伏兵現る ― 2019年04月12日 00:07
伏兵現る
(ロッキードマーチンはオリオンベースの月着陸船概念を明らかにします:標題から自動翻訳のまま:以下同じ)
https://www.spaceflightinsider.com/organizations/lockheed-martin-organizations/lockheed-martin-unveils-orion-based-moon-lander-concept/
「ロッキード・マーチンは、2024年までにマイク・ペンス副大統領の月への帰還という課題を解決するために迅速に構築できる、人間が評価する月着陸船の設計を発表しました。」
ロッキードマーチンが月着陸船のコンセプトデザインをしている話は、このブログでも既に触れた。
(重箱の隅或いはロッキードマーチンの陰謀)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2018/10/07/8969901
「しかし、まあ、よくぞこれだけ宇宙開発にマイナーな国旗を集めてきたもんだと感心する。」
今回の発表では、米国の国旗だけが描かれている点に注意だな。
(月面に早く到達する)
https://www.lockheedmartin.com/en-us/capabilities/space/human-exploration.html?_ga=2.128042764.1285006037.1554950160-1673546146.1553009319
「我々は、月面に人間を着陸させるというNASAの目標を加速することを全面的に支持する。加速着陸スケジュールが何を必要とするかについて、我々は徹底的な研究を行ってきました。適切なレベルのコミットメント、緊急性およびリソースがあれば、2024年までに人間は水面を歩くことができます。」
着陸船の上部構造は、前回のイラストと似ているが、エンジンが付いているところはかなり簡略化されている(前回は、エレベーター付きだが、今回はタダの梯子とか)。
エンジンノズルの数は、前回が2つなのに対して、今回は4つ付いているが、ひょっとしたら単一エンジンで、ノズルだけが4つのタイプかも知れない。
まあ、あまり意味はないような気もするんだがな。
着陸船の設計は、オリオン宇宙船からの技術を活用するとしているんだが、重要な点は、ロッキードマーチンの野望はそれにとどまらないということだ。
「私たちのコンセプトはその推進モジュールとドッキングポートだけを使って初期のバージョンのゲートウェイを展開することです。」
「Orionの機能、システム、および技術へのNASAの投資を統合および活用することによって、NASAの月周回ゲートウェイの作成にも重要な役割を果たします。他の商用車や技術がゲートウェイをサポートする一方で、オリオンはゲートウェイの建設と建設の背後にある主力者となり、より短い期間でよりスリムなゲートウェイを可能にするでしょう。」
ゲートウェイまで、自前で作ってしまおうという意欲的な発想だな。
それだけでは済まない。
「火星への最初の惑星間航海のための私達の概念的なビジョンは火星ベースキャンプと呼ばれます。赤い惑星の周りを周回している間、火星基地キャンプは地球から離れた家、重要な科学を行うためのプラットホームとその3年の任務の間に表面にそして人間を送り返すための基地を宇宙飛行士に提供するでしょう。」
インサイトなどに搭載されている、円形に展開する太陽電池を付けた火星軌道ステーションが構想されている。
しかしだ。
ロッキードマーチンがどれだけ構想しようが、有人モジュールの設計に長けていようが、SLSが飛ばない限りは、手も足も出せない。
そして、そのSLSを握っているのはボーイングだからな。
ジタバタしても始まらないのだ。
しかし、少し古いが(1年以上前)、こんな記事が上がっていた。
(NASAはなぜSpaceXの低コストなロケットを使わずに「SLS」の独自開発に莫大な費用を投じるのか?)
https://gigazine.net/news/20180328-nasa-why-sls/
「2020年代に予定されている「月の向こう」へ人類を送り届ける探査計画では、まず月を周回する新たな宇宙ステーション「深宇宙探査ゲートウェイ」を建設して探査の拠点とすることが計画されていますが、その最初の段階として打ち上げられる電力・推進力モジュールは民間のロケットで打ち上げられる予定になっています。」
ドッキングポートは、それよりは軽いだろうから、オリオン宇宙船を除けば、民間ロケット(具体的にはファルコンヘビー)で打ち上げることは可能だ。
ロッキードマーチンの構想では、それだけあれば月着陸船を繋いで、さらにオリオンで運んだ宇宙飛行士を乗り移らせて、月面に降下させることが可能だ。
もちろん、帰り道は、再びミニマム版ゲートウェイを経由して、オリオンに乗り換えて帰還する。
「居住モジュールなどのメインコンポーネントも、基本的にはFalcon Heavyロケットを中心とする民間ロケットの輸送能力に合わせて設計が進められているとのこと。」
元記事を見ると、そうでもない感じだけどな。
(米航空宇宙局(NASA)のチーフが機関がファルコンヘビーロケットを大量に購入しない理由を説明)
https://arstechnica.com/science/2018/03/nasa-chief-explains-why-agency-wont-buy-a-bunch-of-falcon-heavy-rockets/
「少なくとも理論的には、これらはFalcon Heavyや他の計画されている市販のロケットの質量とサイズの制限内に収まるように設計することができます。」
まあいい。
オリオンさえ運べれば、ひょっとしたらSLSさえ不要となる。
が、しかし、有人宇宙船を月まで運べる有人ロケットは、今のところSLSしかないからな。
これが飛ばないことには、話が始まらない。
ネックとなっているらしい1段目のロケットエンジンとか、作るのかどうかさえ怪しい2段目の開発、オリオン機械船(欧州宇宙機関担当:ATVを改良)の開発の遅れなど、現在予定されている2021年の初飛行(EM-1)さえ危ぶまれる。
オリオン宇宙船と機械船って、合わせてどのくらいの重量になるんだろうか?。
(オリオン(宇宙船))
https://en.wikipedia.org/wiki/Orion_(spacecraft)
