そう言えばあれはどうなった?:737MAXが落ちたのはみんなが悪いという結論? ― 2020年09月18日 07:02
そう言えばあれはどうなった?:737MAXが落ちたのはみんなが悪いという結論?
新型コロナと打ち上げロケットの話題に振り回されて、いつの間にかどこかに行ってしまった話は多い。
ILC誘致、737MAX、風疹の流行(そういえばそんな話もあったな)、そしてDRCエボラ(終息したんだっけ?:その後、北西部での流行があったらしいが、そっちはフォローしてないしな)エトセエトセ・・・。
(737MAX墜落、ボーイングの「悲惨な」過失の結果 米議会報告書)
https://www.afpbb.com/articles/-/3305125?act=all
「規制に沿っていた航空機が5か月足らずで2度の墜落事故を起こしたということは、現行の規制制度に根本的欠陥があり、改革を必要としていることを示す明確な証拠だ」
ブチ切れた米国議会の最後通告だな。
まあ、制度改革と言っても、字面を変えるとかだけでは何も変わらないことは明らかだし、制度を運用するための組織、予算、人員の確保、専門家の継続的な育成と規制される側の問題も併せて考えなければならない。
航空分野だけでなく、宇宙分野でも同じような話が繰り返されている。
B社の流し続ける害毒の大きさに、改めて驚く。
問題は、これがB社固有の話ではなく、現代の技術文明全般に及ぶ深刻な状況の反映に過ぎないという点だ。
コンピューター取引におけるトラブル、セキュリティの不安、自動運転に対する懸念や食品の安全性に至るまで、我々の生活全般に及んでいる話だ。
そこには、自由な企業活動と当局の規制という目に見える関係だけではなく、犯罪と取り締まり、阿吽の呼吸、裏社会との関係、ひいては、我々の内部にある本音と建て前など、もう、広がる一方の話も絡んでくる。
そう、そこに見えてくるのは、みんなが悪いという、特定の誰かが悪いから事故が起こったんだという分かりやすさを排除する、意図的分かりにくさの演出が見える(そうなのかあ?)。
そう言って悪ければ、そもそも我々の生活の利便性が内包する構図といってもいい。
それと引き換えに、リスクを取っているということを隠蔽しているわけだからな。
そのリスクが受け入れられない形で現れれば、何らかの変更を加えなければならない。
その利便性自身を放棄することから、人身御供を立てて個人の責任で済ませることまで、「変更」の幅は広い。
米国議会が、事故を起こした直接の原因を作った航空機メーカーと規制当局をやり玉に挙げたのは当然だが、その制度を承認し、人員を削り、予算を削ってきたのは議会自身だ。
その意味でも、みんなが悪いという構図が見えている。
たぶん、そういう見方は正しいだろうが、それでは事故で亡くなった人々やその家族、関係者の気は収まらんだろう。
そのための制度もある(民事、刑事告訴、保険、賠償責任エトセエトセ)。
そもそも、規制当局がメーカーを監督して認可するという仕組み自体も、我々が考案し、実施している制度の一つだしな。
議会も、政府も、全てはそういう構図に収まっている。
その中で、航空機という技術を活用した利便性の享受が、妥当なリスクの下で得られるというのが我々の合意なのだ。
飛行機に限らず、自動車でも、インターネットでも、食品の安全でも、何でもいい。
蛇口をひねれば出てくる水道水だって、決まった曜日に集めてくれるゴミだって、スイッチ一つで付けたり消したりできる電気だって、全てはそういう構図の中で我々が享受している利便性だ。
安全性、環境負荷、資源確保、経済合理性といった、見えづらい話は、できれば日常から隠蔽して、麗しい話だけ聞きたいからな。
スーパーのチラシだけ見て、買い物したいじゃないの・・・。
生活の利便性をもたらしている数々の技術の背景に無関心でいれば、不道徳が蔓延る現代では、いつの間にか好ましからざる結果に至ることになる。
我々一人一人の無関心の総和、ややっこしい話は専門家に任せて、美味しい話だけ聞きたいという、至極自然な気持ちの集まりが、巡り巡って積み重なって悲惨な事故を生むのだ。
みんなが悪いという、究極の構図だな。
だからどーしたという話もある。
現代の技術や、それを取り巻く社会的な問題に日頃から関心を持ち、社会の成員として、消費者として、選挙や購買で選択的態度を取り、望ましい姿で技術の発展と社会の充実を図るべきだなどと、説教垂れる気はさらさらない。
浮沈子は、スーパーのチラシ見て買い物したいだけ・・・。
