🐵脳:意識の芽生え ― 2023年03月04日 04:03

脳:意識の芽生え


この世に生を受けてはや65年が経とうとしている今日この頃。

物心ついたのは、3歳くらいと記憶している(そんな昔のことは覚えているくせに、今朝食べた食事のことは忘れてる・・・)。

動物が、筋肉を上手く使って捕食活動をするために、更には統合された行動がとれるように、神経を発達させてきたことは知られている。

意識というのは、その過程の中で生まれた中枢神経の塊な脳における高次の機能であるとされているが、動物にとって、真に有用な機能なのかはよく分からない(人間がこれだけ繁栄してるんだから、有用なんでしょうが)。

脳というデバイスは、もちろん神経細胞の塊なんだが、それが物理的な寄せ集めではなく、機能的に繋がっているところがミソだと言われる(だから、脳ミソなのかあ?)。

まあいい。

話は変わる。

浮沈子は機械好きで、ああでもない、こうでもないと弄繰り回している時が幸せなんだが、最近の機械(自動車とか)は、電子機器で制御されて高機能化している。

メカトロニクス(死語?)というやつだな。

つーか、21世紀ではそれが当たり前になっていて、純粋機械工学的デバイスを探す方が大変だ。

愛用する自転車は電動アシスト付きだし、コンビニのペットボトルの回収ボックスを使うには、ナナコカードをタッチパネルに押し付けなければ蓋が開かない(たまに、満杯になってたりしますが)。

愛車Nバンは、ACC(アダプティブクルーズコントロール)で、レーダーで測距して前車追従で走行してくれるし、自動販売機はパスモなどのプリペイドカードを押し付けると缶コーヒーを吐き出す(最近は、スマホで買うのが流行りみたいです)。

機械の王国は何処へやら、身の回りはいつの間にか電子の帝国に占領されている。

水道の蛇口、電灯のスイッチくらいが、機械的な仕掛けで動いているくらいか(洗濯機も、電子制御だしな)。

今日は体調不良でサボリだが(またかよ!?)、フィットネスのジムのマシンも電子デバイスに満ち溢れている。

大井町にはないけれど、新川崎にあるマシンは、液晶表示のカウンターが付いていて、動かした回数やワークアウト開始からの秒数まで教えてくれる(のんびりやらせてくれ!)。

そのうち、パーソナルトレーナー機能も付いて、身につけているアイテムや顔認証で同定し、「昨日はなんでサボったんですかあ?」などとしゃべり出すに違いない(いらねーよ!)。

腹筋のベンチやストレッチマシンくらいは、黙っててもらいたいもんだな。

が、しかし、全てがIT化し、通信し合い、日常を限りなく便利にしてくれることは、一方では年寄りには優しいかも。

昨日、大井町のSプロに行ったんだが、シェアウォーターのペトレル(テクニカルダイバー御用達のダイコン)の名前がとっさに出てこなくて参った。

例によって、スマホは持ち歩いていないので、お店の人に調べてもらったりしなければならない。

幸い、世間話をしているうちに思い出せた。

やれやれ・・・。

最近は、AIとやらが流行りで、コンピューターが全てを取り仕切ってくれるようだ。

ダイコンの名前を思い出せない人間に代わって、ダイビングもしてくれると助かるんだがな(そうなのかあ?)。

まあ、どうでもいいんですが。

電子の帝国に取り残されたアナログなジジイにとっては、毎日が戸惑いと驚きに溢れている。

そのうち、アンドロイド(人型ロボット)が街に溢れ、どれが本物の人間なのかも分からなくなるに違いない。

一時期、そんなアニメに夢中になったこともあったけどな。

(攻殻機動隊)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%94%BB%E6%AE%BB%E6%A9%9F%E5%8B%95%E9%9A%8A

「この作品を原作とする劇場用アニメ映画が1995年に公開」

主人公は、脳ミソだけ生身で他は全部機械(義体)というちょっとグロな設定なんだが、キャラクターの作り込みのせいなのか、殆どの登場人物がそれなりに義体化されているので、そういう観点でのネガは感じない。

浮沈子的には、違和感なく作品世界に入り込める。

アンドロイド(スマホなどのオペレーティングシステム)のUI(ユーザーインターフェイス)のデザインで、この世界をどう認識するかという話があった(ちょっとうろ覚え)。

