ファルコン爆発!2015年06月29日 02:22

ファルコン爆発!
ファルコン爆発!


余り追加、追加で引っ張るのも何だから、項を改めた。

未だにショックから立ち直れない・・・。

感情移入しているイベントでコケるというのは、堪えるな。

記者会見は、さらに10分延びて、米国東部時間午後1時からになった。

昼飯食い終わって、コーヒー飲んでからということなのかあ?。

まあ、それどころじゃないだろう。

NASAとしては、ロケットの爆発より、それによって失われた補給品などの影響を中心に対応すると思われる。

民間輸送船による物資の運搬の方針を見直すような話は無いだろう。

しかし、2度も延期して会見するというのは、おそらく異例なはずだ。

内部で揉めてるのかも知れないし、必要な情報が取れていないのかも知れない。

日曜日だしなあ・・・。

まあ、どうでもいいんですが。

7月3日には、ロシアの補給船が上がるので、死活的な影響は無いだろうが、今後のスケジュールの見直しは必至だ。

(「プログレスM-28M」補給船、打ち上げ準備着々 7月3日打ち上げへ)
http://www.sorae.jp/030607/5566.html

8月のこうのとりの打ち上げにも影響が及ぶことは避けられない。

(H-IIBロケット5号機、8月16日に打ち上げへ 「こうのとり」5号機を搭載)
http://www.sorae.jp/030819/5546.html

千葉工大のカメラが、予備機を含めて灰燼に帰したのは残念至極だ(なんか、もう1台あるようだな)。

記者会見が始まったが、グエン・ショットウェルCOOが出てきて(電話参加)、イーロン・マスクは出ない。

あとは、NASAの関係者とかだ。

浮沈子は、英語はちんぷんかんぷんなので、何を言っているかは分からないが、皆、沈痛な面持ちであるな(声も暗い・・・)。

司会のおねえさんは、パキパキしていて、この深刻な事態とは無縁な表情である。

というより、無表情か・・・。

まあいい。

ロジスティクスが立て続けにトラブルというのは、前線に立っているISS乗員にとっては気が気ではないだろう。

最悪の場合は、ドッキングしているソユーズ宇宙船で脱出することになるが、ドデカイISSが無人になってしまう。

まあ、そうなれば、厄介払いができるので、関係各国の財務当局は大喜びに違いない・・・。

しかし、遠隔でのコントロールが出来ないような事態になって、サッカー場大のISSが都市部にでも落ちれば、大惨事になる。

どっかのならず者国家の要衝に、わざと落としたりして!。

まあ、そんなことにならないように、以後の補給船には頑張ってもらわなければならんな。

会見は、延々と質疑応答に入って、内容は分からないまでも、各マスコミの関心が高いことが伺われる。

何時まで続くか分からないので、とりあえず、ここでアップする。

失敗から学ぶ2015年06月29日 09:31

失敗から学ぶ
失敗から学ぶ


(ファルコン9ロケット、打ち上げ失敗 第2段機体に問題か)
http://www.sorae.jp/030807/5567.html

「今日はつらい日だ。私が望んだ結果ではない。しかし、宇宙飛行というのは簡単なものではない。昨年のシグナス補給船運用3号機の打ち上げ失敗、今年4月のプログレスM-27M補給船の失敗、そして今回の失敗と、これらは私たちが挑戦に直面していることを意味すると思う。」

「商業輸送計画において、いくつかの失敗が起こすであろうことは想定の範囲内だった。もちろん、これほどのことが起こるとまでは思わなかったけれども、しかしこれは過失ではなく、また商業輸送計画の欠陥でもない。これはまさに、宇宙飛行の挑戦である」

「チームは今回の事故を通じて、学び、そしてより強くなるだろう」

浮沈子が感心したのは、もちろん、度重なる失敗について、極めて冷静に受け止めていることもそうなんだが、事前にそれを織り込んで、挑戦的に事業を推進しようという姿勢だ。

さらに、そのメッセージを、世界に対して積極的に発信しようと努めている。

浮沈子は、この失敗に対する対応には、学ぶことが多いと思っている。

(SpaceX CRS-7 Status)
https://blogs.nasa.gov/spacestation/2015/06/28/spacex-crs-7-status/

リンクされているコメントには、淡々と事実が述べられているが、緊急記者会見に臨んだ画像の面々(司会者の無表情な女性も含めて)は、冷静で、淀みなく、淡々と対応していた。

