🐱巨大衛星群:宇宙詐欺2023年03月24日 00:21

巨大衛星群:宇宙詐欺
巨大衛星群:宇宙詐欺


(ジョナサンの宇宙ページ
巨大な (「メガ」) 衛星コンステレーション)
https://planet4589.org/space/con/conlist.html

「N > 50 の計画された衛星を持つコンステレーションを「大規模」と見なし、N > 1000 を「巨大」と見なします。」

マクダウェル氏によれば、1000機以上じゃないと、メガコンステレーションじゃないという。

現在のところ、スターリンク以外にそんなもんはない(ワンウェブは第一期だけでは700機くらいだから、完成しても対象外だ)。

計画中のやつはいくつもあるけど、実際に実現できるものがあるのかどうかは分からない。

貧乏人から巻き上げた金で、向こう10年間、世界中のヘビーリフターを買い占めているアマゾンのプロジェクトカイパー以外は、資金ショートして消えてなくなると浮沈子は見ている(ワンウェブの第二期も実現は難しいだろう)。

他のコンステレーションは、衛星を上げようとしてもロケットがないからな。

が、スターシップが飛べば話は変わる。

1発で150トン(使い捨ての場合)の打ち上げ能力が解き放たれれば、世界の打ち上げ事情は激変する。

搭載スペースの問題を無視すれば、ワンウェブ第一期のコンステレーションが1度の打ち上げで上がる計算だ。

(ミッションワンウェブ F17)
https://www.elonx.cz/mise-oneweb-f17/

「一次ペイロード: 40 個の OneWeb 通信衛星 (各 147 kg)」

衛星放出機の重量を別にすれば、一度に1000機以上上げることが出来ることになる。

べらぼーめ・・・。

自動翻訳を通したマクダウェル氏のページを、ぼーっと眺めていたら、最後のコンステレーションの予定衛星数を見て目が点になった!。

「ESP(E-Space):337323衛星を計画中」

べ、べ、べらぼーめい・・・。

グレッグワイラーといえば、ワンウェブの創設者だ。

第二期ワンウェブでも6千機余りのコンステレーションを計画しているけど、30万機を超える規模は別格だ。

その割には、あまり聞いたことはなかったけどなあ・・・。

(Rocket Lab、E-Space 向けに3機の実証衛星を打ち上げ)
https://www.zoomy.club/invest/rklb-e-space/

「E-Space は、宇宙船の打ち上げに必要な時間を数年ではなく数ヶ月に短縮し、宇宙船システムの拡張、補充、配送にかかる時間を短縮することを目的としています。」(宇宙船=衛星?)

「E-Space 社のシステムは、政府や企業が民間衛星コンステレーションを所有できるようにすることを目的としており、高いレベルのセキュリティ、柔軟性、弾力性を維持しながら、安全な通信から遠隔地のインフラ管理まで幅広い用途で、動的に機能を拡張することが可能です。」

なんとも総花的なコンセプトだが、30万機以上も飛ばせば何とでもなるに違いない(そうなのかあ?)。

もちろん、例によって、くどいようだが、スターシップのスーパーヘビーブースターのラプター2エンジンが、33基同時点火に成功したらの話だ(当然、発射台をぶっ壊さずに停止することも含まれるけどな)。

桁違いのコンステレーションをぶち上げたのは、スターリンクに対抗する意味もあるんだろう。

このままでは、中国を除いてスターリンクと同規模のコンステレーションを展開することは出来なくなる(コスト的に太刀打ちできないからな:中国は、コスト度外視だし)。

スターリンクの方は、衛星の制作(アルゴンガスホールスラスターや、スターレーザーによる衛星間通信含む)から、打上げ、衛星の運用、ユーザー用フェーズドアレイアンテナの制作、販売から顧客管理まで、一切を垂直統合するのみならず、スターシールドという怪しげブランドを掲げて、政府(軍事含む)利用まで取り込もうとしているわけだ。

これで、高度300km台のV帯高速通信を始めたら、ワンウェブだろうがカイパーだろうが、何を持ってきても対抗することは出来ない。

全く異なる切り口から、例えば、億を超えるIoTなどとの通信を衛星経由で行うとか、衛星ネットワークそのものにAIを組み込んで、宇宙から全人類を支配するとかしない限りは、ハンパなコンセプトではムリポだろう。

