今期の風疹は終息しつつあるのか ― 2019年06月26日 16:06
今期の風疹は終息しつつあるのか
全国の風疹週別新規感染者は減少しつつも下げ止まっているような感じだ。
(2. 週別⾵しん報告数 2019年 第1〜24週 (n=1793))
https://www.niid.go.jp/niid//images/idsc/disease/rubella/2019pdf/rube19-24.pdf
24週までの推移を見る限り、徐々に減少しつつも終息には至らず、ロングテイルを引きずる感じに見える。
しかし、主な感染地(ほぼ全国の半数を占める)である東京都をみると、いささか異なる状況であることが分かる。
(受理週別報告数推移(2019年))
http://idsc.tokyo-eiken.go.jp/diseases/rubella/rubella/
なんと、多少の増減はあるものの、週当たり30人弱のベースラインを年初以来維持し続けている(画像参照)。
つまり、減少傾向を示しているのは東京都以外であって、流行の中心地ではないのだ。
うーん・・・。
まあ、ある程度の規模に広がった流行は、終息までに時間が掛かるというのは分かる。
最近の風疹の流行は、過去の知見では推し量ることが出来ない。
春先から初夏にかけて、子供中心に5年毎に流行を繰り返していたのは大昔のこととなった。
今どきの風疹は、中年オヤジの病気で、先天性風疹症候群(CRS)が恐ろしいといわれている。
もちろん、過去にだってCRSはあったし、症例数も桁違いに多かったわけで、今更の話ではない。
我が国は撲滅にこそ至っていないが、その症例数は激減している。
今期(昨年8月以来の流行期)、CRSは既に3例が報告されている。
昨年行われた講習会に参加して、胎内感染したお子さんを産み、後に亡くされたお母さんの話も直接聞いた。
自分がワクチンさえ射っておけば、と後悔されていたが、事実はビミョーに異なるようだ。
つまり、母親から胎児への垂直感染はワクチンでは防げない。
ワクチンで防ぐことが出来るのは、母親自身の発症だけ。
残念ながら発症に至る前の感染レベルで、胎児に胎盤を介して感染しCRSになってしまう。
もちろん、ワクチンが垂直感染に対して、効果がないかどうかは分からない。
少なくとも母親自身が発症して、周りにウイルスを撒き散らさない効果はあるわけで、全く無意味というわけではないが、妊娠前のワクチン接種がCRSの特効薬のような考え方は改めるべきだろう。
CRSの発症を避けるには、妊娠しないこと(少なくとも、風疹の流行期に)、妊娠直後(特に、妊娠初期)は外部との接触を完全に断つことしかないが、家族から完全隔離することは事実上不可能だろうから(それができれば、そもそも妊娠しない?)、効果的な方法とは言えない。
現在の周産期における検査体制は、妊婦に対する抗体検査だが、結果が出るころには、胎児は既にCRSに罹患しているタイミングで行われている。
つまり、堕胎を促す効果しかない(かつての我が国では、流行期には数多くの堕胎が行われていたと思われる)。
悲惨だな・・・。
抗体価が高いからといって安心できないのは、既述のとおり。
風疹に感染しないための決定的な方法は、妊婦の隔離ではなく、この世の中から風疹をなくす以外にはない。
で、流行の中心のオヤジ世代へのワクチン接種が行われ始めた。
ワクチン自体の大増産を行うことなく、効率的に接種を促進するというさもしい発想で、段階的に導入されているらしいが、一時的な対応にどれだけの効果があるかどうかは不明だ。
あくまでも、希望者のみだからな。
本人に対するメリットは、おそらくほとんどない。
風疹自体は、大した病気じゃないからな。
ここが難しいところだ・・・。
赤の他人のために、自分の時間と手間をどれだけかけることが出来るか。
民度が問われるところだが、それに対する報酬は全くない。
悉皆でワクチン接種を義務付ける発想はない。
現在は、2種(麻疹・風疹)混合ワクチンが新生児に接種されているので、数十年経てば風疹に罹患する確率はゼロに近くなるだろうが、それまでをどう凌ぐかというのが問題なわけだ。
現世利益を追求するなら、出すもの(報奨金とかあ?)出すか、接種を義務付けるかしないとな。
まあいい。
全国的にはともかく、浮沈子が棲息する東京都では風疹は現在進行中のホットな感染症だ。
無料ワクチン接種の対象年齢外で、抗体価も十分(32倍以上:昨年、自腹で検査済み)あるということで、浮沈子にとっては他人事だけどな。
そう割り切って考えることもできまい・・・。
