選択 ― 2016年01月11日 10:45
選択
ダイビング器材で、何を選択するかというのは、難しい問題だ。
レギュレーターやBCには、様々な種類があるし、メーカーも多い。
レクリエーショナルレベルの器材に限っても、星の数ほどある。
同じバックマウントのシングルタンクでさえ、色やサイズは別にしても、様々なタイプがある。
最近は、サイドマウントというスタイルが流行り出して(ホントに流行ってるのかあ?)、そっちのタイプも新たな種類が増えている。
浮沈子は、2個しか持ってないがな。
バックマウント用の通常のBCは、部品取りでバラシてしまった。
まあ、どうでもいいんですが。
レギュレーターだって、各種ある。
詳しくは知らないが、それこそ何十種類もあるだろう。
これらに、テクニカル用の器材を加えたりしたら、大変な数になってしまう。
ほんでもって、水上に設置したタンクから、長ーいホースを通して給気する作業潜水で使うような方式まで入れれば、まあ、キリがないということになる。
これで驚いている場合ではない。
これらは、みんな、オープンサーキットという方式の水中呼吸器材を前提にしたものであって、これ以外にも器材の選択肢はある。
(0110 80-80-4)
http://jsuga.exblog.jp/25255274/
毎度、須賀次郎氏のブログ。
氏が、80歳で80mの潜水器材にオープンサーキットを選択した経緯が記されている。
もちろん、内容には疑義があるが、浮沈子が注目したのはSCRを大深度で運用する際の方法論について記されていることだ。
田中さんとこにも相談したらしいので、胡散臭い話ではないし、ロジカルには在り得る話である・・・。
「途中でガスを切り替えれば40mを越すことができる。40mから先のガスを別に持って行き、40mのところで空気のタンクのバルブを閉じ、ボトムガスに切り替える。ボトムガスは、水深80mでも窒素分圧が400 KPa を越えないで、酸素分圧も140を越えないガスのタンクのバルブを開けてやればいい。」
まあ、キスジェムを選択するというのは、浮沈子的には有り得ない話だがな(センサー1つだし・・・)。
「メンテナンスとか部品の交換をきちんとやらないといけないし、操作を間違えると死ぬ。」
これって、SCRだって、CCRだって、オープンサーキットだって同じなんだと思うけどな。
まあいい。
「ベイルアウトタンクが、命の綱ならば、ベイルアウとタンクだけで潜ってしまおう。」
「一番信じられるのは、やはり60年付き合ってきたオープンサーキットだ。」
禅問答のような話だ。
そのオープンサーキットの限界をぶち破る器材として、SCRなりCCRが登場して、それを使いこなすために、しっかりトレーニングしましょうということなのに。
「リブリーザについては、権威者になるか、それともやらないか、のどちらかだろう。」
ここでいう権威者というのは、トレーニングを積んで、リブリーザーの運用ができるようになったダイバーのことだろう。
そうならなければ、運用してはいけない器材であることは確かだ。
結局、それが叶わなかった氏が、オープンサーキットを選択したというのは、正しい。
それしか、選択の余地はないだろう。
「リブリーザは、酸素分圧を自動で電子的に調整しているのだが、それが狂うと、酸素中毒、酸素不足、になる。これは、突然のように起こり、命を落とす。」
そうなる前に、如何にしてリカバーし、命落とさずに生還するかという術を教えるのが、CCRのトレーニングの9割だと浮沈子は考えている。
器材の故障が恐ろしいとか、対応するトレーニングが完了しないとかでは、使うべき器材ではない。
それは、レクリエーショナルレベルであっても同じだ。
その意味では、誰にでも勧められる器材ではないだろう。
しかし、そんなことを言えば、オープンサーキットだって同じことなんだがな。
指導団体の課す知識やスキルの水準をパスできなければ、認定は出来ない。
認定されなければ、Cカードは発行されず、自分でタンクを充填したりするのでなければ、事実上、ファンダイビングは行えないのだ。
器材が異なれば、それに応じた内容をクリアしなければならない。
氏は、テクニカルダイバーではないので、80mの潜水を行うということになれば、レジャーダイビングではないことになる。
管理者を置く、作業潜水ということになるのだ。
その世界の話を、レジャーダイビングにおける器材の選択の話として考えてしまう浮沈子の方に問題があるのだろう。
作業潜水での管理として、水中でダイバーの高いスキルを要求するCCRなどは、選択肢に入らないというのは、今までもそうだった。
