大山鳴動して有機物2018年06月08日 09:45

大山鳴動して有機物


(【取材】9日のNASA緊急発表を世界的天文学者が徹底予想!!「火星の地下に生物がいたのかも」「知的生命体の可能性も」)
http://tocana.jp/2018/06/post_17117_entry.html

この媒体の記事は、話半分どころか9割引きでも信じ過ぎだが、NASAがキュリオシティの探査結果について発表するというところ「だけ」は、マトモだ。

で、本日早朝公表された結果は、有機分子が検出されたという話だけ・・・。

(Building Blocks of Life Found on Mars
Two landmark discoveries reveal organic carbon on the red planet, shaping the future hunt for life on Mars.)
https://news.nationalgeographic.com/2018/06/mars-organic-compounds-methane-curiosity-space-science/

「A new study published in Science on Thursday presents the first conclusive evidence for large organic molecules on the surface of Mars, a pursuit that began with NASA’s Viking landers in the 1970s.」(木曜日にScienceに発表された新しい研究は、1970年代にNASAのViking landersで始まった火星の表面上の大きな有機分子の最初の決定的な証拠を提示している。:自動翻訳のまま:以下同じ)

「発見」の概要はこちら。

(Organic matter preserved in 3-billion-year-old mudstones at Gale crater, Mars)
http://science.sciencemag.org/content/360/6393/1096

「Abstract
Establishing the presence and state of organic matter, including its possible biosignatures, in martian materials has been an elusive quest, despite limited reports of the existence of organic matter on Mars. We report the in situ detection of organic matter preserved in lacustrine mudstones at the base of the ~3.5-billion-year-old Murray formation at Pahrump Hills, Gale crater, by the Sample Analysis at Mars instrument suite onboard the Curiosity rover. Diverse pyrolysis products, including thiophenic, aromatic, and aliphatic compounds released at high temperatures (500° to 820°C), were directly detected by evolved gas analysis. Thiophenes were also observed by gas chromatography–mass spectrometry. Their presence suggests that sulfurization aided organic matter preservation. At least 50 nanomoles of organic carbon persists, probably as macromolecules containing 5% carbon as organic sulfur molecules.」(抽象
火星での有機物の存在の報告が限られていたにもかかわらず、火星物質の可能性のある生体物質を含む有機物の存在と状態を確立することは、難しい探求でした。 私たちは、Curiosityローバーに搭載された火星探査機のSample Analysisによって、Pahrump Hills、Gale craterの〜35億年前のMurray形成の基盤にある湖沼泥岩に保存された有機物のin situ検出を報告しています。 高温(500〜820℃)で放出されるチオフェン、芳香族および脂肪族化合物を含む様々な熱分解生成物が、進化ガス分析によって直接検出された。 チオフェンは、ガスクロマトグラフィー - 質量分析法によっても観察された。 彼らの存在は、硫化が有機物の保存を助けたことを示唆している。 おそらく有機硫黄分子として5%の炭素を含む巨大分子として、少なくとも50ナノモルの有機炭素が存続する。)

いろいろな記事の中には、メタンの季節変動が観察されていることに触れているものもあるが、今回の発見とは直接の関係はない(たぶん)。

有機物があったのは、35億年前の地層だからな。

(チオフェン)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%81%E3%82%AA%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%B3

「チオフェン自身の物理的特性および化学的反応性はベンゼンと良く似通っている。」

ふーん・・・。

この発見の宇宙生物学的意義については、これからの評価を待たなければならないが、分かりやすい話としては、もし、微生物がいたとしたら、食い物に困ることはないだろうという程度ではないのか。

(Nasa Mars rover finds organic matter in ancient lake bed
Curiosity digs up carbon compounds that could be food for life in sediments that formed 3bn years ago)
https://www.theguardian.com/science/2018/jun/07/nasa-mars-rover-finds-organic-matter-in-ancient-lake-bed

