🐼そういえばあれはどーなった:スターライナーОFTー2:直観によれば来年らしい2021年09月24日 22:13

そういえばあれはどーなった:スターライナーОFTー2:直観によれば来年らしい


(SpaceXは、プライベートクルードラゴンミッションの需要が高まっていると見ています)
https://spaceflightnow.com/2021/09/23/spacex-sees-growing-demand-for-private-crew-dragon-missions/

「増大する需要に対応するために再利用可能なドラゴン宇宙船の艦隊を拡大する可能性」

「来月打ち上げられるクルー3ミッションのために、スペースXが新しいカプセルを超えていくつの追加のクルードラゴン宇宙船を構築しているのかについては述べていません。しかし、市場の需要に応じて、同社はさらに建設する可能性」

もちろん、記事にもあるように、スターシップが実現すればクルードラゴンによる宇宙観光旅行は終わる。

しかし、有人のスターシップが飛ぶのは早くても2030年代半ばだからな(未確認:浮沈子のテキトーな予想です)。

それまでは、カプセル型でパラシュートで海上に降りてくるコンサバな宇宙船が大活躍するわけだ。

スペースXは、ISSに行かない今回のインスピレーション4について、需要を満たすために新たな宇宙船を建造する可能性をほのめかしている。

大人気なわけだ(年に6回も打ち上げ可能か)。

専用のクルードラゴン(ドッキング装置の代わりにキューポラ付きのやつ)を、3機くらいは造るかもしれない(未確認)。

アクシオムが行う、ISSへのドッキングを伴うミッションは、ドッキングポートの制約があるから、それほど増やすわけにはいかないだろうしな。

今回のように、ISSより高い軌道を回ってくることにすれば、顧客満足度も高いということになる(トイレの換気扇は、是非修理しておいてもらいたいな)。

という感じで、需要が高まっているクルードラゴンの話の後に、ドナドナされて中止になったスターライナーの記事を読むわけだな。

(ボーイングはまだスターライナーバルブの問題を研究しており、発売日は見えていません)
https://arstechnica.com/science/2021/09/boeing-still-troubleshooting-starliner-may-swap-out-service-module/

「チームはさらなるトラブルシューティングで大きな進歩を遂げていると思う」

「ボーイングとNASAのエンジニアと技術者のチームが粘着性のあるバルブの問題を評価し続けている」

いやいや、たぶんそれだけじゃないだろう。

この際だから、徹底的に調べたら、未公表の新たな問題が続々出てきて収拾がつかなくなってしまっているのかも知れない(未確認)。

「追加の調査のためにサービスモジュールからバルブを取り外すかどうかを決定すると彼女は言いました。この場合、ボーイングは将来の有人飛行を目的としたサービスモジュールを前進させ、無人宇宙飛行テスト2ミッションに使用する可能性」

そっちだって、同じバルブを使っているわけだろうから、製造上の品質管理の問題でなければ、同じトラブルを抱えていることになる。

それとも、バルブトラブルは氷山の一角で、とんでもない話が隠れているのかも知れない。

「私の直感は、おそらく来年になる可能性が高いということですが、私たちはまだそのタイムラインに取り組んでいます」

「クルードラゴンの宇宙ステーションへのアクシオムのプライベートミッションは2月下旬まで延期されたため、スターライナーが来年の1月3日から2月22日まで宇宙ステーションに飛ぶこともできます。」

