🐱スターライナー:CFT:延期 ― 2023年03月28日 22:50
スターライナー:CFT:延期
(ボーイングスターライナーのISSへの最初の有人旅行は、バッテリーの過熱のリスクにより再び遅れました)
https://www.theregister.com/2023/03/26/boeing_starliner_iss_delay/
「バッテリーが過熱する危険性があるため、現在夏まで延期されています.」
「NASA は、スターライナーのリチウムイオン電池が ISS にドッキングしている間に過熱する可能性があることを懸念しています。」
「ロイター通信によると、NASA のコマーシャル クルー プログラムの責任者であるスティーブ スティッチ氏は、同社は現在、バッテリーの再設計と過熱に備えたシールドの追加を検討していると述べました。」
こりゃ、夏どころじゃないかもしれないぞ・・・。
(NASA、ボーイング・スターライナーの初の有人航海を延期)
https://www.reuters.com/lifestyle/science/nasa-delays-boeing-starliners-debut-crewed-voyage-2023-03-23/
「米航空宇宙局(NASA)の関係者は23日、宇宙飛行士をスターライナーカプセルに乗せて宇宙飛行士を宇宙に運ぶボーイングの最初のミッションが、少なくとも夏まで延期されたと述べた。」
「NASA のコマーシャル クルー プログラムの責任者であるスティーブ スティッチ氏は、遅れが発表される前にロイターとのインタビューで、宇宙船の認証プロセスは「予想よりも少し長く」かかり、「大変な作業」であったと述べました。」
「ボーイングのソフトウェア エンジニアは、スターライナーの自動飛行ソフトウェアが故障した場合のバックアップとして、スターライナーの手動飛行システムを使用してテストを実行している」
おっと、バッテリーの過熱だけじゃないんだ!。
「ボーイングの広報担当者は、そのテストの焦点は「緊急時の冗長性の追加」にあると述べた。」
B社は、こういう感じで言いくるめるのが上手いからな。
ありていに言って、本来のシステムの信頼性が疑問視されているんじゃないのかあ?。
「ミッションクリティカルなリチウムイオン電池と、宇宙船がステーションにドッキングしている間に過熱する可能性が低いことについての審議にも、予想よりも時間がかかった」
ロイターの記事では、逆にこっちの方は無罪放免な感じに書かれている。
搭乗員の関係部門が疑義を呈し、最終的には納得した様だ。
「ボーイングはまた、バッテリーの再設計と、過熱した場合に備えてシールドを追加する計画も検討している」
「SpaceXは、ある時点で宇宙船のバッテリーを再設計した.」
前後関係が明らかでないんだが、仮にバッテリーを再設計するということになれば、それに伴うテストも行わなければならず、遅延はさらに大きくなる可能性が出てくる。
「ボーイングはスターライナーのバッテリー熱暴走試験を十数回実施し、バッテリーセルに意図した限界を超えた負荷をかけた。問題は表面化していない」
「Stich 氏は、バッテリーのセルの 1 つの潜在的な故障が他のセルにどのように広がる可能性があるかについて、会議中に「少し意見の相違」があったことを認めました。彼は、テストの失敗はないと述べたが、過去のテスト中にセルが「少しバランスを崩した」ことがあったと付け加えた.」
うーん、浮沈子的には、B787のバッテリー炎上事故(ANAは緊急着陸までしたからな)の記憶が鮮明に蘇ってくる。
そういえば、B787のニックネームは「ドリームライナー」だからな(似てるかあ?)。
まあ、どうでもいいんですが。
ちなみに、今回の記事を見つけるのに、英語のスペリングで検索入力したんだが、「starlin・・・」までは、スターリンクと同じだから、そっちの候補が軒並み並んじまったぜ・・・。
まあ、こっちも、どうでもいいんですけど・・・。
「これまで報告されていなかったスターライナーのバッテリーに関する懸念と予想されるアップグレードは、ボーイングがNASAとの契約の待望の運用段階に着手する前に直面したテストと再設計のTo Doリストの増加に追加されます。今後数年。」
「ボーイングはまた、スターライナーのメイン クルー モジュールをサービス モジュールから分離するシステムの再設計も計画している。トランク セクションには、宇宙船が地球に帰還する前に取り外されるスラスターが含まれている。」
忘れてませんよ、追突したかもしれない、チョーヤバのバグ!。
「連邦政府の調達データによると、NASA は、そのシステムのアップグレードのためにボーイングに少なくとも 2,480 万ドルを支払うことに同意した。」
泥棒に追い銭かあ?。