会場の質問者や電話での質問者も、浮沈子から見ると不思議なほど落ち着いていて、感情的な態度は見られない。

技術的な問題がどう解決されるのかとか、この失敗の影響を評価して、計画の調整をどう行うかというのは、事故直後の会見では、おそらく明らかにはできない。

現状、分かっていることを伝え、それに対してどういうスタンスで対応していくのかということを冷静に伝える場であったと思う。

誰の責任かとか、誰がいつ、その責任を取って辞めるのかといった、レベルの低い話は一切なかった(英語は、ちんぷんかんぷんなので、唯の当てずっぽう!)。

ISSへの物資輸送の立て続けの失敗で、NASAの面目は丸潰れだが、「挑戦」的な姿勢を示すことで、そのダメージを和らげようとしている。

会見の場には、NASAのトップとか、イーロン・マスクは出ない。

実務的にきちんと説明できる幹部が出ている。

これも好ましく感じた。

誰だって、失敗は気まずいものだ。

人命が失われるような事故ではなかったが、大きな損失であることに変わりはない。

有人飛行で使用される予定のロケットだったので、今のうちに欠陥が明らかになって良かったともいえる。

そうではあっても、失敗よりは成功の方がいい(当たり前ですが)。

(米無人ロケット爆発 宇宙ステーション運用に影響か)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150629/k10010131141000.html

「去年10月以降、3機の異なるロケットの打ち上げが失敗していることから、宇宙ステーションの今後の運用に影響が出るのではないかと懸念されています。」

「打ち上げ前の説明会では、NASAの所長が『打ち上げは間違いなく成功するので安心してください』とスピーチしていたが、失敗が分かったとき、NASAの担当者は大きなショックを隠せない様子だった」

「今回の無人の宇宙輸送船での失敗は、有人の宇宙船を開発しようという企業にとってかなりの痛手だ。現在アメリカが進めている有人宇宙船の打ち上げを民間に委ねる計画にも、今後暗雲が立ちこめる可能性がある」

いかにも、NHK的な、一見バランスが取れた報道のようだが、ネガティブな表現やコメントが散りばめられていて、失敗に対する我が国の文化的ニュアンスが感じ取れる。

開拓者魂旺盛な米国と、お上に支配され続けた国民性の違いなのか。

チャレンジや冒険に不寛容な姿勢が、いつの間にか身についてしまっているのかも知れない。

もちろん、失敗しないに越したことはないが、その失敗を織り込んで全体の計画を立て、冒険や挑戦を許容する姿勢(まあ、ゆとりともいうな)は、羨ましい限りだ。

まあ、NASAも、担当者レベルではショックを隠せないようだから、人それぞれなんだろう。

所長さんも『打ち上げは間違いなく成功するので安心してください』とか言っちゃってるし・・・。

まあいい。

失敗への対応に学ぶというか、失敗を織り込んだ挑戦的な事業に学ぶといった方がいいかもしれない。

ダイビングでも、ミッションを完遂できずに引き返したり、諦めることはある。

残念なことだが、自然相手の遊びだし、体調不良や避けがたい器材の不具合ということもある。

それらは、想定の範囲内で、決定的な敗北ではない。

ダイビングは、また時を改めて潜ることが出来る。

その時に完遂すればいいのだ。

無理押しして事故を起こしたら、それこそ取り返しがつかない。

必ずしも同じではないが、今回の事故とダイビングのことを、関連付けて考えてみるのもいいかもしれない。

機会があれば、また書く。

ポルシェ入替2015年06月29日 13:18

ポルシェ入替
ポルシェ入替


ファルコン9がぶっ飛んで、寝不足も重なり、今日辺り届くはずの潜水士テキスト・問題集も届かず、頭はボーっとして鬱々と楽しまずという感じだ。

昨日、ポルシェの入替をした。

疎開先から近所の駐車場へ、83タルガを持ってくる。

代わりに、03ボクスターを疎開先へ・・・。

完成された乗り味の03ボクスターと、20世紀の香り高く、機械の世界にどっぷり漬かった83タルガ。

それぞれに良さがあり、浮沈子の中では甲乙付け難い。

ボクスターは、いずれ手元から離れていくと覚悟を決めている。

たぶん、500Eも。

最後に残るのは、911だろう。

浮沈子の身体に馴染む、会話が成立するクルマだ。

ホントは、キャブ仕様とかがいいんだが、今となっては高嶺の花である。

(ポルシェ 911(Type911) 911 Carrera 2.7 D車 【1733】)
http://www.prestige-tokyo.jp/vcsMember/stockdetail/185-1_526232.html