何も考えず、日常の狭い世界で潤いたいだけだ。
エチオピアやインドネシアで起きた事故は、お前のせいでもあるなどという話は聞きたくもない。
みんなが悪いという構図は、無限に拡張すれば、天に唾する話になる。
自分自身に跳ね返ってくる。
軽々に、その構図を容認するわけにはいかない。
どこかで線引きし、誰かが悪いという話にしないと、安心して眠ることはできない。
その線引きも含めて、みんなが悪いという話をしないとな。
電気のスイッチ入れたり、水道の蛇口をひねるたびに、胃が痛くなるような生活は御免だ。
米国議会の報告は読んでいないから何とも言えないけど、報道の中には運航していた航空会社の責任の話は出てこない。
もちろん、それは当然のこととしてオミットされているのかも知れないが、経済的な航空機を求めてメーカーに圧力を掛けていたのは航空会社だからな。
そこにメスが入らなかったことは、議会の限界かも知れない(業界との繋がりもあるのかも)。
今回の線引きは、そこで行われた。
浮沈子は、報道を読んでそう感じた。
何も知らされずに、事故に至った航空会社は、むしろ被害者だと。
んなことはない。
MCASの話にしたって、何も知らないはずはないのだ。
従来の機種との違いを知りながらパイロットに知らせず、必要な訓練もせず、メーカーとグルになって金もうけに走った真犯人なのではないのかあ?。
まあ、どうでもいいんですが。
改良後の試験飛行も終わり、そろそろ737MAXの飛行再開の日程が見えてきそうな感じだ。
新型コロナの影響で、新規発注よりキャンセルが多くなっているが、ほとぼりが冷め、需要が回復してくれば、B社はV字回復するに違いない。
今はどん底のキャリアだって、いつまでも低迷しているわけではないだろう。
メンツ丸潰れでボロボロにされている規制当局だって、暫くは襟を正しているかもしれないが、やがては元の木阿弥、再びメーカーに丸め込まれるに決まっている。
歴史は繰り返し、旅客機はまた落ちる。
われわれは、スーパーのチラシを見て買い物し、電気のスイッチを入れ、水道の蛇口をひねる。
やれやれ・・・。
歴史は、繰り返すと書いたが、そうではないかもしれない。
AIが全てを仕切り、航空機だって全自動運転(操縦?)で飛び、事故は激減するかもしれない。
MCASなんて野蛮な低レベルの制御システムは博物館送りとなり、全ての飛行機が静的安定性などという物理の神様頼りの原始的な仕掛けを捨て、コンピューター頼りの新たな操縦性を手に入れることになる。
今時、キャブレターなどという、自然吸気システムで燃料吸い出して燃してるエンジンなんてなかろう?。
物理の神様なんて、当てにしてないのだ。
まあいい。
航空機事故などというのが、ニュースネタから消えて数十年後、突然事故が起こる。
もちろん、AIの不具合によるものだから、人間では原因が掴めない。
無限にも近いトラブルツリーを追い切ることは、既に人間では不可能になっているからな。
AIを監査するのはAIだ。
そして、AIはAIの不具合を見つけ出し、AIを処分する。
遺族は釈然としないだろうが、それが未来社会の掟だ。
人が人を統べることがなくなれば、人は人間ではなくなる。
AIに飼われる家畜だ。
家畜は不幸なのか?。
それを決めるのは家畜ではない。
AIが決める・・・。
人間が統べる国家の、人間が構成する議会が、事故の原因を調べたふりして裏取引し、責任の線引きをして報告した(そうなのかあ?)。
麗しき人間社会の姿は、もう暫くは続くんだろうな・・・。
<以下追加>----------
いくら与太ブログとはいえ、毒のある記事を書いてしまった。
まだ読んでいないけど、下院委員会のプレスリリースを見つけた。
(18か月の調査後、DeFazio議長とLarsen議長、ボーイング737 MAXに関する最終委員会報告書を発表)
https://transportation.house.gov/news/press-releases/after-18-month-investigation-chairs-defazio-and-larsen-release-final-committee-report-on-boeing-737-max
「最終報告書、ボーイングとFAAの役員の737 MAXに関する筆記面接、過去の声明、ヒアリングビデオなどを含む、新たにリリースされた付随記録にアクセスするには、ここをクリックしてください。」
PDFで245ページ(プレスでは、238ページ)ある。