「But whatever the ultimate source of the material, if microbial life did find a foothold on Mars, the presence of organics meant it would not have gone hungry. “We know that on Earth microorganisms eat all sorts of organics. It’s a valuable food source for them,” said Jennifer Eigenbrode, a biogeochemist at Nasa’s Goddard Space Flight Center in Maryland.」(しかし、物質の最終的な供給源が何であれ、微生物の生活が火星の足場を見つけたならば、有機物の存在はそれが空腹にならないことを意味した。 "我々は地球上で微生物があらゆる種類の有機物を食べることを知っている。 それは彼らにとって貴重な食糧源です」と、メリーランド州のNasaのゴダード宇宙飛行センターの生物地球化学者、Jennifer Eigenbrodeは述べました。)

最近、こんな記事もあったからな。

(なぜ清潔に保たれているはずのクリーンルーム内でも微生物が繁殖してしまうのか?)
https://gigazine.net/news/20180604-how-microbes-survive-clean-rooms/

「アシネトバクターが繁殖の栄養源としていたのは、なんと宇宙船の部品を洗浄する際に使用された洗剤でした。アシネトバクターは洗剤に含まれるエタノールを唯一の炭素源として生分解し、栄養とすることができたそうで、他の微生物にとっても洗剤の成分が栄養源となる可能性があります。」

この記事によれば、アシネトバクターなる細菌は、NASAのクリーンルームで採取されたものとあるから、当然、キュリオシティにもくっ付いて、火星に運び込まれているに違いない。

放射線耐性の問題とかあるから、火星で生き延びられるかどうかは何とも言えない。

(アシネトバクター)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%B7%E3%83%8D%E3%83%88%E3%83%90%E3%82%AF%E3%82%BF%E3%83%BC

「乾燥に強い。また他のDNA断片を取り込んで自分の染色体DNAに取り込むことが出来、例えばカルパベネム耐性遺伝子(OXA-23-likeやOXA-58-like)を持ったり、キノロン耐性決定領域(QRDR)のアミノ酸残基の置換を引き起こす遺伝子変異を導入したりしている。」

超多剤耐性株もあるらしいから、そのうち、放射線耐性を獲得する可能性もある(未確認)。

ということは、NASAの目論見通り、食い物には不自由しない火星の土壌に、地球の細菌をぶちまけるという「地球生命播種計画」(極秘計画?)は、成功する可能性があるということだ(そうなのかあ?)。

まあ、どうでもいいんですが。

うーん、今回の発見が何を意味することになるのか。

少なくとも、火星に生命がいたという確証は得られていないということは分かった(たぶん)。

しかし、ひょっとしたら、見つかるかもしれないという微かな希望を残しているのかもしれない。

2020年には、キュリオシティ2世(仮称?)が、火星に送り込まれることになっている。

業界としては、少しでも盛り上げたいところだ。

これからも、機会を捉えて様々なアピールがあることだろう。

火星探査は、2年に1度のお祭りだからな。

今年は不作だったな。

結局、インサイトだけになってしまった。

2020年には、欧州とロシアの探査機も飛ぶからな。

今度は、ランダーも激突しないで上手くいくかもしれないしな。

当初、2030年代といわれた有人火星探査は、無期限延期となっているから、それまで、なんとかして持たせなければならない(そういうことかあ?)。

浮沈子的には、その度にヒヤヒヤすることになる(地球外生命には懐疑的なので)。

現在の火星に、生命が存在しないことは、まあ、ほぼ間違いないが、過去に一度も存在したことがないと証明することは難しいだろう(そっちで引っ張るのかあ?)。

火星のあちこちをほじくり返して探査したり、サンプルリターンを試みたりしなければならないからな。

不存在の証明は、悪魔の証明だ。

生命の誕生の必然的機序が明らかでない以上、しらみつぶしに探査を続けるしかない。

おい、いい加減にしろよ、という状況にならない限り、業界がくいっぱぐれることはないのだ。

そのためには、何かにつけて情報を発信し、資金が途切れることがないようにしなければならない。

そのうち、「地球生命播種計画」が成功して、火星に生命がいることが確認されることになるからな。

しかしなあ、どうも地球生命と似すぎているんだがなあ・・・。

なーに、心配することはない。

そういう時のために、火星生命と地球生命は同根だという説は、しっかり用意されてるからな・・・。

(ついに火星から有機物を発見したとNASAが発表:追加)
https://gigazine.net/news/20180608-nasa-finds-organic-material-mars/

(火星で複雑な有機物発見、メタン濃度の季節変動示す証拠も NASA探査車:追加)
http://www.afpbb.com/articles/-/3177719

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