デコ出し ― 2017年10月03日 23:41
デコ出し
禁断の話題に触れる。
もう、10年位前の話だ。
まだ、ダイビングを始めて間もないころ、ロタ島で松運丸に潜った。
そう、浮沈子が、ダイバーになった(と錯覚した?)記念すべきダイビングの時。
一緒に潜っていた老夫婦が、デコ出しした。
ダイコンはIQ800だったかな。
12分の安全停止(減圧)を求められたようだった。
あすこは、深いからな(ボトム35mくらい)。
チンアナゴ(ガーデンイール)の撮影に、夢中になってしまったらしい。
デコとは、デコンプレッション、つまり減圧の略。
正確に言えば、デコンプレッションストップ(減圧停止)のことになる。
浮上している際は、圧力は減じているが、浮上を止めれば減圧は止まる。
それをしなければ、安全な浮上が出来ないようなダイビングの事を、「停止」を省略して、減圧ダイビングと言っているようだ。
PADIでいうところの、レクリエーショナルダイバー(TDIなどでは、スポーツダイバーというらしい)では、減圧ダイビングは行ってはならないことになっている。
そのための指標としては、NDLという概念があり、その深度で、後どのくらいデコ出しせずに潜っていられるかを時間(分)で表す。
(基礎からわかる! ダイビングスタート&スキルアップ術 第30回 ひと目でわかるダイブコンピュータ)
https://www.marinediving.com/skill/basic_skill/30_divecomputer/
「ダイブコンピュータは、「無減圧潜水時間(NDL)」=「減圧停止しないでその水深にあとどれぐらい(何分間)いられるか」を示すのが最大の役割なのだ。」
最近のダイブコンピューターには、NDLを表示するようになっているものが多いが、殆どのレクリエーショナルダイバーは、その数字の意味するところを知らずに潜っている(たぶん)。
深く潜ることが多いダイバーや、長時間粘って写真や動画を撮るダイバーの中には、ちゃんと分かっている人もいる。
が、分かってないのは、そんなもんは当てにならないということだ(そうなのかあ?)。
だって、ダイバー個人の生理的な特性なんて、全く反映していないし、身長体重はもとより、脂肪量や筋肉量なども入力しているわけではない。
そもそもの減圧理論自体が、人間の身体を水袋として扱っているわけだから、NDLが気休め程度のものであることは明らかだ。
要するに、テキトーなのだ。
大切なことは、ダイコンの数字はあくまで参考にして、潜水計画を立てる際には、余裕を持たせ、実施に当たっては保守性を加味して運用するのが正しいと教わる。
NDLが一桁になるなどというのはもってのほか。
浮沈子は、20分を切ると気になって仕方ない。
中層が流れていて、水底が深く、底の方に行かなければ見るものが少ない小笠原では、かなりギリギリの運用が行われているようだ。
軽い減圧潜水は、日常的に行われているかも知れない。
浮沈子は実際そういう体験はしていないが、テクニカルダイバーである竹内さんに付き合って潜ると、みるみるNDLが減っていくのが分かる。
えーと、浮沈子の資格では、ポセイドンでは減圧出せないんですけど・・・。
今回は、ペトレルでは0分になったことがある(ポセイドンよりは厳しめに出る)。
反省だな。
もっとも、CCRの場合は、ゆっくりと浮上している間に減圧停止は終わってしまうことが多い。
15m位の深度では、PO2も最大の1.2のままだしな。
窒素の吸収(排出も)の遅い組織には堪り続けているだろうから、安心はできないんだが、濃いめのナイトロックスを吸い続けることになるから、排出が加速される。
軽い減圧を出して、酸素で加速減圧しているテクニカルダイバーに付き合っていると、CCRの方が先に減圧が終わっていることもあるようだ。
えーと、浮沈子は、ポセイドンでは減圧できないはずだからな。
良く分からないけどな・・・。
「水中では小さな字も大きく見えるので、「小さな文字が見えない!」という方も見えると思うが、見えない方は画面の大きなダイブコンピュータを買って、必ず水中で確認ができるようにしよう。」
画面が大きくても、NDLの文字や数字が大きいとは限らない。
しっかりと取説を読んで(しかしなあ、取説の文字も小さいからなあ)、NDLの管理をおろそかにしないことが大切だ。
テクニカルダイビングを安全に行えるようになれば、デコ出ししてもちゃんと減圧停止して、事故や障害を起こすことなく浮上することが出来るようになる。
そのためには、精密な浮力調整、深度の維持、確実な水中からのブイの放出、時間管理と減圧ガスの管理などのスキルが必要になる。