とりあえず、プレスリリースで指摘されている事項をコピペしておく。
「5つの中心的なテーマ:
・飛行中の公衆の安全を脅かす生産圧力:
ボーイングとエアバスの新しいA320neo航空機と競合する737 MAXプログラムに多大な財政的圧力がありました。とりわけ、この圧力により、コストを削減し、737 MAXプログラムのスケジュールを維持し、737 MAX生産ラインの速度低下を回避するための広範な努力が行われました。
・不完全な設計とパフォーマンスの仮定:
ボーイングは、737 MAXの重要なテクノロジーについて根本的に誤った仮定を行いました。特にMCASは、特定の条件で航空機の機首を自動的に押し下げるように設計されたソフトウェアです。ボーイングはまた、MCASの存在にほとんど気づいていないパイロットが潜在的な誤動作を軽減できると期待していました。
・隠蔽の文化:
ボーイングは、FAA、その顧客、737 MAXパイロットからの重要な情報を差し控えました。これには、ボーイングのテストパイロットがフライトシミュレーターでのコマンドなしのMCASのアクティブ化を診断して応答するのに10秒以上かかったことがパイロットの説明した状態を示す内部テストデータが含まれています「壊滅的」として。連邦政府のガイドラインは、パイロットが4秒以内にこの状態に応答することを前提としています。
・矛盾した表現:
ボーイングに関するFAAの現在の監視構造は、飛行する公衆の安全を脅かす固有の利益相反を生み出します。このレポートは、FAAに代わって作業を実行する権限を与えられたボーイングの従業員が、潜在的な安全性や認証の問題についてFAAに警告できなかった複数の事例を記録しています。
・FAAの監視構造に対するボーイングの影響:
複数のキャリアFAAの役員は、FAAの経営陣がボーイングの要請によりFAA自身の技術専門家の決定を却下した例を文書化しています。これらの例は、最近のFAA従業員の「安全文化」調査の草案の結果と一致しており、多くのFAA従業員は、上級リーダーは業界の目標達成を支援することにもっと関心があり、安全関連の決定には責任を負わないと考えています。」
最後の2つは、浮沈子の想像を絶する状況だな(手前味噌テンコ盛りな状況を、制度的に作り出し、それが見事に「機能」したわけだ)。
「私たちのレポートは、ボーイングがエアバスと競合し、ウォールストリートに利益をもたらすというプレッシャーの下で、FAAからの調査を回避し、パイロットからの重要な情報を差し控え、最終的に飛行機を346人の無実の人々を殺害したサービスに投入したことについての不安な啓示を示しています。」
凶器となった航空機は徹底的に改善され、FAA以外の飛行試験も受け、キッチリと評価されたのちに飛行再開となる(はずだ・・・)。
そういえばあれはどーなったの話としては、風疹はどうやら流行期を脱したようだ。
(風疹に関する疫学情報:2020 年 9 月 9 日現在)
https://www.niid.go.jp/niid/images/epi/rubella/2020/rubella200909.pdf
掲載されている図1を見ると、第12週(3月)までは流行が継続し、その後は散発的な感じがする(テキトーです)。
図3では、先天性風疹症候群(CRS)が今のところ5人に留まっていることが分かる。
これで収まってもらいたいものだ。
追加のワクチン接種は、新型コロナの影響を受けて相変わらず低調で、12パーセント程度に留まっている。
やれやれ・・・。
DRCエボラは、北キブ州のやつは、6月25日に集団発生の終息が宣言されている。
(キブエボラ流行)
https://en.wikipedia.org/wiki/Kivu_Ebola_epidemic
「2020年6月25日、集団発生は終了したと宣言された。」
北西部のやつは、今も健在のようだ。
「2020年エクアトゥール州での発生とその他の健康問題:
9月2日、有効なワクチンが利用可能であったにもかかわらず、それは110例に増加し、47例が死亡した。」
(エカトゥール県での新しいエボラ出血熱への対応)
https://www.msf.org/msf-responds-new-ebola-outbreak-%C3%A9quateur-province-drc
「2020年6月1日、コンゴ民主共和国西部(DRC)のエクアトゥール州でエボラウイルス病(EVD)の新たな発生が宣言され、国で11番目の流行が記録されました。」
