スターリンク衛星の打ち上げは、なぜヒマこいてるバンデンバーグから行わないのか ― 2020年01月16日 01:23
スターリンク衛星の打ち上げは、なぜヒマこいてるバンデンバーグから行わないのか
この理由については、確信はない。
テスト衛星であったティンティン(A&B)を除いて、スターリンク衛星は全てフロリダから打ち上げられている。
もっといえば、SLC-40からだけ打ち上げられている。
SLC-39Aも使えるスペースXだが、使わない。
(スターリンク)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%AF
「打ち上げ履歴:
打ち上げ日(UTC):発射場:軌道傾斜角:機数
・2018年2月22日:ヴァンデンバーグ空軍基地(SLC-4E):97.44°:2
・2019年5月24日:CCAFS SLC-40:53°:60
・2019年11月11日:CCAFS SLC-40:53°:60
・2020年1月7日:CCAFS SLC-40:53°:60」
次回の打ち上げは、スターリンク3として、今月20日(UTC)に予定されている。
おそらく、同じ軌道傾斜角に上げるんだろう。
低軌道衛星コンステレーションとしては、イリジウムネクストがバンデンバーグから上がっていた。
(イリジウム-NEXT)
https://space.skyrocket.de/doc_sdat/iridium-next.htm
「軌道:780 km×780 km、86.4°(初期/ストレージ軌道:667 km×667 km、86.4°)」
軌道傾斜角がティンティンと同じく極軌道に近い。
(ヴァンデンバーグ空軍基地)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%83%B3%E3%83%87%E3%83%B3%E3%83%90%E3%83%BC%E3%82%B0%E7%A9%BA%E8%BB%8D%E5%9F%BA%E5%9C%B0
「太平洋に面しており、射場の南方と西方が海であるために、ケネディ宇宙センターと異なって、極軌道への打ち上げに際し問題が少ない。」
スターリンク衛星コンステレーションの英語版のウィキには、今後の展開予定が書かれている。
「星座の設計とステータス:
段階:軌道シェル(km):衛星の数:傾き(度)
1:550:1,584:53
1:1,130:400:74
1:1,275:375:81
1:1,325:450:70
2:335.9:2,493:42
2:340.8:2,478:48
2:345.6:2,547:53」
これをみると、バンデンバーグから上がりそうなのは、第一段階の一部(軌道高度が1000km以上で軌道傾斜角74度(400機)、81度(375機)、70度(450機))くらいか。
高緯度地域の人口は少ないからな。
この程度でカバーできると見ているんだろう。
追加で申請しているという3万機(!)については知らない(未調査)。
他の大多数の衛星は、フロリダからの打ち上げになる。
ちなみに、衛星の製造拠点はワシントン州のレドモンドということだから、まあ、フロリダよりカリフォルニアの方が近いと言えないこともない。
通信需要が高い中・低緯度の配置を充実させることを考えれば、バンデンバーグの出番は少ない。
もともと、米国の偵察衛星を打ち上げるための軍事基地だからな。
極軌道に適した場所が選ばれるのは当然だし、大陸間弾道弾のテストにも適しているようだ。
「クェゼリン環礁を着弾地とする大陸間弾道ミサイルの試射にも適している。」
物騒な打ち上げ施設ということになる。
もっとも、スペースXがスターリンク以外の打ち上げで使うこともあるだろう。
極軌道への打ち上げ需要は、一定程度あるからな。
浮沈子は、バンデンバーグからの打ち上げが大半になると思っていたんだが、そうではなかった。
その理由は、おそらく軌道傾斜角にある。
インターネット衛星コンステレーションの条件は、他社も同じだから、似たような軌道傾斜角に打ち上げられるようになるだろう。
需要のあるところに、供給体制を厚くするのは商売の鉄則だからな・・・。
(OneWebが軌道デブリ問題の警戒を誓う:追加)
https://spacenews.com/oneweb-pledges-vigilance-on-orbital-debris-issue/
「OneWebの150キログラムの衛星は、赤道に対して87.9度の傾斜で、40の衛星からなる18の平面で、高度1,200キロメートルの軌道で動作します。」
来月には、ワンウェブも30機以上上げるみたいだが、こっちは極軌道に近いな・・・。
この理由については、確信はない。
テスト衛星であったティンティン(A&B)を除いて、スターリンク衛星は全てフロリダから打ち上げられている。
もっといえば、SLC-40からだけ打ち上げられている。
SLC-39Aも使えるスペースXだが、使わない。
(スターリンク)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%AF
「打ち上げ履歴:
打ち上げ日(UTC):発射場:軌道傾斜角:機数
・2018年2月22日:ヴァンデンバーグ空軍基地(SLC-4E):97.44°:2
・2019年5月24日:CCAFS SLC-40:53°:60
・2019年11月11日:CCAFS SLC-40:53°:60
・2020年1月7日:CCAFS SLC-40:53°:60」
次回の打ち上げは、スターリンク3として、今月20日(UTC)に予定されている。
おそらく、同じ軌道傾斜角に上げるんだろう。
低軌道衛星コンステレーションとしては、イリジウムネクストがバンデンバーグから上がっていた。
(イリジウム-NEXT)
https://space.skyrocket.de/doc_sdat/iridium-next.htm
「軌道:780 km×780 km、86.4°(初期/ストレージ軌道:667 km×667 km、86.4°)」
軌道傾斜角がティンティンと同じく極軌道に近い。
(ヴァンデンバーグ空軍基地)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%83%B3%E3%83%87%E3%83%B3%E3%83%90%E3%83%BC%E3%82%B0%E7%A9%BA%E8%BB%8D%E5%9F%BA%E5%9C%B0
「太平洋に面しており、射場の南方と西方が海であるために、ケネディ宇宙センターと異なって、極軌道への打ち上げに際し問題が少ない。」
スターリンク衛星コンステレーションの英語版のウィキには、今後の展開予定が書かれている。
「星座の設計とステータス:
段階:軌道シェル(km):衛星の数:傾き(度)