それでも、減圧症にならないという保証はない。
一定以上の確率で、減圧症は発生する。
NDLの管理をちゃんとやっていても、高所移動などの間に十分な時間を取ったとしても、体内に蓄積された窒素の影響を皆無には出来ない。
何かで読んだが、連日のダイビングを行った後の航空機の利用に於いて、完全に統計的な影響を排除するためには1週間以上の時間を要するそうだ。
そんなには待てない・・・。
24時間空けることについてさえ、業界の抵抗はすさまじい。
18時間以上というのは、医学的に決められたわけではなく、商売上の都合で決められた妥協の産物だ。
まあ、小笠原ならな、飛行機ないしな・・・。
高所移動の心配はない。
だからといって、連日の深潜りは、身体に対する負担が大きいことは認識すべきだ。
レクリエーショナルダイバー(PADI)やスポーツダイバー(TDIなど)は、デコ出し厳禁!。
控えめのダイビングを心掛けるようにしよう。
CCRなら、なお良い(酸素毒性の管理は必要だけどな)。
レクリエーショナルダイビングで、1日4ダイブも5ダイブもするなどというのは論外だ(浮沈子は、クルーズやタオ島では、最大4ダイブだったけどな)。
理論値としてはともかく、疲労を考えた場合の身体への負担はかなり大きい。
それが、減圧症の発生に影響しているかどうかはともかく、自分の体力を考えて潜るべきだろうな。
デコ出しが、ダイビングのネックになるような潜り方は、決して好ましくはない。
一般のダイビングに於いても、テクニカルダイビングに於いても、それは同じだ。
まあ、テックは、それが前提になるけどな。
そのための技術、コントロール、スキルを学び、磨くわけだ。
そして、減圧症のリスクを受け入れる。
個人差もあり、当日のご本人のコンディションにも大きく左右される。
万が一発症してしまったときの、医療体制や医療機関への搬送も考慮しなければならない。
父島にはチャンバーがない。
本土への搬送は時間がかかる。
それを考慮すれば、無茶なダイビングは出来ない。
まあ、そんなダイビングをしなくても、十分以上に楽しめる海だ。
ガツガツ潜らなくても、またの機会に潜ればいい。
1週間も続けて休めないという、我が国の労働環境も問題だな・・・。
禁断の話題に触れる。
もう、10年位前の話だ。
まだ、ダイビングを始めて間もないころ、ロタ島で松運丸に潜った。
そう、浮沈子が、ダイバーになった(と錯覚した?)記念すべきダイビングの時。
一緒に潜っていた老夫婦が、デコ出しした。
ダイコンはIQ800だったかな。
12分の安全停止(減圧)を求められたようだった。
あすこは、深いからな(ボトム35mくらい)。
チンアナゴ(ガーデンイール)の撮影に、夢中になってしまったらしい。
デコとは、デコンプレッション、つまり減圧の略。
正確に言えば、デコンプレッションストップ(減圧停止)のことになる。
浮上している際は、圧力は減じているが、浮上を止めれば減圧は止まる。
それをしなければ、安全な浮上が出来ないようなダイビングの事を、「停止」を省略して、減圧ダイビングと言っているようだ。
PADIでいうところの、レクリエーショナルダイバー(TDIなどでは、スポーツダイバーというらしい)では、減圧ダイビングは行ってはならないことになっている。
そのための指標としては、NDLという概念があり、その深度で、後どのくらいデコ出しせずに潜っていられるかを時間(分)で表す。
(基礎からわかる! ダイビングスタート&スキルアップ術 第30回 ひと目でわかるダイブコンピュータ)
https://www.marinediving.com/skill/basic_skill/30_divecomputer/
「ダイブコンピュータは、「無減圧潜水時間(NDL)」=「減圧停止しないでその水深にあとどれぐらい(何分間)いられるか」を示すのが最大の役割なのだ。」
最近のダイブコンピューターには、NDLを表示するようになっているものが多いが、殆どのレクリエーショナルダイバーは、その数字の意味するところを知らずに潜っている(たぶん)。
深く潜ることが多いダイバーや、長時間粘って写真や動画を撮るダイバーの中には、ちゃんと分かっている人もいる。
が、分かってないのは、そんなもんは当てにならないということだ(そうなのかあ?)。
だって、ダイバー個人の生理的な特性なんて、全く反映していないし、身長体重はもとより、脂肪量や筋肉量なども入力しているわけではない。
そもそもの減圧理論自体が、人間の身体を水袋として扱っているわけだから、NDLが気休め程度のものであることは明らかだ。