「9月2日の時点で、合計110のエボラ出血熱がエカトゥール県で記録されており、104人が確認され、6人が推定され、47人が死亡しています。」
記事によれば、この辺りでは2018年にも流行が起きている。
またか・・・。
一抹の不安を感じるな。
ロジスティクスの困難と、分散対応か・・・。
自然宿主からの感染がトリガーだから、流行地は概ね僻地だ(2014年のアフリカ北西部の大流行(首都に飛び火して大変なことになった)は例外だな)。
新型コロナやその他の感染症の影響で、エボラどころではないということもある(そうなのかあ?)。
死亡率も高い(50パーセント近い)。
3か月以上経っているのに、まだ収束の話がないというのも気になる。
何かあれば、また、忘れた頃になって書くかもしれない。
<さらに追加>----------
(コンゴ民主共和国2020のエボラ出血熱
エカトゥール県)
https://www.who.int/emergencies/diseases/ebola/ebola-health-update---%C3%A9quateur-province-democratic-republic-of-the-congo-2020
「コンゴ民主共和国のエボラウイルスによる11回目のウイルス感染が2020年6月1日に、エクアトゥール県のムバンダカ地域で一連の症例が検出された後に発表されました。」
(コンゴ民主共和国西部でのエボラ出血熱の発生は100例に達する)
https://www.afro.who.int/news/ebola-outbreak-western-democratic-republic-congo-reaches-100-cases
「州の首都ムバンダカで最初に事件のクラスターが検出されました。その後、州の17の健康ゾーンのうち11に感染が拡大した。これまでに報告された100例のうち、96例が確認され、4例が考えられます。43人が命を落としました。」
「アウトブレイクは、影響を受けるコミュニティが、赤道にまたがる州の遠隔地の密集した森林地帯に長距離にわたっているという、重大な物流上の課題を提示しています。最も広い地点で、集団感染は東から西、北から南の両方で約300 kmに広がっています。影響を受ける住民に到達するまでに数日かかることがあり、多くの場合、レスポンダーと物資は道路のないエリアを横断する必要があり、川のボートの長い旅が必要になります。」
前回の2018年の流行は、3か月半で終息し、症例数は54(死者33)に留まった。
今回は、違う様相を呈している。
2014年のアフリカ北西部の大流行では、特異な埋葬習慣が感染拡大のきっかけを作り、大都市に入り込んだために大変なことになった。
昨年の北キブ州などでの流行は、現地の政情不安が課題の一つだったしな。
今回は、広範で遠隔な流行地域とアクセスの困難さが仇になっているようだ。
既に、流行開始から少なくとも3か月半が経っている。
僻地に閉じ込められているうちはいいが、逆に関心が薄れ、大都市に飛び火して流行が拡大するようだとヤバいな。
新型コロナの時代のエボラはインパクトが小さいからな。
「堅牢なサポートが必要な緊急事態は、COVID-19だけではありません。最近の歴史からわかるように、私たちはエボラ出血熱を無視しています。」
浮沈子も3か月半、無視してたしな。
人のことは言えない・・・。
(コンゴ民主共和国(DRC)-エボラ出血熱状況レポート#33-2020年9月18日)
https://reliefweb.int/report/democratic-republic-congo/democratic-republic-ofthe-congo-drc-ebola-situation-report-33
「エカトゥール県でのこの新たな集団発生は、州の17の健康地帯のうち8地域に影響を及ぼし、117例が確認され、50例が死亡した。」
「360,292人がエボラワクチンを接種しました(エクアトゥールの27,303人を含む)。」
「International Medical Corpsは、新しいエボラ出血熱が発生しているエクアトゥールの20か所の新しい施設を含む、196か所の医療施設にIPCサポートを提供して、医療サービスの安全を確保しています。」
(コンゴ民主共和国で118件のエボラ出血熱の症例が検出された)
