.E3.81.A1.E4.B8.8A.E3.81.92

「最新の打ち上げ計画については2010-2019年の打ち上げ計画(英語版)を参照。」

2007年6月に、1回だけ予定より低い軌道に入れただけで、他は成功だ。

打ち上げ回数も既に70回に達している。

実績としては、申し分のない結果だ。

安心して見ていられる。

つまらんけどな・・・。

三菱のレーダー5号や、デルタ4の打ち上げは、いつものように面白味のないものになるだろう。

それでいいのだ。

いいのかあ?。

いいことにしよう。

さて、ちょっと気になることがあって、いろいろ調べていた。

EM-2の打ち上げの際に、2段目とオリオン宇宙船との繋ぎになるユニバーサルステージアダプターに仕込まれるサンプルペイロードというやつだ。

これは、業界ではCo-manifested Payload (CPL)と呼ばれているらしい。

探してたら、鳥嶋さんの記事に当たった。

(2021年月への旅 - NASA、アポロ計画以来となる有人月飛行計画「EM-2」)
http://news.mynavi.jp/articles/2016/12/09/nasa_em2/

相変わらず、読みやすく、背景の説明も適切で、分かりやすい記事だな。

こうでなくてはいけない。

で、せっかくだから、EM-1からの運用を整理しておこう。

ロケットの構成(EM-1):
・固体ロケットブースター(×2)
・RS-25エンジン(×4)
・コアステージ
・ローンチビークルステージアダプター
・上段ロケット(ICPS)
・オリオンステージアダプター
・オリオン宇宙船(サービスモジュール、居住モジュール、緊急脱出ロケット)

EM-1の運用:
・メインエンジン点火
・個体ロケットブースター点火(打ち上げ)
・固体ロケットブースター分離
・コアステージ分離
・サービスモジュールカバー分離
・緊急脱出ロケット分離
・ICPS点火
・地球周回軌道?
・サービスモジュール太陽電池展開?
・ICPS再点火?
・月軌道へ
・ICPS分離?
・「月均衡軌道」Distant Retrograde Orbit(DRO)投入
・月周回(数日間)
・オリオンサービスモジュール点火?
・月均衡軌道離脱
・地球帰還軌道へ
・サービスモジュール分離
・居住モジュール反転
・大気圏突入
・落下傘開傘
・着水

詳細は不明だが、まあ、ざっとこんな感じか。

EM-2については、やや詳細に書かれている。

ロケットの構成(EM-2):
・固体ロケットブースター(×2)
・RS-25エンジン(×4)
・コアステージ
・インターステージ
・上段ロケット(EUS:RL-10エンジン×4)
・ペイロードアタッチフィッチング
・サンプルペイロード(CPL)
・ユニバーサルステージアダプター
・オリオン宇宙船(スペースクラフトアダプター、サービスモジュールパネル、サービスモジュール、居住モジュール(記事では4人となっている)、緊急脱出ロケット)

EM-2の運用:
・メインエンジン点火
・個体ロケットブースター点火(打ち上げ)
・固体ロケットブースター分離
・コアステージ分離
・サービスモジュールカバー分離
・緊急脱出ロケット分離
・EUS点火
・地球周回軌道投入(円軌道:2周:2から3時間)
・EUSのエンジンを再点火(アポジライズバーン:ARB)
・地球に最も近い高度が926km、最も高い高度が3万5200kmの軌道(HEO)投入
・EUS分離
・オリオン宇宙船のみでHEO周回(1日)
・EUS再々点火(TLI-1)
・EUS月軌道へ
・EUSからCPL分離(TLI-1終了直後)
・オリオンサービスモジュール点火(TLI-2)
・月軌道へ(3日くらい)
・軌道修正(自由帰還軌道へ)
・月Uターン
・地球帰還(3日くらい)
・サービスモジュール分離
・居住モジュール反転
・大気圏突入
・落下傘開傘
・着水

ややテキトーに補ったが、まあ、こんなもんだろう。

分離したEUSは、月の向こう側を回って、宇宙のかなた(たぶん、太陽周回軌道)に飛び去る。

その前に分離されたCPLがどうなるかは分からない。

たぶん、月に激突するんだろう。

ペイロードについては公募されたようだが、公募内容を見ると、特定の軌道に投入されるかどうかは明記されていない(応談ということか)。

キューブサットも積むようだな。

(Exploration Mission 2 (EM-2) Co-manifested Payload (CPL) Request for Information (RFI))
https://www.fbo.gov/index?s=opportunity&mode=form&tab=core&id=4eb24ffa232753298a40bc584017fbc1

PDFは、このページからダウンロードできる。

ただし、締め切りは昨年11月7日なので、これからの申し込みは出来ない。

重量はアダプター込みで6トン。

複数のペイロードを組み合わせることも可能としている(1個300kgまで)。

「Desired deployment locations or insertion orbit including launch window constraints.」

ああ、投入軌道やタイミングについても、ある程度は配慮してくれるのかもしれない。

しかしなあ、EUSは、小回り利かないからな。

RL-10エンジン4つだけだしな。

放り出されたペイロード側で、何とかしなければならんだろうな。

鳥嶋さんの記事によれば、EM-2は以前の計画に比べて、より保守的になっているという。

「オライオンが有人で、それも何日も飛び続けるのはこれが初めてのことであり、なるべくリスクを犯さないようにするのは妥当と言えよう。」

「もしEM-2が無事に成功すれば、いよいよ次はDROへの有人飛行が行われ、小惑星転送ミッションで運んできた小惑星への探査飛行と続き、そして有人火星飛行への道が開かれることになるだろう。」

やっぱ、地道に積み重ねていく方がいい。

CPLについての記述もある。

「CPLは月へ向かう軌道に乗り、そして月をまわる周回軌道に入る。」

「たとえば月着陸の試験機や、月の地表や月周辺の環境を調べる観測衛星などが搭載されることになろう。」

記事では、有人飛行の一方で血祭りにあげられる地球観測衛星などを庇っている。

そういうのは、国際協力で分散して対応するのがよろしい。

米国は、有人飛行をバンバンしてくれるのがいいな。

どーせ、火星なんて、行けっこないんだから、月に戻って地固めするのがいいような気がするんだがな。

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