「・カプセル:10,387 kg(22,899ポンド)
・サービスモジュール:15,461 kg(34,086ポンド)
合計:25,848 kg(56,985ポンド)」
うーん、やっぱ、月軌道に効率的に送り込むには、ファルコンヘビーでも役不足ということになる。
こればっかりは、別々に送り込むわけにはいかないからな。
結局、SLSの有人対応(EM-2で使用)が飛ばないことには、どうしようもないということになる。
しかし、考えてみれば、月周回軌道に送り込むだけのために、本当にSLSが必要なんだろうか。
重量の問題を解決するための一つの方法としては、ISSを経由するというのが考えられる。
カプセルとサービスモジュール(機械船)を、とりあえずISSに係留する。
月までの勢いをつけるロケットは、別途打ち上げて、ISSで合体する(往路専用:ここんとこは、どうしても新規開発しなけりゃな)。
どーせ、2段目は新しくしないと、有人飛行に耐えられないからな。
有人部分をISSまで届けるためには、ファルコンヘビーは使えない。
有人対応のロケットじゃないし。
ファルコン9を使い捨てにして打ち上げるか、今年上がるかどうかも怪しいアトラスVの有人対応版を使って出来るかどうかは不明だ(ファルコン9だと、低軌道でも22.8トンで、少し足りない)。
それだけではない。
有人のオリオンを打ち上げる時には、アボートロケットを付けなければならないからな。
(オリオンCEVの一部)
http://www.astronautix.com/o/orionlas.html
「総質量:6,176 kg(13,615ポンド)」
で、浮沈子的には、宇宙飛行士には、クルードラゴンか何かで、別途ISSに行ってもらって、無人のオリオンと機械船をファルコンヘビーか何かで打ち上げて、先ほどの新規開発の月軌道専用ブースターとドッキングすれば、ISSなしでも、なんとか月軌道まで送り込めるような気がするんだがな。
こうして考えると、半世紀前のアポロ計画というのが、如何に無謀でチャレンジングだったかというのが分かる。
サターンVロケットを開発できたことが最大の収穫だったが、その技術はうち捨てられた。
ロッキードマーチンが、あの手この手を使ってやろうとしても、アトラスVじゃどうしようもない。
(アトラス V:形式)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%88%E3%83%A9%E3%82%B9_V#%E5%BD%A2%E5%BC%8F
打ち上げ実績がある551で18,814 kg、設定がある552でも20,520 kgしか上げられないからな。
確認しておこう。
ファルコンヘビーで、無人のオリオンと機械船をISSに運ぶ。
宇宙飛行士は、ISSでオリオンに乗り込む。
新規開発の月往路用ロケットを別途打ち上げて、軌道上でオリオンとドッキングする(宇宙空間だからな、オリオンの先端とドッキングして、逆さまに押して行ってもいい)。
月着陸船や、ミニマムゲートウェイは、事前に月軌道に放り込んでおく。
月軌道に着いたら、往路用ロケットは投棄してしまう(あとくされがないように、月面に落とすのがよろしい)。
で、オリオンは、予定通りゲートウェイに接続して、宇宙飛行士は月着陸船に乗り換えて、月面旅行を楽しんできてもらい、戻ってきたらオリオンで帰るという寸法だ。
月軌道を離脱して地球に戻るのは、機械船の推進力で十分だからな。
新規開発要素は、ミニマムゲートウェイ(電力・推進力モジュールとドッキングポート)、月往路用ロケット(SLSの2段目に相当)。
そして、もちろん月着陸船。
強度とかの問題があるので、オリオンの補強が必要かもしれない(頭からドッキングして押す場合)。
ファルコンヘビーを使うとして、空力とか、搭載方法については、検討及び開発の必要がある。
ファルコンは比較的細身のロケットだから、スターライナーみたいな空力対策用スカートを付けなければならなくなるかもしれない。
そもそも、強度的に、26トンもあるペイロードを付けられるかどうかも問題だ。
それら全てを検討し、必要な開発を行い、検証して実行することを考えたら、(札束で?)ボーイングの尻を叩いてSLSを早く作らせた方が手っ取り早い。
オリオンの全ての設計は、それを前提にしているからな。
ロッキードマーチンが出来ることは、SLSが出来上がった後の話しかないのだ。
捕らぬ狸の皮算用。
ペンスがほざいた張ったりは、まあ、もっともらしい裏付けがあったわけだが、SLSなしで月着陸を行うのは、やはり無理筋であることに変わりはない。
今回の話の中で確認できたのは、NASAの月着陸計画が、3段階で進められていたということだ。
(NASAは商用月着陸船の迅速な開発を望んでいる)
https://www.spaceflightinsider.com/organizations/nasa/nasa-wants-speedy-development-of-commercial-lunar-landers/
「このシステムは3つの部分から構成されています。降下ビークル、移動ビークル、そして上昇ステージです。」
トランスファービークル(移動ビークル)というのが目新しいが、テキトーな(限られた)所に降りるなら、いらないかもしれないな。
ロッキードマーチンの構想は、まさしくそこを突いている。
まあ、どうでもいいんですが。
とりあえず、行って帰ってくるだけなら、ゲートウェイの構成も最小限でいい。
月着陸船も、限られた場所への着陸だけなら、シンプルな構成で足りる。
5年足らずの間に実現しようと思ったら、そのくらいしかできないしな。
それにつけても、SLSが最大のネックになるだろう。
初飛行が2024年と言われても、浮沈子は驚かないけどな。
ISSを経由して宇宙飛行士を乗り込ませ、オリオン宇宙船と機械船を後ろ向きに押して、なんとかゲートウェイに辿り着かせる方法を考えないといけないかもしれない。
2030年代になって、ようやく本格的な月周回ステーションが出来上がるような気がする。
火星だってえ?。
開発が遅れるに決まっているにしても、スターシップの方が先に辿り着くような気がしてるんだがな・・・。
(ロッキードマーチンはオリオンベースの月着陸船概念を明らかにします:標題から自動翻訳のまま:以下同じ)