画面を操作した時に、アイテムがどう動くかということは、そこに新たな物理法則を打ち立てることと同じだ。

脳が、この世界を認識する時、無意識のうちに、感覚的に物理法則を理解している。

自己と非自己との違いとかな(触れて「触られた」と感じるのが自己で、触れてもそう感じないのが非自己)。

それが、視覚であったり内臓感覚であったりするけど、脳がこの世界を認識するプロセスを、義体という「自己であると同時に非自己でもある」両義性の中で再確認させられた。

既に、浮沈子の前歯(チタン製人工歯根含む)と両眼の水晶体(安物単焦点眼内レンズ)は義体だし・・・。

物語の中では、脳ミソですら精神の座を脅かされ、「意識」や「存在」の拠り所とされるのは、この星に張り巡らされた「ネットワーク­」ということになっている。

そこを突き詰めていくと、ニューロマンサー的パンクSFの世界になっちまうんだが、アナログな首の後ろの有線接続コネクターで、仮想世界と接続しているところが微笑ましい。

「マイクロマシン技術(作中ではマイクロマシニングと表記されている)を使用して脳の神経ネットに素子(デバイス)を直接接続する電脳化技術や、義手・義足にロボット技術を付加した発展系であるサイボーグ(義体化)技術が発展、普及」

最近の記事にこんなのが出ていて、まんま攻殻機動隊の世界もリアルになってきたと感じる・・・。

(イーロン・マスクの脳インプラント会社「Neuralink」による臨床試験申請をFDAが却下、インプラントのリチウム電池使用や取り外し方法などに懸念あり)
https://gigazine.net/news/20230303-fda-rejected-neuralink-tests/

「2023年前半に人間へのインプラント埋め込みをしたい」

サルにインプラントを埋め込んで、テレビゲームをさせているところが出ているけど、それが出来れば高次機能を操るところまで、あっという間に辿り着いてしまうのではないか(未確認)。

国家転覆を考えると、耐えがたい苦痛を与えるとかな(別に、浮沈子が不埒なことを考えているわけではないので、念のため)。

内心の自由なんて、法律の文言上だけの話になるかも知れない。

「却下理由としては、インプラントの駆動にリチウム電池が使われていることに対する懸念、インプラントに用いられるワイヤーが脳の別の場所に移動する可能性があるという懸念、インプラントを脳組織に損傷を与えることなく取り除けるのかという懸念、どのように取り外しを行うのかという懸念など」

あんま、具体な話は苦手だ(痛そうだしな)。

「FDAに対して申請を必要な人体を用いた治験デバイスは、だいたい3分の2が初回の申請で承認され、85%は2回目の申請で承認を受けられるとのこと。このため、Neuralinkも不足している部分を補うことで承認を受けられる可能性はある」

人間は、それが可能であれば必ず成し遂げるだろう。

首の後ろに4か所のソケットをつけるのは時間の問題だな。

しかし、まあ、脳ミソ自体を弄るわけじゃないから、一種のコミュニケーションデバイスとして活用するなら結構な話だ。

このブログは、昔ながらのキーボードを手打ちしながらシコシコ書いているけど、頭の中で考えたことをある程度入力出来たら楽ちんかも知れない(えーと、膨大な修正が必要かも!)。

しかしながら、脳ミソそれ自体を培養して作ってしまうという話になると、もう、フランケンシュタイン博士もびっくりなグロの極みな話になって来る。

(実験室で培養した「ミニ脳」をバイオコンピューターとして使用するというアイデアを研究者が提唱)
https://gigazine.net/news/20230302-brain-organoid-intelligence-biocomputer/

「ヒト幹細胞を基に作られた脳オルガノイド(ミニ脳)を生物学的ハードウェアとして使用する「Organoid intelligence (OI/オルガノイドインテリジェンス)」というアイデアを提唱」

一世を風靡したアニメがあったな・・・。

(新世紀エヴァンゲリオン)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%96%B0%E4%B8%96%E7%B4%80%E3%82%A8%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%83%B3%E3%82%B2%E3%83%AA%E3%82%AA%E3%83%B3

「エヴァンゲリオン(EVA):
主人公らの乗る汎用人型決戦兵器。見た目から巨大なロボットのように見えるが、正確にはロボティクスを応用した外部装甲型の人造人間」

うーん、この解説は如何なものか。

「その生産過程にはその正体に関連する人道的な問題がある」

「パイロットはEVAとの神経接続を行う」

「EVAはパイロットとの神経接続によりコントロールされ、稼働状況は両者の「シンクロ率」により左右される。」

「パイロットは「母親のいない14歳の子供」から選抜されている」

ニューラリンクでテレビゲームしているくらいならいいけど、エヴァみたいなのを操縦して、ウクライナでドンパチ始められたら大変だな。

物語の中では、敵対する使徒に対抗するための必要悪的存在として登場する。

ダミープラグで動いたりするんだが、その中身は不明だ(脳オルガノイドでも入ってるんじゃないのかあ?:未確認)。

エヴァ(少なくとも初号機と2号機)には、人間(パイロットの母親)の魂が入っていることになっているので、単純な外骨格的ロボットではない。

脳ミソ(子供)が、脳ミソ(母親)付きの兵器を操るわけだ。

グロテスクを通り越して、ブキミーな設定だ。

脳オルガノイドの記事は、脳ミソ(子供)側を人工的に培養し、脳ミソ(母親)側を現代のコンピューターに置き換えたような感じだな。

ニューラリンクのように、生身の人間を切ったり貼ったりするわけじゃないから、痛くも痒くもないんだろうが、浮沈子的には、脳オルガノイドに意識が芽生えるのではないかという点が気になる。

