OFT-2が9月に行われるという記事をさっき見つけて「そんなあ!」な気分 ― 2020年09月20日 17:45
OFT-2が9月に行われるという記事をさっき見つけて「そんなあ!」な気分
(ボーイングとNASAは無人軌道飛行の再挑戦を2020年9月に設定)
https://jp.techcrunch.com/2020/08/29/2020-08-28-boeing-and-nasa-target-december-for-second-try-at-uncrewed-orbital-demonstration-flight/
「米国時間8月28日のNASAのブログ記事には、NASAとパートナーであるボーイングは、無人飛行テストの再挑戦を2020年12月よりも前に実施することを目指していると書かれていた。」
本文にはちゃんと12月と書かれている。
間違ってしまったのは標題だけのようだ。
(ボーイングとNASAは12月に未搭乗の軌道デモ飛行の2回目の試みを目標としています:英文元記事)
https://techcrunch.com/2020/08/28/boeing-and-nasa-target-december-for-second-try-at-uncrewed-orbital-demonstration-flight/
元記事の方は、標題も12月になってるし。
(ボーイングのスターライナーが宇宙飛行士との飛行試験を前に前進:NASAの元ネタ)
https://www.nasa.gov/feature/boeing-s-starliner-makes-progress-ahead-of-flight-test-with-astronauts
「民間乗務員プログラムは現在、2020年12月までに、ハードウェアの準備、飛行ソフトウェアの資格認定、およびロケットと宇宙ステーションのマニフェストの優先順位が未定の無人軌道飛行試験2(OFT-2)の打ち上げを目標としています。」
間違いなく12月を目標としている(つーことは、あれだな、年越し確実ということか・・・)。
記事では、ハードウェアの進捗が記されているが、浮沈子的に気になるのはソフトウェアの方だ。
前回は、表沙汰になった2つのエラーのおかげで、えらい目にあったわけだからな。
「ヒューストンでは、ソフトウェアチームは、最初の乗組員なしの飛行試験の後に、飛行コードの変更と再検証の最終段階に近づいています。」
「その取り組みの一環として、チームは最近、正式な認定テストと呼ばれる主要なマイルストーンを開始しました。これは、フライトソフトウェアの包括的なテストであり、エンドツーエンドのミッションリハーサルテストの準備における重要なステップです。」
このことは、別記事でも報じられている。
(ボーイングのスターライナーは12月に宇宙ステーションに打ち上げることができます)
https://www.space.com/boeing-orbital-flight-test-2-december-2020-launch.html
「ヒューストンのボーイング社のソフトウェアチームは、独立したレビューチームが推奨したスターライナーのフライトコードの変更をまとめています。」
「ソフトウェアチームは現在、StarlinerとAtlas Vロケットで完全に統合されたエンドツーエンドのリハーサルテストを実施する準備をしています。このテストは、問題のあるOFT-1ミッションの前にスキップしたことでボーイングが非難されたテストです。」
そーか、アトラスVとのタイムコードの受け渡しで失敗したわけだからな。
打ち上げロケットからの引継ぎを含めて行わなければならない。
一体、なんでそんな羽目に陥ったのか。
(ボーイング、問題のあるデビュー飛行の後、スターライナーの宇宙カプセル地上試験を防御)
https://www.space.com/boeing-defends-starliner-spacecraft-ground-testing.html
「システム統合ラボでスターライナーの完全なエンドツーエンドの統合テストを実行しなかった」
「ボーイングはミッション全体のテストを実行するのではなく、飛行テストを個別にテストされた「チャンク」に分割した」
「ボーイングのエンジニアは、「ミッションフェーズをチャンクに分割し、それらの小さなチャンクで多くのテストを行う方がより論理的だ」と考えた」
「起動からドッキングまでを1回実行すると、コンピューター上で25時間以上の1回の実行になります。」
「ボーイングはこれらの断片化された認定試験をその時点で「十分かつ包括的」であるとみなし、ボーイングのスタッフは完全なエンドツーエンドの試験を行わないことを選択した」