https://www.spaceflightinsider.com/organizations/lockheed-martin-organizations/lockheed-martin-unveils-orion-based-moon-lander-concept/
「ロッキード・マーチンは、2024年までにマイク・ペンス副大統領の月への帰還という課題を解決するために迅速に構築できる、人間が評価する月着陸船の設計を発表しました。」
ロッキードマーチンが月着陸船のコンセプトデザインをしている話は、このブログでも既に触れた。
(重箱の隅或いはロッキードマーチンの陰謀)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2018/10/07/8969901
「しかし、まあ、よくぞこれだけ宇宙開発にマイナーな国旗を集めてきたもんだと感心する。」
今回の発表では、米国の国旗だけが描かれている点に注意だな。
(月面に早く到達する)
https://www.lockheedmartin.com/en-us/capabilities/space/human-exploration.html?_ga=2.128042764.1285006037.1554950160-1673546146.1553009319
「我々は、月面に人間を着陸させるというNASAの目標を加速することを全面的に支持する。加速着陸スケジュールが何を必要とするかについて、我々は徹底的な研究を行ってきました。適切なレベルのコミットメント、緊急性およびリソースがあれば、2024年までに人間は水面を歩くことができます。」
着陸船の上部構造は、前回のイラストと似ているが、エンジンが付いているところはかなり簡略化されている(前回は、エレベーター付きだが、今回はタダの梯子とか)。
エンジンノズルの数は、前回が2つなのに対して、今回は4つ付いているが、ひょっとしたら単一エンジンで、ノズルだけが4つのタイプかも知れない。
まあ、あまり意味はないような気もするんだがな。
着陸船の設計は、オリオン宇宙船からの技術を活用するとしているんだが、重要な点は、ロッキードマーチンの野望はそれにとどまらないということだ。
「私たちのコンセプトはその推進モジュールとドッキングポートだけを使って初期のバージョンのゲートウェイを展開することです。」
「Orionの機能、システム、および技術へのNASAの投資を統合および活用することによって、NASAの月周回ゲートウェイの作成にも重要な役割を果たします。他の商用車や技術がゲートウェイをサポートする一方で、オリオンはゲートウェイの建設と建設の背後にある主力者となり、より短い期間でよりスリムなゲートウェイを可能にするでしょう。」
ゲートウェイまで、自前で作ってしまおうという意欲的な発想だな。
それだけでは済まない。
「火星への最初の惑星間航海のための私達の概念的なビジョンは火星ベースキャンプと呼ばれます。赤い惑星の周りを周回している間、火星基地キャンプは地球から離れた家、重要な科学を行うためのプラットホームとその3年の任務の間に表面にそして人間を送り返すための基地を宇宙飛行士に提供するでしょう。」
インサイトなどに搭載されている、円形に展開する太陽電池を付けた火星軌道ステーションが構想されている。
しかしだ。
ロッキードマーチンがどれだけ構想しようが、有人モジュールの設計に長けていようが、SLSが飛ばない限りは、手も足も出せない。
そして、そのSLSを握っているのはボーイングだからな。
ジタバタしても始まらないのだ。
しかし、少し古いが(1年以上前)、こんな記事が上がっていた。
(NASAはなぜSpaceXの低コストなロケットを使わずに「SLS」の独自開発に莫大な費用を投じるのか?)
https://gigazine.net/news/20180328-nasa-why-sls/
「2020年代に予定されている「月の向こう」へ人類を送り届ける探査計画では、まず月を周回する新たな宇宙ステーション「深宇宙探査ゲートウェイ」を建設して探査の拠点とすることが計画されていますが、その最初の段階として打ち上げられる電力・推進力モジュールは民間のロケットで打ち上げられる予定になっています。」
ドッキングポートは、それよりは軽いだろうから、オリオン宇宙船を除けば、民間ロケット(具体的にはファルコンヘビー)で打ち上げることは可能だ。
ロッキードマーチンの構想では、それだけあれば月着陸船を繋いで、さらにオリオンで運んだ宇宙飛行士を乗り移らせて、月面に降下させることが可能だ。
もちろん、帰り道は、再びミニマム版ゲートウェイを経由して、オリオンに乗り換えて帰還する。
「居住モジュールなどのメインコンポーネントも、基本的にはFalcon Heavyロケットを中心とする民間ロケットの輸送能力に合わせて設計が進められているとのこと。」
元記事を見ると、そうでもない感じだけどな。
(米航空宇宙局(NASA)のチーフが機関がファルコンヘビーロケットを大量に購入しない理由を説明)
https://arstechnica.com/science/2018/03/nasa-chief-explains-why-agency-wont-buy-a-bunch-of-falcon-heavy-rockets/
「少なくとも理論的には、これらはFalcon Heavyや他の計画されている市販のロケットの質量とサイズの制限内に収まるように設計することができます。」
まあいい。
オリオンさえ運べれば、ひょっとしたらSLSさえ不要となる。
が、しかし、有人宇宙船を月まで運べる有人ロケットは、今のところSLSしかないからな。
これが飛ばないことには、話が始まらない。
ネックとなっているらしい1段目のロケットエンジンとか、作るのかどうかさえ怪しい2段目の開発、オリオン機械船(欧州宇宙機関担当:ATVを改良)の開発の遅れなど、現在予定されている2021年の初飛行(EM-1)さえ危ぶまれる。
オリオン宇宙船と機械船って、合わせてどのくらいの重量になるんだろうか?。
(オリオン(宇宙船))
https://en.wikipedia.org/wiki/Orion_(spacecraft)
「・カプセル:10,387 kg(22,899ポンド)
・サービスモジュール:15,461 kg(34,086ポンド)
合計:25,848 kg(56,985ポンド)」
