トーションバー2013年04月19日 02:23

トーションバー
トーションバー


83タルガの要素技術の中に、ト-ションバー・スプリングというのがある。

(トーションバー・スプリング)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%B9%E3%83%97%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B0

930以前のポルシェ911の象徴の一つで、torsionとは、ねじれ、ねじりのことである。

(torsion)
http://ejje.weblio.jp/content/torsion

スプリングといえば、コイルバネのイメージが強いが、板バネとかもある。

(ばね)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%B0%E3%81%AD

フックの法則とか出てきて、苦い記憶が甦る。得意ではなかった物理の時間が恨めしい・・・。

まあいい。

現在では、商用車(及びその派生車種)などにしか使われていないトーションバーだが、意外にもF1のサスペンションがトーションバーになっているという。

(F1のサスペンション)
http://ameblo.jp/nori3830/entry-11032703519.html

911は964以降、トーションバーからコイル式に変更されたが、F1では、90年代後半にトーションバーへの移行が始まっている。

軽量、交換が容易、特性変更(チューニング)が簡単などが理由のようだ。

現代のF1において最も大きい理由は、スペース効率が良いことだろう。

競技車両では、乗用車では有り得ない逆転現象が起こる。

別に、トーションバー・スプリングが決定的な欠点を持っているわけではないようだが、コイルバネの持つ特性に比べると、乗り心地と操縦安定性の調和が難しいのかもしれない。

F1とかは、乗り心地とか、甘ったれたことは言っていられないので、トーションバーでガマンさせられているのだろう。

前にも取り上げたが、車高調整が簡単にできるというメリットもある。

(ポルセキ新聞 タルガ万歳 その195.タルガをシャコタン化! 続きデス)
http://www.911days.com/poruseki/editorial/targa/195/

911デイズのVol.43の特集記事を読むと、「一度は活用したいせっかくの調整機能」として紹介されている。

まあ、元々は、ヘタリを修正し、正しい車高を保つための調整機能なので、シャコタンにするためのものではない!。

車高が低いとカッコイイ、という美的感覚は、浮沈子には分かりづらいところではある。

考えてみると、コイルスプリングが変形する時には、バネの素材である鋼は、捻られて変形する。トーションバーと同じ原理なのである。長い棒を丸めて同じ原理でしならせている。

ということは、テーパー状のトーションバーを使えば、非線形特性を与えられるのではないか。テーパー状の線材を使用した不等線径コイルスプリングと同じ特性を発揮させられる道理である。

「取付け部の加工等が複雑で重ね板ばねやコイルばねと比較してコスト高になります。」とあるのはこのページ。

(ばねについて:Vol.4 ばねの種類)
http://www.bestex-spring.co.jp/spring/spring.html

あんなもん(ただの棒にしか見えない・・・)が、コイルバネよりコスト高になるというのは、にわかに信じられないのだが、メーカー系のホームページなので間違いなかろう。

昔、アンチロールバーと言われていたサスペンション・スタビライザーにも、トーションバーの原理は応用されている。

戦車などのスプリングとしても用いられたトーションバーだが、乗用車のサスペンションとして復活することは最早ない。

いまや、消えていこうとしている要素技術の一つである。

よく似た用語に、トーションビームというのがあって、紛らわしい。

(トーションビーム式サスペンション)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%83%93%E3%83%BC%E3%83%A0%E5%BC%8F%E3%82%B5%E3%82%B9%E3%83%9A%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3

「クロスビームがトーションバー・スプリングとして働き、スタビライザーと同様の抗ロール性が得られる。」とあり、無関係ではないが、「サスペンションスプリングには通常コイルばねが組み合わされる。」とあるように、これのみでは荷重を受けるばねとしては働かないため、別途、スプリングを必要とする。

サスペンション形式の一種のことである。

(トレーリングアーム式サスペンション)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%83%A0

サスペンション形式としては、トレーリングアームと呼ばれることが多いのではないか。

トーションビーム式にトーションバー・スプリングが組み合わされると、なおのこと混乱する。

「フォルクスワーゲン・タイプ1とその派生車のフロントサスペンションは、トーションバースプリングの取り付けに工夫を凝らした上下二段のトレーリングアームをもったダブルトレーリングリンク式で、この場合、リンクとハブは自由に動く。」などと書かれてあっても、なんのことやら、さっぱり分からない。

サスペンション形式については、もう少し勉強してから書こう。

(誰も書かないポルシェ930の秘密!)
http://minkara.carview.co.jp/en/userid/305594/blog/12813272/

この記事を読むと分かるとおり、ボディにストレスをかけない構造になっているというのも利点であるが、ボディ剛性が低くてもサスペンションの機能が十全に果たせるということでもある。

逆にいえば、ボディ剛性が高ければ、乗り心地も優先できるというわけで、サスペンションとボディは切っても切れない関係にあるということができる。

(最近、気になる)
http://minkara.carview.co.jp/en/userid/331881/blog/12155189/

スプリングの種類は、単にそれだけに関わらず、サスペンション全体やボディ剛性についても様々な影響をもたらす。

ボディが先であることを考えると、サスペンションもスプリングも、ある程度の選択の幅の中から、要求される水準とコストとの関係により、半ば必然的に決まってきたのではなかろうか。

現代のポルシェは、当たり前のようにアクティブサスペンションが設定されている。

(ポルシェ911:シャシー)
http://www.porsche.com/japan/jp/models/911/911-carrera-s/detail/?gtabindex=3

PSM、PTV、PASM、PDCCなど、ブレーキやダンパー、スタビライザーを動的にコンピューター制御して、積極的にクルマをコントロールする。

まるで生き物の筋肉のようだ。

1本の棒に過ぎないト-ションバーから、コンピューター制御のサスペンションへ。

21世紀のポルシェは、変化し続けている。

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