失敗事例として、後世に語り継がれるだろうチョンボだな。
サービスモジュール分離後の噴射で、あわやクルーモジュールがド突かれたかもしれない噴射マッピングのチョンボについては、奇跡的に回避されたが、それに関する情報はない。
包括的なテストを実行して、その手のミスが明らかになるかどうかも知らない。
テストで暴かれない隠れた瑕疵があれば、本番で露呈することは目に見えている(クルードラゴンは、幸運にも無人テストの後の地上試験で爆発したけどな)。
「宇宙船の衝突を引き起こしたかもしれない宇宙船のスラスタ。」
「ボーイングが後にミッションで経験した問題を潜在的に捕らえた可能性がある」
本当に発見できたかどうかは怪しい。
幸運の女神が微笑まなければ、スターライナーは軌道上でバラバラになっていた可能性がある。
ソフトウェアの統合テストが近々行われるというアナウンスはあったが、それが行われたのかどうか、また、成功裏に終わったという報道はない。
100万行(たぶん、比喩的表現?)のプログラムの監査が、どういうプロセスで行われ、統合テストに持ち込まれるのかも知らない(詳細は、公表されないでしょうが)。
今度は、個々のチャンク(ぶつ切り)の試験が疎かになり、統合テストで想定しなかった事態に対応できなかったりしてな(そんなあ!)。
人間が乗る機械、しかも板子一枚外は地獄の宇宙に乗り出す船の統合テストを割愛したり、点火マップの整合性を確認せずに実装したり、B社の文化は人命軽視と言われても仕方ないだろう。
実証主義的な統合テストの実施は、過剰で不必要な無駄ではない。
そこにあるのは、人間の浅知恵に対する謙虚さと、自然を司る神に対する畏敬の表れだ。
コンピューターのロジックでは推し量ることができない、深い真理の表出に慄き、これでよろしいか、もう他に確認することはないかと夜も寝られずに取り組むべきだ。
テストが全てではない。
実際に起こる全ての現象を、事前に推し量ることはできない。
しかし、テストで行わなければ、本番で何が起こるかを知ることはできないのだ。
本番のようにテストし、テストしたように実施してさえ事故は起こる。
それは、数々のチョンボを積み重ねてきたB社自身が、一番分かっていなければならないはずだ。
ホントは、分かってたんじゃないのかあ?。
個々の事象が発生することは予測できなくても、統合テストをオミットすれば、きっと何かが起こる。
それを知りながら走らせたとすれば、大問題だな。
「OFT-2が成功した後、ボーイングとNASAはスターライナーの最初の搭乗員任務である現在、2021年6月までに対象となるクルーフライトテストを飛行する予定です。 2021年12月下旬。」(NASAのブログより)
慌てることはない。
そもそも、OFT-2が成功する保証などないのだ。
1年でも2年でも、必要な時間をかけ、あるべき姿に持って行くしかない。
現在のB社に、かつての栄光はない。
堕ちた英雄・・・。
平然と手抜きをし、誤魔化し、しらを切る。
民間航空機部門でも宇宙防衛部門でも、似たようなことがまかり通っている。
大空や宇宙は、B社のためにあるわけではない。
人を乗せる機械を作ることに、覇道などない。
誠実に行うべきことを行い、王道を歩むしかないのだ。
ソフトウェアの統合テストがパスできなければ、スケジュールは大幅に遅れるだろう。
ISSの運用計画に影響が出るかもしれず、米国の宇宙開発に支障をきたすかもしれない。
それはやむを得ない。
米国は、そのツケを払い続けなければならない。
さもなくば、泣いて馬謖を斬ることだな(そうなのかあ?)。
浮沈子は、NASA自体の問題は小さくないと考えている。
老舗のメーカーにおんぶにだっこし、その言いなりになり、税金を払った国民に付けを回して当事者責任を回避し続ける役人根性が気に入らない。
まあ、どうでもいいんですが。
早いところ、スターライナーの運用を諦め、既に運用に入ろうとしているクルードラゴン1本に絞って資源を集中すべきだ。
それでなくても、オリオン宇宙船やSLSで分散管理を余儀なくされている。
クルードラゴンにだって、まだまだ隠れた瑕疵は多いに違いない。
安定した実績を積み重ね、あらゆる状況下で堅牢性を証明し続けなければ、有人システムの安全など夢のまた夢だ。
早いとこ決断した方が、傷は浅くて済む。
クルードラゴンやスターライナーは、民間人を乗せて商売しようとしている船だ(ドカンドカンいってるスターシップもそうだけどな:安全など、どこ吹く風・・・)。
見切りをつけることも、安全確保のための手段だ。
スターライナーの成否は、浮沈子の予想では来年にずれ込む公算が高いOFT-2に掛かっている。
ほじくればほじくっただけ、ヤバい話が出てきそうな感じだしな。