https://www.aa.com.tr/en/africa/118-ebola-cases-detected-in-dr-congo/1974073
「エボラ出血熱は中央アフリカの国の西部に広がっており、隣接するコンゴ共和国や首都キンシャサにまで達する可能性があるとの懸念を引き起こしています。」
「エクアトゥールでの集団発生は6月上旬に始まり、その後、17の健康ゾーンのうち12に広がっています。」
健康ゾーンの広がりについては、やや情報が錯綜しているようだ。
うーん、しばらく目を離さない方がいいかも。
(コンゴ、国境を越えて広がるエボラ出血熱のリスク)
https://www.voanews.com/africa/drc-congo-face-risk-ebola-spreading-across-border
比較的まとまった記事で、状況が分かりやすい。
「ジュネーブ-世界保健機関は、コンゴ民主共和国のエクアトゥール州の致命的なエボラウイルスが国境を越えて広がる可能性があるという見通しを提起しています。」
「州の17の健康ゾーンのうち12に広がっています。」
「人口も非常に流動的です。例えば、ムバンダカはコンゴ川の戦略的ハブであり、病気を取り巻く恐れと偏見があります。…貿易の中心なので、WHOは旅行者のスクリーニングも支援しています。」
「エクアトゥール州は広大な森林地帯であり、移動には長い時間がかかります。WHOは、感染地域に到達し、エボラ出血熱の犠牲者を特定して治療に参加させることの難しさは、発生を阻止するための努力を妨げていると述べました。」
資金不足も強調されているが、感染症対策で潤沢な資金が供給されたためしはないからな。
新型コロナとのダブルパンチのご時世に、それを期待する方が無理だ。
エカトール州のエボラは緩やかに継続している。
いつ、感染爆発が起きても不思議ではないけど、今のところ規模は小さい。
支援のアクセスの困難さは、逆に感染拡大の困難さでもある。
州都(ムバンダカ)での流行が拡大するようだとヤバいな。
万が一、キンシャサへ飛び火でもしたら、史上7回目の国際感染アラート発動になる。
(国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E7%9A%84%E3%81%AB%E6%87%B8%E5%BF%B5%E3%81%95%E3%82%8C%E3%82%8B%E5%85%AC%E8%A1%86%E8%A1%9B%E7%94%9F%E4%B8%8A%E3%81%AE%E7%B7%8A%E6%80%A5%E4%BA%8B%E6%85%8B
・2009年4月:2009年新型インフルエンザの世界的流行(初の指定)
・2014年5月:2014年の野生型ポリオ流行
・2014年8月:2014年の西アフリカエボラ出血熱流行
・2016年2月:2015-2016年のアメリカ大陸におけるジカ熱流行
・2019年7月:2018-2019年のコンゴ民主共和国北キブ州でのエボラ出血熱流行
・2020年1月:新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) の世界的流行(COVID-19 pandemic)
新型コロナは、最大の感染者数と死者数を出している横綱級だ。
それに比べたら、エボラ関連はショボイ。
ワクチンもあり、治療法も開発されつつある。
しかし、致死率ということになれば、今でも新型エボラの10倍以上だからな。
現代では、致死率の高い感染症が、発症前に高速交通機関によって短時間に世界中に広がる懸念がある。
幸い、新型コロナの影響で、人の移動自体が抑制されているので、国際感染症にとっては悪い話ばかりではないかもしれない。
地域限定で抑え込まれる公算は高い。
今回のエカトール州の流行は、封じ込めまでに時間がかかるかもしれないけど、大規模流行にはなりにくいパターンかも知れない。
現在でも捕捉されていないクラスターや、感染経路が数多くあり、ウイルスの伝播は細く長く続いているような感じだ。
一つ一つ丁寧に対応し、リングワクチン接種を徹底していくしかないだろう。
それが有効なことは、北キブ州の感染で明らかだしな。
首都への飛び火はヤバいけど、仮にそうなったとしても2014年のアフリカ西部の経験があるからな。
人類はバカではない(たまに疑いたくなる時があるけど)。
今は静観というところかな・・・。
新型コロナと打ち上げロケットの話題に振り回されて、いつの間にかどこかに行ってしまった話は多い。