「ボーイングは昨年、スターライナーの推進システムのバルブを再設計して、打ち上げ前にバルブが固着しないようにすることを選択したため、2021年に大幅な遅れが生じました.」
今回の遅延に当たっても、固着防止のために導入された、スラスターの燃料を充填してから60日以内の打ち上げという基準が影響しているという話もある(後述:それが問題なのではなく、おそらく、今日現在でも燃料は注入されていないだろう点が問題なわけだ)。
「ボーイングは現在、エアロジェットを再設計プロセスから外し、エアロジェットのバルブサプライヤーであるニュージャージーに本拠を置く会社マロッタと直接協力している」
再設計に係る資金関係のもつれが原因のようだ。
今度の打ち上げは有人だからな。
どこがやってもいいが、多少の遅れはあっても、既知の懸念は潰しておいてもらいたいものだ。
(最初の有人スターライナーの打ち上げスリップが再び)
https://spacenews.com/first-crewed-starliner-launch-slips-again/
「以前は4月下旬に予定されていた宇宙飛行士を乗せたボーイングのCST-100スターライナー商用乗組員の最初の飛行は、おそらく夏まで延期されました.」
スペースニュースも、延期は「夏」までと報じている。
「当局は、バルブを腐食させる可能性のある漏れを軽減するために予定された打ち上げから 60 日以内に行いたいと述べました。」
「2 月 17 日のブリーフィングで、NASA とボーイングの関係者は、4 月中旬から下旬の打ち上げに向けて作業が予定通り進んでいると述べました。当時、次の主要なマイルストーンは宇宙船の燃料補給でした。」
「その給油は 3 月上旬に予定されていました。」
当然、給油なんてしていないだろう。
「バルカンとアトラスはケープカナベラル宇宙軍基地で同じ発射台を使用し、ULAはそのパッドでバルカンロケットのテストを行っています。」
「4月下旬の打ち上げは、現在5月4日に予定されているユナイテッド・ローンチ・アライアンスのバルカン・ケンタウル・ロケットの最初の打ち上げと競合することになる.」
浮沈子は、この記事を読んだ時に、ああ、バルカンロケットの米軍による打ち上げ認証の方が、NASAのCFTなんかより優先順位が高いんだと思ったものだ。
が、スターライナー自身が固有の問題を抱えているというなら仕方ない。
スペースニュースの記事では、なぜ「夏」まで延期になるのかという根拠は示されていない(公式の発表の中では出てこないという話ばっかし!)。
延期についての言及は、キャシールーダースのツイッターだけだ(リンクが張られています)。
(We’re adjusting the @Space_Station schedule including the launch date for our Boeing Crew Flight Test as teams assess readiness and complete verification work. CFT now will launch following Axiom Mission 2 for optimized station operations. (1/2))
https://twitter.com/KathyLueders/status/1638986514729140224?s=20
「チームが準備状況を評価し、検証作業を完了するため、ボーイング クルー フライト テストの開始日を含む @Space_Station スケジュールを調整しています。 CFT は、最適化されたステーション運用のために、Axiom Mission 2 に続いて起動します。」(1/2)
「Ax-2の目標打ち上げ日はまだ5月上旬に計画されており、スターライナーは間もなく共有されます. 宇宙ステーションのスケジュールが設定された後、メディアの更新を計画します。 いつものように、準備ができたら飛びます。」(2/2)
浮沈子は、これだけで「夏」までの延期は到底読めないと思って、ネットを探したら、バッテリーの話とか手動操縦の話とかが出てきた(バルブの固着やサービスモジュール分離システムの件も含めて、懸案は山のようにあるだろうな)。
スターライナーは、既にメインの開発案件から外されている。
対応に当たっている技術者は少なく、時間がかかることも懸念される。
それでも、B社の名誉にかけてキッチリ対応してもらいたい。
追い銭までもらっちまったしな。
ISSに接続している最中に、爆発炎上木っ端微塵になっちまって、ISSもろとも質量兵器としてロシア軍のど真ん中に落とすような真似だけは止めてもらいたい(そんなあ!)。
OFTー1の時のように、ISSに辿り着けなくて、またもや途中で引き返すことになっちまった方がまだいい。
この件については、塚本さんも記事を上げている。
(ボーイング製宇宙船「Starliner」、5月以降に有人で打ち上げへ)