一部の業者(自衛隊の機雷除去含む)だけが、先進的に導入しており、短時間(3時間以内)の作業で、部分的に活用していたということになる。
高圧則の改正で、空気潜水が40mまでと制限されたことや、ヘリウムや酸素の使用が大っぴらに認められたことで、リブリーザーでの作業潜水も増えていくに違いない。
作業潜水の内容も、今後は変わっていくだろう。
今は、その境目の時期である。
まあ、いつの時代も、何かの境目に過ぎないんだがな。
今までの確立された技術と、新しい技術が同居して、選択を迫られる。
浮沈子は、氏が、テクニカルダイビングで潜ろうとせずに、新たな送気潜水の姿を模索して、カードルを水中に沈めた怪しげな(?)ダイビングにチャレンジしようとしている姿に感動する。
80歳だぜ?。
浮沈子には真似すらできない。
レジャーダイビングの未来が、そっちの方に行くことはないだろうが、水上から吊り下げられたカードルから、何本もの中圧ホースを繰り出して、10人位が束になってタンクを背負わずに移動するというのは壮観だな。
ボートから吊り下げれば、安全にドリフトダイビングを行うこともできるし、レギュレーターを咥えている限り、はぐれることもない。
セカンドの故障とかに、どう対応するかとか、レギュレーターを離してしまったらどうするかなど、解決すべき新たな問題もある。
中圧ホースを、一度腰のあたりに固定して、それから咥えるなどの方法もあるだろう。
中圧ホースが命綱になるのだ。
もっとも、これは、スクーバではない。
もちろん、作業潜水とも異なる(カードルを水上でコントロールできないので、一次側の管理が出来ない:ダイバーとして水中に管理者を置かなければならない)。
残圧の管理はどーするということもある。
ボートが移動する方向やタイミングを、どうやって水中のダイバーに知らせるのか(通話装置とコンパスを用いることは考えられるな)。
氏の拘りは、水面との物理的な繋がりであり、作業潜水の「さがり綱」であり、アンビリカルケーブルである。
物理的な結束があれば、水上から引き上げることができる。
生死の別を問わず・・・。
一つのカードルから、中圧ホースが何本も伸びている方式では、個々の引き上げは出来ないが、どこかに流されて行ってしまうということは防ぐことができるだろう。
一つの形として、提案することは可能だ。
実現可能性は、限りなく、ゼロに近い・・・。
まあ、どうでもいいんですが。
これに関連して、面白い記述を見つけた。
(『シェアエア・セカンドステージ』)
http://www.piston-diaphragm.com/doyknow/shareair2nd.html
「『シェアエアセカンドステージ(オクトパス)の使用目的は?』との問いに対して ダイビングショップの店員やインストラクター、また多くのダイバーが‥、
A マイタンクの空気が無くなった(エア切れ)時にバディから空気を貰うため
B プライマリーセナンドステージが故障した際の予備器材
と答える様ですが、これは間違いです。」
おお、なかなか大胆なお題だな。
「「エア切れを想定する」ということは、器材(エアモニター)や講習(エアチェック、バディチェック、潜水計画)を、また ダイビングスクールやショップ、インストラクターにとっては 自身の存在理由を、それぞれ否定することと同義です。」
別に、否定したってかまわない。
それが十分に行われていなくても、事故を防ぐアイテムとして機能していればいい。
浮沈子は、つい最近まで、オクトパスの存在意義は、Bの自分のプライマリーのセカンドステージの予備であると信じていた。
バディのためのものであるというのは、二次的な理由であると考えていたわけだな。
自己中・・・。
「「水中世界での空気管理」という 「自らの命に係わること」を無視できるダイバーがいるとしたら、その人は ダイビングの欠格者か自殺志願者です。シェアエアセカンドステージは そんな人に配慮した器材ではありません。」
世の中には、そんなダイバーはうようよいる。
なぜか。
他人のセカンドステージは、俺様のものであると当てにして、限界まで自分のエアを消費することに慣れているからだな。
浮沈子は、この目でそんなダイバーを何人も見ている。
ピストンアンドダイアフラム氏が、何と言おうと、事実上、世の中のダイバーのほとんど全ては、グループ全体でのガスの消費を計算し、それを効率よくシェアするために計画的にオクトパスを使用するなんてことは、これっぽっちも考えていない。
