テクノシグネチャー2018年09月28日 10:19

テクノシグネチャー


聞きなれない単語だな。

(NASAが宇宙人探査を本格再開、新たな計画も)
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/09/nasa-12.php

「NASA(米航空宇宙局)は間もなく、エイリアン探しに最も有効な方法についてのワークショップを開催する。テーマは、高度な文明特有の「テクノシグネチャー(技術の痕跡)」だ。」

「人類も、ラジオ放送が始まる(始まった?:浮沈子注)100年以上前から、様々な電波を宇宙に発してきた。もしどこかの宇宙人がその電波を偶然に探知すれば、彼らが人類の存在を知る手掛かりになる。そう考えれば、知的生命探査のためにテクノロジーの痕跡を追うのは、理にかなっている。」

人類が宇宙に放った最初の電波(に乗せて放送された音楽)に付いては、このブログでも取り上げている。

(110光年の音楽)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2016/12/11/8273451

「「この曲は「世界で初めて電波に乗せて放送された音楽」でもある。1906年12月24日、レジナルド・フェッセンデンによって行われた初めてのラジオ実験放送でレコード演奏された。」
110年前のクリスマスイブに、電波は宇宙に放たれたわけだ。
今、そのメロディーは、110光年彼方の星々に流れている(りょうけん座α星辺り)。
もしも、その微かな信号をとらえることが出来るものがいるとすれば、きっときっと、美しい地球の木陰のイメージが浮かぶことだろう」(一昨年の記事なので、既に112年前ですが:浮沈子注)

我ながらちょっとセンチになる記述だが、ニューズウイークの記事は、あっさりしたもんだな。

「テクノシグネチャーは一般に、通信信号の形で観測されることが多い。ラジオ波やレーザー光などもそうだ。近年は実際にそうした発見も続いて、関係者の期待は一気に高まった。」

「今では、いずれの発見も宇宙人とは関係なかったとみられてる。」

まあいい。

浮沈子的に注目しているのは、記事の2ページ目にあるNASAの声明だ。

「われわれの科学的使命は、火星に存在する水を研究することから、木星の衛星エウロパや土星の衛星エンケラドスに広大な海が存在する可能性を探求すること、さらには宇宙にバイオシグニチャー(生命の痕跡)を探すことにいたるまで多岐にわたる。」

「同時に(ついでに?:浮沈子注)、地球外生命が発する信号を探索する。」

そう、テクノシグネチャーを探すのは、本業じゃないわけで、だから外部の研究に金出すことに留まっている。

ハッキリ言って、本気じゃない。

浮沈子的には、バイオシグニチャー探しだって、到底本気とは思えないな。

「NASAは地球外生命体の兆候をまだ発見していないが、太陽系やさらにその先で探査活動を強化している。宇宙には私たちしかいないのか、という人類の問いに答えるためだ」

人類の問いというか、税金を払っている米国の大衆の声だろうな。

「・・・人々の熱狂的な期待は冷めず、新たな可能性へとNASAや科学者の背中を押す。」

ポピュラーサイエンスのノリなわけだ。

幸いにして、宇宙に地球外生命が存在するかという命題に対して、明確にノーということは困難だろう。

不存在の証明は、全宇宙を対象にした場合は不可能に近い。

だから、探査を続ける余地は、理屈の上では十分にある。

「銀河系には地球と同じ大きさの惑星が最大400億個、「ハビタブルゾーン」(水が蒸発も凍りもしない生存に適した領域)にあると見られる。しかも宇宙には1000億個もの銀河がひしめいている。知的生命が地球にしかいないと考えるほうが難しい。」

しかし、その数字が、十分に大きいと言えるかどうかは分からない。

ハビタブルゾーンにある惑星に生命が発生する確率が、限りなく小さいなら、我々の銀河系には他に一つもないかもしれないし、他の銀河にだって存在しないかもしれない。

(「地球外生命は存在するのか?」というテーマを宇宙生物学と宇宙論の専門家が「地球という奇跡」を交えて語る)
https://gigazine.net/news/20180817-where-are-aliens/