1:550:1,584:53
1:1,130:400:74
1:1,275:375:81
1:1,325:450:70
2:335.9:2,493:42
2:340.8:2,478:48
2:345.6:2,547:53」
これをみると、バンデンバーグから上がりそうなのは、第一段階の一部(軌道高度が1000km以上で軌道傾斜角74度(400機)、81度(375機)、70度(450機))くらいか。
高緯度地域の人口は少ないからな。
この程度でカバーできると見ているんだろう。
追加で申請しているという3万機(!)については知らない(未調査)。
他の大多数の衛星は、フロリダからの打ち上げになる。
ちなみに、衛星の製造拠点はワシントン州のレドモンドということだから、まあ、フロリダよりカリフォルニアの方が近いと言えないこともない。
通信需要が高い中・低緯度の配置を充実させることを考えれば、バンデンバーグの出番は少ない。
もともと、米国の偵察衛星を打ち上げるための軍事基地だからな。
極軌道に適した場所が選ばれるのは当然だし、大陸間弾道弾のテストにも適しているようだ。
「クェゼリン環礁を着弾地とする大陸間弾道ミサイルの試射にも適している。」
物騒な打ち上げ施設ということになる。
もっとも、スペースXがスターリンク以外の打ち上げで使うこともあるだろう。
極軌道への打ち上げ需要は、一定程度あるからな。
浮沈子は、バンデンバーグからの打ち上げが大半になると思っていたんだが、そうではなかった。
その理由は、おそらく軌道傾斜角にある。
インターネット衛星コンステレーションの条件は、他社も同じだから、似たような軌道傾斜角に打ち上げられるようになるだろう。
需要のあるところに、供給体制を厚くするのは商売の鉄則だからな・・・。
(OneWebが軌道デブリ問題の警戒を誓う:追加)
https://spacenews.com/oneweb-pledges-vigilance-on-orbital-debris-issue/
「OneWebの150キログラムの衛星は、赤道に対して87.9度の傾斜で、40の衛星からなる18の平面で、高度1,200キロメートルの軌道で動作します。」
来月には、ワンウェブも30機以上上げるみたいだが、こっちは極軌道に近いな・・・。
安全はボーイングの核心だが、その対象は乗客ではない ― 2020年01月16日 10:39
安全はボーイングの核心だが、その対象は乗客ではない
組織の意思決定は様々なレベルで行われ、競争したりけん制し合ったりして相互に調整され、概ね妥当な方向性を得るが、内外の様々な圧力によって捻じ曲げられ、想定されない決定が行われることもあり得る。
組織の規模がデカくなれば、その社会的影響は凄まじいからな。
ヘッドクォーターによる組織内統治や、最高意思決定機関による監督は、巨大組織が方向性を誤らないようにするためには絶対必要な仕掛けだ。
ボーイングに絡む一連の出来事を見ていると、現代における巨大組織が内包する危機の姿が浮き彫りにされているように感じる。
(日本でほとんど報じられないボーイング737MAXの恐ろしい真実)
https://www.mag2.com/p/news/435226
昨年3月からこの問題をずーっと追いかけている浮沈子にいわせれば、報道自体は十分行われていると思うんだがな。
他のニュースが多いからじゃないのかあ?。
我が国に飛来していたMaxはあったけど、我が国のキャリアが保有していたMaxはなかったしな。
世間の関心が低いのは仕方ない。
記事では、浮沈子的関心が高いMCASの内容については余り書かれていないが、最近話題の、シミュレーターを巡る社内メールについてはよく纏められている。
「新規のソフトウェアを導入したフライトシミュレーションが不具合を連発したため、このままでは安全に飛行できない。普通ならシステムを再構築して追加のフライトシミュレーションを導入すべきなのに、そうすると費用も時間もかかってしまう上に、FAAによる認可時期が先送りされてしまい、各国の航空会社との契約に問題が生じてしまう。そのため、ボーイング社は、追加のフライトシミュレーションを導入せずに、安全性に問題があるまま事実を隠蔽して認可を取得し、737MAXを売りさばいた」
シミュレーターを改善すればいいように読むことも出来るが、当然、そんなことはない!(Max自身を改善しなきゃな・・・)。
「もしもボーイング社が、問題点を隠蔽せず、きちんと追加のフライトシミュレーションを導入し、安全性を確認していたら、こんな事故など起こらなかったのではないでしょうか?」
そもそもシミュレーターは、航空機の欠陥を暴くための機械じゃないしな。
この記事を書いたブロガーの認識が違うような気がする。
しかし、おかげで、新たな問題が見えてきた。
社内メールで指摘されていたのは、フライトシミュレーターの欠陥なのか、それとも実機の飛行特性なのか。
その点が、何となく曖昧な気がする。
浮沈子は今まで、B社が移行訓練を簡略化し、コストを抑えてMaxを売りさばくためにシミュレーター訓練を不要とする営業戦略を取っていたのだと思っていた。
従来のNGシリーズから、簡単に乗り換えられてお得ですよって・・・。
この記事が言うように、フライトシミュレーター自体に何らかの欠陥があって、その修正を回避する必要から、移行訓練を簡略化した可能性もある。
逆に、シミュレーターはMACSの特性を正確に反映し、実機の欠陥をあまりにも忠実に再現していたため、こんなもんを機種転換の前提条件にしたら絶対売れないと考えて、敢えてシミュレーターの導入を避けたのかも知れない。
だとしたら、犯罪級の判断が行われたということになる。
(ボーイング、操縦士の訓練を要請したライオン・エアを馬鹿呼ばわり 1年後に墜落事故)
https://jp.sputniknews.com/incidents/202001157014377/
「今、このいまいましいライオン・エアは、あたかも彼らが愚かであるかのように、MAXで飛行するためのシミュレーターを必要としている。 私はこれに対処する方法を見つけようとしててんてこ舞いしている。 馬鹿野郎たちだ」
「それから間もなく、ボーイングはライオン・エアの操縦士のシミュレーター訓練を拒否した。」
これから数千機を売りさばこうとしているにしては、Maxのシミュレーターの数は極めて少ない。
導入に当たって、シミュレーターの欠陥が足かせになって、移行訓練が簡略化されたのか、シミュレーターが、余りに正確に実機の欠陥を再現したから、バレるのを恐れて移行訓練から外したのか。
社内メールからは、どちらにしても、この航空機がヤバイ旅客機だということが伝わってくる。
浮沈子は、シミュレーターの欠陥であって欲しいと願っている。