E-Spaceは、どうやら追跡不能な微小デブリ(現在の技術では、10cm以下のデブリは把握できません)を抱え込んで、もろとも大気圏で突入消滅するという話で触れこんでいるようだ(うーん、人の弱みに付け込むところが益々怪しい・・・)。

ふん、そんな美味しい話が簡単にできるわけはない。

展開予定の軌道高度を見ると、500kmから600km台の、通常の低軌道コンステレーションの軌道だ(スターリンクもこの辺りを飛んでいます:ワンウェブは1200kmくらい)。

消滅落下させる際には、ISSの軌道(最近では395kmから415km辺り)を横切ることになる(ISSのリアルタイムの軌道高度などは、NASAのページから閲覧できます:<以下追加>参照)。

例えば、衛星の周りをゼリーのようなもので取り囲んで、小さなデブリをペタペタとくっ付けながら周回し、ある程度のところで制御落下させるということも考えられるが、そんな衛星がまともな通信を行えるわけはないし(太陽電池、通信アンテナどーする!?)、そもそも、どうやって制御噴射を行うのかも分からない。

そこ(噴射口)は、解放しておかなければならないだろうしな(マーフィの法則によれば、デブリはそこに当たって噴射器をぶっ壊しちまうことになっている)。

まあいい。

こんな与太話が世間を騒がすほどに、メガコンステレーションの話は広がっている。

浮沈子的には、新手の詐欺のように思えるがな。

断言しておこう。

こんな巨大衛星群が出来るわけはない。

完全にムリポだ。

で、現在打ち上げられたのは何機かと見れば、3機だそうだ(11万分の1以下!)。

やれやれ・・・。

まあ、せいぜいそんなもんだろう。

話の中身と整合しているしな。

しかし、4000機を超える打ち上げを達成している太陽系唯一のメガコンステレーションであるスターシップも、試験衛星はたったの2機だったからな(TintinAとB)。

小さく産んで大きく育てる。

そりゃそうなんだが、この軌道高度は曲者だ。

軌道名:高度:傾斜角:備考:
・1:550:0:軌道近過ぎ!
・2:552:24:軌道近過ぎ!
・3:556:27
・4:559:30
・5:563:33
・6:556:36
・7:570:39
・8:574:42
・9:577:45
・10:581:48
・11:584:51
・12:588:54
・13:592:57
・14:595:60
・15:599:63
・16:602:66
・17:606:69
・18:610:72
・19:613:75
・20:617:78:高度重複
・21:617:81:高度重複
・22:620:84
・23:624:87
・24:628:90
・25:631:93
・26:635:96
・27:638:98
・28:528:97.5:たぶん、試験機軌道

そもそも、3kmとか4kmとか、刻み方が細か過ぎる(なんと、2kmのところも!)。

レイヤーを作るのに、そんなに細かくしたら軌道が下がって来る衛星を操作しきれないだろう(33万機超だぜ!?)。

スターリンクが第二期で5km刻みにするのだって、猛反対喰らったという話もある。

傾斜角は、概ね3度刻みだが、そんなに均等に配置しなければらなない理由が分からない(通信需要は低・中緯度地域が大きい)。

各軌道シェルには、36のプレーン(軌道面:左右のズレみたいなもんか)があり、それぞれに360機が配置される。

簡単のために、軌道高度630kmとすると、地球の半径を6370kmとした場合、軌道半径はちょうど7000kmで、ざっくり一回り44000kmになる。

それを360機で割ると122kmに1機の配置となり、衛星の速度は秒速8kmていどだから、今通り過ぎた地点を次の衛星が十数秒後に通過する(ちっとは、ズレてますけど)。