このまま埋めてしまった方が、B社のためかも知れない・・・。
(ボーイングとNASAは無人軌道飛行の再挑戦を2020年9月に設定)
https://jp.techcrunch.com/2020/08/29/2020-08-28-boeing-and-nasa-target-december-for-second-try-at-uncrewed-orbital-demonstration-flight/
「米国時間8月28日のNASAのブログ記事には、NASAとパートナーであるボーイングは、無人飛行テストの再挑戦を2020年12月よりも前に実施することを目指していると書かれていた。」
本文にはちゃんと12月と書かれている。
間違ってしまったのは標題だけのようだ。
(ボーイングとNASAは12月に未搭乗の軌道デモ飛行の2回目の試みを目標としています:英文元記事)
https://techcrunch.com/2020/08/28/boeing-and-nasa-target-december-for-second-try-at-uncrewed-orbital-demonstration-flight/
元記事の方は、標題も12月になってるし。
(ボーイングのスターライナーが宇宙飛行士との飛行試験を前に前進:NASAの元ネタ)
https://www.nasa.gov/feature/boeing-s-starliner-makes-progress-ahead-of-flight-test-with-astronauts
「民間乗務員プログラムは現在、2020年12月までに、ハードウェアの準備、飛行ソフトウェアの資格認定、およびロケットと宇宙ステーションのマニフェストの優先順位が未定の無人軌道飛行試験2(OFT-2)の打ち上げを目標としています。」
間違いなく12月を目標としている(つーことは、あれだな、年越し確実ということか・・・)。
記事では、ハードウェアの進捗が記されているが、浮沈子的に気になるのはソフトウェアの方だ。
前回は、表沙汰になった2つのエラーのおかげで、えらい目にあったわけだからな。
「ヒューストンでは、ソフトウェアチームは、最初の乗組員なしの飛行試験の後に、飛行コードの変更と再検証の最終段階に近づいています。」
「その取り組みの一環として、チームは最近、正式な認定テストと呼ばれる主要なマイルストーンを開始しました。これは、フライトソフトウェアの包括的なテストであり、エンドツーエンドのミッションリハーサルテストの準備における重要なステップです。」
このことは、別記事でも報じられている。
(ボーイングのスターライナーは12月に宇宙ステーションに打ち上げることができます)
https://www.space.com/boeing-orbital-flight-test-2-december-2020-launch.html
「ヒューストンのボーイング社のソフトウェアチームは、独立したレビューチームが推奨したスターライナーのフライトコードの変更をまとめています。」
「ソフトウェアチームは現在、StarlinerとAtlas Vロケットで完全に統合されたエンドツーエンドのリハーサルテストを実施する準備をしています。このテストは、問題のあるOFT-1ミッションの前にスキップしたことでボーイングが非難されたテストです。」
そーか、アトラスVとのタイムコードの受け渡しで失敗したわけだからな。
打ち上げロケットからの引継ぎを含めて行わなければならない。
一体、なんでそんな羽目に陥ったのか。
(ボーイング、問題のあるデビュー飛行の後、スターライナーの宇宙カプセル地上試験を防御)
https://www.space.com/boeing-defends-starliner-spacecraft-ground-testing.html
「システム統合ラボでスターライナーの完全なエンドツーエンドの統合テストを実行しなかった」
「ボーイングはミッション全体のテストを実行するのではなく、飛行テストを個別にテストされた「チャンク」に分割した」
「ボーイングのエンジニアは、「ミッションフェーズをチャンクに分割し、それらの小さなチャンクで多くのテストを行う方がより論理的だ」と考えた」
「起動からドッキングまでを1回実行すると、コンピューター上で25時間以上の1回の実行になります。」
「ボーイングはこれらの断片化された認定試験をその時点で「十分かつ包括的」であるとみなし、ボーイングのスタッフは完全なエンドツーエンドの試験を行わないことを選択した」
失敗事例として、後世に語り継がれるだろうチョンボだな。
サービスモジュール分離後の噴射で、あわやクルーモジュールがド突かれたかもしれない噴射マッピングのチョンボについては、奇跡的に回避されたが、それに関する情報はない。