たぶん、当分売れないと思われる希少車が展示してあったが、桁違いの価格に驚く(詳しくは、お問い合わせを!)。

メカニカルポンプ仕様である。

浮沈子は、リアのダックテールが思いの外コンパクトだったので、リアリッド(社外品)の調査を依頼した。

ストラットタワーバーの色塗り(赤!)が終わって、明日当たり、秋田の工場から出荷されるという。

4か月待ちの状態だが、いよいよフロント周りの補強が完成するわけだ。

ストラットタワー上部に共締めするので、装着時に足回りのセッティングが狂ってしまわないかが心配だが、餅は餅屋、その辺りは心得ているだろうし、プレステージさんでもチェックしてくれるだろう。

持込のタイミングで連絡を頂くことにして、お暇した。

プレステージさんは、浮沈子にとってはやや敷居が高い(その割りに、長居しちゃうんですが)。

空冷ポルシェの価格が跳ね上がっているとはいえ、在庫を見ると500まんえんからになっている。

83タルガを150まんえんで仕入れてきて、ああでもない、こうでもないと面倒見てもらってはいるが、たぶん、この店の客層ではないんだろう。

小物をいろいろ頼んでいるが、丸ごと1台お買い上げの客ではないのだ。

近所で、安心して見てもらえるお店として、大切にしていきたいな。

930は、長く乗れるクルマと聞いた。

部品の供給も、そこそこ続いているし、消耗品を除いては壊れるところは少ない。

浮沈子の83タルガは、エアコンすら無く、夏暖かく、冬涼しい天然仕様である。

エンジンは乗せ換えてあって、3.2リッターだからトルクに不足は無い。

坂道発進でも、一人乗りなら、アイドリングで丁寧に繋げば、サイドブレーキはいらない(一応、補助的には掛けてますが)。

このクルマと付き合うようになって、機械の良さをしみじみと感じる。

いつ壊れるか、ドキドキしながら乗るコンピューター制御満載のエコカーもいいが、壊れるところが限られていて、理解可能な機械の方が、浮沈子は安心だ。

そのくせ、ダイビングの器材の選択では、屁理屈付けて、CCRに御執心である。

一貫性が無いな。

まあ、水の中と陸の上では話が違うということはある。

来年辺りから、ポルシェはエンジンを変えてくる。

4気筒ターボとかを突っ込んで、ダウンサイジングの道を驀進するのだろう。

フェラーリに続いて、ポルシェまで・・・。

ブルータスもびっくりだな。

排気圧を利用して、効率的に給気させるというのは、省エネにとっては結構な話だし、パワーアップにもつながる。

ドラビリの方は、コンピューター制御でどうにでもなるんだろう。

どうせ、大半は低速・低回転域しか使わないのだから、たいていのクルマはそれで十分だ。

しかし、スポーツカーを名乗るクルマとなると、NAのレスポンスは捨てがたい。

気持ちよく反応し、それなりに加速する。

どーせ、公道で走るのだから、アベレージは知れているし、安全マージンも取らなければならない。

気分を楽しめればいいのだ。

サーキットで、コンマ1秒を削る話ではない。

やっぱ、浮沈子は、NAがいいな。

そうして、やがて6気筒NAが消える日が来るんだろう。

ああ、世も末だな・・・。

落ち込んだ日に、何か楽しいことを考えようと、ポルシェの記事を書き始めたのに、逆効果じゃん!?。

まあ、ポルシェは書くもんじゃなくて、乗るもんだけどな。

CCRって何?2015年06月29日 22:01

CCRって何?
CCRって何?