うーん、やっぱ、月軌道に効率的に送り込むには、ファルコンヘビーでも役不足ということになる。
こればっかりは、別々に送り込むわけにはいかないからな。
結局、SLSの有人対応(EM-2で使用)が飛ばないことには、どうしようもないということになる。
しかし、考えてみれば、月周回軌道に送り込むだけのために、本当にSLSが必要なんだろうか。
重量の問題を解決するための一つの方法としては、ISSを経由するというのが考えられる。
カプセルとサービスモジュール(機械船)を、とりあえずISSに係留する。
月までの勢いをつけるロケットは、別途打ち上げて、ISSで合体する(往路専用:ここんとこは、どうしても新規開発しなけりゃな)。
どーせ、2段目は新しくしないと、有人飛行に耐えられないからな。
有人部分をISSまで届けるためには、ファルコンヘビーは使えない。
有人対応のロケットじゃないし。
ファルコン9を使い捨てにして打ち上げるか、今年上がるかどうかも怪しいアトラスVの有人対応版を使って出来るかどうかは不明だ(ファルコン9だと、低軌道でも22.8トンで、少し足りない)。
それだけではない。
有人のオリオンを打ち上げる時には、アボートロケットを付けなければならないからな。
(オリオンCEVの一部)
http://www.astronautix.com/o/orionlas.html
「総質量:6,176 kg(13,615ポンド)」
で、浮沈子的には、宇宙飛行士には、クルードラゴンか何かで、別途ISSに行ってもらって、無人のオリオンと機械船をファルコンヘビーか何かで打ち上げて、先ほどの新規開発の月軌道専用ブースターとドッキングすれば、ISSなしでも、なんとか月軌道まで送り込めるような気がするんだがな。
こうして考えると、半世紀前のアポロ計画というのが、如何に無謀でチャレンジングだったかというのが分かる。
サターンVロケットを開発できたことが最大の収穫だったが、その技術はうち捨てられた。
ロッキードマーチンが、あの手この手を使ってやろうとしても、アトラスVじゃどうしようもない。
(アトラス V:形式)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%88%E3%83%A9%E3%82%B9_V#%E5%BD%A2%E5%BC%8F
打ち上げ実績がある551で18,814 kg、設定がある552でも20,520 kgしか上げられないからな。
確認しておこう。
ファルコンヘビーで、無人のオリオンと機械船をISSに運ぶ。
宇宙飛行士は、ISSでオリオンに乗り込む。
新規開発の月往路用ロケットを別途打ち上げて、軌道上でオリオンとドッキングする(宇宙空間だからな、オリオンの先端とドッキングして、逆さまに押して行ってもいい)。
月着陸船や、ミニマムゲートウェイは、事前に月軌道に放り込んでおく。
月軌道に着いたら、往路用ロケットは投棄してしまう(あとくされがないように、月面に落とすのがよろしい)。
で、オリオンは、予定通りゲートウェイに接続して、宇宙飛行士は月着陸船に乗り換えて、月面旅行を楽しんできてもらい、戻ってきたらオリオンで帰るという寸法だ。
月軌道を離脱して地球に戻るのは、機械船の推進力で十分だからな。
新規開発要素は、ミニマムゲートウェイ(電力・推進力モジュールとドッキングポート)、月往路用ロケット(SLSの2段目に相当)。
そして、もちろん月着陸船。
強度とかの問題があるので、オリオンの補強が必要かもしれない(頭からドッキングして押す場合)。
ファルコンヘビーを使うとして、空力とか、搭載方法については、検討及び開発の必要がある。
ファルコンは比較的細身のロケットだから、スターライナーみたいな空力対策用スカートを付けなければならなくなるかもしれない。
そもそも、強度的に、26トンもあるペイロードを付けられるかどうかも問題だ。
それら全てを検討し、必要な開発を行い、検証して実行することを考えたら、(札束で?)ボーイングの尻を叩いてSLSを早く作らせた方が手っ取り早い。
オリオンの全ての設計は、それを前提にしているからな。
ロッキードマーチンが出来ることは、SLSが出来上がった後の話しかないのだ。
捕らぬ狸の皮算用。
ペンスがほざいた張ったりは、まあ、もっともらしい裏付けがあったわけだが、SLSなしで月着陸を行うのは、やはり無理筋であることに変わりはない。
今回の話の中で確認できたのは、NASAの月着陸計画が、3段階で進められていたということだ。
(NASAは商用月着陸船の迅速な開発を望んでいる)
https://www.spaceflightinsider.com/organizations/nasa/nasa-wants-speedy-development-of-commercial-lunar-landers/
「このシステムは3つの部分から構成されています。降下ビークル、移動ビークル、そして上昇ステージです。」
トランスファービークル(移動ビークル)というのが目新しいが、テキトーな(限られた)所に降りるなら、いらないかもしれないな。
ロッキードマーチンの構想は、まさしくそこを突いている。
まあ、どうでもいいんですが。
とりあえず、行って帰ってくるだけなら、ゲートウェイの構成も最小限でいい。
月着陸船も、限られた場所への着陸だけなら、シンプルな構成で足りる。
5年足らずの間に実現しようと思ったら、そのくらいしかできないしな。
それにつけても、SLSが最大のネックになるだろう。
初飛行が2024年と言われても、浮沈子は驚かないけどな。
ISSを経由して宇宙飛行士を乗り込ませ、オリオン宇宙船と機械船を後ろ向きに押して、なんとかゲートウェイに辿り着かせる方法を考えないといけないかもしれない。
2030年代になって、ようやく本格的な月周回ステーションが出来上がるような気がする。
火星だってえ?。
開発が遅れるに決まっているにしても、スターシップの方が先に辿り着くような気がしてるんだがな・・・。
センターコアも回収成功で商売繁盛 ― 2019年04月12日 10:28
センターコアも回収成功で商売繁盛
ほぼ生放送で、ファルコンヘビーの2度目の打ち上げ中継を見ていた。
期待していたトラブルは全くなく、絵に描いたような打ち上げは終わった。
(ファルコン・ヘビー、初の商業打ち上げに成功 アラブサット6A打ち上げ)
https://sorae.info/030201/2019_04_12_fh.html