べらぼーめ・・・。

このレイヤーが、高度552kmから638kmまで、上下は3kmから4kmで連続することになる。

FAAが認定するかどうかは別としても、ヤバ過ぎて話にならない。

当たるも八卦、当たらぬも八卦だなあ。

しかも、軌道高度はスターリンクやカイパーなどと重なっている。

E-Spaceは、完全な与太話と考えておいた方がいいだろう。

このくらい、明々白々なテキトーさなら浮沈子にも分かるけど、もっとビミョーな話になれば、素人には判断できないだろう。

宇宙詐欺みたいな話が横行して、被害者続出な予感がするな・・・。

<以下追加>ーーーーーーーーーー

(ライブ宇宙ステーション追跡マップ)
https://spotthestation.nasa.gov/tracking_map.cfm

「Latitude
8,0 N

Longitude
11,6 W

Altitude
415 km

Speed
27595 km/h

Time (GMT)
25 Mar 2023, 01:52:49(←この時刻での取得データ)」

つい先日、リブーストしたばかりだからな(プログレス23による)。

415kmというのは、ほぼほぼ、最近の最高高度に近いだろう・・・。

🐱スターリンク:V2ミニ差替え2023年03月24日 08:20

スターリンク:V2ミニ差替え
スターリンク:V2ミニ差替え


<画像はスターリンクの試験衛星(TintinAとB)で、ブログ本文とは関係ありません。>

6-1で打ち上げられたV2ミニ衛星にトラブルが発生していることは、既に書いた。

(スターリンク:待機軌道)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2023/03/21/9571013

「<さらに追加:3月23日記>ーーーーーーーーーー」

「2023/03/23 09:18 ピーター・メレチン:
イーロン・マスクは、このミッションの衛星で特定されていない問題が発生していることを確認しました. 一部の衛星は軌道から外され、他の衛星は軌道が増加した後にのみテストに合格します。」

「うーん、そうすると、6-2の打ち上げ(3月30日予定)も怪しいということになるかもな・・・。」

詳細は不明だが、おそらく、この影響で、次回の6-2は当分キャンセルされ、5-10に差し替えられたようだ。

(SpaceX、新世代のスターリンク衛星の打ち上げを一時停止)
https://spaceflightnow.com/2023/03/23/spacex-pausing-launches-of-new-generation-starlink-satellites/

「金曜日の打ち上げは、SpaceX の打ち上げシーケンスでスターリンク 5-5 と指定されており、3 月 29 日に設定されたミッションはスターリンク 5-10 と名付けられています。」

「SpaceX は、最初の 21 個の Starlink V2 ミニ衛星の問題が、次の 2 つの Falcon 9 ミッションでのペイロード交換の理由であったかどうかを確認していません。」

んなもんは、差し替えに決まってんじゃん!?。

ああ、5-5の方は、当初からの予定だったかもしれないけどな。

記事には、他の衛星から撮影されたV2ミニの画像も添付されている。

「軌道上にある Satellogic イメージング宇宙船のセンサーによってキャプチャされた Starlink V2 Mini 衛星のビュー。Starlink 宇宙船のソーラー アレイが拡張されていることを示しています。」(画像のキャプションより)

「各 Starlink V2 Mini 衛星に搭載されている 2 つの展開可能なソーラー パネルは、先端から先端まで約 100 フィート (30 メートル) あります。」

でかいな・・・。

「Starlink V2 Mini 衛星の総表面積は 1,248 平方フィート (116 平方メートル) になり、Starlink V1.5 衛星の 4 倍以上になります。」

少なくとも、6-2は消え、5-10が取って代わった。

グループ5の運用軌道が、当局の許可を逸脱している件についても既に書いている。

(スターリンク:グループ5の謎)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2023/03/23/9571422

「うーん、530kmと560kmの違いは、わずかとはいえないだろう!?。」(許可高度は530km、実際の運用高度は560km。)

「少なくとも、5-1と5-2は、ありていに言ってルールを逸脱している。」

5-3も、既に許可高度の上に上がっている。

5-4は上昇中だが、逸脱は時間の問題だろう。

打ち上げられる5-5と5-10がどうなるかが見ものだな・・・。

<以下追加>ーーーーーーーーーー

いろいろ考えているんだが、グループ5の運用軌道が当初予定より高くなっているのは、ひょっとすると当局の要請(少なくとも了解を得ている)によるのではないか(未確認)。

530kmというのは、確かに許可軌道高度だが、従来の高度よりも低く、更に言えばこれまでで最低の高度になる。

その辺りに、何かがいるのかも知れない(スパイ衛星とかあ?)。

昨年打ち上げられたとも言われる、スターシールド衛星4機が周っているのかもな(未確認)。

許可軌道高度を30kmも逸脱しているというのは尋常じゃない。

当局に、何の断りもなく行っているとは思えない。

一方で、560kmの軌道にも不安はある。

マクダウェル氏の集計によれば、シェル3とされるこの軌道には、560km丁度に3機、サブシェルの563kmに181機が既に配置されている(軌道傾斜角は97.6度)。

グループ5の軌道は、530kmに3機、553kmに18機、559.1kmに52機が投入されていて、今後も560km近辺に数百機が次々と押し寄せてくると思われる(軌道傾斜角は43度)。

ヤバいな・・・。

ヤバ過ぎ!?