梅雨の晴れ間、夏の雰囲気を漂わせながら、なんとなくもやっとした感じの天気。

中途半端に暑く、中途半端に涼しい。

何時雨がぱらついてきてもおかしくないのに、青空が見えていたりする。

OWSIに向けて、やる気満々なのに、ギリシャ経済は破綻しそうだわ、ファルコン9は木っ端微塵になるわで、気を削がれる(あんま、関係ないんじゃね?)。

IE後の進路として、とりあえずテックCCR40に取り組むと決めた。

その後、本数を稼ぎながら、エンリッチとディープのティーチングステータスを得て、リブリーザーのインストラクターを目指す。

テック60CCRが何時になるかは、まだ分からないが、同時平行になるかもしれない。

中途半端になっているインスピのノーモキシックトライミックスも、再開しなければならない。

むむっ、忙しくなりそうだな。

そうして、平日昼間の空いた時間は、肉体改造に励む(つもり・・・)。

いやいや、逃げを打ってる場合じゃないぞ!。

やるときゃ、やる。

が、まあ、それまでは暇だ。

今日は、故あって東京駅まで行こうと思っていたが、明日に延期だな(テキトー・・・)。

で、暇に任せてCCRについて、簡単に書いてみようと思った(仕組み中心)。

このブログにも登場しているし、メーカーのマニュアルが公開されていることもあって、調べようと思えば簡単なのだが、大胆に、誤解を恐れず、バッサリとシンプルにした解説というのはなかなかない。

仮に、それを読んで、生半可な知識で自作でもして潜ったりしたら、まあ、ほぼ確実に死んでしまうわけで、自殺教唆(幇助?)の疑いを掛けられたりしたくないからだろう。

(Home made Rebreather)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2012/12/04/6651734

「リブリーザーを作ろう!。」

別に実際に作らなくても、作ったつもりになって仕組みを理解するというのは有用だ。

この中に登場する、カウンターラングを直線状に配したリブリーザーというのが、仕組み的には基本形だ。

いや、浮沈子がセブで体験したとおり、最も基本に近いのは、シュノーケルだな。

(音なしの潜水器)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2015/01/26/7554936

「・・・しかも、あることに気付いて愕然とするのである。
スノーケルとCCRは同じだ!。
ライフジャケットを着て、自分のマスクにシュノーケルを付け、借り物のプラスチックフィンを履いたのだが、水面から下を覗きながら呼吸しても、水中で泡は出ずに無音のままだ(当たり前ですが)。
この感じ、昨日までのCCRと良く似ている・・・。
ライジャケ着ていることもあって、呼吸しても浮力の変化は感じないし・・・。」

まあ、どうでもいいんですが。

この場合、カウンターラングに当るのは、地球大気圏という巨大な袋だ。

こいつは、有り難いことに、呼吸ガスの供給や二酸化炭素の除去までやってくれる・・・。

人間の外呼吸の回路を、シュノーケルを使ってそこまで引っ張ってやればいい。

水面に顔をつけて、水中を覗き込む程度なら、呼吸抵抗もさほどではないので、自由に呼吸が出来るというわけだな。

さて、これを基本とすると、まず、構造的に不可欠なのはカウンターラングである。

直線配置でも、呼吸ループの途中に咬ませてもいいが、肺から出したガスを受け止めて、容積変化を調整する袋なりベローズ(蛇腹)が必要だ。

ここでいう蛇腹は、あくまでもカウンターラングとして機能することが必要で、一般的なリブリーザーの呼吸回路を構成する蛇腹ホースのことではない。

昔、このホース自体をカウンターラングとして活用するという、ユニークなリブリーザーもあったようだが、混乱を招くので割愛する。

呼吸経路をループ状にした場合は、流路を一定方向に保つために、逆止弁が必要になる。

通常、マウスピースの両側に1つずつ、合計2個付けられている。

回路の中のガスが、ヒトの呼吸に伴うポンプ効果によって、1方向に回転すればいいのだ。

さて、カウンターラングと呼吸回路が出来上がれば、構造上はリブリーザーの完成である。

日曜大工店やDIYショップに行って、必要な部品を買ってきてくっ付ければ出来上がり!・・・。

・・・ではない!。

3回も呼吸すれば酸素のPO2が足りなくなって失神するし、二酸化炭素濃度も増えてきて、大変なことになる(良い子は、真似しないでね)。

水深を取ろうとすると、カウンターラングが水圧で潰れ、呼吸が出来なくなる。

もちろん、水密構造がきちんと出来ているということが前提だ。

回路内にジャバジャバ浸水するようでは、話にならない。

水密が採れ、水圧に応じた回路内への加圧構造を持ち、二酸化炭素の除去と、適切な酸素の供給(ここ、重要です!)が行われて初めて、潜水器としてのリブリーザーが成立する。

逆にいえば、それさえ出来れば、リブリーザーは作れるのだ。

巷に出回っているリブリーザーは、全て、例外なくこれらの構造と機能を持っている。

カウンターラングがどこに装備されているかとか、酸素の供給をどのようにコントロールしているかとか、回路内への加圧(CCRの場合、概ねディリュエント)を自動で行うか、手動で行うかなどは別にして、基本的な仕組みは同じである。