だって、後者(シミュレーターが正確過ぎて、実機の欠陥が露呈する方)だったら、スプートニクの記事にあるような話は悲しすぎるからな。
欠陥シミュレーターの調達に苦労し、結果的に実機の訓練が不十分なまま事故に至ったのなら、それはそれでとんでもない話だけど、まだ納得がいく。
どちらにしても、B社内部では、MCASの誤作動による操縦上の問題が明確に認識されていたということは変わらない。
本来なら、シミュレーターに問題があろうが無かろうが、実機のシステムの改善を行ってからリリースするという方向に進まなければならなかったはずだ。
「737MAXのフライトシミュレーターは失速防止システムが作動しまくっている。あまりにも酷い状況だが、私はFAAに嘘をついてしまった。」
「737MAXのために新規に設計された失速防止システム「MCAS」が、センサーの誤情報に基づいて作動してしまい、飛行中に機体が急降下して、パイロットによる操縦ができなくなるという問題が連発していたそうです。しかし、ボーイング社は、この問題を隠蔽し、納期ありきで安全性に問題があるまま欠陥機を売りさばいたのです。」
「この旅客機(737MAX)は、道化師が設計したもので、それを監督しているのが猿たち(FAA)だ」
サルは、このウソを見破れなかった。
サルだからな・・・。
そして、737Maxの事故後に、サルが進化してまともになったという保証はどこにもない。
現在、再稼働に当たって、シミュレーターを導入することが推奨されているというが、そのシミュレーターを作っている道化師(ピエロ)がエースになったという話も聞かない(製造は、別会社が行っているようです)。
新たに導入されるシミュレーターが、正確に飛行特性を再現できるのかについては、いったい、誰が保障してくれるのか。
あってはならない話だが、そのシミュレーターに意図的な細工が施され、改良されたとされるMaxに残る致命的欠陥を隠蔽するツールとして使われないという保証はどこにあるのか。
FAAとB社の当事者達は、当時とほとんど同じで、組織の改編が行われたわけでもなく、制度の見直しがなされたわけでもない。
内外の圧力は、早期の飛行再開に向けてむしろ高まっている。
(737MAXの運航が再開された場合、ボーイング新CEOに700万ドル)
https://jp.sputniknews.com/us/202001157013450/
「米航空機メーカー、ボーイングの最高経営責任者(CEO)に就任したデイヴィッド・カルフーン氏は、旅客機737 MAXの運航が再開された場合、700万ドルの報酬を受け取る。ビジネス・インサイダー(Business Insider)が、ボーイングの情報を引用して報じた。」
経済的なインセンティブを与えられたCEOが、乗客の安全を第一にした判断を下すかどうか。
巨大組織の意思決定のプロセスが、今度こそまともに機能するかどうかが問われている。
MCASの欠陥は、見えない瑕疵ではなかった。
改良されたMCASでも、機体構造上の特性に十全に対応できるとは限らず、複数のトラブルが絡んで機能しなくなれば、MCASのない裸のMaxの機首上げしやすい空力特性を、パイロットが手動で制御することになる。
導入されるシミュレーターが、それを正確に再現できなければ、何のための移行訓練かという話になる。
さらには、改良されたとされるMCAS自身に、新たなバグを抱え込んだ可能性も否定できない(実際、開発途中でFAAが見つけたしな)。
隠れた瑕疵を暴くための努力を尽くすことは必要だが、それには限界もある。
現代の航空機の安全は、残念ながら最終的には十分な訓練を受けたパイロットの技量に委ねられている。
完全自動操縦なわけじゃない。
人の作りしものは全て壊れる。
その中には、人が作り出した巨大組織も含まれてるに違いないのだ・・・。
組織の意思決定は様々なレベルで行われ、競争したりけん制し合ったりして相互に調整され、概ね妥当な方向性を得るが、内外の様々な圧力によって捻じ曲げられ、想定されない決定が行われることもあり得る。
組織の規模がデカくなれば、その社会的影響は凄まじいからな。
ヘッドクォーターによる組織内統治や、最高意思決定機関による監督は、巨大組織が方向性を誤らないようにするためには絶対必要な仕掛けだ。
ボーイングに絡む一連の出来事を見ていると、現代における巨大組織が内包する危機の姿が浮き彫りにされているように感じる。
(日本でほとんど報じられないボーイング737MAXの恐ろしい真実)
https://www.mag2.com/p/news/435226
昨年3月からこの問題をずーっと追いかけている浮沈子にいわせれば、報道自体は十分行われていると思うんだがな。
他のニュースが多いからじゃないのかあ?。
我が国に飛来していたMaxはあったけど、我が国のキャリアが保有していたMaxはなかったしな。
世間の関心が低いのは仕方ない。
記事では、浮沈子的関心が高いMCASの内容については余り書かれていないが、最近話題の、シミュレーターを巡る社内メールについてはよく纏められている。
「新規のソフトウェアを導入したフライトシミュレーションが不具合を連発したため、このままでは安全に飛行できない。普通ならシステムを再構築して追加のフライトシミュレーションを導入すべきなのに、そうすると費用も時間もかかってしまう上に、FAAによる認可時期が先送りされてしまい、各国の航空会社との契約に問題が生じてしまう。そのため、ボーイング社は、追加のフライトシミュレーションを導入せずに、安全性に問題があるまま事実を隠蔽して認可を取得し、737MAXを売りさばいた」
シミュレーターを改善すればいいように読むことも出来るが、当然、そんなことはない!(Max自身を改善しなきゃな・・・)。
「もしもボーイング社が、問題点を隠蔽せず、きちんと追加のフライトシミュレーションを導入し、安全性を確認していたら、こんな事故など起こらなかったのではないでしょうか?」
そもそもシミュレーターは、航空機の欠陥を暴くための機械じゃないしな。
この記事を書いたブロガーの認識が違うような気がする。
しかし、おかげで、新たな問題が見えてきた。
社内メールで指摘されていたのは、フライトシミュレーターの欠陥なのか、それとも実機の飛行特性なのか。
その点が、何となく曖昧な気がする。
浮沈子は今まで、B社が移行訓練を簡略化し、コストを抑えてMaxを売りさばくためにシミュレーター訓練を不要とする営業戦略を取っていたのだと思っていた。
従来のNGシリーズから、簡単に乗り換えられてお得ですよって・・・。
この記事が言うように、フライトシミュレーター自体に何らかの欠陥があって、その修正を回避する必要から、移行訓練を簡略化した可能性もある。
