原子力ロケット用原子炉2018年10月06日 11:40

原子力ロケット用原子炉
原子力ロケット用原子炉


90年代に空軍の研究だったSNTP(Space Nuclear Thermal Propulsion)の報告書を眺めている(英語苦手なんで・・・)。

(Space Nuclear Thermal Propulsion Program Final Report:1995年5月)
http://www.dtic.mil/dtic/tr/fulltext/u2/a305996.pdf

この中に、核熱ロケットの原子炉の資料がある。

コピペできないので、ゆっくりしか読めないけど(スマホでモニター画面写して、OCRソフトで読み込んで、メールでパソコンに転送して、手直しして自動翻訳通して読むしかない・・・)。

「14.3 Reactor Design

Reactor designs were developed that were able to meet stringent requirements of high temperature (3000 K) hydrogen;

multiple starts and operation in the coast mode between burns at moderate temperature (~1200 K) to conserve cool-down propellant, rapid and stable startup (10 sec. to full thrust) with internal controls;

deep throttling with a turndown ratio of 5:1, and internal redundant shutdown systems.

The final design featured 37 fuel elements with berylium cold frits, a beryllium and lithium-hydride moderator and a small (one inch thick) beryllium reflector:

Figure 1-12.

The materials selected could accommodate the operating requirements, would be neutronically efficient, and optimized the reactor mass at ~500 kg.

Thermal-hydraulics and neutronics codes were used to provide a reactor design that was fine tuned with coolant flow matching the internal power distribution in order to minimize overall coolant flow.

The ability to accurately predict the internal power distribution was confirmed in the zero power CX reactor, Figure 1-13.

The CX was a 19-element configuration that was neutronically representative of the design.

Agreement between experimental results and analysis performed prior to the tests was extremely good , being within 0.5 % .

An equally impressive accomplishment was obtaining DOE approval:

the CX was the first reactor approved for operation by the DOE in over 10 years.」

(14.3原子炉設計

高温(3000K)水素の厳しい要件を満たすことができた反応器設計が開発された。

クールダウン推進剤を節約するための適度な温度(約1200K)の火傷と、内部制御による迅速で安定した始動(10秒から最大推力)との間の海岸モードにおける複数回の始動および運転;

5:1のターンダウン比のディープスロットリング、および内部の冗長シャットダウンシステムを備えています。

最終的なデザインは、ベリリウム・コールド・フリット、ベリリウム・リチウム・ヒドリド・モデレータ、および小さな(1インチ厚)ベリリウム・リフレクタを備えた37の燃料要素を特色としていました。

図1-12。

選択された材料は、動作要件を満たすことができ、中性子効率が高く、500kg以下で反応器の質量を最適化することができる。

熱水力および中性子コードを使用して、全体的な冷却剤の流れを最小限に抑えるために、内部電力分布に一致する冷却剤流量で微調整された反応器設計を提供した。

内部電力分布を正確に予測する能力は、ゼロ電力CXリアクタ(図1-13)で確認された。

CXは、設計を中性的に代表する19要素構成であった。

実験結果と試験前の分析との間の一致は非常に良好であり、0.5(自動翻訳修正)%以内であった。

同様に印象的な成果は、DOEの承認を得ることでした。

CXは10年以上に亘ってDOEの操業が承認された最初の原子炉でした。:自動翻訳のまま)

図1-13を見ると、キャプションにはクリティカルエクスペリメントリアクターとある。

サンディア国立研究所辺りにあった臨界実験炉みたいな感じだ(資料ページ4-38参照)。

減速材は液体リチウム(ベリリウム入り)を使用し、反射材にはベリリウム板を使用している。

資料の中には、エンジンの構成も描かれている。

ブリードサイクル、フルフローエキスパンダーサイクル、パーシャルフローエキスパンダーサイクルのデザインが検討されたようだ。

原子炉の設計については、4.4.3Reactor Subsystemに詳しく書かれているようだが、まだ読んでいない。

仕様(図4.4-13)を見ると、温度は3000度になるようだ。

高温に晒される部品はたまらんだろうな。

燃料については、4.5WBS1.5 Fuel Developmentなどで触れられている(図4.5-1参照)。

なんか、高温ガス炉のHTTRの燃料みたいだな。

(【補足説明資料】:2. 高温ガス炉用黒鉛材料の説明)
https://www.jaea.go.jp/02/press2007/p07062901/hosoku.html

「燃料の最小単位は直径1mm程度の被覆燃料粒子です。これは高温ガス炉特有の燃料形式で、微小な球で燃料核(ウランの酸化物等)を芯としてその外側を耐熱性に優れた炭化ケイ素等のセラミックスで四重に包んだものです。」

宇宙炉の方は、炭化ウランのカーネルを低密度熱分解炭素、高密度熱分解炭素で包み、その外側に炭化ジルコニウムの被覆という構成だ。

図のキャプションでは、炭化ニオブとかも書いてあるし、本文では炭化タンタル、炭化ハフニウムも検討したようだ。

まだ、全然読み込めていないし、20年以上前の資料だから、今現在行われている開発とどれだけ関係があるか分からないが、全体的な印象としては、当時としてはかなり完成度が高い感じがする。

実験コストが嵩んだのと、それに対する資金が獲得できずに終了した様だが、もったいない話だ。

今回も原子炉請け負っている会社の人が、材料の進歩などがあったので新しい検討が出来ると言ってるようだが、大まかな設計はあまり変わらないだろう(ひょっとしたら、この時の続きをやろうとしてるのかも!)。

反応温度が高くなるくらいかもしれない(それだけパワーが出るってことなのかあ?)。

宇宙空間に原子炉上げるリスク(落ちてくるかもしれないし)、放射化された推進剤をばら撒くリスク、そもそも、それを使わなければ到達できない深宇宙に探査機や人間を送り込んで、怪しげな開発を行うリスク(?)を十分に検討しなければならない。

化学燃料を山ほど搭載して、深宇宙に進出する宇宙船を何度かに分けて打ち上げ、軌道上で組み立て、タンカーも造って軌道上で空輸(宙油?)して行くのとどっちがいいんだろうな?。

核熱ロケットだって、推進剤がなくなれば、補給しなければならないしな。

燃料効率だって、せいぜい2倍とかそのくらいだしな(それって、大きいのか小さいのか、よく分んないや)。

イオンエンジンになると、桁が違ってくるからな。

そっちの方の性能向上とかと併せて考えなければいけないような気もする。

イオンエンジンの電源としての原子炉搭載して、熱電変換して飛ばすのが、一番無難なような気がするけどな。

焼け石に水ぶっかけて、ジュワーッとさせて進むイメージだからな(そうなのかあ?)。

ソフィスティケートされていない感じが残る。

反応温度の関係とか、放射能の関係とかを除けば、基本的には既存の化学燃料を使ったロケットと同じだということも分かった。

原子炉も、陸上で使われているものと大差ない(ホントかあ?)。

要素技術は、ほぼ確立されている感じだ。

あとは、材料の進歩と、それに合わせて改良するだけのような気がする(気のせいじゃね?)。

もう少し読んで、面白い話があればまた書くし、他に興味が移れば忘れてしまうかもしれない(得意です!)。

久しぶりに、面白い資料を見つけたな・・・。