スターリンク衛星には、空軍のレーダー観測に基づくデータベースによる自動衝突回避機能が備わっていると言われるが、シェルの高度をずらして運用するのは、それに頼らない確実な回避策として取られている仕組みだ(個々の衛星の故障で、回避できない恐れもあるからな)。

軌道傾斜角が異なるとはいえ、1km足らずの高度差(560km:3機と559.1km:52機)で運用される衛星群の存在は、素人には異様に映る。

グループ5が、今後も560km近辺の高度を使うということなら、グループ3(シェル3)側をずらすとか、何らかの対策が必要となる可能性もあるだろう。

いずれにしても、グループ5の軌道高度の異常は、当局の目を掠めてというレベルでないことは確かだ。

一時的にせよ、非公開の承認を得ているにせよ、コリジョンによって生じた破片(10cm以下?)は、同軌道を回っている他のスターリンクに次々と当たり、当該軌道上でケスラーシンドロームを引き起こすかもしれない。

んなことが起こらないような対応は、キッチリ取ってもらいたいな・・・。

<さらに追加>ーーーーーーーーーー

(スターリンクミッション5~10)
https://www.elonx.cz/mise-starlink-5-10/

「ターゲット:地球低軌道(傾斜角43°)」

「赤道に対して 43° の傾斜を持ち、完成すると高度 530 km に 2,500 個の衛星が含まれます。」

この軌道も、一応、シェル6(浮沈子仮称:そのうちシェル5に変更か?)であることは変わらない。

まあ、どーせ、軌道高度は560km界隈になっちまうんだろうけどな(未確認)。

つーことは、軌道名称もシェル3にしなければならないのかあ?。

この際だから、旧シェル5(高度560、傾斜角97.6度)を復活させて、軌道傾斜角だけ変更(43度)することにしてはどうか。

そうすると、本来の軌道高度530km、傾斜角43度というのがシェル6になる(おお、それはいいアイデアだな:浮沈子の仮称はそのままになる)。

まあ、どうでもいいんですが。

「2023/03/24 01:05 ピーター・メレチン:

このミッションはもともと4月に開始される予定でしたが、問題第 2 世代スターリンク衛星の最初のバッチが打ち上げられ、優先順位が付けられ、ロケットとミッション スペースが交換されました。スターリンク 6-2.」

スペースフライトナウのスティーブンクラークは、差し替えとは確認されていないとかつべこべ言っているが、ペトルメレチンは迷うことなく「交換された」と断言している。

そりゃあそうだろうな。

それが正しい。

ローンチナンバー(ミッション番号)の枝番は10ということだから、既に上がっていたり予定されている5-1から5-5までの他に、少なくともあと4回(5-10除く)の打ち上げが予定されているということだ。

この軌道(本来の高度560km、傾斜角43度)には、2500機の配置が予定されている(許可は、3つの軌道の合計で7500機と出ていて、単純に3で割っているだけですが)。

今のところ、グループ5は、1回の打ち上げ辺り53機以上の機数を維持している。

名称:日付(欧州中央時間):場所:傾斜角:投入軌道:衛星数:
・5-1:12/28:SLC-40 :43°:212 km x 338 km:54
・5-2:01/26:SLC-40 :43°:212 km x 337 km:56
・5-3:02/02:LC-39A :43°:325 km x 343 km:53
・5-4:02/12:SLC-40 :43°:298 km x 339 km:55
・5-5:03/24:SLC-40 :43°:不明:不明
・5-10:03/29:SLC-40 :43°:不明:不明
(打ち上げは全てフロリダ)

当初のターゲット軌道のペリジーやアポジーがどれ程になるのか、待機軌道に変更はあるのか(365kmは6-1のV2ミニが使ってるしな:たぶん、今まで通り350kmだと思いますが)、打ち上げ機数がどうなるのかにも注目だな・・・。

<さらにさらに追加>ーーーーーーーーーーー

(Falcon 9は、SpaceXの今年の20回目の打ち上げで56個のスターリンク衛星を展開します)
https://spaceflightnow.com/2023/03/24/falcon-9-rocket-deploys-56-more-starlink-satellites-on-spacexs-20th-launch-of-the-year/