自動車には、エンジン(モーターでもいいですが)とタイヤとハンドル、ブレーキがあって、走る、曲がる、止るという機能が果たせるようになっているのと似ている。

億単位のスーパーカーでも、遊園地のゴーカートでも、変わるところはない。

吐いたガスを、水中に捨てることなく再利用し、長時間の潜水を可能にしているリブリーザーだが、この循環再利用という構造上の特徴から、避けがたい問題を抱えている。

オープンサーキットなら、吸うガスは1度きり、タンクから出てきたばかりの新鮮なやつを吸えて、吐いたガスは水中に捨てられる。

ガスの中身は、概ねその辺の空気とか、酸素をちょっと濃くしたエンリッチだったりするが、ダイビングの最中に別のガスに化けることは無い。

タンクの中がカラになれば、吸えなくなるので直ぐに分かる(まあ、その前に、圧力計で残圧を管理しましょう!)。

リブリーザーでは、そうはいかない。

呼吸するガスは、基本的に呼吸回路の中をぐるぐると回っているだけなので、たとえば酸素が適性に供給されなくても(濃くても薄くてもダメ!)、二酸化炭素が除去されてなくても、吸ったり吐いたりが出来てしまう・・・。

これは、リブリーザーの本質的な宿痾(しゅくあ)であって、構造上、避けようの無いリスクである。

しかも、リブリーザーがもたらすメリットは、全てこの構造に依存している。

長時間の潜水、暖かく湿ったガス、最適なPO2のコントロール(SCRの場合は、持ち込むナイトロックスに依存)、そして排気の泡が出ないサイレントダイビング・・・。

その代償として、ダイバーは、自ら呼吸するガスの管理を、ダイビング中、常に行わなければならない。

めんどくせー!、うっとーしー!、うぜーよ!。

まあまあ・・・。

一定の酸素消費を前提にして、ベースの吐出量を設定し、足りない分をマニュアルで追加して、PO2を一定に保つという仕掛けのCCRではなく、最近流行の全自動コンピューター制御のCCRの場合、二酸化炭素吸収剤の時間管理と、1分から2分の間に1回、モニターを確認するという手順を守れば、概ねことは足りる。

そのうち、もっと気の利いた仕掛け(マスクに常にデータが映し出されるとか、スクラバーにICチップが埋め込まれて、使用時間を自動で管理するとか)が実用化されて、ダイバーの負担を軽くしてくれるに違いない。

(THE AP HUS - HEAD-UP SCREEN)
http://www.apdiving.com/shop/ap-hus-head-up-screen.html

「£900.00」(=173502円:たっけー!)

「The AP HUS or Head Up Screen is a near-eye, hands free secondary display that shows the diver real-time information directly from the rebreather’s oxygen controller electronics.」

まあ、心ここに在らざれば、視れども見えず、聴けども聞こえず・・・。

(「心ここに在らざれば視れども見えず」『大学』)
http://ameblo.jp/love-mesopotamia/entry-11718303314.html

「心が正しい状態になければ、何かを見てもはっきり見えないし、聴いても聞こえたとはいえないし、何かを食べても味がわからない、という風に解釈されます。」

浮沈子に分かるのは、味の方だけだな・・・。

まあ、どうでもいいんですが。

いずれにしても、どんな形であれ、ダイバー自らが、今、自分が吸っているガスが何なのかを管理しなければならないのだ。

もっとも、これはオープンサーキットでも本来同じことで、某大手指導団体の日本語マニュアル(オープンウォーターレベル)の63ページにも、「シリンダーの充填」として、注意事項が明記されている。

しかし、前述したように、陸上でのチェックが終われば、そのシリンダー(タンク)のガスが変わることはない。

リブリーザーの場合、吸っているガスは、リアルタイムで製造された、出来立てほやほやのリサイクルガスである。

呼気から、二酸化炭素が除去され、酸素が適量足されて造られたガス(のハズ・・・)。

ホントかあ?、と、常に疑い、確認し、そのガスを吸うダイバー自身が、責任を持って管理し続けなければならない。

酸素センサーなる、値段だけ高くて、どう見ても安っぽい筒にしても、生ものなので、使用期限を遵守し、プレダイブチェックで弾かれたら、潔く諦めて交換し、常に予備を持ち歩くか、予備を備えているサービスを利用しなければならない。

最近は、二酸化炭素センサーなるものも出回っている。

(CO2 SENSOR)
http://www.apdiving.com/shop/rebreather/rebreather-upgrades/co2-sensor.html

「£649.00」(=125114.22円:たっけー!)

