タモンの水中 ― 2015年06月17日 18:58
タモンの水中
いろいろこのブログで引用している、タモン湾縦断のプロファイルを恥を忍んで公開する(画像参照)。
ダイブタイム3時間16分45秒。
テクニカルダイビングはともかく、レクリエーショナルでは考えられないロングダイブ。
赤いラインは、深度を表す。
オレンジが酸素の残圧、黄色がディリュエント(エア)の残圧、水色と緑はPO2である。
最大深度は26.2m。
地形や途中浮上(予定の行動)の関係で、若干変化が激しいが、まあ、徐々に浅くなるコンベンショナルなプロファイルだ。
後半の最大深度は16.8m。
ということは、潜り方によってはアドバンスでなくてもいいという意見もある。
もちろん、浮沈子は、ベイルアウト用シリンダーを持たないCCRダイビングは有り得ないと考えているので、そういうコンフィギュレーションは認められない。
オンボードのディリュエントは、結局半分以上使ってしまうので、仮に終盤にトラブルが起きた際には、オンボードのエアだけでは安全に浮上することが出来ないかもしれない。
最低でも、3リッターのシリンダーに200気圧位、まるまる使えるような形でないと不安だな。
この辺りの話は、そのうちじっくり書くとして、タモン湾の水温は30度ほどで暖かい(真ん中に真横に引かれた青い線)。
しかし、泳ぎ続けているとはいえ、3時間を超えるダイビングでは、さすがに身体が冷えてくる。
当日は、2ミリのショーティーだった。
これは、反省点だな。
水中の体温の喪失を甘く見てはいけない。
少なくとも、フルスーツでフードベストは着用すべきだ。
エントリーの時に慌てていて、ハーネスを完全に付けずに入ったのもまずかったな。
潜降しながら急いで付けたら、どうもバランスが悪く、いろいろ手探りしたら、クロッチベルトがカウンターラングの下に付いていたり、ディリュエントのホースが変なところから出ていたり、ひっちゃかめっちゃかの状態だった。
さらに、それを付け替えているうちに、さらに訳がわからなくなり、そうとう試行錯誤を繰り返しながらのダイビングが続いてしまった。
最終的にフィットしたのは30分以上経ってからである。
グラフでいうと、16m近辺のところに深度を上げたころだ。
ということは、それまでのリスキーな環境の中で、デタラメなコンフィギュレーションのまま潜っていたことになる。
猛省しなければならない・・・。
さらに、酸素の消費はコンスタントでいいんだが、ディリュエントがコンスタントに減っているというのは解せない。
つまり、浮力のコントロールが決まらずに、試行錯誤を繰り返しているという動かぬ証拠だ。
潜降中は浮力の確保のために、BCや呼吸回路に給気しなければならないというのは解かるが、深度を一定に保っている時は、ポセイドンのユニット特有のキャリブレーションによる消費を含めても、もっと平坦な形になってしかるべきだろう。
さらに、浮上中(真ん中辺り)は、全く減らなくても良さそうなのに、むしろ、消費が増えているというのは、浮力のコントロールに失敗して、出したり入れたりを繰り返しているというのがバレバレだな。
出したり入れたりというのは、余り得意じゃないんだけどな(子供は、わかんなくていいです!)。
まあいい。
このグラフでは、ちょっとわかりづらいが、PO2のグラフを追うと、5分に1回くらい、上下にスパイク状の変化があるのがわかる。
こいつが、例のキャリブレーション攻撃というヤツで、一定時間ごとに、ディリュエントを噴射して酸素センサーのチェックをしているわけだ。
この際に、ほぼ一息分のガスを呼吸回路から抜いてやらなければならない。
ポセイドンユニットに於いては、CCRは泡が出ない潜水器であるという宣伝文句は、機構上、厳密には有り得ないのだ。
もちろん、インスピなどのコンベンショナルなユニットでは、こんなことはない。
浮上するときには、もちろん膨張する回路内のガスを抜くことになるが、それ以外は、マスククリアの際にしか排気はしない。
5分に1回、一息分といっても、深度によって実際のガスの排気量は異なる。