https://uchubiz.com/article/new15722/
「NASAで有人宇宙飛行チームを率いるKathy Lueders(キャシー・ルーダース)氏によれば、現在はAxiom Spaceによる有人宇宙飛行ミッション「Ax-2」の日程を調整しており、CFTはそれに続けて実施されるという。Ax-2の実施は5月上旬に予定されているので、CFTの日程はその後ということになる。」
「NASAは近日中に、Ax-2とCFTの両方の打ち上げ日を発表する。CFTはフロリダのケープカナベラル宇宙軍基地から、「Atlas V」ロケットにより打ち上げられる。」
ISSの接続ポートには限りがあるからな。
CFTの優先順位は低い。
「5月以降」というのが、いつになるかは公式には未発表だが、諸般の状況を考慮すると、「年内」くらいにしておいた方が無難かもな・・・。
<以下追加>ーーーーーーーーーー
(国際宇宙ステーション:オペレーション:予定されているミッション)
https://en.wikipedia.org/wiki/International_Space_Station#Scheduled_missions
ちょっと、有人ミッションだけ抜き出してみる(浮沈子一部修正含む)。
ミッション:発売日 ( NET ):宇宙船:
・AX-2:5月1日(日程調整中):クルードラゴン
・CFT:5月以降(日程未定):ボーイング スターライナーカリプソ
・ソユーズ MS-24:9月(ソユーズMSー22のトラブルの影響で延期):ソユーズMS
・クルー7:第3四半期:クルードラゴン
・AX-3:下半期:クルードラゴン
・スターライナー1:2024年初頭(希望的観測?):ボーイング スターライナー SC-2
キャシールーダースのツイッターでは、「Axiom Mission 2 に続いて」とあるけど、NASAのミッションとしては、クルー7(ふつーなら9月くらい?)の前に上げれば辻褄が合うことになる(そういうことかあ?)。
5月に上がるわけではないのだ(たぶん)。
分かっているのは、4月の打ち上げが消えたということ、いろいろ問題を抱えていて、夏以降の打ち上げになりそうなことくらいだな。
8月までに上がれば上等ということになる。
9月になって、クルー7と絡んだり、AX-3と前後するようになると悲惨だ(さらに遅れることに繋がりかねないからな)。
が、ありえないとは言えない。
トーゼン、2024年初頭のミッション1の打ち上げなんて、夢のまた夢・・・。
CFTの接続ポートはハーモニーフォワード限定だからな(たぶん)。
ウィキのリストには、無期延期になったH3で打ち上げ予定だったHTV-X1や、バルカンケンタウロスで打ち上げ予定のドリームチェイサーの名前も見える。
ISSを巡る悲喜こもごも・・・。
<さらに追加>ーーーーーーーーーー
(7月は湿度がありませんよね?—
NASA、ボーイングのスターライナーの飛行を再び遅延、今回はパラシュートのため
「すべてのデータを調べるだけの問題です。」)
https://arstechnica.com/science/2023/03/nasa-delays-flight-of-boeings-starliner-again-this-time-for-parachutes/
「NASA とボーイングは水曜日、スターライナー宇宙船の最初の有人飛行が 7 月 21 日までに行われると発表」
「さまざまな部分をすべて見てみると、ほとんどの作業は4月に完了する予定だ」
「しかし、5月の時間枠にまで拡大している1つの領域があり、これは実際にはパラシュートシステムの認証製品に関係しています.」
おっと、今度はパラシュートかあ?。
「スターライナーとそのパラシュート システムのレビュー プロセスを完了するために追加の時間が必要だったため、車両の打ち上げは 6 月に延期されました。」
「ただし、NASA はその時点で、SpaceX の CRS-28 貨物補給ミッションを開始する予定であり、ラボのドッキング ハッチの 1 つを拘束します。」
「この供給ミッションは、NASA が遅延を望んでいないステーションにソーラー アレイを運ぶことです。そのため、ドッキング ポートがないため、スターライナーの飛行は 7 月の後半に延期されました。」
ソーラーアレイの交換は先送りできないらしい。
スターライナーは割を食ったな(そうなのかあ?)。
「今年の夏に予定されている宇宙軍の USSF-51 ミッションを予定しており、今年の 5 月以降にバルカン ロケットをデビューさせるには、スペース ローンチ コンプレックス-41 パッドも必要です。」
こっちのスケジュールが、スターライナーCSTの打ち上げに、どれ程影響してくるかは未定だ。
この記事ではバッテリーの過熱の問題や手動操縦システムの話、或いはサービスモジュールの分離に関する見直しの話は出てこない。