逆に、シミュレーターはMACSの特性を正確に反映し、実機の欠陥をあまりにも忠実に再現していたため、こんなもんを機種転換の前提条件にしたら絶対売れないと考えて、敢えてシミュレーターの導入を避けたのかも知れない。
だとしたら、犯罪級の判断が行われたということになる。
(ボーイング、操縦士の訓練を要請したライオン・エアを馬鹿呼ばわり 1年後に墜落事故)
https://jp.sputniknews.com/incidents/202001157014377/
「今、このいまいましいライオン・エアは、あたかも彼らが愚かであるかのように、MAXで飛行するためのシミュレーターを必要としている。 私はこれに対処する方法を見つけようとしててんてこ舞いしている。 馬鹿野郎たちだ」
「それから間もなく、ボーイングはライオン・エアの操縦士のシミュレーター訓練を拒否した。」
これから数千機を売りさばこうとしているにしては、Maxのシミュレーターの数は極めて少ない。
導入に当たって、シミュレーターの欠陥が足かせになって、移行訓練が簡略化されたのか、シミュレーターが、余りに正確に実機の欠陥を再現したから、バレるのを恐れて移行訓練から外したのか。
社内メールからは、どちらにしても、この航空機がヤバイ旅客機だということが伝わってくる。
浮沈子は、シミュレーターの欠陥であって欲しいと願っている。
だって、後者(シミュレーターが正確過ぎて、実機の欠陥が露呈する方)だったら、スプートニクの記事にあるような話は悲しすぎるからな。
欠陥シミュレーターの調達に苦労し、結果的に実機の訓練が不十分なまま事故に至ったのなら、それはそれでとんでもない話だけど、まだ納得がいく。
どちらにしても、B社内部では、MCASの誤作動による操縦上の問題が明確に認識されていたということは変わらない。
本来なら、シミュレーターに問題があろうが無かろうが、実機のシステムの改善を行ってからリリースするという方向に進まなければならなかったはずだ。
「737MAXのフライトシミュレーターは失速防止システムが作動しまくっている。あまりにも酷い状況だが、私はFAAに嘘をついてしまった。」
「737MAXのために新規に設計された失速防止システム「MCAS」が、センサーの誤情報に基づいて作動してしまい、飛行中に機体が急降下して、パイロットによる操縦ができなくなるという問題が連発していたそうです。しかし、ボーイング社は、この問題を隠蔽し、納期ありきで安全性に問題があるまま欠陥機を売りさばいたのです。」
「この旅客機(737MAX)は、道化師が設計したもので、それを監督しているのが猿たち(FAA)だ」
サルは、このウソを見破れなかった。
サルだからな・・・。
そして、737Maxの事故後に、サルが進化してまともになったという保証はどこにもない。
現在、再稼働に当たって、シミュレーターを導入することが推奨されているというが、そのシミュレーターを作っている道化師(ピエロ)がエースになったという話も聞かない(製造は、別会社が行っているようです)。
新たに導入されるシミュレーターが、正確に飛行特性を再現できるのかについては、いったい、誰が保障してくれるのか。
あってはならない話だが、そのシミュレーターに意図的な細工が施され、改良されたとされるMaxに残る致命的欠陥を隠蔽するツールとして使われないという保証はどこにあるのか。
FAAとB社の当事者達は、当時とほとんど同じで、組織の改編が行われたわけでもなく、制度の見直しがなされたわけでもない。
内外の圧力は、早期の飛行再開に向けてむしろ高まっている。
(737MAXの運航が再開された場合、ボーイング新CEOに700万ドル)
https://jp.sputniknews.com/us/202001157013450/
「米航空機メーカー、ボーイングの最高経営責任者(CEO)に就任したデイヴィッド・カルフーン氏は、旅客機737 MAXの運航が再開された場合、700万ドルの報酬を受け取る。ビジネス・インサイダー(Business Insider)が、ボーイングの情報を引用して報じた。」
経済的なインセンティブを与えられたCEOが、乗客の安全を第一にした判断を下すかどうか。
巨大組織の意思決定のプロセスが、今度こそまともに機能するかどうかが問われている。
MCASの欠陥は、見えない瑕疵ではなかった。
改良されたMCASでも、機体構造上の特性に十全に対応できるとは限らず、複数のトラブルが絡んで機能しなくなれば、MCASのない裸のMaxの機首上げしやすい空力特性を、パイロットが手動で制御することになる。
導入されるシミュレーターが、それを正確に再現できなければ、何のための移行訓練かという話になる。
さらには、改良されたとされるMCAS自身に、新たなバグを抱え込んだ可能性も否定できない(実際、開発途中でFAAが見つけたしな)。
隠れた瑕疵を暴くための努力を尽くすことは必要だが、それには限界もある。
現代の航空機の安全は、残念ながら最終的には十分な訓練を受けたパイロットの技量に委ねられている。
完全自動操縦なわけじゃない。
人の作りしものは全て壊れる。
その中には、人が作り出した巨大組織も含まれてるに違いないのだ・・・。
今期風疹の流行は終息したのか ― 2020年01月16日 13:40
今期風疹の流行は終息したのか
年末年始以来、書こう書こうと思っていたが、いろいろ立て込んでしまって書けないまま放置していた記事も、ようやく終わりに近づいている。
あと少し、頑張ろう。
で、ようやく風疹の記事に辿り着いた。
(2. 週別風しん報告数 2019年 第1〜52週 (n=2306)参照)
https://www.niid.go.jp/niid//images/idsc/disease/rubella/2019pdf/rube19-52.pdf
夏前にちょっと増えて懸念された流行のピークは、秋には過ぎている感じだったし、冬になってからは地方都市では散発的に見られる程度で、メインだった東京都のクラスターも概ね消滅している。
実際、東京都では3週間続けて新規感染者の報告はない。
(風しんの流行状況(東京都 2019年))
http://idsc.tokyo-eiken.go.jp/diseases/rubella/rubella2019/
(風しんの流行状況(東京都 2020年))
http://idsc.tokyo-eiken.go.jp/diseases/rubella/rubella/
懸念される先天性風疹症候群(CRS)は、現在4例が報告されているが、今後も10数例まで増える可能性がある(テキトーです)。
(風疹流行に関する緊急情報:2020 年 1 月 8 日現在)
https://www.niid.go.jp/niid/images/epi/rubella/2020/rubella200108.pdf
「2019 年第 4、17、24、44 週に各 1 人、合計 4 人が報告された」