水底の容積が3リッター程度だったとしても、深度40mでの水面換算は15リッターである(計算、合ってます?)。
3リッターのシリンダーで200気圧持ち込んでいるわけだから、水面換算600リッターのディリュエントということになるので、5分毎にその40分の1を捨てることになる。
もちろん、ディリュエントだけで計算してはいけない。
PO2で1.2に相当する酸素も一緒に捨てているので、そこは修正する必要がある。
しかしながら、仮に180分潜っていると、36回の排気を行うことになるので、その分の消費は想定しておかなければならないのだ。
まあ、NDLの関係もあり、ずーっと40mで潜ってるわけじゃないので、実際の消費量はずっと少ない。
しかし、この消費はバカにできない。
少なくともポセイドンユニットでは、ベイルアウト用シリンダーを、アウトボードで確保する必要があると浮沈子が考える理由のひとつである。
酸素の分の補正を加えても、180分フルで潜った時の残圧は、半分近くになっていると考えていい。
器材に慣れない場合は、さらに消費量が増えることは、浮沈子の例を見ても明らかだ。
エントリー時に187気圧を記録しているが、エキジット時は78気圧になってしまっている。
途中浮上があったので、連続潜水よりも消費量は多いが、大差あるまい。
酸素は、ディリュエントと一緒に排気される分と、実際に消費される分を併せて考えなければならない。
今回の場合は、エントリー時に152気圧、エキジット時に74気圧で、ほぼ半分である。
今回の一連のダイビングでも、酸素の使用量は、概ねこんなもんだったな。
一番少ない時で、30パーセント程度だ(2ダイブ、合計で140分くらい)。
酸素の消費量も、深度変化が多く、浮力調整に手間取ると増えるということも考えておいた方がいい。
オープンサーキットダイバーと、乗り合いボートで潜る場合には、1日3本潜るとしても、あまり考えなくてもいいかもしれないが、ユニットの機能をフルに発揮するようなロングダイブかつ、深度変化が大きい場合には、要注意だ。
もっとも、上田さんの場合は、深度調節には殆どロスがないので、浮沈子の半分くらいの消費量であったことは考慮する必要がある(要するに、浮沈子が下手だったということ!)。
ダイブログのグラフを公開するというのは、プロにとっては商売にかかわるので、なかなか見ることは出来ない。
見る人が見れば、手練のCCR使いか、ヘタクソなのか、一目瞭然だからだ。
浮沈子も、プロになったら、公開しなくなるかもしれない(後悔したくないから?)。
まあ、どうでもいいんですが。
CCRは、一緒に潜れば上手いか下手かは直ぐに判る。
トリムが安定していて、浮力コントロールが取れていて、そんでもって深度を維持するフィンワークが出来ていれば、まあ、へたっぴーとは言われないだろう。
あとは、トラブル対処の小技が確実に行え、その際に深度を乱さずに出来れば一人前。
さらに、それらを深度変更しながらスムーズに行えれば合格だ。
浮沈子のように、何かやり始めるとジタバタして深度維持ができなくなるというのは、まだまだ修行が足りないということになる。
フィンワークというのは、もちろん、オープンサーキットでも重要なスキルの一つだが、CCRの場合は、トリムと共に、深度を維持するという点で、一段と重要である。
一掻き毎に深度が変わってしまって、それを修正するために浮力調整でガスを使ってしまうようでは、CCRダイバーとしては問題があるということになる。
もちろん、ミニマム(ループ)ボリュームとか、完璧な中性浮力の維持というのはそれ以前の話だ。
ガスの消費を見ると、そういうことの一つ一つが見えてくるというものだ。
人間は、学習することが出来る動物だから、慣れて来ればいささかなりとも上達することはできるが、漫然と潜っている限り、その程度は知れている。
きちんとした指導者について、丁寧で適切な指導を受けながら精進し続ける必要があるということは、CCRでも同じだ。
ファンダイブしている時でも、傍らに師匠の影を感じながら、一呼吸、一掻きを疎かにせず、日々是決戦(代ゼミかよ?)の心構えで潜りたいものである(反省!)。