「56 個のスターリンク衛星を地球上空約 200 マイル (300 キロメートル) の赤道に対して 43 度の傾斜で軌道に投入しました。」(ちなみに、200マイルは約322km)

今回は、詳細な投入軌道は明かされていないようだ。

が、56機という機数から見て、円形軌道に近かったとしたら、それほど高くは上げられなかったかもしれない。

グループ5の2月の2回の打ち上げでは、ペリジーを上げて、円形軌道に近づけてきているからな。

今回も地磁気擾乱直後ということで、200km台にペリジーを設定するのはリスキーだ(上層大気への影響は不明)。

記事の後半では、6-1打ち上げに伴うV2ミニの不具合について、まとまった記述がみられる。

「アップグレードされた 21 個のスターリンク V2 ミニ衛星の最初のグループが 2 月 27 日にファルコン 9 ロケットで打ち上げられ、高度約 230 マイル (370 キロメートル) の軌道に宇宙船を放出しました。公開されている軌道データによると、衛星は高度を 240 マイル (約 380 キロメートル) 近くまで上げましたが、宇宙船は 3 月中旬に徐々に降下し始めました。」

「軌道上昇の失速は、一部のオブザーバーの間で、新しいスターリンク V2 ミニ衛星の状態について疑問を投げかけました。」

「Starlink V2 には多くの新技術が搭載されているため、予想どおり、いくつかの問題が発生しています」

「Starlink V2 Minis 衛星の一部は軌道から外れる可能性があると付け加えましたが、その他の衛星は、高度 260 マイル (420 キロメートル) で飛行する国際宇宙ステーションの高度を超える前に「徹底的にテスト」される予定」

「McDowell 氏は、SpaceX が新しい Starlink V2 Mini 衛星の起動に問題が発生したことは驚くべきことではないと述べました。」

「新しい人工衛星を飛ばす最初の数週間で、『ああ、初期段階の問題が発生した。人工衛星を実際に稼働させる前に、いくつかのことをデバッグしなければならない』ということを発見することは、本当に珍しいことではありません。」

まあいい。

「V2 Mini は、V1.5 から完全に白紙のデザインではありませんが、多くの新しい機能が搭載されているため、歯が生える問題があることにあまり驚かないでください」(teething problems:「新しい製品に関連する問題、またはプロセスまたは活動の開始時の問題」だそうです。)

今日も英語のお勉強だな・・・。

🐱カイパー:汎用衛星型決戦兵器2023年03月24日 21:27

カイパー:汎用衛星型決戦兵器
カイパー:汎用衛星型決戦兵器


(Amazon、Starlink のライバル「Project Kuiper」用の衛星受信機を発表)
https://www.teslarati.com/amazon-unveils-starlink-competitor-project-kuiper/

エリックラルフが、燃え尽き症候群でお休みになり、暫く更新が途絶えていたテスララティ(スペースXのページ)が、どうやら動き出した(ライターは、かわりばんこのようです)。

スターリンク以外のメガコンステレーション(ここでは、マクダウェル氏の定義に倣って、1000機以上ということに)で、浮沈子が唯一実現可能性があると見ているプロジェクトカイパー(以下、「カイパー」という)の情報が出ていた。

もっとも、5月4日に打ち上げられるとスケジューリングされている(持ってまわった言い方をしているのは、どうやら遅延が避けられそうもないから:<さらに追加>参照)試験衛星の情報でも、「およそ 3,236 個の衛星」(「およそ」にしては数字が細かい気も)によって構成されるメガコンステレーションの話題でもない。

地上に据え置かれ、それだけでは何の役にも立たない「アンテナ」(記事では、「受信機」といってますけど)の、鳴かず飛ばずの話だ。

「Amazon の最小で最も手頃な製品は、ポータブル衛星受信機で、わずか 100 ドルで販売され、最大 100 メガビット/秒 (Mbps) の速度を提供します。」

「価格と速度を強化する Amazon は、400 Mbps の速度で 400 ドルで販売される住宅用サービス オプションも提供します。」

「最後に、商用および政府機関向けのユース ケースでは、Amazon は最大の受信機を提供します。この製品の価格は明らかにされていませんが、毎秒 1 ギガビットの能力があります。」