また、安全管理上、そういう運用が出来ない場合は、適切なバディ同士でシェアできないという問題が生じることもあるので、限られたダイビングでしか実施できないだろう。
まあ、むしろ、あらゆるレクリエーショナルダイビングを、その範囲に留めるべきというのは正論だがな。
自己の残圧を管理し、その範囲内でダイビングを計画し、万が一のガス切れの保険として、バディのタンクの残圧を考え、それを確実に呼吸するためのアイテムとしてのオクトパスというのは、全世界で定着した考え方ではある。
グループ全体のガスという考え方は、たった1つのカードルから、ガスを分け合うという須賀氏の構想と、同じ発想だ。
以前は、セカンドステージを2つ装備するという習慣はなかった。
バディがエア切れしたら、1つのセカンドステージから交互に呼吸して浮上するというスキルを練習した。
浮沈子も、このトレーニングを行っている(PADIではありません)。
「「セカンドステージには予備が必要」と主張することはファーストステージにも予備を、即ち「酸素を多く含んだ血液を送り出す心臓が2つ必要」と同義です。」
ファーストとセカンドの構造について熟知している著者の挙げる理由としては、いささか問題がある気もする。
まあ、セカンドのトラブルのほとんどが、フリーフローなので、オクトパスを予備と考えるのには無理があることも事実だ。
導入の経緯を考えても、この考えはなじまないな。
より安全側に考えて、基本は各人が担いでいるタンクのエア内で完結する潜水計画を立てるという、現在主流の考え方で、浮沈子はいいように思う。
より効率的にダイビングを楽しむという観点から、バディやバディを超えたグループ間でのガスシェアというのは、相対的リスクは髙くなる。
それは、想定外の事象(カレントが強いなど)で、特定のダイバーのガス消費が計画を上回ったなどの臨時の際に、シェアするものという方がいい。
浮沈子のように、一人で海外などに行ってダイビングをする身としては、行った先で日本人がいることがない場合もあり、そこでまぜこぜになった、器材も異なるダイバー同士が、初めて潜るわけだし。
そんな中では、バディ間のシェアが精いっぱいだし、それすら危うい。
そもそも、PADIなどは、バディ間の残圧の確認をすべきであるという考え方はない。
おれ様の予備空気減の量を知らずに、いざという時はそれに頼れと教えているわけだ。
まあいい。
浮沈子も、PADIのインストラクターの端くれなので、教える時には基準に則って教えるが、バディの残圧は、自主的に確認しあうように、こっそり教えることにしよう(自分でもそうしています:ガイドにバディが申告するときに見ていたり、内緒でゲージを覗いたりします)。
ケーブルダイビングを志向する須賀氏の話とは離れてしまったが、単一クレードルからのガスシェアという、ハイブリッド潜水の問題点から発展した。
テクニカルダイビングでは、グループ内での予備ガスのシェアというのは、明確にルール化されているようだ。
しかし、当初からのガスを、想定されている潜水計画の中でシェアするというルールは通常はない。
各人が持ち込んでいるガスの中で、余裕をもって(3分の1を残して)消費するというのが原則である。
探検要素が高いシステム潜水では、チーム全体のガス量をコントロールすることがあるだろうが、それは、タンクの本数を見積もり、どこに配置するかなどのレベルで行われる。
個人の残圧管理とは異なるレベルの話だ。
うーん、ピストンアンドダイアフラム氏の話は、ちっと、リスキーな感じだな。
ここだけの話だが、浮沈子は、グアムでシングルタンクのサイドマウントで止む無く(原則CCRなんで)潜る時は、セカンドステージは1つしか付けなかった(良い子はマネしないでね!)。
おれ様の呼吸ガスはおれ様のもの!、人様には絶対あげない!(自己中・・・)。
まあ、最近は、ちゃんとロングホースも付けるようにした。
実際、グループ内でのエア切れを何度か見るにつけ、自己中ではいかんと思い直したからである(一応、インストラクターだしな)。
グループ内で、特にガスの消費が早い方がいて、いつも自分が足を引っ張るとお悩みならば、是非ともCCRか、サイドマウントの2本差しを検討されたい。
まあ、40キュービックフィートの細長いタンクに充填可能ならば、それを追加の空気源として、持っていくというのもありだ(14リットルタンクとかでもいいけど)。
オープンサーキットは、やっぱ、いろいろ厄介だな。
CCRなら、お前のマウスピースをよこせ!、などということは考えなくていいからな(わからんぞお?:そのうち、予備の蛇腹ホースを付けたやつだって、出てくるかもしれない・・・)。