今期流行の感染者数の推移を見ると、なだらかな終息曲線を描いているように見える(錯覚かあ?)。
このまま完全終息してもらいたいもんだが、2012年から2013年にかけての前回の流行期を見ると、一旦終息しかけたと見せかけて、大規模な流行の立ち上がりを見せている。
それに相当するのが、今期の前半と後半に当たると見ることができなくもない。
まあ、どうでもいいんですが。
オヤジどもを対象としたワクチン接種は遅々として進まず、おそらく5年後くらいに再度流行が訪れることは確定だろう(そんなあ!)。
この5年周期(国によって3年から7年になることもあるようだが)の謎は解けないままだ。
このまま終息してくれることを願うばかりだが、ワクチンの臨時接種は引き続いて行われている。
「風疹の流行」は終わりつつあるのかも知れないが、「風疹の撲滅に向けての対策」は、ある意味で始まったばかりだ。
喉元過ぎれば、なんとやら。
CRSを発生させないための方策は、かつては妊娠の中断(中絶)しかなかった。
流行期の避妊、妊娠前や周囲のワクチン接種だけでは、防ぎきれないことも分かっている。
あと20年くらいすれば、幼児期のワクチン悉皆接種の社会的効果が現れて、この国からCRSの発症がなくなる可能性は高い(免疫の経年劣化問題はあるけどな)。
まあ、その頃になれば、ワクチン接種などという原始的な手法は、ゲノム編集に取って代わられている可能性もある(そうなのかあ?)。
それまで放置するのか、それとも21世紀の人間らしく、敢然と立ち向かうのか。
現実は、その中間にならざるを得ないだろうな・・・。
(数理モデルで感染症を食い止める 「経験と勘」を超えてエビデンスに基づく対策を:追加)
https://www.jst.go.jp/ristex/stipolicy/policy-door/article-02.html
「2012年から13年にかけて、日本で風疹が大流行をしたことがある。その時のデータを分析すると、流行の中心的役割を果たしたのは成人男性だった。」
「そこで成人男性のデータを感染症モデルに取り込んで、風疹がまた流行しないようにするための条件を計算してみた。その結果、30〜50歳代の男性の約2割が風疹の免疫を新たに獲得すれば大規模な流行は起こらないという結論を得た。」
この記事は、今期流行以前(2018年7月)に書かれている。
(西浦博インタビュー】インフルエンザはなぜ大流行するのか 数理モデルで証明された「集団免疫」の有効性:追加)
https://www.jst.go.jp/ristex/stipolicy/policy-door/interview-02.html
「政策的なニーズがない中で科学的に正しいと言ってもだめなんですよね。風疹が流行する前、免疫のない成人男性に再接種するにはこれくらいのワクチンが必要だという試算を厚生労働省に持って行ったんですが、「お金が降ってきたらいいんですけどね」と言われて、その日の会議は終わりました。3カ月後、流行が始まって、「ほらね」とか言っても後の祭り(笑)。ある程度ニーズが政策の中で熱くなってないと物事が動きません。」(2019年4月8日の記事)
風が吹かなければ桶屋は儲からない。
今、風は止んでしまった。
厚労省は、省を挙げて取り組み、次期流行期までにワクチン接種の目標を達成し、大規模流行を未然に防ぐ必要がある。
しかし、それってお役所任せな話なんだろうか?。
浮沈子は接種対象外だし、抗体検査の結果、とりあえず十分な抗体価があるということになっている。
対象年齢のオヤジどもと、その周囲の人々は、是非とも協力し合ってワクチン接種してもらいたいものだ。
サクラ見ることに使う金がある豊かな国だ。
ワクチン接種予算がパンクするくらい実施してたって、国が困ることはないだろうしな・・・。
年末年始以来、書こう書こうと思っていたが、いろいろ立て込んでしまって書けないまま放置していた記事も、ようやく終わりに近づいている。
あと少し、頑張ろう。
で、ようやく風疹の記事に辿り着いた。
(2. 週別風しん報告数 2019年 第1〜52週 (n=2306)参照)
https://www.niid.go.jp/niid//images/idsc/disease/rubella/2019pdf/rube19-52.pdf
夏前にちょっと増えて懸念された流行のピークは、秋には過ぎている感じだったし、冬になってからは地方都市では散発的に見られる程度で、メインだった東京都のクラスターも概ね消滅している。
実際、東京都では3週間続けて新規感染者の報告はない。
(風しんの流行状況(東京都 2019年))
http://idsc.tokyo-eiken.go.jp/diseases/rubella/rubella2019/
(風しんの流行状況(東京都 2020年))
http://idsc.tokyo-eiken.go.jp/diseases/rubella/rubella/
懸念される先天性風疹症候群(CRS)は、現在4例が報告されているが、今後も10数例まで増える可能性がある(テキトーです)。
(風疹流行に関する緊急情報:2020 年 1 月 8 日現在)
https://www.niid.go.jp/niid/images/epi/rubella/2020/rubella200108.pdf
「2019 年第 4、17、24、44 週に各 1 人、合計 4 人が報告された」
今期流行の感染者数の推移を見ると、なだらかな終息曲線を描いているように見える(錯覚かあ?)。
このまま完全終息してもらいたいもんだが、2012年から2013年にかけての前回の流行期を見ると、一旦終息しかけたと見せかけて、大規模な流行の立ち上がりを見せている。
それに相当するのが、今期の前半と後半に当たると見ることができなくもない。
まあ、どうでもいいんですが。
オヤジどもを対象としたワクチン接種は遅々として進まず、おそらく5年後くらいに再度流行が訪れることは確定だろう(そんなあ!)。
この5年周期(国によって3年から7年になることもあるようだが)の謎は解けないままだ。
このまま終息してくれることを願うばかりだが、ワクチンの臨時接種は引き続いて行われている。
「風疹の流行」は終わりつつあるのかも知れないが、「風疹の撲滅に向けての対策」は、ある意味で始まったばかりだ。
喉元過ぎれば、なんとやら。
CRSを発生させないための方策は、かつては妊娠の中断(中絶)しかなかった。
流行期の避妊、妊娠前や周囲のワクチン接種だけでは、防ぎきれないことも分かっている。
あと20年くらいすれば、幼児期のワクチン悉皆接種の社会的効果が現れて、この国からCRSの発症がなくなる可能性は高い(免疫の経年劣化問題はあるけどな)。