当局の公式発表のままに報じている。
うーん、つまらんなあ・・・。
<さらにさらに追加>ーーーーーーーーーー
(テスト中にバルカンが異常を経験し、初飛行が遅れた)
https://tlpnetwork.com/news/2023/03/vulcan-experiences-anomaly-during-test-maiden-flight-delayed
「異常は、マーシャル宇宙飛行センターでバルカン ケンタウルス第 2 段の極圧負荷試験中に発生」
異常の詳細は不明。
「バルカン ケンタウロスの初飛行は、調査が完了するまで延期されます。」
この件については、アルスも報じている。
(信頼できるスラストに関するすべてのニュース —
Rocket Report: ULA Centaur ステージには「異常」があり、Virgin Orbit の資金調達は悲惨です
「これが、地上で考えられるすべての条件を徹底的かつ厳密に実行する理由です。」)
https://arstechnica.com/science/2023/03/rocket-report-ula-centaur-stage-has-an-anomaly-virgin-orbit-funding-is-dire/
「ケンタウロス上段に異常あり。」
「MSFC での Centaur V 構造物の品質テスト中に、ハードウェアに異常が発生しました。これが、飛行前に地上で考えられるすべての条件を徹底的かつ厳密に実行する理由です。調査が進行中です。Vulcan は完成時に飛行します。」(MSFC:マーシャル宇宙飛行センター)
「ケンタウロスがバルカンのデビュー飛行に使用されることに影響を与える可能性は「非常に低い」と付け加えた. 」
うーん、そいつはどうかな・・・。
「ULAは定期的に物事を爆破する会社ではありません. 」
えーと、それってどこの会社んなんだあ?。
まあいい。
「いずれにせよ、会社は、この異常がどのように、そしてなぜ起こったのかを理解するために、ある程度の時間を費やす必要があります.」
最近の流行りは、2段目の異常だからな(イプシロンとか、H3とか、テラン1とか、このところ立て続け・・・)。
神は「外部」に宿る・・・。
<また追加>ーーーーーーーーーー
(ボーイングの新型宇宙船「スターライナー」有人飛行試験は7月21日以降に実施へ)
https://sorae.info/space/20230403-starliner.html
「2度の無人飛行試験に成功したスターライナーは、本格的な有人飛行の開始に先立ち、実際にクルーが搭乗するCFTの実施を控えています。」
うーん、まあ、1度目の無人飛行(OFTー1)を「成功」というのは、浮沈子的には憚られるような気がするんだがな(B社は、そう言うかも知れませんが)。
不具合をあぶり出すのが試験飛行なわけだから、トラブルの発生自体を問題視し過ぎる必要はないのかも知れないけど、バルブ固着のトラブルはその後に発生したわけだし、まあ、発射直前に確認できたのはラッキーだったが、ドナドナされて長期間の対応を余儀なくされた。
ようやく上がったOFT-2に置いても、スラスタートラブルなど課題山積で、NASAは、スターライナーが戻ってきた直後にクルードラゴンに追加の発注を掛けている(B社は、最低限のミッション(6回)しか遂行できないことが確定したわけだ:浮沈子の記憶が確かならば、以前には追加の発注を貰えれば割安になるとか売り込んでいたような気が・・・)。
今回の打ち上げでも、バッテリーシステムに不安を抱えていると言われるしな。
バルブの固着の問題も、根本的に解決されたかどうかは知らない。
前回のスラスターの不良は、たぶん、飛ばしてみなけりゃ分らないだろう(そうなのかあ?)。
「今後は緊急時に使用されるバックアップ用の手動飛行モードのシミュレーションも実施されるということです。」
CFTにおいても、どんなトラブルが出るか分かったもんじゃない(それをあぶり出すのが任務だから、失敗じゃないんだろうけど、物事にはていどというものああるからな)。
手動モードでの習熟に必要な期間は、延期によって十分とれることになった(そういうことかあ?)。
「あとは推進剤の充填や発射台への移動といった打ち上げ準備を待つのみとなっています。」
その推進剤の充填のタイミングも、バルブの固着との関係があるからな(日程がフィックスするギリギリまで入れられないだろう)。
影響は全てに及んでいる。
「CFTではNASAのバリー・ウィルモア(Barry Wilmore)宇宙飛行士とスニータ・ウィリアムズ(Sunita Williams)宇宙飛行士がプライムクルーに、マイケル・フィンク(Edward Michael Fincke)宇宙飛行士がバックアップクルーに任命されています。」
手動操縦とか、よーく練習しておいた方が身のためのような気がするな・・・。