「脳オルガノイドから赤ちゃんの脳波に似た信号が検出された」(ギガジンの記事より:以下同じ)

「脳オルガノイドが赤ちゃんの脳波を模倣できることがわかっており、麻酔をすると人間の脳と同様に脳波がフェードアウトすることも判明している」

もちろん、脳デバイスとしてのオルガノイドは生命ではない。

培養細胞の塊であり、それが何らかの電気的信号を発していたとしても、直ちに倫理的な問題を生じるわけではないだろう(心筋細胞も、電気信号を発するだろうし、ペースメーカーの信号に同期して拍動もするからな)。

生命体でないところに意識が芽生えるというのは、従来の想定を超えた話だ。

「科学者らは脳オルガノイドが何らかの意識や知性を獲得する可能性があると考えているものの、実際に人間のような意識が発生するかどうかは不明」

「私が100万個の切石を積み上げてもシャルトル大聖堂ができるわけではなく、ただの切石の山にしかならない」

西洋的二元論的発想で、浮沈子的には気に食わない。

人間の知的差別にも繋がりかねない、危険な発想だな(浮沈子の倫理観は歳相応にレトロです:頭の中は「切り石の山」だし・・・)。

「・・・実際の脳を作るのは脳細胞の構造、つながり、そして環境なのです」

つまり、逆に言えば、それを与えれば実際の脳が出来上がるわけだ。

「私たちのビジョンの重要な部分は、倫理的かつ社会的に責任のある方法でオルガノイド・インテリジェンスを開発することです。このため、私たちは当初から倫理学者と提携し、『組み込まれた倫理』アプローチを確立しています。すべての倫理的問題は倫理学者・科学者・そして一般の人々で構成されるチームにより、研究の進展と共に継続的に評価されることとなります」

この手の仕掛けが、抑止的に機能しないことは灯を見るより明らかだ。

専門家は、論理的合理性のスペシャリストだから、肯定的な方向で議論を押し切ることが出来るが、一般人はそういう作業は素人だからな。

評価において、「気に食わないから反対する」という、無条件での絶対的拒否権でも与えない限り、まともに機能するわけはないのだ。

脳だけの、意識だけの存在というのは、物語の世界では昔からある。

(ドノヴァンの脳髄)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%89%E3%83%8E%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%83%B3%E3%81%AE%E8%84%B3%E9%AB%84

「頭部移植を扱ったSFの古典」

「ドノヴァンから脳髄を摘出したパトリックは、ガラス容器に脳を納め、輸液チューブと脳波計を接続する。」

ああ、古き良き時代のシンプルな設定・・・。

「研究室での居眠りから目覚めたパトリックは、自分の利き腕でない左手でメモ用紙にドノヴァンのサインを書いていたことに気づく。」

「やがてパトリックは、ドノヴァンが自分の肉体を使う時間が徐々に長くなり、抵抗し難くなってきたことに気づく」

いやはや・・・。

脳が意識を持ち、精神感応(テレパシーみたいなもんかあ?)で周りをコントロールしだすというのは、なかなか魅力的なストーリーだな。

それはそれとして、培養した脳が意識を持つということになると、倫理的にはどうなるんだろうな。

それが電子デバイスを介して、現実世界を制御し始めれば、現在のAIどころの話ではなくなるだろう。

一昔前は、楽しいお話に過ぎなかった世界が、今、現実に目の前に繰り広げられようとしている。

コンピューターネットワークは、現代におけるドノバンの脳髄かも知れない。

豊富な情報を提供しつつ、我々の思考を支配し、アマゾンでポチッとやって金を巻き上げる。

フィリピンの刑務所の中からの指令で、強殺まで行う。

これは支配(ドミナンス)だ。

「これまで吸ったこともない高級な葉巻やウイスキーを嗜むが味や香りを感じることはなく、逆にこれまで患ったことのない腎臓や膝の痛みを感じ始める。 ドノヴァンの思考がパトリックの精神を浸食し、パトリックの肉体を乗っ取ったのだ。」