ILC誘致、737MAX、風疹の流行(そういえばそんな話もあったな)、そしてDRCエボラ(終息したんだっけ?:その後、北西部での流行があったらしいが、そっちはフォローしてないしな)エトセエトセ・・・。
(737MAX墜落、ボーイングの「悲惨な」過失の結果 米議会報告書)
https://www.afpbb.com/articles/-/3305125?act=all
「規制に沿っていた航空機が5か月足らずで2度の墜落事故を起こしたということは、現行の規制制度に根本的欠陥があり、改革を必要としていることを示す明確な証拠だ」
ブチ切れた米国議会の最後通告だな。
まあ、制度改革と言っても、字面を変えるとかだけでは何も変わらないことは明らかだし、制度を運用するための組織、予算、人員の確保、専門家の継続的な育成と規制される側の問題も併せて考えなければならない。
航空分野だけでなく、宇宙分野でも同じような話が繰り返されている。
B社の流し続ける害毒の大きさに、改めて驚く。
問題は、これがB社固有の話ではなく、現代の技術文明全般に及ぶ深刻な状況の反映に過ぎないという点だ。
コンピューター取引におけるトラブル、セキュリティの不安、自動運転に対する懸念や食品の安全性に至るまで、我々の生活全般に及んでいる話だ。
そこには、自由な企業活動と当局の規制という目に見える関係だけではなく、犯罪と取り締まり、阿吽の呼吸、裏社会との関係、ひいては、我々の内部にある本音と建て前など、もう、広がる一方の話も絡んでくる。
そう、そこに見えてくるのは、みんなが悪いという、特定の誰かが悪いから事故が起こったんだという分かりやすさを排除する、意図的分かりにくさの演出が見える(そうなのかあ?)。
そう言って悪ければ、そもそも我々の生活の利便性が内包する構図といってもいい。
それと引き換えに、リスクを取っているということを隠蔽しているわけだからな。
そのリスクが受け入れられない形で現れれば、何らかの変更を加えなければならない。
その利便性自身を放棄することから、人身御供を立てて個人の責任で済ませることまで、「変更」の幅は広い。
米国議会が、事故を起こした直接の原因を作った航空機メーカーと規制当局をやり玉に挙げたのは当然だが、その制度を承認し、人員を削り、予算を削ってきたのは議会自身だ。
その意味でも、みんなが悪いという構図が見えている。
たぶん、そういう見方は正しいだろうが、それでは事故で亡くなった人々やその家族、関係者の気は収まらんだろう。
そのための制度もある(民事、刑事告訴、保険、賠償責任エトセエトセ)。
そもそも、規制当局がメーカーを監督して認可するという仕組み自体も、我々が考案し、実施している制度の一つだしな。
議会も、政府も、全てはそういう構図に収まっている。
その中で、航空機という技術を活用した利便性の享受が、妥当なリスクの下で得られるというのが我々の合意なのだ。
飛行機に限らず、自動車でも、インターネットでも、食品の安全でも、何でもいい。
蛇口をひねれば出てくる水道水だって、決まった曜日に集めてくれるゴミだって、スイッチ一つで付けたり消したりできる電気だって、全てはそういう構図の中で我々が享受している利便性だ。
安全性、環境負荷、資源確保、経済合理性といった、見えづらい話は、できれば日常から隠蔽して、麗しい話だけ聞きたいからな。
スーパーのチラシだけ見て、買い物したいじゃないの・・・。
生活の利便性をもたらしている数々の技術の背景に無関心でいれば、不道徳が蔓延る現代では、いつの間にか好ましからざる結果に至ることになる。
我々一人一人の無関心の総和、ややっこしい話は専門家に任せて、美味しい話だけ聞きたいという、至極自然な気持ちの集まりが、巡り巡って積み重なって悲惨な事故を生むのだ。
みんなが悪いという、究極の構図だな。
だからどーしたという話もある。
現代の技術や、それを取り巻く社会的な問題に日頃から関心を持ち、社会の成員として、消費者として、選挙や購買で選択的態度を取り、望ましい姿で技術の発展と社会の充実を図るべきだなどと、説教垂れる気はさらさらない。
浮沈子は、スーパーのチラシ見て買い物したいだけ・・・。
何も考えず、日常の狭い世界で潤いたいだけだ。
エチオピアやインドネシアで起きた事故は、お前のせいでもあるなどという話は聞きたくもない。
みんなが悪いという構図は、無限に拡張すれば、天に唾する話になる。
自分自身に跳ね返ってくる。