(ボーイングスターライナーのISSへの最初の有人旅行は、バッテリーの過熱のリスクにより再び遅れました)
https://www.theregister.com/2023/03/26/boeing_starliner_iss_delay/
「バッテリーが過熱する危険性があるため、現在夏まで延期されています.」
「NASA は、スターライナーのリチウムイオン電池が ISS にドッキングしている間に過熱する可能性があることを懸念しています。」
「ロイター通信によると、NASA のコマーシャル クルー プログラムの責任者であるスティーブ スティッチ氏は、同社は現在、バッテリーの再設計と過熱に備えたシールドの追加を検討していると述べました。」
こりゃ、夏どころじゃないかもしれないぞ・・・。
(NASA、ボーイング・スターライナーの初の有人航海を延期)
https://www.reuters.com/lifestyle/science/nasa-delays-boeing-starliners-debut-crewed-voyage-2023-03-23/
「米航空宇宙局(NASA)の関係者は23日、宇宙飛行士をスターライナーカプセルに乗せて宇宙飛行士を宇宙に運ぶボーイングの最初のミッションが、少なくとも夏まで延期されたと述べた。」
「NASA のコマーシャル クルー プログラムの責任者であるスティーブ スティッチ氏は、遅れが発表される前にロイターとのインタビューで、宇宙船の認証プロセスは「予想よりも少し長く」かかり、「大変な作業」であったと述べました。」
「ボーイングのソフトウェア エンジニアは、スターライナーの自動飛行ソフトウェアが故障した場合のバックアップとして、スターライナーの手動飛行システムを使用してテストを実行している」
おっと、バッテリーの過熱だけじゃないんだ!。
「ボーイングの広報担当者は、そのテストの焦点は「緊急時の冗長性の追加」にあると述べた。」
B社は、こういう感じで言いくるめるのが上手いからな。
ありていに言って、本来のシステムの信頼性が疑問視されているんじゃないのかあ?。
「ミッションクリティカルなリチウムイオン電池と、宇宙船がステーションにドッキングしている間に過熱する可能性が低いことについての審議にも、予想よりも時間がかかった」
ロイターの記事では、逆にこっちの方は無罪放免な感じに書かれている。
搭乗員の関係部門が疑義を呈し、最終的には納得した様だ。
「ボーイングはまた、バッテリーの再設計と、過熱した場合に備えてシールドを追加する計画も検討している」
「SpaceXは、ある時点で宇宙船のバッテリーを再設計した.」
前後関係が明らかでないんだが、仮にバッテリーを再設計するということになれば、それに伴うテストも行わなければならず、遅延はさらに大きくなる可能性が出てくる。
「ボーイングはスターライナーのバッテリー熱暴走試験を十数回実施し、バッテリーセルに意図した限界を超えた負荷をかけた。問題は表面化していない」
「Stich 氏は、バッテリーのセルの 1 つの潜在的な故障が他のセルにどのように広がる可能性があるかについて、会議中に「少し意見の相違」があったことを認めました。彼は、テストの失敗はないと述べたが、過去のテスト中にセルが「少しバランスを崩した」ことがあったと付け加えた.」
うーん、浮沈子的には、B787のバッテリー炎上事故(ANAは緊急着陸までしたからな)の記憶が鮮明に蘇ってくる。
そういえば、B787のニックネームは「ドリームライナー」だからな(似てるかあ?)。
まあ、どうでもいいんですが。
ちなみに、今回の記事を見つけるのに、英語のスペリングで検索入力したんだが、「starlin・・・」までは、スターリンクと同じだから、そっちの候補が軒並み並んじまったぜ・・・。
まあ、こっちも、どうでもいいんですけど・・・。
「これまで報告されていなかったスターライナーのバッテリーに関する懸念と予想されるアップグレードは、ボーイングがNASAとの契約の待望の運用段階に着手する前に直面したテストと再設計のTo Doリストの増加に追加されます。今後数年。」
「ボーイングはまた、スターライナーのメイン クルー モジュールをサービス モジュールから分離するシステムの再設計も計画している。トランク セクションには、宇宙船が地球に帰還する前に取り外されるスラスターが含まれている。」
忘れてませんよ、追突したかもしれない、チョーヤバのバグ!。
「連邦政府の調達データによると、NASA は、そのシステムのアップグレードのためにボーイングに少なくとも 2,480 万ドルを支払うことに同意した。」
泥棒に追い銭かあ?。
「ボーイングは昨年、スターライナーの推進システムのバルブを再設計して、打ち上げ前にバルブが固着しないようにすることを選択したため、2021年に大幅な遅れが生じました.」