まあ、取り付けられる機種であれば、あったほうがいいだろう(詳しくは知りませんが)。

スクラバーは、時間または呼吸酸素量の、どちらか先に限界が来た方の基準により交換する。

浮沈子が使っているインスピレーションやポセイドンセブンの場合は、使用時間では3時間というのが基準だ。

もったいないとか、そういう発想は認められない。

開封した容器(ポセイドンの場合は、プレパッキングされたソフノダイブ)は、24時間を超えて使用することは出来ない。

前の日に開封したのが9時ならば、翌日の9時以降は、新たなパッケージを開封して使用し、前日のパッケージは廃棄しなければならない(その使用時間が、たとえ1時間であっても)。

この運用に、例外は無い。

また、ユニットに装着した後に、プレブリージングという人体実験を必ず行い、二酸化炭素除去能力を確認しなければ、ダイビングを開始してはならない(プレブリージングには、スクラバーの能力以外にも、システムが全体として機能しているということを、陸上で総合的に最終チェックするという意味もある)。

二酸化炭素の除去に化学反応を利用しているユニットであれば、どんなユニットでもこの手順は必要だ。

宇宙服では、水酸化リチウムという危ない薬剤を使用しているが、おそらく同じ手順を踏んでいると思われる(詳しくは知りません:機会があれば、確認してみます)。

こうして、適正なナイトロックス(ディリュエントによっては、トライミックスやヘリオックス)を確認し、二酸化炭素の除去能力を確認したガスのみを、吸うことができるわけだな。

自ら吸うガスを、常時監視し、確認し、異常があれば必要な対応を行う。

構造的に、避けがたいリスクを負っているリブリーザーは、正しい運用を行わない限り、危険極まりないダイビング器材であることに間違いない。

なぜ、その手順を行うのか、その意味を理解せず行うことは、危険である。

たとえば、ポセイドンユニットの場合、5分間のプレブリージングを課しているが、回路の容積、スクラバー内の水酸化カルシウムの量、除去能力、ヒトの生体反応(除去できない場合、どのくらいで、昏倒するか)、安全率、実際の適用(何人くらい、昏倒したかは知りませんが)を、総合的に判断して決められた時間だ(たぶん)。

300秒のプレブリージングを、200秒で中断して、コーヒー1杯飲んでから残りの100秒を行う運用は有り得ない。

鼻を摘んで(外気が回路内に混入するのを防止するためには、厳守しなければならない)、ポセイドン(海の神様)に祈るしかないのだ(早く、300秒経たないかなあ・・・)。

リブリーザーの構造をきちんと理解し、運用上の必要性を分かった上で使っていかなければ、そもそもダイビング器材としての適性がないということになる。

正しい理解と、正しい運用!。

それでも、十全のメンテナンスや、正しい運用を行っていたとしても、トラブルは皆無ではない(ああ、人の作りし物の運命・・・)。

あんなことや、こんなことが起こった時に、ああしたり、こうしたりして回避し、安全に浮上するための手順をコースでは学ぶことになる(いきなり、営業モードかあ?)。

マトモに動いているときのリブリーザーは、快適で、まことに麗しい器材だが、一旦トラブルが発生した時には、適切で速やかな対応が求められる(ここ、重要です!)。

浮沈子が習ったPADIのタイプRの手順は、簡単でいい。

IANTDの40msw(インスピレーション)は、一応、全ての手順を練習する(たぶん)。

それぞれの指導団体で、考え方が違うんだろうし、PADIのタイプRのコースでは、インスピレーションといえども、酸素側のマニュアルインフレーターは付いていない(ディリュエント側はあります)。