全国の風疹週別新規感染者は減少しつつも下げ止まっているような感じだ。
(2. 週別⾵しん報告数 2019年 第1〜24週 (n=1793))
https://www.niid.go.jp/niid//images/idsc/disease/rubella/2019pdf/rube19-24.pdf
24週までの推移を見る限り、徐々に減少しつつも終息には至らず、ロングテイルを引きずる感じに見える。
しかし、主な感染地(ほぼ全国の半数を占める)である東京都をみると、いささか異なる状況であることが分かる。
(受理週別報告数推移(2019年))
http://idsc.tokyo-eiken.go.jp/diseases/rubella/rubella/
なんと、多少の増減はあるものの、週当たり30人弱のベースラインを年初以来維持し続けている(画像参照)。
つまり、減少傾向を示しているのは東京都以外であって、流行の中心地ではないのだ。
うーん・・・。
まあ、ある程度の規模に広がった流行は、終息までに時間が掛かるというのは分かる。
最近の風疹の流行は、過去の知見では推し量ることが出来ない。
春先から初夏にかけて、子供中心に5年毎に流行を繰り返していたのは大昔のこととなった。
今どきの風疹は、中年オヤジの病気で、先天性風疹症候群(CRS)が恐ろしいといわれている。
もちろん、過去にだってCRSはあったし、症例数も桁違いに多かったわけで、今更の話ではない。
我が国は撲滅にこそ至っていないが、その症例数は激減している。
今期(昨年8月以来の流行期)、CRSは既に3例が報告されている。
昨年行われた講習会に参加して、胎内感染したお子さんを産み、後に亡くされたお母さんの話も直接聞いた。
自分がワクチンさえ射っておけば、と後悔されていたが、事実はビミョーに異なるようだ。
つまり、母親から胎児への垂直感染はワクチンでは防げない。
ワクチンで防ぐことが出来るのは、母親自身の発症だけ。
残念ながら発症に至る前の感染レベルで、胎児に胎盤を介して感染しCRSになってしまう。
もちろん、ワクチンが垂直感染に対して、効果がないかどうかは分からない。
少なくとも母親自身が発症して、周りにウイルスを撒き散らさない効果はあるわけで、全く無意味というわけではないが、妊娠前のワクチン接種がCRSの特効薬のような考え方は改めるべきだろう。
CRSの発症を避けるには、妊娠しないこと(少なくとも、風疹の流行期に)、妊娠直後(特に、妊娠初期)は外部との接触を完全に断つことしかないが、家族から完全隔離することは事実上不可能だろうから(それができれば、そもそも妊娠しない?)、効果的な方法とは言えない。
現在の周産期における検査体制は、妊婦に対する抗体検査だが、結果が出るころには、胎児は既にCRSに罹患しているタイミングで行われている。
つまり、堕胎を促す効果しかない(かつての我が国では、流行期には数多くの堕胎が行われていたと思われる)。
悲惨だな・・・。
抗体価が高いからといって安心できないのは、既述のとおり。
風疹に感染しないための決定的な方法は、妊婦の隔離ではなく、この世の中から風疹をなくす以外にはない。
で、流行の中心のオヤジ世代へのワクチン接種が行われ始めた。
ワクチン自体の大増産を行うことなく、効率的に接種を促進するというさもしい発想で、段階的に導入されているらしいが、一時的な対応にどれだけの効果があるかどうかは不明だ。
あくまでも、希望者のみだからな。
本人に対するメリットは、おそらくほとんどない。
風疹自体は、大した病気じゃないからな。
ここが難しいところだ・・・。
赤の他人のために、自分の時間と手間をどれだけかけることが出来るか。
民度が問われるところだが、それに対する報酬は全くない。
悉皆でワクチン接種を義務付ける発想はない。
現在は、2種(麻疹・風疹)混合ワクチンが新生児に接種されているので、数十年経てば風疹に罹患する確率はゼロに近くなるだろうが、それまでをどう凌ぐかというのが問題なわけだ。
現世利益を追求するなら、出すもの(報奨金とかあ?)出すか、接種を義務付けるかしないとな。
まあいい。
全国的にはともかく、浮沈子が棲息する東京都では風疹は現在進行中のホットな感染症だ。
無料ワクチン接種の対象年齢外で、抗体価も十分(32倍以上:昨年、自腹で検査済み)あるということで、浮沈子にとっては他人事だけどな。
そう割り切って考えることもできまい・・・。
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