今回の遅延に当たっても、固着防止のために導入された、スラスターの燃料を充填してから60日以内の打ち上げという基準が影響しているという話もある(後述:それが問題なのではなく、おそらく、今日現在でも燃料は注入されていないだろう点が問題なわけだ)。
「ボーイングは現在、エアロジェットを再設計プロセスから外し、エアロジェットのバルブサプライヤーであるニュージャージーに本拠を置く会社マロッタと直接協力している」
再設計に係る資金関係のもつれが原因のようだ。
今度の打ち上げは有人だからな。
どこがやってもいいが、多少の遅れはあっても、既知の懸念は潰しておいてもらいたいものだ。
(最初の有人スターライナーの打ち上げスリップが再び)
https://spacenews.com/first-crewed-starliner-launch-slips-again/
「以前は4月下旬に予定されていた宇宙飛行士を乗せたボーイングのCST-100スターライナー商用乗組員の最初の飛行は、おそらく夏まで延期されました.」
スペースニュースも、延期は「夏」までと報じている。
「当局は、バルブを腐食させる可能性のある漏れを軽減するために予定された打ち上げから 60 日以内に行いたいと述べました。」
「2 月 17 日のブリーフィングで、NASA とボーイングの関係者は、4 月中旬から下旬の打ち上げに向けて作業が予定通り進んでいると述べました。当時、次の主要なマイルストーンは宇宙船の燃料補給でした。」
「その給油は 3 月上旬に予定されていました。」
当然、給油なんてしていないだろう。
「バルカンとアトラスはケープカナベラル宇宙軍基地で同じ発射台を使用し、ULAはそのパッドでバルカンロケットのテストを行っています。」
「4月下旬の打ち上げは、現在5月4日に予定されているユナイテッド・ローンチ・アライアンスのバルカン・ケンタウル・ロケットの最初の打ち上げと競合することになる.」
浮沈子は、この記事を読んだ時に、ああ、バルカンロケットの米軍による打ち上げ認証の方が、NASAのCFTなんかより優先順位が高いんだと思ったものだ。
が、スターライナー自身が固有の問題を抱えているというなら仕方ない。
スペースニュースの記事では、なぜ「夏」まで延期になるのかという根拠は示されていない(公式の発表の中では出てこないという話ばっかし!)。
延期についての言及は、キャシールーダースのツイッターだけだ(リンクが張られています)。
(We’re adjusting the @Space_Station schedule including the launch date for our Boeing Crew Flight Test as teams assess readiness and complete verification work. CFT now will launch following Axiom Mission 2 for optimized station operations. (1/2))
https://twitter.com/KathyLueders/status/1638986514729140224?s=20
「チームが準備状況を評価し、検証作業を完了するため、ボーイング クルー フライト テストの開始日を含む @Space_Station スケジュールを調整しています。 CFT は、最適化されたステーション運用のために、Axiom Mission 2 に続いて起動します。」(1/2)
「Ax-2の目標打ち上げ日はまだ5月上旬に計画されており、スターライナーは間もなく共有されます. 宇宙ステーションのスケジュールが設定された後、メディアの更新を計画します。 いつものように、準備ができたら飛びます。」(2/2)
浮沈子は、これだけで「夏」までの延期は到底読めないと思って、ネットを探したら、バッテリーの話とか手動操縦の話とかが出てきた(バルブの固着やサービスモジュール分離システムの件も含めて、懸案は山のようにあるだろうな)。
スターライナーは、既にメインの開発案件から外されている。
対応に当たっている技術者は少なく、時間がかかることも懸念される。
それでも、B社の名誉にかけてキッチリ対応してもらいたい。
追い銭までもらっちまったしな。
ISSに接続している最中に、爆発炎上木っ端微塵になっちまって、ISSもろとも質量兵器としてロシア軍のど真ん中に落とすような真似だけは止めてもらいたい(そんなあ!)。
OFTー1の時のように、ISSに辿り着けなくて、またもや途中で引き返すことになっちまった方がまだいい。
この件については、塚本さんも記事を上げている。
(ボーイング製宇宙船「Starliner」、5月以降に有人で打ち上げへ)
https://uchubiz.com/article/new15722/
