PADI Open Water Diver Manual2014年07月18日 21:50

PADI Open Water Diver Manual
PADI Open Water Diver Manual


「このマニュアルのいかなる部分もPADIの文書による許可なく、いかなる形でも複製することはできません。」

と書いてある。

きっと、この部分をブログに載せただけで、権利を侵害したことになるんだろう。

Product No.79180Jというのが、IDである。

7月1日発売の、最も新しいマニュアルだ。

浮沈子はクマスのスターズという指導団体でCカードを取ったのだが、こんな詳しいマニュアルはなかった。

248ページもある!。

中身について、簡単に触れる(なるべく、直接引用は避けて・・・)。

PADIのオープンウォーターダイバーが、どんだけのスキルを要求され、ダイバーとしての自覚や健康管理を求められているかが、詳細に書かれている。

一例を挙げれば、パワーインフレーターの故障時に、オーラルでBCDに空気を入れて、中世浮力が確保できたら1分以上ホバリングするというのがある(214ページ)。

ところが、パワーインフレーターを使っていい中性浮力の維持(ホバリング)については、30秒以上とある(168ページ)。

まあいい。

1分間ホバリングというのは、結構なスキルである。

深度にもよるが、浮沈子は、オープンサーキットでは怪しい・・・。

アルコール、タバコについても、厳しい基準が示されている(184ページ)。

ダイバーのくせに、タバコなんか吸ってたら、恥ずかしいでしょ?。

ダイビング「前後」の数時間は禁止である。

リゾートダイブで、1日3本潜るパターンだと、朝起きて吸うことは無理かもしれないし、寝る前にやっと吸えるかどうか。

ナイトダイブやったら、1本も吸えない。

ボートの上で水面休息中に吸うなんてことは、どう考えても有り得ない。

アルコールについても、ダイビング前はダメだとある。

浮沈子は、ダイビング後の影響(減圧症のリスク増大)を考えて断酒したが、それについては触れられていない。

この辺りが気になるところだな。

51ページには、サイドマウントの宣伝(紹介)が出ている。

しかし、何より驚いたのは最後の248ページだ。

リブリーザー・ダイバー、アドバンスド・リブリーザーダイバーが、「スペシャルティ・コース」として、紹介されている・・・。

これは、PADIの正式なマニュアルである。

その中で、スペシャルティと紹介されているのだ。

スペシャルティねえ・・・。

手元には、210ページに及ぶリブリーザーのマニュアルがある(ようやく、100ページまで目を通しました)。

圧倒的な水中性能を発揮し、ダイバーの限界を拡張する最終兵器、こいつを使いこなすのは半端ではない(タイプRは、半端ですが)。

まあ、どうでもいいんですが。

位置付けとしては、確かにスペシャルティの方が据わりがいいんだろう。

ノンダイバーがいきなり講習に参加するわけにはいかない。

サイドマウントも同じだな。

まずは、バックマウントで、ダイバーになってください、というわけだ。

ダイビングの幅を広げるツールというわけである(CCRは、広げ過ぎのような気が・・・)。

天下のPADIが、スペシャルティ扱いしているというのは、浮沈子にはちょっと納得いかない気がするし、前にも見たように、世界のホームページでは、テクニカルダイビングに分類されている。

どちらも、馴染めないな。

CCRは、潜水器に過ぎない。

それを使用したダイビングは、殆どの部分で既存のダイビングと重複するが、要求されるスキルは異なる。

将来、どこまで普及するかは分からないが、そのインパクトはサイドマウントの比ではない。

ダイビングの形を変えてしまう。

64ページには、テクニカルダイビングの紹介も出ているが、浮沈子は、テックが広げる世界よりも、CCRの方が衝撃的だと感じる。

まあ、CCRでテクニカルダイビングするのが一番似合ってますが。

イメージ的には、オープンサーキットで基本的なスキルを身につけたら、さっさとCCRを始めて、馴染んだころにCCRでテクニカルに行くというのがいい。

後は、どこまで泥沼にはまっていくかということになる。

シングルタンクによって規制されていた、40m、無限圧、ノーシーリングという世界が、テックレック(これもPADI語)とCCRによって、ぶち破られようとしている。

そこに、PADIの(もちろん、他の指導団体も含めての)商機があるわけだし、テクニカル団体がレクリエーショナルに進出してきたことに対するPADIの危機感もあるわけだ。

