桜の気持ち2013年04月01日 07:17

桜の気持ち
桜の気持ち


桜(ソメイヨシノ)は、花を咲かせてから葉っぱが出る。

ふつー、逆じゃね?。

チューリップでも何でも、葉っぱが先に出て、後から花が咲くのに、随分せっかちに思える。

しかも、一気に咲いて、1週間かそこらで散ってしまう。

んでもって、後は葉っぱだけ・・・。

目立ちたがりの性格だ。

(ソメイヨシノ)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BD%E3%83%A1%E3%82%A4%E3%83%A8%E3%82%B7%E3%83%8E

単一の遺伝子を持つクローンであるため、咲くのも散るのも一斉である。

余計目立つ!。

今年の桜の開花は、ずいぶんと早かった。4月になった今日当たりは、既に相当散って、葉っぱも出ている。

地球温暖化の影響と言われている。

この時期の開花は、かつての九州や四国のそれである。

まあいい。

花が散ると、樹の周りの地面は桜色の絨毯のようになる。

ちょっと、感動ものである。

桜は、散るために咲く。

或いは、散ることを想定して咲く。

雪が舞うように散る桜の花びらを、掌に受け止めながら、散ることを知る桜の気持ちに思いを寄せる。

ソメイヨシノが実生で増えることはない。

「被子植物の自家受精を防ぐ数種類の遺伝的性質の総称である。ある植物個体の正常に発育した花粉が同じ個体の正常な柱頭に受粉しても受精に至らないこと、あるいは正常種子形成に至らないことを自家不和合と呼ぶ」とあるのは、このページ。

(自家不和合性 (植物))
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%87%AA%E5%AE%B6%E4%B8%8D%E5%92%8C%E5%90%88%E6%80%A7_(%E6%A4%8D%E7%89%A9)

「自家不和合性(じかふわごうせい、英語:self-incompatibility, SI)は、被子植物において自殖(自家生殖)を防ぐ最も重要な手段であり、新しい遺伝子型を作成し、地球上に被子植物が広がった成功の要因の一つであると考えられている。」

「自家不和合性は種子植物で一般的とは限らない。かなり多くの植物種は自家和合性(self-compatible , SC)である。被子植物種の半分が自家不和合性であり、残り半分が自家和合性であると推定されている。」

まあ、遺伝子の多様性を確保して、病気や環境の変化に対応するための戦略的な性質だな。

接木によってクローンで増やされるなんてことは、想定の範囲外であるということだ。

そう、ソメイヨシノは人間の手による繁殖を前提として植えられた、園芸品種なのである。

(園芸:文化としての園芸)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9C%92%E8%8A%B8#.E6.96.87.E5.8C.96.E3.81.A8.E3.81.97.E3.81.A6.E3.81.AE.E5.9C.92.E8.8A.B8

「・・・つまりもともと食糧や実用として栽培されていた植物を、次第に視覚や嗅覚の充足のため、つまり実用と食欲以外の人間の精神的欲求を満たすために栽培するようになったことが園芸の始まりであろう。」とある。

とすると、春、一斉に花を咲かせてあっという間に散ってしまうソメイヨシノを植えまくった日本人の精神的欲求というのは、一体何なのだろうか。

桜の気持ち、それは、われわれ日本人の心の中の根源的な欲求と相通じるものがあるに違いない。

今朝も、その桜越しの春の霞んだ空を見上げて、遥かな思いに浸っている。

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