「ロケットの打ち上げと人工衛星の投入、ブースターの着陸はすべて成功しています。」
6トン級の衛星をGTOにぶち込んで、1段目を完全再使用できれば、商売的にはウハウハだろう。
使い捨てでも100億円くらいだろうから、少なくとも50億円以下で商売可能ということになる。
特に、金が掛かっているセンターコアの回収に成功した意義は大きい。
今回は、初のブロック5ということもあり、今回使われたセンターコア(B1055)については、ばらして徹底的に検査されるかもしれない(運んでくる途中で、嵐で倒れちゃったみたいです)。
(あなたのためのブースターはありません!荒海でファルコンヘビーコアステージが転倒:追加:標題から自動翻訳のまま:以下同じ)
https://www.spaceflightinsider.com/organizations/space-exploration-technologies/no-booster-for-you-falcon-heavy-core-stage-topples-over-in-rough-seas/
「Arabsat-6A Falcon Heavy Core(B1055.1)は失われたかもしれませんが、STP-2 Falcon Heavyの構成の一部になる予定はありませんでした。」
サイドブースター(B1052、B1053)は、次回の空軍の打ち上げの際に再使用されることが決まっているが、センターコア(B1057)は新品だからな。
ファルコンシリーズの1段目は、センターコアであろうが単体であろうが、サイドブースターであろうが、ブロック番号は通しで管理しているようだ。
ちなみに、上記の間を埋めるB1054は空軍のGPS衛星打ち上げの際に使い捨てにされ、B1056は今月下旬のISS貨物輸送に使われ再使用される予定になっている。
まあ、どうでもいいんですが。
ブロック5では、過去に2回、7トンクラスのテルスターの衛星をファルコン9で打ち上げて、1段目を回収している。
この時は、GTOといっても中途半端な軌道に上げて、あとは衛星の燃料を使って徐々に高度を高めていくという手法がとられた。
(スペースXはなぜ史上最も重い衛星をわざと低い軌道に打ち上げたのか? その戦略と衛星会社の目論見)
https://hbol.jp/171434
「スペースXがこんな変則的なことをしてまで機体を回収したい理由は、それがコストダウンにつながるからという一言に尽きる。」
記事の中では、低軌道に打ち上げるために、値引きをしたとかしなかったとか・・・。
今回は、フルGTOで1段目をすべて回収できているので、商売的には万々歳だ。
中継では、センターコアがドローン船に降り立った映像が流れた途端、オーディエンスの割れんばかりの歓声が上がったが、もちろん、これでボーナスアップが確実になったからに決まっている(そうなのかあ?)。
まあいい。
今回の画面に表示されている2段目の速度を見ると、最高で時速3万6千kmを超えている。
秒速10km以上となり、衛星打ち上げでこんなに速かったのは記憶にない。
アラブサット的には、衛星側の負担が少ないに違いない。
逆に、割増料金が取れる可能性もあるしな。
商売商売・・・。
(Arabsat-6A Mission:動画出ます。)
https://www.youtube.com/watch?v=TXMGu2d8c8g
様々な意味で、今回のブロック5版ファルコンヘビーの商業打ち上げ完全成功は、これからの衛星打ち上げビジネスのルールを変える画期的な出来事となった。
最早、再使用ロケットなしには、衛星打ち上げビジネスに参入することさえ困難になるかも知れない。
或いは、スペースXが取りこぼした落穂を拾っていくしかなくなる(そうなのかあ?)。
少なくとも、静止軌道や多数の衛星を纏めて打ち上げる場合などでは、アットーテキな競争力を得ることになるからな。
ゲームチェンジャーなわけだ。
その市場で稼ぎまくった金で、S社は自ら更なるイノベーションを起こそうとしている。
スターシップとスーパーヘビーで、大陸間超高速輸送に乗り出そうとしている。
世界の長距離輸送を根底から覆す構想だが、まあ、今のところは構想に過ぎない。
そっちの方に憑りつかれてしまって、クルードラゴンの再使用とかは放棄しちまったからな。
やれやれ・・・。
衛星打ち上げビジネスの覇権を握ったS社が、その世界で次に目指すのはスターリンクだ。
低価格高頻度の打ち上げ手段を自ら獲得し、過去のビジネスモデルに囚われない、事業展開のスピードで勝負する方策を採れるようになった。
衛星の性能とかも、必ずしも最先端の仕様である必要はない。
短期間で入れ替える形を採れれば、低価格の枯れた技術でとりあえず展開して市場を席巻し、競合他社を排除してから、その間に開発された新しい技術に基づく衛星群を、短期間で展開して入れ替えることが出来るからな。
初期展開した衛星群は、バックアップとしても使える。
肝となるのは、受信側のデバイスで共用できることだろうが、その辺はソフトウェアのアップグレードで対応できるようにしておけばいい(そう上手くいくのかあ?)。
今回の打ち上げ成功(特に、初回に失敗したセンターコアの回収を含めた完全成功)は、将来のビジネス展開にも繋がるという点で、単なるコスト削減効果だけの話ではない。
その仕組みがなければ実現できない、戦略的な意味があるわけだな。
商売益々繁盛で、結構な話だな・・・。
ほぼ生放送で、ファルコンヘビーの2度目の打ち上げ中継を見ていた。
期待していたトラブルは全くなく、絵に描いたような打ち上げは終わった。
(ファルコン・ヘビー、初の商業打ち上げに成功 アラブサット6A打ち上げ)
https://sorae.info/030201/2019_04_12_fh.html
「ロケットの打ち上げと人工衛星の投入、ブースターの着陸はすべて成功しています。」
6トン級の衛星をGTOにぶち込んで、1段目を完全再使用できれば、商売的にはウハウハだろう。
使い捨てでも100億円くらいだろうから、少なくとも50億円以下で商売可能ということになる。
特に、金が掛かっているセンターコアの回収に成功した意義は大きい。
今回は、初のブロック5ということもあり、今回使われたセンターコア(B1055)については、ばらして徹底的に検査されるかもしれない(運んでくる途中で、嵐で倒れちゃったみたいです)。