計算は、算数しかできない浮沈子には、この製品の価格は明らかだな(100メガ:100ドル、400メガ:400ドルなら、1ギガ(=1000メガ):1000ドルに決まってんじゃん!?:そうなのかあ?)。

「速度に関しては、Amazon は Starlink の現在の製品よりも大幅に高速になる可能性がある」

いったい、何を根拠にしているのかは不明だ。

浮沈子は、スターリンクが下りで300Mbpsを叩き出していることさえ信じられない(驚くほど速い!:一般向けは100Mbps程度なようです)。

殆どの通信では、クロスリンクを経由せずに、地上の通信施設とのアップリンクやダウンリンク(Ka帯通信)で賄っているだろうから、需要が拡大してくれば直ぐに飽和状態になるだろう(まあ、たぶんネックは衛星自身のスループットでしょうけど)。

それを解消するためには、①衛星数を増やすか、②衛星当たりの容量を増やすか、③クロスリンクを使って空いている地上局を探してルーティングし、遠隔地から上げ降ろしするかしなければならない。

レスポンスを上げることも重要だからな。

地球の裏側の地上局から上げたのでは遅くなる。

具体に、どうしているのかは知らない。

3千機程度のショボいコンステレーションで、アマゾンがどれ程の顧客を捌けるかは見ものだ。

次の10億人を繋げることが出来るのか、単なる宣伝に終わるのかは分からない。

低軌道コンステレーションの場合、一般に静止軌道に比べて衛星寿命は短いし、サービスインまでに投入する衛星数が多く、配置に時間がかかることもある。

もちろん、コンステレーションを維持するためには、未来永劫、衛星を上げ続けなければならないという継続性も求められる。

打ち上げコスト、衛星製作コストが桁違いに大きくなることから、20世紀には実現できなかった(死屍累々・・・)。

スターリンクがものになりそうなのは、打ち上げ会社が自社事業として行っていることなどの垂直統合で、究極のコストダウンを図っていること、低軌道コンステレーションの特徴を踏まえた技術投入を行っていることなどによると見ている。

衛星は使い捨て、打ち上げロケットは再使用など、常識を覆しているしな。

アマゾンが同じことをやろうとしても不可能だ。

スターリンクの「受信機」(アンテナ?)は、当初の製造コストが数十万円に上ると言われた。

量産価格だが、まあ、それでも安いと思った(衛星搭載のフェイズドアレイアンテナは、億単位の値段だし、イージス艦のそれは2桁から3桁違うからな)。

100万円を切ること自体が奇跡だ。

このアンテナ価格の公表は、マーケティング上のブラフと見ている。

もう少し待っていれば、安いアンテナが手に入りそうだと思わせておいて、スターリンクの営業を妨害しているわけだな。

「Amazon は、手頃な価格が Project Kuiper の主な設計目標であると概説していますが、インターネット サービスの価格は発表していません。」

スターリンクは、我が国では、月額6600円(税込み)で契約できるようだ(通信品質等については知りません)。

アマゾンのサービスが、一般に使えるようになるのは、おそらく2025年に入ってからだろう。

カバー範囲は低・中緯度に限られ、クロスリンクのない、地上局とのやり取りに限られる(未確認)。

高緯度地域、大洋のど真ん中、航空機などの接続は出来ない(地上中継が可能なエリアでは、航空機とかも使えるかも)。

投入するコストの割にはゲインが少ない。

それでも、衛星インターネットをやっているというバッヂが欲しいわけだから、それはそれでいいのかも知れない。

宇宙空間にバックボーン回線を張り巡らし、全世界の通信の半分を担うなどというベラボーな野望はないのだ(スターリンクは、それを狙っています)。

それでも、カイパーは、現在のスターリンク程度の衛星コンステレーションを持つことになる(スターリンクの可動衛星数は、せいぜい3000機強だ:以下の資料では3185機となっている:本日現在)。

(ジョナサンの宇宙ページ
巨大な (「メガ」) 衛星コンステレーション)
https://planet4589.org/space/con/conlist.html