いろいろこのブログで引用している、タモン湾縦断のプロファイルを恥を忍んで公開する(画像参照)。
ダイブタイム3時間16分45秒。
テクニカルダイビングはともかく、レクリエーショナルでは考えられないロングダイブ。
赤いラインは、深度を表す。
オレンジが酸素の残圧、黄色がディリュエント(エア)の残圧、水色と緑はPO2である。
最大深度は26.2m。
地形や途中浮上(予定の行動)の関係で、若干変化が激しいが、まあ、徐々に浅くなるコンベンショナルなプロファイルだ。
後半の最大深度は16.8m。
ということは、潜り方によってはアドバンスでなくてもいいという意見もある。
もちろん、浮沈子は、ベイルアウト用シリンダーを持たないCCRダイビングは有り得ないと考えているので、そういうコンフィギュレーションは認められない。
オンボードのディリュエントは、結局半分以上使ってしまうので、仮に終盤にトラブルが起きた際には、オンボードのエアだけでは安全に浮上することが出来ないかもしれない。
最低でも、3リッターのシリンダーに200気圧位、まるまる使えるような形でないと不安だな。
この辺りの話は、そのうちじっくり書くとして、タモン湾の水温は30度ほどで暖かい(真ん中に真横に引かれた青い線)。
しかし、泳ぎ続けているとはいえ、3時間を超えるダイビングでは、さすがに身体が冷えてくる。
当日は、2ミリのショーティーだった。
これは、反省点だな。
水中の体温の喪失を甘く見てはいけない。
少なくとも、フルスーツでフードベストは着用すべきだ。
エントリーの時に慌てていて、ハーネスを完全に付けずに入ったのもまずかったな。
潜降しながら急いで付けたら、どうもバランスが悪く、いろいろ手探りしたら、クロッチベルトがカウンターラングの下に付いていたり、ディリュエントのホースが変なところから出ていたり、ひっちゃかめっちゃかの状態だった。
さらに、それを付け替えているうちに、さらに訳がわからなくなり、そうとう試行錯誤を繰り返しながらのダイビングが続いてしまった。
最終的にフィットしたのは30分以上経ってからである。
グラフでいうと、16m近辺のところに深度を上げたころだ。
ということは、それまでのリスキーな環境の中で、デタラメなコンフィギュレーションのまま潜っていたことになる。
猛省しなければならない・・・。
さらに、酸素の消費はコンスタントでいいんだが、ディリュエントがコンスタントに減っているというのは解せない。
つまり、浮力のコントロールが決まらずに、試行錯誤を繰り返しているという動かぬ証拠だ。
潜降中は浮力の確保のために、BCや呼吸回路に給気しなければならないというのは解かるが、深度を一定に保っている時は、ポセイドンのユニット特有のキャリブレーションによる消費を含めても、もっと平坦な形になってしかるべきだろう。
さらに、浮上中(真ん中辺り)は、全く減らなくても良さそうなのに、むしろ、消費が増えているというのは、浮力のコントロールに失敗して、出したり入れたりを繰り返しているというのがバレバレだな。
出したり入れたりというのは、余り得意じゃないんだけどな(子供は、わかんなくていいです!)。
まあいい。
このグラフでは、ちょっとわかりづらいが、PO2のグラフを追うと、5分に1回くらい、上下にスパイク状の変化があるのがわかる。
こいつが、例のキャリブレーション攻撃というヤツで、一定時間ごとに、ディリュエントを噴射して酸素センサーのチェックをしているわけだ。
この際に、ほぼ一息分のガスを呼吸回路から抜いてやらなければならない。
ポセイドンユニットに於いては、CCRは泡が出ない潜水器であるという宣伝文句は、機構上、厳密には有り得ないのだ。
もちろん、インスピなどのコンベンショナルなユニットでは、こんなことはない。
浮上するときには、もちろん膨張する回路内のガスを抜くことになるが、それ以外は、マスククリアの際にしか排気はしない。
5分に1回、一息分といっても、深度によって実際のガスの排気量は異なる。
水底の容積が3リッター程度だったとしても、深度40mでの水面換算は15リッターである(計算、合ってます?)。