ダイビング器材で、何を選択するかというのは、難しい問題だ。
レギュレーターやBCには、様々な種類があるし、メーカーも多い。
レクリエーショナルレベルの器材に限っても、星の数ほどある。
同じバックマウントのシングルタンクでさえ、色やサイズは別にしても、様々なタイプがある。
最近は、サイドマウントというスタイルが流行り出して(ホントに流行ってるのかあ?)、そっちのタイプも新たな種類が増えている。
浮沈子は、2個しか持ってないがな。
バックマウント用の通常のBCは、部品取りでバラシてしまった。
まあ、どうでもいいんですが。
レギュレーターだって、各種ある。
詳しくは知らないが、それこそ何十種類もあるだろう。
これらに、テクニカル用の器材を加えたりしたら、大変な数になってしまう。
ほんでもって、水上に設置したタンクから、長ーいホースを通して給気する作業潜水で使うような方式まで入れれば、まあ、キリがないということになる。
これで驚いている場合ではない。
これらは、みんな、オープンサーキットという方式の水中呼吸器材を前提にしたものであって、これ以外にも器材の選択肢はある。
(0110 80-80-4)
http://jsuga.exblog.jp/25255274/
毎度、須賀次郎氏のブログ。
氏が、80歳で80mの潜水器材にオープンサーキットを選択した経緯が記されている。
もちろん、内容には疑義があるが、浮沈子が注目したのはSCRを大深度で運用する際の方法論について記されていることだ。
田中さんとこにも相談したらしいので、胡散臭い話ではないし、ロジカルには在り得る話である・・・。
「途中でガスを切り替えれば40mを越すことができる。40mから先のガスを別に持って行き、40mのところで空気のタンクのバルブを閉じ、ボトムガスに切り替える。ボトムガスは、水深80mでも窒素分圧が400 KPa を越えないで、酸素分圧も140を越えないガスのタンクのバルブを開けてやればいい。」
まあ、キスジェムを選択するというのは、浮沈子的には有り得ない話だがな(センサー1つだし・・・)。
「メンテナンスとか部品の交換をきちんとやらないといけないし、操作を間違えると死ぬ。」
これって、SCRだって、CCRだって、オープンサーキットだって同じなんだと思うけどな。
まあいい。
「ベイルアウトタンクが、命の綱ならば、ベイルアウとタンクだけで潜ってしまおう。」
「一番信じられるのは、やはり60年付き合ってきたオープンサーキットだ。」
禅問答のような話だ。
そのオープンサーキットの限界をぶち破る器材として、SCRなりCCRが登場して、それを使いこなすために、しっかりトレーニングしましょうということなのに。
「リブリーザについては、権威者になるか、それともやらないか、のどちらかだろう。」
ここでいう権威者というのは、トレーニングを積んで、リブリーザーの運用ができるようになったダイバーのことだろう。
そうならなければ、運用してはいけない器材であることは確かだ。
結局、それが叶わなかった氏が、オープンサーキットを選択したというのは、正しい。
それしか、選択の余地はないだろう。
「リブリーザは、酸素分圧を自動で電子的に調整しているのだが、それが狂うと、酸素中毒、酸素不足、になる。これは、突然のように起こり、命を落とす。」
そうなる前に、如何にしてリカバーし、命落とさずに生還するかという術を教えるのが、CCRのトレーニングの9割だと浮沈子は考えている。
器材の故障が恐ろしいとか、対応するトレーニングが完了しないとかでは、使うべき器材ではない。
それは、レクリエーショナルレベルであっても同じだ。
その意味では、誰にでも勧められる器材ではないだろう。
しかし、そんなことを言えば、オープンサーキットだって同じことなんだがな。
指導団体の課す知識やスキルの水準をパスできなければ、認定は出来ない。
認定されなければ、Cカードは発行されず、自分でタンクを充填したりするのでなければ、事実上、ファンダイビングは行えないのだ。
器材が異なれば、それに応じた内容をクリアしなければならない。
氏は、テクニカルダイバーではないので、80mの潜水を行うということになれば、レジャーダイビングではないことになる。
管理者を置く、作業潜水ということになるのだ。
その世界の話を、レジャーダイビングにおける器材の選択の話として考えてしまう浮沈子の方に問題があるのだろう。
作業潜水での管理として、水中でダイバーの高いスキルを要求するCCRなどは、選択肢に入らないというのは、今までもそうだった。