カイパー衛星の配置は独特だ。

高度(km):傾斜角(度):機数:備考:
590:33:782
590:30:2:試験衛星?
610:42:1292
630:51.9:1156

合計で3232機となり、前出の「およそ 3,236 個の衛星」と合わないけど、まあ、「およそ」だからいいのだ(そんなあ!)。

外連味のない600km前後のシェル(しかも、20km間隔と余裕たっぷり)に、必要な機数をテキトーに割り当てている。

おそらく、これから詳細に設計するんだろう(現状は、余りにテキトー過ぎるからな)。

各シェルごとの運用は、スターリンクと大差ないカタチに落ち着くはずだ。

軌道傾斜角は限定的だし、おそらくクロスリンクは持てない。

ワンウェブのように、高めの軌道(1200km前後)に少数衛星を配置して、多少遅延が出ても、リーズナブルな接続が出来ればいいという割り切りもない。

ほぼほぼガチなスターリンク対抗馬として登場している。

勝ち目はない。

皆無だ(断定的!)。

たぶん、戦略としては、法人顧客中心に高速接続を提供して儲けて、一般向けにはそこそこ繋がる衛星回線をそれなりの価格で提供するに留まるだろう。

市場支配は元より、価格競争力でスターリンクに対抗することもできない(アンテナを安くして、イニシャルコストを下げるくらいか)。

軌道傾斜角からも分かるように、高緯度地域へのサービスは出来ない(ロシアとか、難しいだろうな:いらねーよ!)。

北部ヨーロッパも無理だな。

ロンドンとかで、ギリギリかもしれない。

それでも、物流とのシナジー効果で収益に貢献するという判断なんだろう。

低軌道コンステレーションのアプリケーションについては、浮沈子は良く知らないからな。

当てにはならない。

大量に衛星を投入していくスターリンクに対して、カイパーは限定的にスポットを絞って、効率よくサービスを提供しようとしているようにも見える。

グローバルな軍事利用にも耐えられるインフラを築くという感じではなく、美味しい商売が出来ればそれでいいという志の低さが際立つ(そうなのかあ?)。

中国が敵対視する気遣いはない。

有事の際に、全機破壊し尽くして対抗しなければならないという代物じゃあない。

そういう意味では、平和な衛星かも知れない。

当てにはしていないようだが、ソユーズで打ち上げるとしても、問題はないだろう(ワンウェブはナビゲーションなど軍事利用の恐れがあるから、上げてもらえなかったけどな:差し押さえられてるようです)。

調達しているロケットが、軒並み大型なことから、衛星は重量級の可能性が高い。

ファルコン9は、小さ過ぎて選定の対象にならなかったそうだ(ホントかよ!?)。

おそらく、1トンを超える衛星を展開してくるに違いない。

通信速度の期待が大きいのも、たぶん、その辺りが根拠なんだろう。

なんだかんだいっても、デカい衛星の方が性能は高いからな。

大電力、高速通信、大容量。

スターリンクも、第二期ではそっちの方に振ってきている。

トレンドだな。

量(衛星の数)より質(性能)というわけだ。

それでも、低軌道衛星の場合は、それなりの数をばら撒かなければ通信が出来ない。

600kmの軌道高度で3000機余りというのは、低・中緯度を狙っているカイパーにはちょうどいいのかも知れない。

S社のように、試行錯誤しながら最適解を探るというのではなく、綿密に計算されたピンポイントな正解を狙う。

イニシャルコストが参入障壁になっていることを見透かした、低価格アンテナの宣伝も、実に効果的だ。

カイパーが出てくるまで、導入を見送ろうか・・・。

この業界、えげつない感じがする。

大昔、大型汎用計算機で、どっかの会社が似たようなことをやっていた気もするけどな(汎用人型決戦兵器ではないので、念のため・・・)。

まあ、どうでもいいんですが。

(Amazonの衛星通信「カイパー」 携帯用など3種の端末公開)
https://www.watch.impress.co.jp/docs/news/1485960.html

「Amazonが設計したカスタムチップ「Prometheus」(コードネーム)を搭載。5Gモデムの処理能力や、数千の顧客の通信を処理するセルラー基地局の機能、ポイント・ツー・ポイント接続を可能にするマイクロ波バックホールアンテナの機能を兼ね備える。Project Kuiperの衛星や地上ゲートウェイ アンテナにも使用され、各衛星で最大1Tbpsのトラフィックを処理可能という。」