まあ、その頃になれば、ワクチン接種などという原始的な手法は、ゲノム編集に取って代わられている可能性もある(そうなのかあ?)。
それまで放置するのか、それとも21世紀の人間らしく、敢然と立ち向かうのか。
現実は、その中間にならざるを得ないだろうな・・・。
(数理モデルで感染症を食い止める 「経験と勘」を超えてエビデンスに基づく対策を:追加)
https://www.jst.go.jp/ristex/stipolicy/policy-door/article-02.html
「2012年から13年にかけて、日本で風疹が大流行をしたことがある。その時のデータを分析すると、流行の中心的役割を果たしたのは成人男性だった。」
「そこで成人男性のデータを感染症モデルに取り込んで、風疹がまた流行しないようにするための条件を計算してみた。その結果、30〜50歳代の男性の約2割が風疹の免疫を新たに獲得すれば大規模な流行は起こらないという結論を得た。」
この記事は、今期流行以前(2018年7月)に書かれている。
(西浦博インタビュー】インフルエンザはなぜ大流行するのか 数理モデルで証明された「集団免疫」の有効性:追加)
https://www.jst.go.jp/ristex/stipolicy/policy-door/interview-02.html
「政策的なニーズがない中で科学的に正しいと言ってもだめなんですよね。風疹が流行する前、免疫のない成人男性に再接種するにはこれくらいのワクチンが必要だという試算を厚生労働省に持って行ったんですが、「お金が降ってきたらいいんですけどね」と言われて、その日の会議は終わりました。3カ月後、流行が始まって、「ほらね」とか言っても後の祭り(笑)。ある程度ニーズが政策の中で熱くなってないと物事が動きません。」(2019年4月8日の記事)
風が吹かなければ桶屋は儲からない。
今、風は止んでしまった。
厚労省は、省を挙げて取り組み、次期流行期までにワクチン接種の目標を達成し、大規模流行を未然に防ぐ必要がある。
しかし、それってお役所任せな話なんだろうか?。
浮沈子は接種対象外だし、抗体検査の結果、とりあえず十分な抗体価があるということになっている。
対象年齢のオヤジどもと、その周囲の人々は、是非とも協力し合ってワクチン接種してもらいたいものだ。
サクラ見ることに使う金がある豊かな国だ。
ワクチン接種予算がパンクするくらい実施してたって、国が困ることはないだろうしな・・・。
風疹の流行周期が5年なのは「免疫が付く感染症はそういうものだから」なのかあ? ― 2020年01月16日 21:16
風疹の流行周期が5年なのは「免疫が付く感染症はそういうものだから」なのかあ?
(数理モデルに基づく風疹流行の考察)
https://core.ac.uk/download/pdf/145774340.pdf
コピペできないので、詳細は読んでいただくしかない(資料36ページ:1-3など)。
風疹が、5年毎に大流行を繰り返している理由について、浮沈子的には免疫の低下が原因だと思ってたんだが、どうやら一般的に免疫が付く感染症の場合、そういうものだからということらしい(そうなのかあ?)。
もちろん、感染力とか潜伏期間や感染期間などの病態が異なるから、流行の周期は感染症ごとに異なるし、なぜか平均寿命が関わってくるようだから、国によっても異なることになる。
資料37ページには、T:流行周期、L:平均寿命、D´:平均感染潜伏期間、D:平均感染期間、R0:基本再生産数とした計算式が出ている。
T=2π(L(D´+D)/(R0-1))^-2
実際に計算してみよう(採用する数値については、独自)。
T=2×3.14×(84×365×(17+14)÷(6-1))^-2
≒2,738.0日
→7年6か月
(基本再生産数)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9F%BA%E6%9C%AC%E5%86%8D%E7%94%9F%E7%94%A3%E6%95%B0
「代表的な感染症のR0値:
・風疹:飛沫感染:5–7」(真ん中取って6を採用)
(1.風疹(ふうしん)と先天性風疹症候群について)
https://www.niid.go.jp/niid/ja/rubellaqa.html
「潜伏期間は2-3週間(平均16-18日)」(真ん中取って17日を採用)
「発疹のでる1週間まえから発疹がでたあと1週間くらいまでの患者さんは感染力があると考えられています。」(14日を採用)
(平均寿命、最高を更新 女性87.32歳 男性81.25歳)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO47950740Q9A730C1CR8000/
「2018年の日本人の平均寿命は女性が87.32歳、男性が81.25歳」(単純に足して2で割った約84歳を採用)
もちろん、現代は風疹ワクチンが接種されているので、この式を直接使うわけにはいかない。
また、引用した論文が採用した数字(平均寿命:80歳、平均感染潜伏期間:10日、平均感染期間:11日、基本再生産数:7)が妥当かどうかは知らない。
浮沈子が採用したデータがまずいんだろうか?。
明らかに異なるのは平均寿命だから、女子中学生を対象にワクチン接種が始まった、1977年当時の平均寿命を採用してみる。
(日本国における平均寿命の推移)
https://www.city.koriyama.lg.jp/material/files/group/72/sankosiryo3_vol4.pdf
「1977年(昭和52年)男72.69歳 女77.95歳」
ざっくり平均して75歳を採用しよう(端数切り捨て?)。
T=2×3.14×(75×365×(17+14)÷(6-1))^-2
≒2,587.2日
→約7年
あんま変わんないな。
しかし、1年とか10年とかにはならない。
概ね妥当な数字といえるかもしれない。
既に書いた通り、ワクチン接種などの政策的圧力が掛かれば、数値モデルを弄らなくてはならない。
浮沈子にはワケワカだが、2012年・13年の6年後の2018年・19年に流行が訪れたことは間違いない。
平均寿命がビミョーに伸びていることを考慮すれば、この傾向は続くと考えられる。
もっとも、数値モデルで予想されるのは、30代から50代のオヤジ世代がワクチン接種して有効抗体価を有する面々を20パーセント増やすことができれば、流行は起きず、その間隔は無限大となるはずだ。
そう上手くはいくまい。
今期流行を、我が国最後の風疹流行とすることができるかどうかは、オヤジ世代とその周辺の企業や家族、友人知り合い、エトセエトセに掛かっている。
免疫感染症の流行周期とは別に、自然感染によるブースト効果が消えた後、抗体価の低下(免疫力の低下)がどの程度起こるかについても懸念される。