包括的なテストを実行して、その手のミスが明らかになるかどうかも知らない。
テストで暴かれない隠れた瑕疵があれば、本番で露呈することは目に見えている(クルードラゴンは、幸運にも無人テストの後の地上試験で爆発したけどな)。
「宇宙船の衝突を引き起こしたかもしれない宇宙船のスラスタ。」
「ボーイングが後にミッションで経験した問題を潜在的に捕らえた可能性がある」
本当に発見できたかどうかは怪しい。
幸運の女神が微笑まなければ、スターライナーは軌道上でバラバラになっていた可能性がある。
ソフトウェアの統合テストが近々行われるというアナウンスはあったが、それが行われたのかどうか、また、成功裏に終わったという報道はない。
100万行(たぶん、比喩的表現?)のプログラムの監査が、どういうプロセスで行われ、統合テストに持ち込まれるのかも知らない(詳細は、公表されないでしょうが)。
今度は、個々のチャンク(ぶつ切り)の試験が疎かになり、統合テストで想定しなかった事態に対応できなかったりしてな(そんなあ!)。
人間が乗る機械、しかも板子一枚外は地獄の宇宙に乗り出す船の統合テストを割愛したり、点火マップの整合性を確認せずに実装したり、B社の文化は人命軽視と言われても仕方ないだろう。
実証主義的な統合テストの実施は、過剰で不必要な無駄ではない。
そこにあるのは、人間の浅知恵に対する謙虚さと、自然を司る神に対する畏敬の表れだ。
コンピューターのロジックでは推し量ることができない、深い真理の表出に慄き、これでよろしいか、もう他に確認することはないかと夜も寝られずに取り組むべきだ。
テストが全てではない。
実際に起こる全ての現象を、事前に推し量ることはできない。
しかし、テストで行わなければ、本番で何が起こるかを知ることはできないのだ。
本番のようにテストし、テストしたように実施してさえ事故は起こる。
それは、数々のチョンボを積み重ねてきたB社自身が、一番分かっていなければならないはずだ。
ホントは、分かってたんじゃないのかあ?。
個々の事象が発生することは予測できなくても、統合テストをオミットすれば、きっと何かが起こる。
それを知りながら走らせたとすれば、大問題だな。
「OFT-2が成功した後、ボーイングとNASAはスターライナーの最初の搭乗員任務である現在、2021年6月までに対象となるクルーフライトテストを飛行する予定です。 2021年12月下旬。」(NASAのブログより)
慌てることはない。
そもそも、OFT-2が成功する保証などないのだ。
1年でも2年でも、必要な時間をかけ、あるべき姿に持って行くしかない。
現在のB社に、かつての栄光はない。
堕ちた英雄・・・。
平然と手抜きをし、誤魔化し、しらを切る。
民間航空機部門でも宇宙防衛部門でも、似たようなことがまかり通っている。
大空や宇宙は、B社のためにあるわけではない。
人を乗せる機械を作ることに、覇道などない。
誠実に行うべきことを行い、王道を歩むしかないのだ。
ソフトウェアの統合テストがパスできなければ、スケジュールは大幅に遅れるだろう。
ISSの運用計画に影響が出るかもしれず、米国の宇宙開発に支障をきたすかもしれない。
それはやむを得ない。
米国は、そのツケを払い続けなければならない。
さもなくば、泣いて馬謖を斬ることだな(そうなのかあ?)。
浮沈子は、NASA自体の問題は小さくないと考えている。
老舗のメーカーにおんぶにだっこし、その言いなりになり、税金を払った国民に付けを回して当事者責任を回避し続ける役人根性が気に入らない。
まあ、どうでもいいんですが。
早いところ、スターライナーの運用を諦め、既に運用に入ろうとしているクルードラゴン1本に絞って資源を集中すべきだ。
それでなくても、オリオン宇宙船やSLSで分散管理を余儀なくされている。
クルードラゴンにだって、まだまだ隠れた瑕疵は多いに違いない。
安定した実績を積み重ね、あらゆる状況下で堅牢性を証明し続けなければ、有人システムの安全など夢のまた夢だ。
早いとこ決断した方が、傷は浅くて済む。
クルードラゴンやスターライナーは、民間人を乗せて商売しようとしている船だ(ドカンドカンいってるスターシップもそうだけどな:安全など、どこ吹く風・・・)。
見切りをつけることも、安全確保のための手段だ。
スターライナーの成否は、浮沈子の予想では来年にずれ込む公算が高いOFT-2に掛かっている。
ほじくればほじくっただけ、ヤバい話が出てきそうな感じだしな。
このまま埋めてしまった方が、B社のためかも知れない・・・。
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