汎用チップ型決戦兵器の投入か・・・。

チップの処理速度だけでは何も分からないからな。

通信してナンボの世界だ。

トータルスループット命。

世界がスターリンクだけになっちまうのもなんだが、アマゾンだけになったら、もっとつまらんからな。

せいぜい競合して、安く「速く」快適な衛星接続を実現してもらいたいもんだな・・・。

<以下追加>ーーーーーーーーーー

(AmazonがStarlinkの対抗馬となる衛星インターネット「Project Kuiper」のアンテナを発表、2024年からサービス開始か)
https://gigazine.net/news/20230315-amazon-project-kuiper-satellite-dish-terminals/

「Project Kuiperは数千万人の顧客にサービスを提供することを計画しているため、プロジェクトの開始時に『構築費用が500ドル(約6万7000円)未満の顧客端末を設計する』という野心的な目標を設定しました。」

次の10億人じゃなくて、せいぜい数千万か・・・。

まあいい。

アンテナに画期的な技術を取り込んだというから、何かと思えば送受信アンテナを重ねたという話も(2年以上前の記事)。

(Amazonが3236基の人工衛星で世界中にインターネットを届ける「Project Kuiper」で新たな発明があったと発表)
https://gigazine.net/news/20201217-amazon-breakthrough-project-kuiper/

「従来のKaバンドは送信アンテナと受信アンテナを隣合わせで配置するという構造上、より大きな表面積を必要としていましたが、Amazonのアンテナは「小さい方のアンテナを大きい方のアンテナに重ねる」という設計にされました。この技術により、パフォーマンスを上げながらも表面積を小さくして製造コストを削減することに成功」

イージス艦で、飛来するミサイルを追尾するわけじゃないからな。

パフォーマンス重視でなくてもいいわけだ。

さて、迎え撃つスターリンクの迎撃態勢や如何に・・・。

<さらに追加>ーーーーーーーーーー

(認定の夢を追う —
ドリームチェイサーが再び遅れ、バルカンの打ち上げ計画について疑問が生じる
2023年にバルカンが国家安全保障ミッションを飛行する道はまだありますか?)
https://arstechnica.com/science/2023/03/dream-chaser-is-delayed-again-raising-questions-about-vulcan-launch-plans/

「初打ち上げはこの夏、おそらく 7 月か 8 月にずれ込む可能性があります。」

「バルカンのデビュー打ち上げのペーシング アイテムは、ペイロードではなく、ロケット自体」

「ケンタウロスの上部ステージと地上システムにわずかな問題があった可能性」

「地上システムに特有の学習がいくつかありました。(ウェットドレスリハーサル)のためにすべてを整えるために、いくつかの手順とソフトウェアを調整しています。」

記事のメインの話であるドリームチェイサーは、年末からさらに遅延するだろう。

エリックバーガーが言う通り、余程の幸運が舞い降りない限り、少なくとも2度目の認証飛行はダミーウエイトを積んで飛ぶことになりそうだ(あーあ、もったいない!)。

まあ、どうでもいいんですが。

ULAにとって、初物になるメタンエンジンの方は、順調に燃料注入を終えたようだ。

「ユナイテッド・ローンチ・アライアンスは、ウェットドレスリハーサルと静的燃焼テストに先立って、ここ数週間、ロケットの推進剤装填テストを行ってきました. 」

「第 1 ステージは良好に機能した」

ULAは本物だ。

バルカンは、多少遅延したとしても、間違いなく上がるだろう。

遅れに遅れたエンジンの開発に成功し、史上初めてメタンエンジンによる打ち上げに挑もうとしている(リラティビティスペースのテラン1もあったか:軌道到達は出来なかったようですが、打ち上げには成功したそうです)。

カイパーの怒涛の展開と歯車が噛み合って、汎用ロケット型決戦兵器となるかどうか。

我々は、昨年の春先から、SLSの試験打ち上げで半年以上に渡って紆余曲折するのを見せつけられてきた。

浮沈子の記憶が確かならば、ちょうどこの時期辺りからだった気がする。

S社は、メタン燃料の取扱いに苦慮し、テキサスでは何度も爆発炎上木っ端微塵を演じてきた。

ULAは、今のところ上手くやっている。

老舗の貫禄というところか。

が、しかし、ロケットは貫禄では飛ばない。

全員が注目する1段目は順調に飛行して、2段目で落ち目(文字通りかあ?)というのは、どこかで聞いた話だ。

ブルーオリジンが納品した2基のBE-4エンジンも、性能(タービンのようです)にばらつきがあると言われている。

安心するのは時期尚早かも知れないな・・・。