夜風 ― 2013年05月07日 22:33
夜風
今日は、夜風に吹かれにボクスターを駆り出す。
駐車場で、オープンにするかどうか躊躇うほどの強風が吹いている。
そう、嵐といってもいい。
一時的に冬型の気圧配置となり、冷たい北風が吹いているのだ。
意を決して、幌を開ける。
世界が変わり、138億光年の宇宙の果てまで突き抜ける空間が、頭上に広がる。
やっぱ、オープンはいいねえ!(オープンサーキット・ダイビングのことではない・・・)。
まあいい。
野球帽を被って、頭部を保護し、シートヒーターを点けて、暖を取る。
少し、季節が戻ったようだ。
浮沈子にとっては、気温差15度以上である。
エンジンを温めながら、街道に出るまでの坂をゆっくりと登る。
信号で待っている間に、暖気は整った。
ゆるゆると回るフラットシックス。
ターボじゃなくたって、500馬力超えじゃなくたって、一鞭当てれば、この小さな車体を非日常的な速度に瞬く間に連れて行く力は十分にある・・・。
が、4点減点の浮沈子は、亀の様に走るだけだ。
夜の闇の中に、キセノンランプの透明な光が走る。
木の枝を叩き落す勢いで、突風が吹き荒れる。
ちょっとヤバイ感じさえする。それほどの風だった。
プレステージで駄弁ってから、帰り道で少しだけ、ほんの少しだけ踏ませていただく・・・。
風の音と、エンジンの音が、シンフォニーとなり、クライマックスに向かって駆け上がろうとする。
で、途中で止める・・・。
「どうせ二人は途中でやめるから
夜の長さを何度も味わえる」
歌の文句が脳裏を過ぎり、短いドライブを終える。
リバーサイドホテルに着いたわけでもなければ、ネオンの明かりが眩しい繁華街にいるわけでもない。
住宅地の中の駐車場に戻っただけである。
幌を閉めると風の音が遠くなり、世界が閉じていく。
エンジンの火を落とすと、全てが灰色の現実に還る。
「日本時間」の中では、時にこうしてタイムストッパーを作動させなければならない。
03ボクスターは、流星号とどこか似ている。
30世紀の未来のデザイナーは、随分とレトロな資料を探し出したものだ。
今日は、夜風に吹かれにボクスターを駆り出す。
駐車場で、オープンにするかどうか躊躇うほどの強風が吹いている。
そう、嵐といってもいい。
一時的に冬型の気圧配置となり、冷たい北風が吹いているのだ。
意を決して、幌を開ける。
世界が変わり、138億光年の宇宙の果てまで突き抜ける空間が、頭上に広がる。
やっぱ、オープンはいいねえ!(オープンサーキット・ダイビングのことではない・・・)。
まあいい。
野球帽を被って、頭部を保護し、シートヒーターを点けて、暖を取る。
少し、季節が戻ったようだ。
浮沈子にとっては、気温差15度以上である。
エンジンを温めながら、街道に出るまでの坂をゆっくりと登る。
信号で待っている間に、暖気は整った。
ゆるゆると回るフラットシックス。
ターボじゃなくたって、500馬力超えじゃなくたって、一鞭当てれば、この小さな車体を非日常的な速度に瞬く間に連れて行く力は十分にある・・・。
が、4点減点の浮沈子は、亀の様に走るだけだ。
夜の闇の中に、キセノンランプの透明な光が走る。
木の枝を叩き落す勢いで、突風が吹き荒れる。
ちょっとヤバイ感じさえする。それほどの風だった。
プレステージで駄弁ってから、帰り道で少しだけ、ほんの少しだけ踏ませていただく・・・。
風の音と、エンジンの音が、シンフォニーとなり、クライマックスに向かって駆け上がろうとする。
で、途中で止める・・・。
「どうせ二人は途中でやめるから
夜の長さを何度も味わえる」
歌の文句が脳裏を過ぎり、短いドライブを終える。
リバーサイドホテルに着いたわけでもなければ、ネオンの明かりが眩しい繁華街にいるわけでもない。
住宅地の中の駐車場に戻っただけである。
幌を閉めると風の音が遠くなり、世界が閉じていく。
エンジンの火を落とすと、全てが灰色の現実に還る。
「日本時間」の中では、時にこうしてタイムストッパーを作動させなければならない。
03ボクスターは、流星号とどこか似ている。
30世紀の未来のデザイナーは、随分とレトロな資料を探し出したものだ。
澱 ― 2013年05月07日 23:06
澱
心の中に、澱んだものが溜まっていく。
心の底に、一番深い奥底に。
水面近くは、澄んでいて、そんな沈殿物があるなんて、思いも寄らない。
表層が澄んでいればいる程、水底の澱みも深い。
心がざわめく時、澱は水底から舞い上がり、表層の透明度は低下する。
物理の法則にも合致する。
澱んだ水のメタファーが、心の水面をかき乱す。
水面を波立たせるだけならば、澱は沈んだままである。
ゆっくりとした攪拌が、深い澱みを舞い上がらせる。
そして、やがて静かに元の水底に還っていく。
表層の透明さを見るものに、その水底の澱は見えない。
深く深く、静かに溜まっていく。
その澱を清める魔法を、誰も知らない。
心の中に、澱んだものが溜まっていく。
心の底に、一番深い奥底に。
水面近くは、澄んでいて、そんな沈殿物があるなんて、思いも寄らない。
表層が澄んでいればいる程、水底の澱みも深い。
心がざわめく時、澱は水底から舞い上がり、表層の透明度は低下する。
物理の法則にも合致する。
澱んだ水のメタファーが、心の水面をかき乱す。
水面を波立たせるだけならば、澱は沈んだままである。
ゆっくりとした攪拌が、深い澱みを舞い上がらせる。
そして、やがて静かに元の水底に還っていく。
表層の透明さを見るものに、その水底の澱は見えない。
深く深く、静かに溜まっていく。
その澱を清める魔法を、誰も知らない。
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