やれやれ・・・。

もちろん、浮沈子の脳はとっくに乗っ取られている。

夜な夜な怪しげな与太ブログを垂れ流し、ハードディスクの肥やしを増やし続ける(一応、バックアップは取っているので)。

「無意識状態で書かれるドノヴァンのメモに従い、行ったことのない銀行へ行き、小切手に自分の筆跡ではないサインをし、多額の秘密預金を引き出すパトリック。」

そういう精神感応なら、まあ、悪くはないかも知れない。

「腎臓や膝の痛み」は、昔からの持病だしな(浮沈子は、何度も尿管結石を患っています。最近は、平泳ぎのウィップキックの練習で、右ひざに痛みも)。

おっと、持病だと思っていたら、ひょっとして脳オルガノイドの遠隔精神感応かもな・・・。

<以下追加>ーーーーーーーーーー

(脳オルガノイドと生命倫理)
https://www.cira.kyoto-u.ac.jp/j/pressrelease/nl/vol47/focus.html

「脳オルガノイドを社会制度や科学技術政策の文脈の中でどう扱うかという現実的な問題と、人類が二千年以上考えてきて誰もが納得する答えが出ていない哲学的な問題とを混同すると、実のある議論ができなくなってしまうので、そこは切り分けて、気をつけながら進めたい」

昔々、移植医療の文脈の中で、脳死の社会的受容の議論を思い出すな。

「意識を発生させたり、思考できる脳に至るにはまだまだ技術的に遠いのが実情」

「現時点では神経組織の三次元培養ですよね。でも、それを脳オルガノイドと呼ぶことで、人工的に脳をつくりだせるような印象を与えてしまいます。」

「実験結果に対して過剰な解釈を行い、センセーショナルな形で発表する研究者もいます。現実と違う誤解が事実として広まることで、世論があらぬ方向にいくのは避けたい」

「哲学・倫理学の研究者としては最悪の事例も想定しながら議論するように心がけています。また市民の方々の懸念も無視できません。」

「科学者や生命倫理の研究者が一方的に答えを示すのではなく、議論を社会に開いていく。」

最近のことは知らないけど、脳死の議論の時感じたのは、バイオエシックスの連中は、中立公平なポジションではなかったということだ。

目の前のヤバそうな話題を、無知蒙昧なド素人の大衆に、どうやって受け入れさせるか、「世論があらぬ方向に」行かないようにするための方策を模索することに腐心していた。

浮沈子的には、怪しげな連中にしか映らなかったな。

医療が絡む世界は、先進的な治療を待っている待ったなしの患者と向かい合っている。

あなたが反対すれば、明日、私は死にますという人々と対峙することになる。

一方的な答えは、議論の前に既に出ているのだ。

浮沈子は、先日、ウクライナの記事を書いている時、同じ感覚に襲われてクラクラした。

最新の戦車が届くまで、前線で戦う人々の犠牲は増え続けると。

我々は、何のために死ぬのかと疑問を抱く兵士もいた。

あなたは、戦車のために死ぬのですよとは、とても言えない・・・。

戦死者の数は、ある意味で費やされた時間の関数なわけだな。

「研究成果の実用化に関して、唯一の正解というものはないと私は考えています。科学者は成果を誠実に発表し、時代や社会の変化を捉えながら、コンセンサスを模索していくしかない。たとえ正解にたどりつけなくても、そこまでにどれだけ議論を尽くせるかが大切です。」

プロセス主義であって、結果主義ではない。

絶対の正解がない以上、現実的な解決はそれしかないんだろうが、受け入れ難いものは受け入れられないというのも現実だ。

有限の時間の中での無限の議論・・・。

ド素人の浮沈子にとっては、人間の脳細胞を立体培養し、都合のいい機能を発現させて、薬理研究や治療研究、ギガジンの記事のようなITとの融合を図るなどというのは、十分過ぎるほどヤバいと感じられる。

そりゃあ、研究者的視点からは、まだ、何も分かってないに等しいし、人工脳ミソなどと呼べる代物ではないんだろうが、それが生体に於いて意識を司る臓器である以上、心臓なんかよりは倫理的ハードルを上げたい気がする。

誤解を恐れずに言えば、生きるか死ぬかよりも、はるかに高いハードルが必要だ。

しかも、研究の進展に伴い、ヤバさは飛躍的に増加していくわけだしな。

どこが倫理的シンギュラリティになるかは予想もつかない(細胞の数じゃないことだけは、何となく想像できるけどな)。

この記事自体も「発行:2021年10月28日」とあるから、既に1年以上前になる(刊行物一覧より)。

ある日、電子デバイスに繋がれた脳オルガノイドから、モニターの画面に「Help Me!」と表示されたらどーする!?(妄想ネタは「エクソシスト」)。

おっと、こういう妄想を抑止するためにも、「成果を誠実に発表し」「コンセンサスを模索して」もらいたいもんだな・・・。

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