「NASAで有人宇宙飛行チームを率いるKathy Lueders(キャシー・ルーダース)氏によれば、現在はAxiom Spaceによる有人宇宙飛行ミッション「Ax-2」の日程を調整しており、CFTはそれに続けて実施されるという。Ax-2の実施は5月上旬に予定されているので、CFTの日程はその後ということになる。」
「NASAは近日中に、Ax-2とCFTの両方の打ち上げ日を発表する。CFTはフロリダのケープカナベラル宇宙軍基地から、「Atlas V」ロケットにより打ち上げられる。」
ISSの接続ポートには限りがあるからな。
CFTの優先順位は低い。
「5月以降」というのが、いつになるかは公式には未発表だが、諸般の状況を考慮すると、「年内」くらいにしておいた方が無難かもな・・・。
<以下追加>ーーーーーーーーーー
(国際宇宙ステーション:オペレーション:予定されているミッション)
https://en.wikipedia.org/wiki/International_Space_Station#Scheduled_missions
ちょっと、有人ミッションだけ抜き出してみる(浮沈子一部修正含む)。
ミッション:発売日 ( NET ):宇宙船:
・AX-2:5月1日(日程調整中):クルードラゴン
・CFT:5月以降(日程未定):ボーイング スターライナーカリプソ
・ソユーズ MS-24:9月(ソユーズMSー22のトラブルの影響で延期):ソユーズMS
・クルー7:第3四半期:クルードラゴン
・AX-3:下半期:クルードラゴン
・スターライナー1:2024年初頭(希望的観測?):ボーイング スターライナー SC-2
キャシールーダースのツイッターでは、「Axiom Mission 2 に続いて」とあるけど、NASAのミッションとしては、クルー7(ふつーなら9月くらい?)の前に上げれば辻褄が合うことになる(そういうことかあ?)。
5月に上がるわけではないのだ(たぶん)。
分かっているのは、4月の打ち上げが消えたということ、いろいろ問題を抱えていて、夏以降の打ち上げになりそうなことくらいだな。
8月までに上がれば上等ということになる。
9月になって、クルー7と絡んだり、AX-3と前後するようになると悲惨だ(さらに遅れることに繋がりかねないからな)。
が、ありえないとは言えない。
トーゼン、2024年初頭のミッション1の打ち上げなんて、夢のまた夢・・・。
CFTの接続ポートはハーモニーフォワード限定だからな(たぶん)。
ウィキのリストには、無期延期になったH3で打ち上げ予定だったHTV-X1や、バルカンケンタウロスで打ち上げ予定のドリームチェイサーの名前も見える。
ISSを巡る悲喜こもごも・・・。
<さらに追加>ーーーーーーーーーー
(7月は湿度がありませんよね?—
NASA、ボーイングのスターライナーの飛行を再び遅延、今回はパラシュートのため
「すべてのデータを調べるだけの問題です。」)
https://arstechnica.com/science/2023/03/nasa-delays-flight-of-boeings-starliner-again-this-time-for-parachutes/
「NASA とボーイングは水曜日、スターライナー宇宙船の最初の有人飛行が 7 月 21 日までに行われると発表」
「さまざまな部分をすべて見てみると、ほとんどの作業は4月に完了する予定だ」
「しかし、5月の時間枠にまで拡大している1つの領域があり、これは実際にはパラシュートシステムの認証製品に関係しています.」
おっと、今度はパラシュートかあ?。
「スターライナーとそのパラシュート システムのレビュー プロセスを完了するために追加の時間が必要だったため、車両の打ち上げは 6 月に延期されました。」
「ただし、NASA はその時点で、SpaceX の CRS-28 貨物補給ミッションを開始する予定であり、ラボのドッキング ハッチの 1 つを拘束します。」
「この供給ミッションは、NASA が遅延を望んでいないステーションにソーラー アレイを運ぶことです。そのため、ドッキング ポートがないため、スターライナーの飛行は 7 月の後半に延期されました。」
ソーラーアレイの交換は先送りできないらしい。
スターライナーは割を食ったな(そうなのかあ?)。
「今年の夏に予定されている宇宙軍の USSF-51 ミッションを予定しており、今年の 5 月以降にバルカン ロケットをデビューさせるには、スペース ローンチ コンプレックス-41 パッドも必要です。」
こっちのスケジュールが、スターライナーCSTの打ち上げに、どれ程影響してくるかは未定だ。
この記事ではバッテリーの過熱の問題や手動操縦システムの話、或いはサービスモジュールの分離に関する見直しの話は出てこない。
当局の公式発表のままに報じている。
うーん、つまらんなあ・・・。
<さらにさらに追加>ーーーーーーーーーー