66ページにはトリムの図が載っていて、ホリゾンタルスタイル(水平に泳ぐ自然な姿勢)を維持せよ(望ましい)とある。

このテキスト全体に使用されている写真も、スキルの解説などの一部の例外を除いて、ホリゾンタルスタイルが意識されている(132ページ(背面)はいいのかあ?)。

水底を蹴らないスタイルでのダイビングは、ケーブやレックだけの専売ではなくなったのだ。

着底も、基本的にはしない。

水底で集合!、とか言えないわけだ。

よくダイビングのスキル本に、水底の泥などを巻き上げずに離床するテクニックが書かれているが、最早時代遅れであるな。

環境保護の錦の御旗の下、これからのダイビングは、ホリゾンタルでなければならない。

耳抜きの関係で、潜行時は頭を上にしていることが推奨されているし、浮上については水面の安全確認のために、直立に近くなるが、それ以外では水平が基本である。

先日開催された安全講習会で紹介されていたミニダイブも書いてある(242ページ)。

まあ、これが出来たからといって、いきなり初めてのポイントで、ガイドなしのセルフダイビングが出来るようになるなどと考えているインストラクターはいないだろうが、PADIが認定するオープンウォーターダイバーは、それを前提にしている。

オマケでダイブテーブルと取説が付いてきた。

(PADIオープン・ウォーター・ダイバー・コースの新教材が7/1より発売!)
http://www.padi.co.jp/visitors/news/pn14067.asp

(PADIオープン・ウォーター・ダイバー・コース用教材)
http://www.padi.co.jp/visitors/program/material/ma_12.asp

「●RDPテーブルタイプ&インストラクション・ブックレットセット ¥3,500(税別)」

マニュアル単体での販売はない様だな。

「PADI オープン・ウォーター・ダイバー・コース用のマニュアルです。全5章から構成されており、まずは水中世界という未知の環境を紹介し、だんだんと専門的な内容になっていくので、分かりやすくダイビングについての知識をつけることができます。また練習問題も含まれているので、ダイビングについての知識がついたかどうか自分でチェックすることもできます。インストラクターの講習のもとで使用してもよいですし、自宅でくつろぎながら読んでもOK。」

他団体でCカードを取った浮沈子のようなダイバーでも、参考になる点は多い(これだけ宣伝しておけば、権利侵害も大目に見てくれっかあ?)。

日本では、犬も泳げばPADIに当たる(?)ほど浸透している。

タイやフィリピンでは、SSIとかも多かったな。

少子高齢化で、若い人が新たにダイバーになるということは余りない。

ジジババが始めるか、昔若かったダイバーがジジババになるか。

数十年後には、日本の人口は半分になるといわれている。

その殆どが、ジジババになる。

まあ、後期高齢者(75歳以上)は、なかなかダイビングはやらないだろうから、せいぜい70歳くらいまでか。

40歳から70歳までのダイバーが殆どになるんだろう。

業界は、先細りだ。

これからは、海外に出かけて、新興国の活力を取り込んでいくしかあるまい。

日本人だけ相手に商売していたら、先がない。

だからといって、おいそれと海外で外人あいてのダイブショップの展開なんて出来ない。

ジリ貧の中での食い合いになるんだろう。

それもいいかもしれない。

高いサービスを、適正価格で得られるようになれば、健全な姿になる。

このテキストは、PADIにとっては諸刃の剣だ(特に、日本では)。

生き残りを賭けた血みどろの競争が始まるのか、何も変わらずに、時間だけが過ぎていくことになるのか。

ダイビングの安全を確保しつつ、高いスキルのダイバーを育て、健全なレジャーとして生き残ることが出来るのか、胡散臭い業界として、衰退の道を歩むのか(胡散臭く生き残るというのが、一番ありそうなシナリオだな)。

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