(あなたのためのブースターはありません!荒海でファルコンヘビーコアステージが転倒:追加:標題から自動翻訳のまま:以下同じ)
https://www.spaceflightinsider.com/organizations/space-exploration-technologies/no-booster-for-you-falcon-heavy-core-stage-topples-over-in-rough-seas/
「Arabsat-6A Falcon Heavy Core(B1055.1)は失われたかもしれませんが、STP-2 Falcon Heavyの構成の一部になる予定はありませんでした。」
サイドブースター(B1052、B1053)は、次回の空軍の打ち上げの際に再使用されることが決まっているが、センターコア(B1057)は新品だからな。
ファルコンシリーズの1段目は、センターコアであろうが単体であろうが、サイドブースターであろうが、ブロック番号は通しで管理しているようだ。
ちなみに、上記の間を埋めるB1054は空軍のGPS衛星打ち上げの際に使い捨てにされ、B1056は今月下旬のISS貨物輸送に使われ再使用される予定になっている。
まあ、どうでもいいんですが。
ブロック5では、過去に2回、7トンクラスのテルスターの衛星をファルコン9で打ち上げて、1段目を回収している。
この時は、GTOといっても中途半端な軌道に上げて、あとは衛星の燃料を使って徐々に高度を高めていくという手法がとられた。
(スペースXはなぜ史上最も重い衛星をわざと低い軌道に打ち上げたのか? その戦略と衛星会社の目論見)
https://hbol.jp/171434
「スペースXがこんな変則的なことをしてまで機体を回収したい理由は、それがコストダウンにつながるからという一言に尽きる。」
記事の中では、低軌道に打ち上げるために、値引きをしたとかしなかったとか・・・。
今回は、フルGTOで1段目をすべて回収できているので、商売的には万々歳だ。
中継では、センターコアがドローン船に降り立った映像が流れた途端、オーディエンスの割れんばかりの歓声が上がったが、もちろん、これでボーナスアップが確実になったからに決まっている(そうなのかあ?)。
まあいい。
今回の画面に表示されている2段目の速度を見ると、最高で時速3万6千kmを超えている。
秒速10km以上となり、衛星打ち上げでこんなに速かったのは記憶にない。
アラブサット的には、衛星側の負担が少ないに違いない。
逆に、割増料金が取れる可能性もあるしな。
商売商売・・・。
(Arabsat-6A Mission:動画出ます。)
https://www.youtube.com/watch?v=TXMGu2d8c8g
様々な意味で、今回のブロック5版ファルコンヘビーの商業打ち上げ完全成功は、これからの衛星打ち上げビジネスのルールを変える画期的な出来事となった。
最早、再使用ロケットなしには、衛星打ち上げビジネスに参入することさえ困難になるかも知れない。
或いは、スペースXが取りこぼした落穂を拾っていくしかなくなる(そうなのかあ?)。
少なくとも、静止軌道や多数の衛星を纏めて打ち上げる場合などでは、アットーテキな競争力を得ることになるからな。
ゲームチェンジャーなわけだ。
その市場で稼ぎまくった金で、S社は自ら更なるイノベーションを起こそうとしている。
スターシップとスーパーヘビーで、大陸間超高速輸送に乗り出そうとしている。
世界の長距離輸送を根底から覆す構想だが、まあ、今のところは構想に過ぎない。
そっちの方に憑りつかれてしまって、クルードラゴンの再使用とかは放棄しちまったからな。
やれやれ・・・。
衛星打ち上げビジネスの覇権を握ったS社が、その世界で次に目指すのはスターリンクだ。
低価格高頻度の打ち上げ手段を自ら獲得し、過去のビジネスモデルに囚われない、事業展開のスピードで勝負する方策を採れるようになった。
衛星の性能とかも、必ずしも最先端の仕様である必要はない。
短期間で入れ替える形を採れれば、低価格の枯れた技術でとりあえず展開して市場を席巻し、競合他社を排除してから、その間に開発された新しい技術に基づく衛星群を、短期間で展開して入れ替えることが出来るからな。
初期展開した衛星群は、バックアップとしても使える。
肝となるのは、受信側のデバイスで共用できることだろうが、その辺はソフトウェアのアップグレードで対応できるようにしておけばいい(そう上手くいくのかあ?)。
今回の打ち上げ成功(特に、初回に失敗したセンターコアの回収を含めた完全成功)は、将来のビジネス展開にも繋がるという点で、単なるコスト削減効果だけの話ではない。
その仕組みがなければ実現できない、戦略的な意味があるわけだな。
商売益々繁盛で、結構な話だな・・・。
意味深な発言とエアバスの未来 ― 2019年04月12日 12:47
意味深な発言とエアバスの未来
(【電子版】エアバスCEO、「A320neo」は737MAXと構造異なる 早期解決望む)
https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00513137
「安全については(ボーイングと)決して競争しない。教訓は得ても、競わない」
まあ、退任する身だからな。
穏便な発言を心がけているところは紳士的だ。
敵失に乗じるような真似は慎む・・・。
一方で、新任のCEOの方は言うことはキッチリ言っている。
「737MAXの構造がエアバスの「A320neo」とは異なると述べた」
素性の悪い特性をソフトウェアで誤魔化したりはしないということだな(そうなのかあ?)。
その一方で、意味深な発言もしている。
「われわれ独自の安全への取り組みを、引き続き真剣に検討していく」
トラブルがあれば、ソフトウェアによる操縦への介入をキャンセルし、パイロットに全てを委ねるボーイングの対応に対して、エアバスは基本的に自動操縦を優先し、パイロットのオーバーライドを認めない方向だ。
設計思想の違いがはっきりと表れるところだな。
人間という不確定要素をどこまで信じるのか。
737MAXの開発当初、B社は営業上の判断から、従来機種との違いをことさらに隠蔽し、航空会社やパイロットを欺いてきた(そうなのかあ?)。
移行訓練(機種転換訓練)のコストを削減できるとウソをついてな。