(テスト中にバルカンが異常を経験し、初飛行が遅れた)
https://tlpnetwork.com/news/2023/03/vulcan-experiences-anomaly-during-test-maiden-flight-delayed
「異常は、マーシャル宇宙飛行センターでバルカン ケンタウルス第 2 段の極圧負荷試験中に発生」
異常の詳細は不明。
「バルカン ケンタウロスの初飛行は、調査が完了するまで延期されます。」
この件については、アルスも報じている。
(信頼できるスラストに関するすべてのニュース —
Rocket Report: ULA Centaur ステージには「異常」があり、Virgin Orbit の資金調達は悲惨です
「これが、地上で考えられるすべての条件を徹底的かつ厳密に実行する理由です。」)
https://arstechnica.com/science/2023/03/rocket-report-ula-centaur-stage-has-an-anomaly-virgin-orbit-funding-is-dire/
「ケンタウロス上段に異常あり。」
「MSFC での Centaur V 構造物の品質テスト中に、ハードウェアに異常が発生しました。これが、飛行前に地上で考えられるすべての条件を徹底的かつ厳密に実行する理由です。調査が進行中です。Vulcan は完成時に飛行します。」(MSFC:マーシャル宇宙飛行センター)
「ケンタウロスがバルカンのデビュー飛行に使用されることに影響を与える可能性は「非常に低い」と付け加えた. 」
うーん、そいつはどうかな・・・。
「ULAは定期的に物事を爆破する会社ではありません. 」
えーと、それってどこの会社んなんだあ?。
まあいい。
「いずれにせよ、会社は、この異常がどのように、そしてなぜ起こったのかを理解するために、ある程度の時間を費やす必要があります.」
最近の流行りは、2段目の異常だからな(イプシロンとか、H3とか、テラン1とか、このところ立て続け・・・)。
神は「外部」に宿る・・・。
<また追加>ーーーーーーーーーー
(ボーイングの新型宇宙船「スターライナー」有人飛行試験は7月21日以降に実施へ)
https://sorae.info/space/20230403-starliner.html
「2度の無人飛行試験に成功したスターライナーは、本格的な有人飛行の開始に先立ち、実際にクルーが搭乗するCFTの実施を控えています。」
うーん、まあ、1度目の無人飛行(OFTー1)を「成功」というのは、浮沈子的には憚られるような気がするんだがな(B社は、そう言うかも知れませんが)。
不具合をあぶり出すのが試験飛行なわけだから、トラブルの発生自体を問題視し過ぎる必要はないのかも知れないけど、バルブ固着のトラブルはその後に発生したわけだし、まあ、発射直前に確認できたのはラッキーだったが、ドナドナされて長期間の対応を余儀なくされた。
ようやく上がったOFT-2に置いても、スラスタートラブルなど課題山積で、NASAは、スターライナーが戻ってきた直後にクルードラゴンに追加の発注を掛けている(B社は、最低限のミッション(6回)しか遂行できないことが確定したわけだ:浮沈子の記憶が確かならば、以前には追加の発注を貰えれば割安になるとか売り込んでいたような気が・・・)。
今回の打ち上げでも、バッテリーシステムに不安を抱えていると言われるしな。
バルブの固着の問題も、根本的に解決されたかどうかは知らない。
前回のスラスターの不良は、たぶん、飛ばしてみなけりゃ分らないだろう(そうなのかあ?)。
「今後は緊急時に使用されるバックアップ用の手動飛行モードのシミュレーションも実施されるということです。」
CFTにおいても、どんなトラブルが出るか分かったもんじゃない(それをあぶり出すのが任務だから、失敗じゃないんだろうけど、物事にはていどというものああるからな)。
手動モードでの習熟に必要な期間は、延期によって十分とれることになった(そういうことかあ?)。
「あとは推進剤の充填や発射台への移動といった打ち上げ準備を待つのみとなっています。」
その推進剤の充填のタイミングも、バルブの固着との関係があるからな(日程がフィックスするギリギリまで入れられないだろう)。
影響は全てに及んでいる。
「CFTではNASAのバリー・ウィルモア(Barry Wilmore)宇宙飛行士とスニータ・ウィリアムズ(Sunita Williams)宇宙飛行士がプライムクルーに、マイケル・フィンク(Edward Michael Fincke)宇宙飛行士がバックアップクルーに任命されています。」
手動操縦とか、よーく練習しておいた方が身のためのような気がするな・・・。
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