HI法で32倍希釈以上の抗体感受性があれば、ワクチン接種は行わないということらしいが、その閾値は本当に大丈夫なのか。
(予防接種が推奨される風しん抗体価について(HI法))
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/dl/140425_1.pdf
「32倍以上:
風しんの感染予防に十分な免疫を保有していると考えられます。風しん含有ワクチンの接種は、基本的に必要ありません。」
「本資料は「風しんに関する小委員会」での議論を踏まえて作成した目安(考え方)であり、個々の予防接種の必要性については接種希望者が直接医師と御相談されたい。」
まあいい。
一昨年からの懸案だった、風疹の流行間隔が、免疫感染症一般に適用される性質だということが分かって、喉のつかえが下りた気分だ(隔離やワクチンがない場合)。
そういうことだとすれば、エボラなんかも同じような傾向が見られるかもしれないな。
外部からの流入の問題(そもそも、自然宿主からの感染だし)があるけど、コンゴ民主共和国では、所を変えて発症している。
風土病ということになれば、周期的な流行というパターンもあり得る。
T=2×3.14×(61×365×(7+10)÷(2-1))^-2
≒3,863.6日
→10年7か月
(コンゴ民主共和国:平均寿命参照)
https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/africa/rdcongo.html
「平均寿命:男性59歳,女性62歳」(61歳を採用)
「基本再生産数:エボラ(2014 Ebola outbreak) 血液感染 1.5-2.5」(ウィキ(既出)より:2.0を採用)
(エボラ出血熱:症状)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%9C%E3%83%A9%E5%87%BA%E8%A1%80%E7%86%B1#%E7%97%87%E7%8A%B6
「潜伏期間は通常7日程度(最短2日、最長3週間以上」(7日を採用)
「潜伏期間中は感染力はなく、発病後に感染力が発現する」
治癒までの期間の資料は、なんと、このブログの中で見つけた。
(予測)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2014/09/17/7436858
「発症から死亡まで:9.6日間」
「生存者の発症から快癒まで:10日」(平均感染期間としては、10日を採用)
結果は、10年から11年毎の流行となった。
もちろん、この数字に意味はない。
自然宿主由来だし、現在は有効なワクチンが射たれ始めていて、治療方法も確定しつつある。
全く適用がないことを断っておく。
が、コンゴ民主共和国の感染を見ると、考えさせられるな。
(エボラ発生のリストより:大規模感染のみ)
https://en.wikipedia.org/wiki/List_of_Ebola_outbreaks
「日付:国:ウイルス株:感染者数:死者数:致死率
・1976年8月:ザイール:EBOV:318:280:88%
・1995年5月〜7月:ザイール:EBOV:315:254:81%
・2001年10月〜2002年7月:コンゴ共和国:EBOV:59:44:75%
・2002年12月〜2003年4月:コンゴ共和国:EBOV:143:128:90%
・2003年11月〜12月:コンゴ共和国:EBOV:35:29:83%
・2007年8月〜11月:コンゴ民主共和国:EBOV:264:187:71%
・2008年12月〜2009年2月:コンゴ民主共和国:EBOV:32:14:45%
・2012年6月〜11月:コンゴ民主共和国:BDBV:57:29:51%
・2014年8月〜11月:コンゴ民主共和国:EBOV:66:49:74%
・2018年5月〜7月:コンゴ民主共和国:EBOV:54:33:61%
・2018年8月–現在(2020年1月14日速報値):広範囲:コンゴ民主共和国・ウガンダ:3,406:2,236:66%」
100人超えだけピックアップする。
・1976年8月:318:280:88%(初出)
・1995年5月〜7月:315:254:81%(19年)
・2002年12月〜2003年4月:143:128:90%(7年)
・2007年8月〜11月:264:187:71%(5年)
・2018年8月–現在:3,406:2,236:66%(11年)
平均すると10.5年となる。
やれやれ・・・。
もちろん、何の意味もない。
たぶん・・・。
(数理モデルに基づく風疹流行の考察)
https://core.ac.uk/download/pdf/145774340.pdf
コピペできないので、詳細は読んでいただくしかない(資料36ページ:1-3など)。
風疹が、5年毎に大流行を繰り返している理由について、浮沈子的には免疫の低下が原因だと思ってたんだが、どうやら一般的に免疫が付く感染症の場合、そういうものだからということらしい(そうなのかあ?)。
もちろん、感染力とか潜伏期間や感染期間などの病態が異なるから、流行の周期は感染症ごとに異なるし、なぜか平均寿命が関わってくるようだから、国によっても異なることになる。
資料37ページには、T:流行周期、L:平均寿命、D´:平均感染潜伏期間、D:平均感染期間、R0:基本再生産数とした計算式が出ている。
T=2π(L(D´+D)/(R0-1))^-2
実際に計算してみよう(採用する数値については、独自)。
T=2×3.14×(84×365×(17+14)÷(6-1))^-2
≒2,738.0日
→7年6か月
(基本再生産数)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9F%BA%E6%9C%AC%E5%86%8D%E7%94%9F%E7%94%A3%E6%95%B0
「代表的な感染症のR0値:
・風疹:飛沫感染:5–7」(真ん中取って6を採用)
(1.風疹(ふうしん)と先天性風疹症候群について)
https://www.niid.go.jp/niid/ja/rubellaqa.html
「潜伏期間は2-3週間(平均16-18日)」(真ん中取って17日を採用)
「発疹のでる1週間まえから発疹がでたあと1週間くらいまでの患者さんは感染力があると考えられています。」(14日を採用)
(平均寿命、最高を更新 女性87.32歳 男性81.25歳)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO47950740Q9A730C1CR8000/