「「しかし、銀河系には1兆個も星があるのだから生命が存在してもおかしくないのでは?」という反論が予想されますが、ウェッブ氏はそれに対し、「見方によっては『1兆』が大きな数字かどうかはわかりません」と述べています。」

(広い宇宙といえども知的生命体は人類だけかもしれないとの説)
https://gigazine.net/news/20180626-human-only-advanced-civilization/

「新しい研究では「宇宙には人類以外に知的生命体は存在しない」可能性が十分あると指摘されています。」

更には、その銀河たちは、アンドロメダなど、いくつかの例外を除いて互いに遠ざかりつつある。

数兆年後には、観測可能な銀河系は、我々の銀河系だけになるかも知れない。

そうなれば、最早、地球外生命を探査しようという話だって、消えてなくなるかもしれないのだ。

もちろん、その前に、地球とか太陽系とかは、消えてなくなるだろうけどな。

まあいい。

先のことは分からない。

NASAは、大衆の払う税金で運営されている宇宙機関だからな。

ポピュラーサイエンス的要請だからといって、無視するわけにはいかないだろう。

金づるの機嫌を取るのも仕事のうちだ(そうなのかあ?)。

「NASAは9月26~28日に米テキサス州ヒューストンでワークショップを開催する。」

既に開催中で、大いに盛り上がっていることだろう。

宇宙に対する関心が高まること自体は、悪いことではない。

そう簡単に地球外生命(の痕跡でもいいですが)が見つからず、そして、ひょっとしたら宇宙には私たちしかいないのではないかという思いに至ることは、この地球を大切にしていくことに繋がるからな。

火星にトンネル掘って金儲けしようなどという不埒な話もあるけどな。

(【火星移住】スペースXが目指す、火星の地下コロニー建設)
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/07/post-10602.php

「スペースXは、系列企業のトンネル掘削会社ボーリング・カンパニーの掘削機で地下トンネルのネットワークを構築し、そこに居住施設を造ることが最もいい方法だと考えている。」

まあ、どうでもいいんですが。

テクノシグネチャー探しは、それよりは罪が軽いかもしれない。

公共であれ民間であれ、人類の、そして地球の限りある資源をドブに捨てるようなことは、厳に慎まなければならない。

生命は、この地球で生まれ、人類はこの地球で繁栄した。

そのことは間違いない。

他の恒星系にひょっとしたら宇宙人がいるにしても、この太陽系で高等生物が地球だけにしかいないらしいことは、多くの人々が認めるところだ。

月にせよ、火星にせよ、人間が棲むには不適当な場所であることに変わりはない。

足元の環境を大切にし、その思いを確かめるために空を見上げる程度がよろしい。

そこは、人に与えられた空間ではない。

それを望めば、きっと何か災いがもたらされるに違いない。

浮沈子は消極的に過ぎるかもしれないが、そういう考えを持つ人々がいるということも、そして、そのボリュームは決して小さくないだろうことも認識すべきだな。

万能感に囚われた少数の人々が唱えるビジョンは、時に魅力にあふれ、思うようにならない現実を一気に変える力があるように見えるかもしれないが、それは単なる気のせいで、実現には至らないことが多い。

全てがそうだとは言わないし、物事を前に進める時にはカリスマ性が大きな力を発揮することも確かだ。

アポロ以来、人類が地球低軌道に留まっていることは、一部の人々には不本意だろうが、それが大多数の選択であることも事実だ。

月に回帰したり、火星に進出したりといったことは、それなりの犠牲の上に成立する話でもある。

我々の多くは、それを犠牲とは感じないかもしれないが、行われなかった政策や経済的選択の中で失われていく命や利便性があることも考慮すべきだな。

いいだろう、NASAはテクノシグネチャー探しに金を出し、スペースXはBFRで金儲けを企む(そうなのかあ?)。

それが人類の選択なら仕方ない。

いつか、どこかで、その選択が誤りであったことに気付き、深く反省するのを待つだけだな。

あんま、期待できないけどな・・・。

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