柳の下の飛ばない2匹目の亀:羹に懲りて膾を吹くS社の思惑:SN9の高高度飛行テストの意味2021年01月21日 09:10

柳の下の飛ばない2匹目の亀:羹に懲りて膾を吹くS社の思惑:SN9の高高度飛行テストの意味


ワケワカの標題をつけて、悦に入る・・・。

(スターシップSN9テスト)
https://www.elonx.cz/testovani-starship-sn9/

「静的エンジン点火は1月6日に実行されました。1週間後、他の一連の静的点火が続き、その後まもなく、スターシップSN8によって実行されたものと同様のテスト飛行が行われるはずです。しかし、今回は10kmの高さまでしか飛ばないと噂されています。」

この記事では、リアルタイムに情報が出て来るけど、どうやら、再びスタティックファイアーテストを行うようで、すぐに打ち上げには至らないようだな。

早ければ、1月17日にも行われるかと思っていたんだが、S社はエンジンテストに専念している。

エンジンの交換も行われたようで、SN9の高高度飛行テストには慎重になっているような気がする(S社らしくないかも)。

前回、地面に叩きつけられて爆発炎上、木っ端みじんに吹き飛んだ着陸失敗を、二度と繰り返すまいという決意が見て取れる(そうなのかあ?)。

前回のSN8でデータ取りが出来て成功だったというなら、その成果を生かして今回は成功させなければウソになる。

誰の目にも分かる大失敗を、成功だと強弁したことになるからな。

それだけじゃない。

ハンガー(組み立て棟:ハイベイと呼ばれているようだ)では、スーパーヘビープロトタイプの建造が進んでいる。

BN2と呼ばれる2機目の製造も始まった様だ。

(SpaceXの2番目のスーパーヘビーブースターがサウステキサスで生産を開始)
https://www.teslarati.com/spacex-second-super-heavy-booster-production/

「サウステキサススターシップ工場は2番目のスーパーヘビーブースターの製造を開始」

早いとこ、スターシップの目途をつけておかないと、後がつかえることになるからな。

ブースター開発の加速は、その名の通り、上段であるスターシップの開発を後押ししている感じだ。

まあ、実際にスーパーヘビーが飛ぶまでにはしばらく時間がかかるだろうし、スターシップを軌道へ持ち上げられるくらいになるには、更にいくつものハードルを越えなければならないからな。

SN9の着陸を成功させなければならない必須の理由ではない。

じゃあ、なんでそんなに(ガラにもなく?)慎重になっているのか。

正確なところは分からないけど、S社は、新たな投資を呼び込もうとしているのではないか(もちろん、例によってテキトーです)。

スターシップに投資すれば儲かるぞと・・・。

それをデモンストレートするには、スターシップの着陸を成功させて見せる必要があるわけだ。

前回ほどの高さに上がらなくても十分飛行制御できることが分かったので、次回は10kmほどと噂されているようだが、クリアできなかった最後の着地だけは、ビシッと決めたいところだ。

ラプターエンジンの交換までして、再着火の確実性を確保しようとしているところは、実に涙ぐましい。

資金調達ラウンドを成功させるためには、是が非でもカッコよく決めたい!。

まあ、どうでもいいんですが。

おそらく、姿勢制御や着陸自体は、技術的な隘路ではないんだろう。

軌道高度から大気圏への再突入こそが、スターシップにとっての最大のボトルネックだ。

技術的には、小技で簡単な高高度飛行テスト(着陸含む)がいつまで経っても成功しないことになれば、その先のハードル突破に疑問符が付くことになる。

そんな事業に投資して、金をどぶに捨てるなら、他の事業に回そうと考えても不思議はない。

逆に、あっさりと成功して見せれば、この先のハードル越えも楽勝かも知れないという印象を与えることになるかもな。

投資する方だって、技術的難易度の評価くらいはするだろうから、そう簡単に騙されることはないだろうが、何度も書いているように、スターリンク事業の成否はスターシップの成功に掛かっているといっても過言ではないからな。