一部の業者(自衛隊の機雷除去含む)だけが、先進的に導入しており、短時間(3時間以内)の作業で、部分的に活用していたということになる。
高圧則の改正で、空気潜水が40mまでと制限されたことや、ヘリウムや酸素の使用が大っぴらに認められたことで、リブリーザーでの作業潜水も増えていくに違いない。
作業潜水の内容も、今後は変わっていくだろう。
今は、その境目の時期である。
まあ、いつの時代も、何かの境目に過ぎないんだがな。
今までの確立された技術と、新しい技術が同居して、選択を迫られる。
浮沈子は、氏が、テクニカルダイビングで潜ろうとせずに、新たな送気潜水の姿を模索して、カードルを水中に沈めた怪しげな(?)ダイビングにチャレンジしようとしている姿に感動する。
80歳だぜ?。
浮沈子には真似すらできない。
レジャーダイビングの未来が、そっちの方に行くことはないだろうが、水上から吊り下げられたカードルから、何本もの中圧ホースを繰り出して、10人位が束になってタンクを背負わずに移動するというのは壮観だな。
ボートから吊り下げれば、安全にドリフトダイビングを行うこともできるし、レギュレーターを咥えている限り、はぐれることもない。
セカンドの故障とかに、どう対応するかとか、レギュレーターを離してしまったらどうするかなど、解決すべき新たな問題もある。
中圧ホースを、一度腰のあたりに固定して、それから咥えるなどの方法もあるだろう。
中圧ホースが命綱になるのだ。
もっとも、これは、スクーバではない。
もちろん、作業潜水とも異なる(カードルを水上でコントロールできないので、一次側の管理が出来ない:ダイバーとして水中に管理者を置かなければならない)。
残圧の管理はどーするということもある。
ボートが移動する方向やタイミングを、どうやって水中のダイバーに知らせるのか(通話装置とコンパスを用いることは考えられるな)。
氏の拘りは、水面との物理的な繋がりであり、作業潜水の「さがり綱」であり、アンビリカルケーブルである。
物理的な結束があれば、水上から引き上げることができる。
生死の別を問わず・・・。
一つのカードルから、中圧ホースが何本も伸びている方式では、個々の引き上げは出来ないが、どこかに流されて行ってしまうということは防ぐことができるだろう。
一つの形として、提案することは可能だ。
実現可能性は、限りなく、ゼロに近い・・・。
まあ、どうでもいいんですが。
これに関連して、面白い記述を見つけた。
(『シェアエア・セカンドステージ』)
http://www.piston-diaphragm.com/doyknow/shareair2nd.html
「『シェアエアセカンドステージ(オクトパス)の使用目的は?』との問いに対して ダイビングショップの店員やインストラクター、また多くのダイバーが‥、
A マイタンクの空気が無くなった(エア切れ)時にバディから空気を貰うため
B プライマリーセナンドステージが故障した際の予備器材
と答える様ですが、これは間違いです。」
おお、なかなか大胆なお題だな。
「「エア切れを想定する」ということは、器材(エアモニター)や講習(エアチェック、バディチェック、潜水計画)を、また ダイビングスクールやショップ、インストラクターにとっては 自身の存在理由を、それぞれ否定することと同義です。」
別に、否定したってかまわない。
それが十分に行われていなくても、事故を防ぐアイテムとして機能していればいい。
浮沈子は、つい最近まで、オクトパスの存在意義は、Bの自分のプライマリーのセカンドステージの予備であると信じていた。
バディのためのものであるというのは、二次的な理由であると考えていたわけだな。
自己中・・・。
「「水中世界での空気管理」という 「自らの命に係わること」を無視できるダイバーがいるとしたら、その人は ダイビングの欠格者か自殺志願者です。シェアエアセカンドステージは そんな人に配慮した器材ではありません。」
世の中には、そんなダイバーはうようよいる。
なぜか。
他人のセカンドステージは、俺様のものであると当てにして、限界まで自分のエアを消費することに慣れているからだな。
浮沈子は、この目でそんなダイバーを何人も見ている。
ピストンアンドダイアフラム氏が、何と言おうと、事実上、世の中のダイバーのほとんど全ては、グループ全体でのガスの消費を計算し、それを効率よくシェアするために計画的にオクトパスを使用するなんてことは、これっぽっちも考えていない。
また、安全管理上、そういう運用が出来ない場合は、適切なバディ同士でシェアできないという問題が生じることもあるので、限られたダイビングでしか実施できないだろう。