その期間内に飛ぶことができるかどうかも怪しいだろう。

なぜ、これほどまでに差がついてしまったのか。

NASAの当初の評価は、むしろボーイングの方が高かったわけだからな。

クルードラゴンも、様々な問題を抱えていた。

同じくバルブトラブル(地上試験で爆発)、パラシュート、着陸脚(見送りになりましたが)、座席の数と配置などなど。

しかし、S社は、トラブルに迅速に対応し、原因究明から対策実施までを短期間にこなしてきた。

当初、パワードランディングで陸上帰還する予定を、あっさりとパラシュートによる洋上着水に切り替えた。

座席数についても、7席としていたのを、NASAの要求通りに4席にした(今後の民間ミッションでは、7席にするかも)。

チタンバルブの使用はヤバかったが(デモ1では、そのままISSに結合したからな)、幸運にもISSごとふっ飛ばさずに済んだ。

パラシュートについても、予備的扱いからメインとなったことに伴い、開傘しないなどのトラブルに見舞われたが、徹底したテストを繰り返してクリアした(詳細未確認)。

技術的には、おそらくS社もB社も大差はないだろう。

問題は、トラブルに対応する体制と、迅速な判断ということになる。

バルブトラブルでカプセルが吹っ飛んだ時も、次の割り当てのカプセルを繰り上げて、デモ2を実施したしな。

スターライナーも、恐らくそういう話になるだろう。

それは、たぶん、バルブだけの問題ではなかったことの証明かも知れない。

何らかの製造過程の問題が隠れていて、この間にそれが発見されて、単なるバルブの話ではなくなったという可能性がある。

あるいは、固着したバルブを含む燃料配管全体を交換する必要があり、トラブルを起こした機体で対応することが困難なのかもしれない(ありそうな話だな)。

問題は、サービスモジュールで起こっているために、バルブの問題を解決しさえすれば、交換自体は迅速に行われるだろう。

しかし、ロジカルに考えて、カプセル側のバルブは大丈夫だったのかという問題は残る(メーカーは、同じエアロジェット・ロケットダインだからな)。

そうすると、丸ごと交換ということになるわけで、ソフトウェアの問題やら何やらが絡んでくるかもしれない(未確認)。

無人試験は、おそらく別のソフトウェアを走らせているだろうからな(これも未確認)。

B社の苦手なソフトウェアの話だ(そうなのかあ?)。

体質が古そうなイメージあるからな。

宇宙船は、スマホだということが分かってないかもしれない。

通しのテストを端折ったり、時間を間違えたりするなどという初歩的なミスを繰り返したわけだしな。

今回、カプセルごと交換という話が出れば、ヤバさは増幅されるだろう。

80項目の改善の詳細は公表されていないけど、それらを実施した後の打ち上げに際してチョンボが出たということは、その改善自体の信頼性にも関わる。

B社は、既に宇宙船の開発能力を失っているのではないか。

さらに、それを監督する立場のNASA自身が、その能力を維持しているのかどうかも危ぶまれるところだ。

おっと、そういえば、SLSなんてのを開発していたっけ。

SLS自体はロケット部分で、オリオン宇宙船(ESA開発のサービスモジュール含む)は、ロッキードマーチンだがな。

これも、まだ1度もまともに飛んだことはなく(デルタ4ヘビーで打ち上げた再突入テストはドンガラ、大陸間弾道弾で打ち上げたフライトアボートテストはダミー)、来年の打ち上げも危ぶまれるアルテミス1で、初めて宇宙空間に飛ぶ。

フライトテストは、NASAが行うことになっているが、有人宇宙船など開発したこともないロッキードマーチン(未確認)が、一発でクリアできるかどうかは未知数だ。

スターライナーのOFT-1は、ロッキードマーチンが開発したデルタ4N22で、ボーイングが開発した宇宙船を打ち上げて失敗したわけだが、アルテミス1では、ボーイングが開発したSLSコアステージが、ロッキードマーチンが開発した宇宙船を打ち上げる。

皮肉なもんだな・・・。

NASAの監督能力(アルテミス1は実施能力ですが)も試される。

タイミングも良くない。

前政権がぶち上げたアルテミスは、現政権には受けが悪い。

議会も、金付けないしな。

この際だから、無期延期くらいにしておいた方がいいかも知れない。

そういえば、月着陸船の開発は、訴訟沙汰になっているしな。

どう楽観的に見ても、HLS(月着陸船)が2023年までに打ち上げられると考えるのは無理がある。

S社のスペースシップが軌道上で実用的になり、タンカーバージョンが宇宙空間で液酸やメタンを移充填し、月周回軌道上でオリオンとドッキングして宇宙飛行士が乗り変えるという複雑なオペレーションを実施できるとは思えない。