「2018年の日本人の平均寿命は女性が87.32歳、男性が81.25歳」(単純に足して2で割った約84歳を採用)
もちろん、現代は風疹ワクチンが接種されているので、この式を直接使うわけにはいかない。
また、引用した論文が採用した数字(平均寿命:80歳、平均感染潜伏期間:10日、平均感染期間:11日、基本再生産数:7)が妥当かどうかは知らない。
浮沈子が採用したデータがまずいんだろうか?。
明らかに異なるのは平均寿命だから、女子中学生を対象にワクチン接種が始まった、1977年当時の平均寿命を採用してみる。
(日本国における平均寿命の推移)
https://www.city.koriyama.lg.jp/material/files/group/72/sankosiryo3_vol4.pdf
「1977年(昭和52年)男72.69歳 女77.95歳」
ざっくり平均して75歳を採用しよう(端数切り捨て?)。
T=2×3.14×(75×365×(17+14)÷(6-1))^-2
≒2,587.2日
→約7年
あんま変わんないな。
しかし、1年とか10年とかにはならない。
概ね妥当な数字といえるかもしれない。
既に書いた通り、ワクチン接種などの政策的圧力が掛かれば、数値モデルを弄らなくてはならない。
浮沈子にはワケワカだが、2012年・13年の6年後の2018年・19年に流行が訪れたことは間違いない。
平均寿命がビミョーに伸びていることを考慮すれば、この傾向は続くと考えられる。
もっとも、数値モデルで予想されるのは、30代から50代のオヤジ世代がワクチン接種して有効抗体価を有する面々を20パーセント増やすことができれば、流行は起きず、その間隔は無限大となるはずだ。
そう上手くはいくまい。
今期流行を、我が国最後の風疹流行とすることができるかどうかは、オヤジ世代とその周辺の企業や家族、友人知り合い、エトセエトセに掛かっている。
免疫感染症の流行周期とは別に、自然感染によるブースト効果が消えた後、抗体価の低下(免疫力の低下)がどの程度起こるかについても懸念される。
HI法で32倍希釈以上の抗体感受性があれば、ワクチン接種は行わないということらしいが、その閾値は本当に大丈夫なのか。
(予防接種が推奨される風しん抗体価について(HI法))
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/dl/140425_1.pdf
「32倍以上:
風しんの感染予防に十分な免疫を保有していると考えられます。風しん含有ワクチンの接種は、基本的に必要ありません。」
「本資料は「風しんに関する小委員会」での議論を踏まえて作成した目安(考え方)であり、個々の予防接種の必要性については接種希望者が直接医師と御相談されたい。」
まあいい。
一昨年からの懸案だった、風疹の流行間隔が、免疫感染症一般に適用される性質だということが分かって、喉のつかえが下りた気分だ(隔離やワクチンがない場合)。
そういうことだとすれば、エボラなんかも同じような傾向が見られるかもしれないな。
外部からの流入の問題(そもそも、自然宿主からの感染だし)があるけど、コンゴ民主共和国では、所を変えて発症している。
風土病ということになれば、周期的な流行というパターンもあり得る。
T=2×3.14×(61×365×(7+10)÷(2-1))^-2
≒3,863.6日
→10年7か月
(コンゴ民主共和国:平均寿命参照)
https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/africa/rdcongo.html
「平均寿命:男性59歳,女性62歳」(61歳を採用)
「基本再生産数:エボラ(2014 Ebola outbreak) 血液感染 1.5-2.5」(ウィキ(既出)より:2.0を採用)
(エボラ出血熱:症状)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%9C%E3%83%A9%E5%87%BA%E8%A1%80%E7%86%B1#%E7%97%87%E7%8A%B6
「潜伏期間は通常7日程度(最短2日、最長3週間以上」(7日を採用)
「潜伏期間中は感染力はなく、発病後に感染力が発現する」
治癒までの期間の資料は、なんと、このブログの中で見つけた。
(予測)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2014/09/17/7436858
「発症から死亡まで:9.6日間」
「生存者の発症から快癒まで:10日」(平均感染期間としては、10日を採用)
結果は、10年から11年毎の流行となった。
もちろん、この数字に意味はない。
自然宿主由来だし、現在は有効なワクチンが射たれ始めていて、治療方法も確定しつつある。
全く適用がないことを断っておく。
が、コンゴ民主共和国の感染を見ると、考えさせられるな。
(エボラ発生のリストより:大規模感染のみ)
https://en.wikipedia.org/wiki/List_of_Ebola_outbreaks
「日付:国:ウイルス株:感染者数:死者数:致死率
・1976年8月:ザイール:EBOV:318:280:88%
・1995年5月〜7月:ザイール:EBOV:315:254:81%
・2001年10月〜2002年7月:コンゴ共和国:EBOV:59:44:75%
・2002年12月〜2003年4月:コンゴ共和国:EBOV:143:128:90%
・2003年11月〜12月:コンゴ共和国:EBOV:35:29:83%
・2007年8月〜11月:コンゴ民主共和国:EBOV:264:187:71%
・2008年12月〜2009年2月:コンゴ民主共和国:EBOV:32:14:45%
・2012年6月〜11月:コンゴ民主共和国:BDBV:57:29:51%
・2014年8月〜11月:コンゴ民主共和国:EBOV:66:49:74%
・2018年5月〜7月:コンゴ民主共和国:EBOV:54:33:61%
・2018年8月–現在(2020年1月14日速報値):広範囲:コンゴ民主共和国・ウガンダ:3,406:2,236:66%」
100人超えだけピックアップする。
・1976年8月:318:280:88%(初出)
・1995年5月〜7月:315:254:81%(19年)
・2002年12月〜2003年4月:143:128:90%(7年)
・2007年8月〜11月:264:187:71%(5年)
・2018年8月–現在:3,406:2,236:66%(11年)
平均すると10.5年となる。
やれやれ・・・。
もちろん、何の意味もない。
たぶん・・・。
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