3リッターのシリンダーで200気圧持ち込んでいるわけだから、水面換算600リッターのディリュエントということになるので、5分毎にその40分の1を捨てることになる。
もちろん、ディリュエントだけで計算してはいけない。
PO2で1.2に相当する酸素も一緒に捨てているので、そこは修正する必要がある。
しかしながら、仮に180分潜っていると、36回の排気を行うことになるので、その分の消費は想定しておかなければならないのだ。
まあ、NDLの関係もあり、ずーっと40mで潜ってるわけじゃないので、実際の消費量はずっと少ない。
しかし、この消費はバカにできない。
少なくともポセイドンユニットでは、ベイルアウト用シリンダーを、アウトボードで確保する必要があると浮沈子が考える理由のひとつである。
酸素の分の補正を加えても、180分フルで潜った時の残圧は、半分近くになっていると考えていい。
器材に慣れない場合は、さらに消費量が増えることは、浮沈子の例を見ても明らかだ。
エントリー時に187気圧を記録しているが、エキジット時は78気圧になってしまっている。
途中浮上があったので、連続潜水よりも消費量は多いが、大差あるまい。
酸素は、ディリュエントと一緒に排気される分と、実際に消費される分を併せて考えなければならない。
今回の場合は、エントリー時に152気圧、エキジット時に74気圧で、ほぼ半分である。
今回の一連のダイビングでも、酸素の使用量は、概ねこんなもんだったな。
一番少ない時で、30パーセント程度だ(2ダイブ、合計で140分くらい)。
酸素の消費量も、深度変化が多く、浮力調整に手間取ると増えるということも考えておいた方がいい。
オープンサーキットダイバーと、乗り合いボートで潜る場合には、1日3本潜るとしても、あまり考えなくてもいいかもしれないが、ユニットの機能をフルに発揮するようなロングダイブかつ、深度変化が大きい場合には、要注意だ。
もっとも、上田さんの場合は、深度調節には殆どロスがないので、浮沈子の半分くらいの消費量であったことは考慮する必要がある(要するに、浮沈子が下手だったということ!)。
ダイブログのグラフを公開するというのは、プロにとっては商売にかかわるので、なかなか見ることは出来ない。
見る人が見れば、手練のCCR使いか、ヘタクソなのか、一目瞭然だからだ。
浮沈子も、プロになったら、公開しなくなるかもしれない(後悔したくないから?)。
まあ、どうでもいいんですが。
CCRは、一緒に潜れば上手いか下手かは直ぐに判る。
トリムが安定していて、浮力コントロールが取れていて、そんでもって深度を維持するフィンワークが出来ていれば、まあ、へたっぴーとは言われないだろう。
あとは、トラブル対処の小技が確実に行え、その際に深度を乱さずに出来れば一人前。
さらに、それらを深度変更しながらスムーズに行えれば合格だ。
浮沈子のように、何かやり始めるとジタバタして深度維持ができなくなるというのは、まだまだ修行が足りないということになる。
フィンワークというのは、もちろん、オープンサーキットでも重要なスキルの一つだが、CCRの場合は、トリムと共に、深度を維持するという点で、一段と重要である。
一掻き毎に深度が変わってしまって、それを修正するために浮力調整でガスを使ってしまうようでは、CCRダイバーとしては問題があるということになる。
もちろん、ミニマム(ループ)ボリュームとか、完璧な中性浮力の維持というのはそれ以前の話だ。
ガスの消費を見ると、そういうことの一つ一つが見えてくるというものだ。
人間は、学習することが出来る動物だから、慣れて来ればいささかなりとも上達することはできるが、漫然と潜っている限り、その程度は知れている。
きちんとした指導者について、丁寧で適切な指導を受けながら精進し続ける必要があるということは、CCRでも同じだ。
ファンダイブしている時でも、傍らに師匠の影を感じながら、一呼吸、一掻きを疎かにせず、日々是決戦(代ゼミかよ?)の心構えで潜りたいものである(反省!)。
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