要するに、テキトーなのだ。
大切なことは、ダイコンの数字はあくまで参考にして、潜水計画を立てる際には、余裕を持たせ、実施に当たっては保守性を加味して運用するのが正しいと教わる。
NDLが一桁になるなどというのはもってのほか。
浮沈子は、20分を切ると気になって仕方ない。
中層が流れていて、水底が深く、底の方に行かなければ見るものが少ない小笠原では、かなりギリギリの運用が行われているようだ。
軽い減圧潜水は、日常的に行われているかも知れない。
浮沈子は実際そういう体験はしていないが、テクニカルダイバーである竹内さんに付き合って潜ると、みるみるNDLが減っていくのが分かる。
えーと、浮沈子の資格では、ポセイドンでは減圧出せないんですけど・・・。
今回は、ペトレルでは0分になったことがある(ポセイドンよりは厳しめに出る)。
反省だな。
もっとも、CCRの場合は、ゆっくりと浮上している間に減圧停止は終わってしまうことが多い。
15m位の深度では、PO2も最大の1.2のままだしな。
窒素の吸収(排出も)の遅い組織には堪り続けているだろうから、安心はできないんだが、濃いめのナイトロックスを吸い続けることになるから、排出が加速される。
軽い減圧を出して、酸素で加速減圧しているテクニカルダイバーに付き合っていると、CCRの方が先に減圧が終わっていることもあるようだ。
えーと、浮沈子は、ポセイドンでは減圧できないはずだからな。
良く分からないけどな・・・。
「水中では小さな字も大きく見えるので、「小さな文字が見えない!」という方も見えると思うが、見えない方は画面の大きなダイブコンピュータを買って、必ず水中で確認ができるようにしよう。」
画面が大きくても、NDLの文字や数字が大きいとは限らない。
しっかりと取説を読んで(しかしなあ、取説の文字も小さいからなあ)、NDLの管理をおろそかにしないことが大切だ。
テクニカルダイビングを安全に行えるようになれば、デコ出ししてもちゃんと減圧停止して、事故や障害を起こすことなく浮上することが出来るようになる。
そのためには、精密な浮力調整、深度の維持、確実な水中からのブイの放出、時間管理と減圧ガスの管理などのスキルが必要になる。
それでも、減圧症にならないという保証はない。
一定以上の確率で、減圧症は発生する。
NDLの管理をちゃんとやっていても、高所移動などの間に十分な時間を取ったとしても、体内に蓄積された窒素の影響を皆無には出来ない。
何かで読んだが、連日のダイビングを行った後の航空機の利用に於いて、完全に統計的な影響を排除するためには1週間以上の時間を要するそうだ。
そんなには待てない・・・。
24時間空けることについてさえ、業界の抵抗はすさまじい。
18時間以上というのは、医学的に決められたわけではなく、商売上の都合で決められた妥協の産物だ。
まあ、小笠原ならな、飛行機ないしな・・・。
高所移動の心配はない。
だからといって、連日の深潜りは、身体に対する負担が大きいことは認識すべきだ。
レクリエーショナルダイバー(PADI)やスポーツダイバー(TDIなど)は、デコ出し厳禁!。
控えめのダイビングを心掛けるようにしよう。
CCRなら、なお良い(酸素毒性の管理は必要だけどな)。
レクリエーショナルダイビングで、1日4ダイブも5ダイブもするなどというのは論外だ(浮沈子は、クルーズやタオ島では、最大4ダイブだったけどな)。
理論値としてはともかく、疲労を考えた場合の身体への負担はかなり大きい。
それが、減圧症の発生に影響しているかどうかはともかく、自分の体力を考えて潜るべきだろうな。
デコ出しが、ダイビングのネックになるような潜り方は、決して好ましくはない。
一般のダイビングに於いても、テクニカルダイビングに於いても、それは同じだ。
まあ、テックは、それが前提になるけどな。
そのための技術、コントロール、スキルを学び、磨くわけだ。
そして、減圧症のリスクを受け入れる。
個人差もあり、当日のご本人のコンディションにも大きく左右される。
万が一発症してしまったときの、医療体制や医療機関への搬送も考慮しなければならない。
父島にはチャンバーがない。
本土への搬送は時間がかかる。
それを考慮すれば、無茶なダイビングは出来ない。
まあ、そんなダイビングをしなくても、十分以上に楽しめる海だ。
ガツガツ潜らなくても、またの機会に潜ればいい。
1週間も続けて休めないという、我が国の労働環境も問題だな・・・。
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