生煮えのソフトで、燃費改良のために換装したエンジン搭載による機体特性の変化を誤魔化そうとして失敗した。
(ボーイング墜落事故で注目のセンサー、故障しやすい-データが示す)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-04-11/PPSH5E6S972B01
「1990年代前半以降、飛行中に鳥がぶつかったり地上で搭乗橋などに接触したりといった理由で損傷したセンサーは米航空機だけで少なくとも140例に上る。」
「米国、カナダ、欧州の少なくとも計25例では、センサー損傷でパイロットが警告を受けたり、緊急事態の対応を強いられたりした。」
737MAXでは、2つあるセンサーの値が異なる時、単純に高い迎え角を示した方の値を採ることにしていたそうだ。
高迎え角による失速防止という観点からは一見合理的に見えるこの選択が、そっちのセンサーの故障を前提としていなかったことは明らかだな。
しかも、MCASと呼ばれる失速防止システムが組み込まれていたこと、それを解除する正しい手順(急降下時に解除されても、手動では立て直しが出来ないらしい)が意図的に隠蔽されていたことが事故につながっている。
エアバスの記事には、こんな発言もある。
「エアバス機であれ他社の航空機であれ、われわれはどんな教訓でも得ている。これは安全記録の改善継続に必要だ」
エアバスは、自動操縦絡みのトラブルを頻発していたからな。
最近はあまり聞かなくなった(浮沈子が知らないだけかも)。
慣れない自動操縦システムを導入して失敗したB社への皮肉ともとれるが、文字通りの謙虚な態度ということにしておこうか。
厳しい訓練を受け、適正判定され、下積みで経験を積んだベテランパイロットは、人間による判断、人間による操縦を貴ぶ傾向があるようだが、現代の複雑極まる航空機を、全て人間の操作に依って飛ばすことは困難になってきつつある。
おさるの電車並みに、座ってるだけでいいようにするには、まだまだ時間が掛かるだろうが、メーカーにはパイロットの負担軽減という名目で、不確定要素が多い人間の介入(ふつーの操縦)を可能な限り排除しようという方向性があるのではないか。
アポロ計画の時、月着陸船の操縦を、マニュアルでやりたがった宇宙飛行士の話もあるしな(シミュレーターで、軒並み墜落したそうです)。
テクノロジーの時代区分というのがあるとすれば、現代は全自動と全手動の中間の時代になるだろうが、さらに細分化すれば、運転補助とか操縦補助ではなく、自動化の要素なくしては、運転や操縦そのものが成立しない段階になってきているといえよう。
高機能化、高性能化、大型化、コスト削減を追求し、簡単、便利、楽ちんに流れれば、必然的にそうなる。
その方向性は、当分変わることはないだろう。
ボーイングだって、舌噛んでもMCASを全面的に廃止するとは言えないからな(そんなことしたら、エアバスが指摘する通り、失速しやすい「構造」の飛行機になるだけだ)。
最後はパイロットに投げ出すとしても、そのために必要な情報は開示し、ちゃんとした評価を受け、必要な訓練も施したうえでの話だ。
そんなこともしないで、悪魔のMCASの介入を受け続けたパイロットは悲劇だ。
乗客は、もっと悲劇だけどな・・・。
浮沈子は、それよりもエアバスの未来が気になる。
パイロットを電車に乗ったサルと看做して、自動化を推し進める中で次のフェーズに入ればどういうことになるのか。
つまり、通常は全自動で操縦されているんだが、何かの時に(それがどんな時かが問題なんですが)人間が何をすべきかを判断できない状況だ。
もちろん、そんな時のために、リモートで運転なり操縦を支援しようという仕組みが考えられている。
しかし、それは通信が繋がっていることが前提だし、そもそも支援する方だって、何をどうしていいか分からなくなってしまっているに決まってる(そんなあ!)。
搭載されたAIに頼り切ってしまえば、その故障や意図しない誤りに対処することがは不可能だ。
もはや、それを開発するのが人間なのかAIなのかは問題ではなく、どういう思考経路をたどってそうなるのかも検証できない。
結果が全てであり、人間はそれを受け入れることしかできなくなる。
ロジックの終焉と、新たなテクノロジーの時代だな。
保険会社は悩むことになるだろうな。
どっちが被害者か加害者かも、分からなくなるだろうからな。
それを判定するのもまた、AIのお仕事になる。
どこかで、人間のモラルを反映する仕組みを取り入れないと、訳の分からない結論を受け入れざるを得なくなるかもしれない。
飛行機事故が起こったのは、乗客が搭乗したのが悪いとかな(確かに、究極の原因には違いないんだがな)。
しかも、そのワケワカの結論が正しいかどうかは、人間には判定できないということになっているに違いないからな。
風が吹けば桶屋が「損する」と言われても、はあ、そうですかと、受け入れざるを得ない。
ボーイングの操縦装置は昔ながらの操縦桿で、エアバスのそれはサイドスティックであるというのは知られた話だ(画像はA380neoのコックピット)。
パイロットに、自分が動かしているのが何なのかを思い起こさせるという意味では、操縦桿の方が直感的でいいのかもしれないが、現代のパイロットは生まれた時からスマホ弄って育ってるからな。
きっと、次世代のエアバス機の操縦は、スマホタイプになるかもな。
で、ボーイングはちょっと遅れてアイパッドとかな(737MAXの機種転換訓練はアイパッドで1~2時間だったそうだし)。
まあ、どうでもいいんですが。
完全自動運転と運転補助機能満載の時代に生きる浮沈子。
ああ、こういうブログも全自動で書いてくれると助かるんだがな・・・。
(【電子版】エアバスCEO、「A320neo」は737MAXと構造異なる 早期解決望む)
https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00513137
「安全については(ボーイングと)決して競争しない。教訓は得ても、競わない」
まあ、退任する身だからな。
穏便な発言を心がけているところは紳士的だ。
敵失に乗じるような真似は慎む・・・。
一方で、新任のCEOの方は言うことはキッチリ言っている。
「737MAXの構造がエアバスの「A320neo」とは異なると述べた」
素性の悪い特性をソフトウェアで誤魔化したりはしないということだな(そうなのかあ?)。
その一方で、意味深な発言もしている。