まあ、詳細は各指導団体等にお問い合わせください(手抜きモード・・・)。

(リブリーザーで広がる新しい世界)
http://www.padi.co.jp/visitors/CCR/index.asp

2ページ目では、未だに「科学的に」とかミスプリがあるが、分かりやすい解説ではある。

(CCR Diver (Inspiration))
http://www.tdcjapan.net/course-ccr.html

代表者は代わったが、浮沈子が習ったコース。

しかしなあ、やっぱ値段が高いというのがネックだよなあ。

(Mk6 60m モデル (¥570,000) 特別販売のお知らせ:売れてしまったら、見られません(たぶん))
http://www.poseidon-j.com/#!news/nws5/F4D62872-8100-49C2-BEB6-6285604F2E50/mk6-60m-%E3%83%A2%E3%83%87%E3%83%AB-(%C2%A5570%2C000)-%E7%89%B9%E5%88%A5%E8%B2%A9%E5%A3%B2%E3%81%AE%E3%81%8A%E7%9F%A5%E3%82%89%E3%81%9B

これでも、なかなか手は出ないだろう。

浮沈子が実際使って知っているのは、インスピとマーク6・セブンだが、巷には星の数ほどリブリーザーがある。

それぞれに良さがあるのだろう。

ターゲットとしているダイバーも異なる。

どんなリブリーザーがいいのかは、先々、どんなダイビングがしたいのかによっても変わってくるし、そのこと自体が、リブリーザーを使っているうちに変わってくるかもしれない。

そうしたら、また新しいリブリーザーを買えばいいじゃん!?。

10台買っても、ポセイドンなら600万円である(そういう計算かあ?)。

素のボクスターの新車買うより安い!。

(主要諸元・仕様 ボクスター)
http://www.porsche.com/japan/jp/models/boxster/boxster/featuresandspecs/

「マニュアル:6,340,000 円」

まあ、ポセイドン10台買う人って、聞いたこと無いけどな。

浮沈子は、SCRについては良く知らないので、余りあてにはならない(CCRも、知らないことは山程ある)。

リブリーザーとして、一括りにしているが、厳密には適用できない話もあるかもしれない。

そこは、ご容赦頂きたい。

ただ、基本的なことを分からずに、迂闊に手を出してしまったとか(それでもいいとは思うんですが)、始めようかどうしようか悩んでいる方(まあ、悩むなら始めたほうがいいとは思うんですが)にとって、現状は余りにも情報が少ない。

前にも書いたが、とにかく体験してみるのが一番いい(以下は、浮沈子が直接知るショップです)。

(スキューバプロショップ大井町店)
http://www.scubapro-shop.co.jp/?p=95

ホームページでは掲載されていないが、浮沈子はマリンダイビングの記事で知って、ポセイドンを体験した。

浮沈子が、インストラクターコースを習っているコースディレクターが対応。

大井町のプールで体験できます(詳しくは、お問い合わせを)。

(UmiMotto)
http://umimotto.aegis-group.co.jp/step.html

「リブリーザーって何?ひとまずリブリーザーを使ってみたい!という方はこちら。」

詳しくは、お問い合わせを。

(体験リブリーザーダイビング)
http://www.tdcjapan.net/taiken.html

「このコースではクローズドサーキットリブリーザーの基本的な原理をレクチャーし、プール又は穏やかな限定水域でリブリーザーダイビングを体験していただけます。
静寂な水中世界を堪能できるリブリーザーダイビングに興味のある方は是非ご参加ください。
使用するリブリーザーは世界で最もポピュラーなインスピレーションCCRです。」

(PADIリブリーザー体験プログラム)
http://www.3da.us/diving/padi-rebreather-course

「まだリブリーザーダイビングをしたことがないダイバーや、既にほかのユニットでのリブリーザーダイバー認定を受けているダイバー向けに手軽にPOSEIDONユニットを紹介するプログラム知識開発終了後、限定水域において最大5mまでのリブリーザーダイビングを体験します。」

抜群の安定感のコースディレクターから、CCRを教わるというのもいいかも。

なんか、宣伝みたいになったが、百聞は一見に如かず。

他にも、体験ダイビングに応じてくれそうなショップはあるだろう。

興味があれば、それから決めてもいい。

ただ、体験ダイビングだけでは、リブリーザーについて正しい判断を下すことができないというのも、残念ながら事実のようだ。

もう、ニワトリとタマゴなんだが、試行錯誤しても、始めないことにはどうしようもないのだ。

ホント、この世界、情報が少ないんだよなあ。

今月のグアム・石垣ダイビングで、マクロに迫る時のリブリーザーの威力を体験した浮沈子は、新しい可能性を見ている。

ゆくゆくは、CCRでタタミ一畳ダイバーを目指すかもしれない。

まあ、どうでもいいんですが。

さてと、今日はこのくらいにすっかな・・・。