相互主義の欺瞞:新型コロナ的鎖国解除に見る危うさ2020年05月24日 10:15

相互主義の欺瞞:新型コロナ的鎖国解除に見る危うさ


感染者の検知能力については、天と地ほどの違いがある世界各国。

アクティブな感染者がどの程度市中にいるかなんて、実測出来っこない我が国の状況は棚に置くとして、我が国の10倍以上の検査能力を誇る韓国にしても、昨日、有症感染者ゼロを記録した中国にしても、分かりっこないのだ。

当然我が国だって、そんなもんを知る術はない(棚上げにしたんじゃなかったっけえ?:追加)。

PCR検査は、たとえ陰性であったとしても、ウイルス不存在の証明にはならないし、抗原検査(今のところ)、抗体検査(原理的に無理)も同様だ。

現在は、症状と組み合わせて診断しなければ、たとえ検査陽性でも、誤検出を疑うことになる。

全世界で、毎日全員がPCR検査受けるとか(とにかく、擬陽性でも何でも、+と出たら即隔離!)、集団免疫(ワクチン含む)が成立して、まず、めったに感染者にお目にかかることはない(10年に1人出たら大騒ぎ!)くらいにならなければ、安心して海外旅行などできるようにはならない(そんなあ!)。

そういうありえねー状況認識の浮沈子からすれば、この記事はもってのほかだな。

(入国制限解除、次の課題に 交流再開急ぐも感染リスク―新型コロナ)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020051700137&g=pol

「いつまでも鎖国をしているわけにはいかない」

江戸幕府は、確か300年くらい鎖国してたような気がするけどな(相変わらず歴史苦手な浮沈子・・・)。

「政府関係者も、相互主義を前提に「抗体検査やPCR検査などで、陰性証明があれば中国などに行けるように考えている」と認める。」

そんなもんが当てにならないことは、吉林省や武漢の状況、ソウルやインチョン、テグの事例を見れば明らかだ。

「貿易立国で、訪日外国人旅行者(インバウンド)を成長戦略の柱に据え、来年7~9月には延期した東京五輪・パラリンピックの開催を掲げる日本にとって、対外交流の早期再開は避けて通れない重要課題」

世界のどの国でも、命か金かの選択を迫られている(概ね、金優先?)。

例外はベトナムくらいか。

(新型コロナの死者ゼロ 厳格な対策で感染抑制 ベトナム)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200523/k10012442531000.html

「経済的な損害ばかりを気にして、国民の健康をないがしろにするのではなく、国民の命を守ることを最優先した」

「感染を抑え込むことが、海外の投資家や観光客がベトナムに来る前提になる」

いやあ、汚れた布マスクの問題解決の方が先じゃね?(原産国はベトナムと言われている:アベノマスクは、まだ届かず・・・)。

まあ、どうでもいいんですが。

「3月には外国からの帰国者を中心に感染が広がりはじめたことを受け、入国者全員に隔離を実施したほか、外国人の入国を禁止するなど、水際対策を強化しました。また、クラスター=集団感染が発生した地区では、住民が自由に行き来できないよう、地区の入り口をフェンスで封鎖するなど、行動制限も実施しました。」

「政府は先月(4月)1日からは、不要不急の外出を制限したり、スーパーや薬局以外の店舗の営業を停止」

中国とは喧嘩ばかりしているけど、やってることは同じだな。

「これまでのところ、感染の抑制に成功しているが、そもそもの医療水準が高くないことから、一定の感染者が入り込めば対応は難しくなる」

時事通信の記事には、そのベトナムのことも出ている。

「政府関係者によると、既に感染の峠を越えたとされる中国や韓国、もともと感染者数が少ないベトナムなどから、経済活動を活発化させるため、入国禁止措置の撤回などを望む声が寄せられているという。」

うーん、まだ閉鎖しといた方が無難な気がするけどな。

「都市封鎖を解除したところは、どこも感染者がぶり返している」

ある程度は、再度の流行を認めない限り、鎖国解除はあり得ない。

相互主義とか平等互恵とか、耳障りの言い言葉に踊らされれば、しっぺ返しを食らうに決まっている。

インバウンドやオリンピックのことは忘れて(そんなあ!)、300年の鎖国体制を宣言するのがよろしい。

英国は、国内の規制を緩和する一方、水際対策を強化するという方策を取ろうとしている。

(英、入国者を14日隔離 コロナ「第2波」防止へ新ルール)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO59496040T20C20A5000000/

「英政府は22日、新型コロナウイルスの感染拡大を水際で防ぐため国外からの英国への入国者に対し、宿泊施設などでの14日間の自己隔離を義務付けると発表した。違反者には1000ポンド(約13万1千円)の罰金も科す。」

ちっと罰金が安すぎる気もするけどな(浮沈子が旅行業者なら、保険でカバーしてパック売りまくるところだ:当局の罰金に保険適用があるかどうかは知らない・・・)。

「入国者はまずオンラインなどで英政府に宿泊施設の場所などの情報を提供するよう義務付けられる。英国在住の知人宅やホテルなどは隔離にはそぐわないとみなされ、英政府提供の施設に収容される可能性もある。14日間は公共交通機関の使用や仕事場への通勤は禁じられ、食料や生活必需品のための外出自粛も求められるという厳しい規定だ。」

ダイエットにはちょうどいいかも知れない(英政府提供の施設で出される食事に期待できないことだけは確かだ!)。

まあ、どうでもいいんですが。

「英領北アイルランドと国境を接するアイルランドからの入国や、収穫期での人手不足が懸念される農業の季節労働者は隔離措置が免除される。物流を担う運輸業者や医療関係者も対象外」

まあ、穴だらけだけどな。

しかし、規制緩和と共に水際対策を緩めようという動きに逆行する点に注目だな。

「国内での感染速度を抑え、壊滅的な第2波を防ぐために導入する」

経済界からは歓迎されないだろうけど、慎重な対応は評価していい。

上医は国を医し、中医は人を医し、下医は病を医すといわれる。

300年の鎖国をしないなら、どこかで何らかの開国をしていくことになる。

国内の検査態勢、医療体制、検疫体制の充実、相互監視を担保する仕組み(厄介だな)、重層的複合的構造的な枠組みと、その実施体制が問われる。

紙と鉛筆(ボールペンでもいいですが)とハンコを使って、人海戦術で解決するというのは21世紀的ではないだろう。

じゃあ、中国のサーバーに、濃厚接触歴含む個人情報突っ込まれて大丈夫なのかあ?。

(Zoom日本法人代表に聞く「本当に安全性に問題はないのか」)
https://wedge.ismedia.jp/articles/-/19630

「データが中国のサーバを経由した問題はなぜ発生したのか。
佐賀氏 人為的な設定ミスだ。」

それを信じる者は誰もいない・・・。

別に、中国に知られて困ることもないかも知れない。

逆に、韓国とかでは、日本に知られたくないという話もあるかもな。

そういう平等互恵的相互主義的課題をどう克服していくかというのが、問題の本質なんだろう。

電子時代の外交関係か。

新型コロナの時代こそ、国民国家の国境を超えて、相互主義を確立していかなければならないだろうな・・・。

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