ライバルのワンウェブが、追加投資を獲得したということもある。

早ければ、昨年には商業的な正式のサービスインをするはずだったが、スターリンクは未だに「ないよりマシ」のパブリックベータテストのままだ(金まで取るし・・・)。

ファルコン9の打ち上げでは、いくら部分的再使用で打ち上げコストを下げられるといっても、数万機の展開を実現するわけにはいかないからな。

スターリンクがドル箱になることは分かっているが、それは衛星の展開に成功した時の話だ。

ファルコン9ベースでは、毎週60機打ち上げたとしても、年間3000機程度しか上げられず、1万5千機のコンステレーションが最大になる(衛星は5年の寿命)。

2週間に1回しか上げられなければ(とはいえ、大した打ち上げ回数になるけど)、半分しか展開できない。

現行の550kmよりさらに低軌道に展開されるバージョン2は、もっと寿命が短くなるかもしれないしな(未確認)。

衛星展開の成否のカギを握るのが、一度に400機を上げられるといわれるスターシップなわけだ(衛星重量だけで100トン以上)。

だから、S社としては何としてでもこの巨大宇宙船でスターリンクを早く上げたいわけだな。

そのためには、開発を加速して時間を買わなければならない。

時間を買うには金がかかる。

短期集中開発で、早急に、同時並行で開発を進めるには投資が必要だからな。

同時並行と言えば、こんな記事も上がっている。

(SpaceXは、石油掘削装置を火星の衛星にちなんで名付けられたフローティングスターシップ宇宙港に変えています)
https://www.teslarati.com/spacex-building-floating-starship-spaceports-phobos-deimos/

「マスクは最終的に、海上発射を実行可能な代替手段または補完として位置付けました。」

へえーっ、そうだったのか・・・。

まあ、大西洋上に浮かべておけば、OCISLYやJRTIを運用しなくても済むからな。

ひょっとしたら、スーパーヘビー用じゃないかもしれない。

洋上の天候に左右されないプラットフォームを手に入れれば、ファルコン9の打ち上げスケジュールを確定するのにも貢献する。

現在は打ち上げ地点と回収地点の両方をにらんで決めているからな。

もちろん、強風だと、ロケット側の制御に影響するから、ハリケーンのど真ん中に着陸するわけにはいかないけどな(この石油掘削リグは、半潜水式なので対候性は高いと思われる:未確認)。

船名のネーミングがフォボスとダイモスというのは悪くないと思うんだがな。

まあいい。

いずれにしても、S社はかつてない慎重さでSN9の高高度飛行テストを準備している。

浮沈子的には、最高到達点(次回は10kmかも)辺りでドカンといってくれた方がド派手でいい感じもするんだがな(そんなあ!)。

問題はエンジン周りのようだから、その可能性は低くない。

これまでのテストでも、何度も火を吹いているしな。

前回は再着火に失敗して(肝心な時に火を吹かなかったから?)大爆発になった。

いつの間にか、片付けられたSN8の残骸の跡地に無事に着陸する雄姿(融資?)を拝めるかどうか。

スムーズな資金調達のためにも、成功してもらいたいもんだな・・・。

<以下追加>ーーーーーーーーーー

(SpaceXは、スターシップの離陸と着陸のために、フォボスとデイモスの2つのオイルリグを買収したようです)
https://www.elonx.cz/spacex-zrejme-poridilo-dve-ropne-plosiny-phobos-a-deimos-pro-starty-a-pristani-starship/

「これらは、いわゆる半潜水型プラットフォームです。オイルリグにはいくつかの種類があります。決定要因は、主にプラットフォームが機能する水域です。それらすべてを説明するわけではありませんが、主にこのタイプに焦点を当てます。プラットフォームを底に直接取り付けることができない深海で使用されます。」

「通常、デッキは水面から十分に高くなっています。これにより、波に対する耐性が高くなります。」

「タンクが水没するほど、プラットフォームの安定性が高まります。」

浮沈子的には、いつになったら実現するか分からないスターシップ/スーパーヘビー用ではなく、ファルコン9の1段目回収用として大西洋上に浮かべておくのが正解な気がするんだがな。

今回(V1L16)、強風下でのランディングを強行して運用限界を広げようとしたりしてるしな。

理想的には、大西洋上に人工島を作りたいところだが、そうもいくまい。

次善の策としては、石油掘削リグを常時浮かべておくのがよろしい。

スターリンクの打ち上げは定期的に行う必要があり、位置を変更する必要も少ない。

ひょっとすると、本気でファルコン9を毎週飛ばすのかもしれないな。

OCISLYとJRTIは、それ以外の打ち上げ時の回収に使うことができる。

再使用ロケットの時代には、従来のロケット打ち上げとは異なる流れが必要だ。

フォボスとダイモスが、フロリダ半島を回って大西洋上に出る方に1票だな・・・。

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