「われわれ独自の安全への取り組みを、引き続き真剣に検討していく」
トラブルがあれば、ソフトウェアによる操縦への介入をキャンセルし、パイロットに全てを委ねるボーイングの対応に対して、エアバスは基本的に自動操縦を優先し、パイロットのオーバーライドを認めない方向だ。
設計思想の違いがはっきりと表れるところだな。
人間という不確定要素をどこまで信じるのか。
737MAXの開発当初、B社は営業上の判断から、従来機種との違いをことさらに隠蔽し、航空会社やパイロットを欺いてきた(そうなのかあ?)。
移行訓練(機種転換訓練)のコストを削減できるとウソをついてな。
生煮えのソフトで、燃費改良のために換装したエンジン搭載による機体特性の変化を誤魔化そうとして失敗した。
(ボーイング墜落事故で注目のセンサー、故障しやすい-データが示す)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-04-11/PPSH5E6S972B01
「1990年代前半以降、飛行中に鳥がぶつかったり地上で搭乗橋などに接触したりといった理由で損傷したセンサーは米航空機だけで少なくとも140例に上る。」
「米国、カナダ、欧州の少なくとも計25例では、センサー損傷でパイロットが警告を受けたり、緊急事態の対応を強いられたりした。」
737MAXでは、2つあるセンサーの値が異なる時、単純に高い迎え角を示した方の値を採ることにしていたそうだ。
高迎え角による失速防止という観点からは一見合理的に見えるこの選択が、そっちのセンサーの故障を前提としていなかったことは明らかだな。
しかも、MCASと呼ばれる失速防止システムが組み込まれていたこと、それを解除する正しい手順(急降下時に解除されても、手動では立て直しが出来ないらしい)が意図的に隠蔽されていたことが事故につながっている。
エアバスの記事には、こんな発言もある。
「エアバス機であれ他社の航空機であれ、われわれはどんな教訓でも得ている。これは安全記録の改善継続に必要だ」
エアバスは、自動操縦絡みのトラブルを頻発していたからな。
最近はあまり聞かなくなった(浮沈子が知らないだけかも)。
慣れない自動操縦システムを導入して失敗したB社への皮肉ともとれるが、文字通りの謙虚な態度ということにしておこうか。
厳しい訓練を受け、適正判定され、下積みで経験を積んだベテランパイロットは、人間による判断、人間による操縦を貴ぶ傾向があるようだが、現代の複雑極まる航空機を、全て人間の操作に依って飛ばすことは困難になってきつつある。
おさるの電車並みに、座ってるだけでいいようにするには、まだまだ時間が掛かるだろうが、メーカーにはパイロットの負担軽減という名目で、不確定要素が多い人間の介入(ふつーの操縦)を可能な限り排除しようという方向性があるのではないか。
アポロ計画の時、月着陸船の操縦を、マニュアルでやりたがった宇宙飛行士の話もあるしな(シミュレーターで、軒並み墜落したそうです)。
テクノロジーの時代区分というのがあるとすれば、現代は全自動と全手動の中間の時代になるだろうが、さらに細分化すれば、運転補助とか操縦補助ではなく、自動化の要素なくしては、運転や操縦そのものが成立しない段階になってきているといえよう。
高機能化、高性能化、大型化、コスト削減を追求し、簡単、便利、楽ちんに流れれば、必然的にそうなる。
その方向性は、当分変わることはないだろう。
ボーイングだって、舌噛んでもMCASを全面的に廃止するとは言えないからな(そんなことしたら、エアバスが指摘する通り、失速しやすい「構造」の飛行機になるだけだ)。
最後はパイロットに投げ出すとしても、そのために必要な情報は開示し、ちゃんとした評価を受け、必要な訓練も施したうえでの話だ。
そんなこともしないで、悪魔のMCASの介入を受け続けたパイロットは悲劇だ。
乗客は、もっと悲劇だけどな・・・。
浮沈子は、それよりもエアバスの未来が気になる。
パイロットを電車に乗ったサルと看做して、自動化を推し進める中で次のフェーズに入ればどういうことになるのか。
つまり、通常は全自動で操縦されているんだが、何かの時に(それがどんな時かが問題なんですが)人間が何をすべきかを判断できない状況だ。
もちろん、そんな時のために、リモートで運転なり操縦を支援しようという仕組みが考えられている。
しかし、それは通信が繋がっていることが前提だし、そもそも支援する方だって、何をどうしていいか分からなくなってしまっているに決まってる(そんなあ!)。
搭載されたAIに頼り切ってしまえば、その故障や意図しない誤りに対処することがは不可能だ。
もはや、それを開発するのが人間なのかAIなのかは問題ではなく、どういう思考経路をたどってそうなるのかも検証できない。
結果が全てであり、人間はそれを受け入れることしかできなくなる。
ロジックの終焉と、新たなテクノロジーの時代だな。
保険会社は悩むことになるだろうな。
どっちが被害者か加害者かも、分からなくなるだろうからな。
それを判定するのもまた、AIのお仕事になる。
どこかで、人間のモラルを反映する仕組みを取り入れないと、訳の分からない結論を受け入れざるを得なくなるかもしれない。
飛行機事故が起こったのは、乗客が搭乗したのが悪いとかな(確かに、究極の原因には違いないんだがな)。
しかも、そのワケワカの結論が正しいかどうかは、人間には判定できないということになっているに違いないからな。
風が吹けば桶屋が「損する」と言われても、はあ、そうですかと、受け入れざるを得ない。
ボーイングの操縦装置は昔ながらの操縦桿で、エアバスのそれはサイドスティックであるというのは知られた話だ(画像はA380neoのコックピット)。
パイロットに、自分が動かしているのが何なのかを思い起こさせるという意味では、操縦桿の方が直感的でいいのかもしれないが、現代のパイロットは生まれた時からスマホ弄って育ってるからな。
きっと、次世代のエアバス機の操縦は、スマホタイプになるかもな。
で、ボーイングはちょっと遅れてアイパッドとかな(737MAXの機種転換訓練はアイパッドで1~2時間だったそうだし)。
まあ、どうでもいいんですが。
完全自動運転と運転補助機能満載の時代に生きる浮沈子。
ああ、こういうブログも全自動で書いてくれると助かるんだがな・・・。
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