2030年代後半でも、怪しい・・・。

そうやって揉めているうちに、コンサバな手法で有人月面着陸を目指している中国に先を越される可能性は高い。

NASAは、本気で中国と競争しなければならなくなる(既に、そうした方がいいかも)。

月面サンプルリターンを一発で決め、火星ローバーの着陸もこなし、有人宇宙ステーションの運用を始めた実力を舐めてはいけない。

2035年に、中国の宇宙飛行士が月面で五星紅旗を広げている最中に、米国では新たな訴訟合戦が行われていて、ロケットが1mmも上がっていない可能性は大いに考えられる。

急速に力をつけてきた中国は、米国の技術力の相対的な低下を尻目に、世界のトップに躍り出ようとしている。

長期的には、インドも侮れないしな。

欧州はロシアと心中するつもりだし(そうなのかあ?)、我が国は米国のスカートの下から出る気はさらさらない。

10年後、あるいは20年後の宇宙開発の状況は、現在からは想像もできないほど様変わりしているだろう。

ULAもブルーオリジンも消えてなくなり、S社とロケットラボだけが残っているかもしれない。

NASAは解体され、それぞれの研究機関が、独自に予算を獲得するようになる。

アルテミスは中止(確度は高いな)、月軌道ゲートウェイも没、有人火星探査はS社が民間事業として行うのみだ(もちろん、片道切符!)。

月面にいるのは中国の宇宙飛行士だけ(月面基地も作ってます)。

やれやれ・・・。

ISSは、とっくの昔に落とされて、民間の宇宙ホテルが出来ているだろう。

微小重力実験は、中国に頼むかしないとできない。

ロシア?。

国家自体があるかどうかだな(そんなあ!)。

まあいい。

スターライナーOFT-2の遅れは、米国の宇宙開発の衰退の象徴に映る。

スペースXは、次々と成功をものにしているように見えるが、スターシップの開発がとん挫すれば、金蔓のスターリンクも共倒れして、現在のファルコンシリーズを引っ張るしかなくなる。

それでも、ULAに対しては十分以上の競争力があるわけだし、暫くは打ち上げ自体に不自由することなない。

が、まあ、それだけの話になる。

SLSやオリオン宇宙船がものにならなければ、米国はISS周辺に宇宙飛行士を飛ばすロシアや中国と大差ない国になる。

人類を月に戻す仕事は、中国が担う。

地球低軌道への継続的滞在も同じだ。

米国は、中国の宇宙ステーションに頼るか、民間の宇宙ホテルの一室を間借りして、細々と実験を続けるしかない。

が、まあ、そう悲観したものでもないだろう。

うまくすれば、年明けの早い段階でスターライナーが上がり、無事にISSとドッキングするかもしれない。

続けて、来年中に有人テストが行われ、ISSタクシーは2社が担うことになる。

やがては、オリオンがドッキングする日が来るかもしれない(未確認)。

ロシアモジュールがそれまで持てば、ひょっとしたら中国の宇宙船がドッキングする日が来るかもな。

物事が正常に回り出せば、宇宙旅行もスターライナーの参戦を得て、競争原理が働くようになるかもしれない(打ち上げロケットが使い捨てだからな。競争にはならないかも)。

そうしたら、クルードラゴンはNASAの任務から外れ、宇宙旅行専用会社として金もうけに走ればいい。

高コスト体質のスターライナーは、ISSで食いつなぐことができるだろう。

バルカンロケットのBE-4エンジンユニットを再使用出来れば、民間宇宙ホテルへの足としても使えるようになるかもしれないしな。

今はまだ、遥か先の、夢のような話だがな・・・。