まあ、むしろ、あらゆるレクリエーショナルダイビングを、その範囲に留めるべきというのは正論だがな。
自己の残圧を管理し、その範囲内でダイビングを計画し、万が一のガス切れの保険として、バディのタンクの残圧を考え、それを確実に呼吸するためのアイテムとしてのオクトパスというのは、全世界で定着した考え方ではある。
グループ全体のガスという考え方は、たった1つのカードルから、ガスを分け合うという須賀氏の構想と、同じ発想だ。
以前は、セカンドステージを2つ装備するという習慣はなかった。
バディがエア切れしたら、1つのセカンドステージから交互に呼吸して浮上するというスキルを練習した。
浮沈子も、このトレーニングを行っている(PADIではありません)。
「「セカンドステージには予備が必要」と主張することはファーストステージにも予備を、即ち「酸素を多く含んだ血液を送り出す心臓が2つ必要」と同義です。」
ファーストとセカンドの構造について熟知している著者の挙げる理由としては、いささか問題がある気もする。
まあ、セカンドのトラブルのほとんどが、フリーフローなので、オクトパスを予備と考えるのには無理があることも事実だ。
導入の経緯を考えても、この考えはなじまないな。
より安全側に考えて、基本は各人が担いでいるタンクのエア内で完結する潜水計画を立てるという、現在主流の考え方で、浮沈子はいいように思う。
より効率的にダイビングを楽しむという観点から、バディやバディを超えたグループ間でのガスシェアというのは、相対的リスクは髙くなる。
それは、想定外の事象(カレントが強いなど)で、特定のダイバーのガス消費が計画を上回ったなどの臨時の際に、シェアするものという方がいい。
浮沈子のように、一人で海外などに行ってダイビングをする身としては、行った先で日本人がいることがない場合もあり、そこでまぜこぜになった、器材も異なるダイバー同士が、初めて潜るわけだし。
そんな中では、バディ間のシェアが精いっぱいだし、それすら危うい。
そもそも、PADIなどは、バディ間の残圧の確認をすべきであるという考え方はない。
おれ様の予備空気減の量を知らずに、いざという時はそれに頼れと教えているわけだ。
まあいい。
浮沈子も、PADIのインストラクターの端くれなので、教える時には基準に則って教えるが、バディの残圧は、自主的に確認しあうように、こっそり教えることにしよう(自分でもそうしています:ガイドにバディが申告するときに見ていたり、内緒でゲージを覗いたりします)。
ケーブルダイビングを志向する須賀氏の話とは離れてしまったが、単一クレードルからのガスシェアという、ハイブリッド潜水の問題点から発展した。
テクニカルダイビングでは、グループ内での予備ガスのシェアというのは、明確にルール化されているようだ。
しかし、当初からのガスを、想定されている潜水計画の中でシェアするというルールは通常はない。
各人が持ち込んでいるガスの中で、余裕をもって(3分の1を残して)消費するというのが原則である。
探検要素が高いシステム潜水では、チーム全体のガス量をコントロールすることがあるだろうが、それは、タンクの本数を見積もり、どこに配置するかなどのレベルで行われる。
個人の残圧管理とは異なるレベルの話だ。
うーん、ピストンアンドダイアフラム氏の話は、ちっと、リスキーな感じだな。
ここだけの話だが、浮沈子は、グアムでシングルタンクのサイドマウントで止む無く(原則CCRなんで)潜る時は、セカンドステージは1つしか付けなかった(良い子はマネしないでね!)。
おれ様の呼吸ガスはおれ様のもの!、人様には絶対あげない!(自己中・・・)。
まあ、最近は、ちゃんとロングホースも付けるようにした。
実際、グループ内でのエア切れを何度か見るにつけ、自己中ではいかんと思い直したからである(一応、インストラクターだしな)。
グループ内で、特にガスの消費が早い方がいて、いつも自分が足を引っ張るとお悩みならば、是非ともCCRか、サイドマウントの2本差しを検討されたい。
まあ、40キュービックフィートの細長いタンクに充填可能ならば、それを追加の空気源として、持っていくというのもありだ(14リットルタンクとかでもいいけど)。
オープンサーキットは、やっぱ、いろいろ厄介だな。
CCRなら、お前のマウスピースをよこせ!、などということは考えなくていいからな(わからんぞお?:そのうち、予備の蛇腹ホースを付けたやつだって、出てくるかもしれない・・・)。
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