軽々に、その構図を容認するわけにはいかない。
どこかで線引きし、誰かが悪いという話にしないと、安心して眠ることはできない。
その線引きも含めて、みんなが悪いという話をしないとな。
電気のスイッチ入れたり、水道の蛇口をひねるたびに、胃が痛くなるような生活は御免だ。
米国議会の報告は読んでいないから何とも言えないけど、報道の中には運航していた航空会社の責任の話は出てこない。
もちろん、それは当然のこととしてオミットされているのかも知れないが、経済的な航空機を求めてメーカーに圧力を掛けていたのは航空会社だからな。
そこにメスが入らなかったことは、議会の限界かも知れない(業界との繋がりもあるのかも)。
今回の線引きは、そこで行われた。
浮沈子は、報道を読んでそう感じた。
何も知らされずに、事故に至った航空会社は、むしろ被害者だと。
んなことはない。
MCASの話にしたって、何も知らないはずはないのだ。
従来の機種との違いを知りながらパイロットに知らせず、必要な訓練もせず、メーカーとグルになって金もうけに走った真犯人なのではないのかあ?。
まあ、どうでもいいんですが。
改良後の試験飛行も終わり、そろそろ737MAXの飛行再開の日程が見えてきそうな感じだ。
新型コロナの影響で、新規発注よりキャンセルが多くなっているが、ほとぼりが冷め、需要が回復してくれば、B社はV字回復するに違いない。
今はどん底のキャリアだって、いつまでも低迷しているわけではないだろう。
メンツ丸潰れでボロボロにされている規制当局だって、暫くは襟を正しているかもしれないが、やがては元の木阿弥、再びメーカーに丸め込まれるに決まっている。
歴史は繰り返し、旅客機はまた落ちる。
われわれは、スーパーのチラシを見て買い物し、電気のスイッチを入れ、水道の蛇口をひねる。
やれやれ・・・。
歴史は、繰り返すと書いたが、そうではないかもしれない。
AIが全てを仕切り、航空機だって全自動運転(操縦?)で飛び、事故は激減するかもしれない。
MCASなんて野蛮な低レベルの制御システムは博物館送りとなり、全ての飛行機が静的安定性などという物理の神様頼りの原始的な仕掛けを捨て、コンピューター頼りの新たな操縦性を手に入れることになる。
今時、キャブレターなどという、自然吸気システムで燃料吸い出して燃してるエンジンなんてなかろう?。
物理の神様なんて、当てにしてないのだ。
まあいい。
航空機事故などというのが、ニュースネタから消えて数十年後、突然事故が起こる。
もちろん、AIの不具合によるものだから、人間では原因が掴めない。
無限にも近いトラブルツリーを追い切ることは、既に人間では不可能になっているからな。
AIを監査するのはAIだ。
そして、AIはAIの不具合を見つけ出し、AIを処分する。
遺族は釈然としないだろうが、それが未来社会の掟だ。
人が人を統べることがなくなれば、人は人間ではなくなる。
AIに飼われる家畜だ。
家畜は不幸なのか?。
それを決めるのは家畜ではない。
AIが決める・・・。
人間が統べる国家の、人間が構成する議会が、事故の原因を調べたふりして裏取引し、責任の線引きをして報告した(そうなのかあ?)。
麗しき人間社会の姿は、もう暫くは続くんだろうな・・・。
<以下追加>----------
いくら与太ブログとはいえ、毒のある記事を書いてしまった。
まだ読んでいないけど、下院委員会のプレスリリースを見つけた。
(18か月の調査後、DeFazio議長とLarsen議長、ボーイング737 MAXに関する最終委員会報告書を発表)
https://transportation.house.gov/news/press-releases/after-18-month-investigation-chairs-defazio-and-larsen-release-final-committee-report-on-boeing-737-max
「最終報告書、ボーイングとFAAの役員の737 MAXに関する筆記面接、過去の声明、ヒアリングビデオなどを含む、新たにリリースされた付随記録にアクセスするには、ここをクリックしてください。」
PDFで245ページ(プレスでは、238ページ)ある。
とりあえず、プレスリリースで指摘されている事項をコピペしておく。
「5つの中心的なテーマ:
・飛行中の公衆の安全を脅かす生産圧力:
ボーイングとエアバスの新しいA320neo航空機と競合する737 MAXプログラムに多大な財政的圧力がありました。とりわけ、この圧力により、コストを削減し、737 MAXプログラムのスケジュールを維持し、737 MAX生産ラインの速度低下を回避するための広範な努力が行われました。
・不完全な設計とパフォーマンスの仮定:
ボーイングは、737 MAXの重要なテクノロジーについて根本的に誤った仮定を行いました。特にMCASは、特定の条件で航空機の機首を自動的に押し下げるように設計されたソフトウェアです。ボーイングはまた、MCASの存在にほとんど気づいていないパイロットが潜在的な誤動作を軽減できると期待していました。
・隠蔽の文化:
ボーイングは、FAA、その顧客、737 MAXパイロットからの重要な情報を差し控えました。これには、ボーイングのテストパイロットがフライトシミュレーターでのコマンドなしのMCASのアクティブ化を診断して応答するのに10秒以上かかったことがパイロットの説明した状態を示す内部テストデータが含まれています「壊滅的」として。連邦政府のガイドラインは、パイロットが4秒以内にこの状態に応答することを前提としています。
・矛盾した表現:
ボーイングに関するFAAの現在の監視構造は、飛行する公衆の安全を脅かす固有の利益相反を生み出します。このレポートは、FAAに代わって作業を実行する権限を与えられたボーイングの従業員が、潜在的な安全性や認証の問題についてFAAに警告できなかった複数の事例を記録しています。
・FAAの監視構造に対するボーイングの影響:
複数のキャリアFAAの役員は、FAAの経営陣がボーイングの要請によりFAA自身の技術専門家の決定を却下した例を文書化しています。これらの例は、最近のFAA従業員の「安全文化」調査の草案の結果と一致しており、多くのFAA従業員は、上級リーダーは業界の目標達成を支援することにもっと関心があり、安全関連の決定には責任を負わないと考えています。」
最後の2つは、浮沈子の想像を絶する状況だな(手前味噌テンコ盛りな状況を、制度的に作り出し、それが見事に「機能」したわけだ)。
「私たちのレポートは、ボーイングがエアバスと競合し、ウォールストリートに利益をもたらすというプレッシャーの下で、FAAからの調査を回避し、パイロットからの重要な情報を差し控え、最終的に飛行機を346人の無実の人々を殺害したサービスに投入したことについての不安な啓示を示しています。」
凶器となった航空機は徹底的に改善され、FAA以外の飛行試験も受け、キッチリと評価されたのちに飛行再開となる(はずだ・・・)。
そういえばあれはどーなったの話としては、風疹はどうやら流行期を脱したようだ。
(風疹に関する疫学情報:2020 年 9 月 9 日現在)
https://www.niid.go.jp/niid/images/epi/rubella/2020/rubella200909.pdf
掲載されている図1を見ると、第12週(3月)までは流行が継続し、その後は散発的な感じがする(テキトーです)。
図3では、先天性風疹症候群(CRS)が今のところ5人に留まっていることが分かる。
これで収まってもらいたいものだ。
追加のワクチン接種は、新型コロナの影響を受けて相変わらず低調で、12パーセント程度に留まっている。
やれやれ・・・。
DRCエボラは、北キブ州のやつは、6月25日に集団発生の終息が宣言されている。
(キブエボラ流行)
https://en.wikipedia.org/wiki/Kivu_Ebola_epidemic
「2020年6月25日、集団発生は終了したと宣言された。」
北西部のやつは、今も健在のようだ。
「2020年エクアトゥール州での発生とその他の健康問題:
9月2日、有効なワクチンが利用可能であったにもかかわらず、それは110例に増加し、47例が死亡した。」
(エカトゥール県での新しいエボラ出血熱への対応)
https://www.msf.org/msf-responds-new-ebola-outbreak-%C3%A9quateur-province-drc
「2020年6月1日、コンゴ民主共和国西部(DRC)のエクアトゥール州でエボラウイルス病(EVD)の新たな発生が宣言され、国で11番目の流行が記録されました。」
「9月2日の時点で、合計110のエボラ出血熱がエカトゥール県で記録されており、104人が確認され、6人が推定され、47人が死亡しています。」
記事によれば、この辺りでは2018年にも流行が起きている。
またか・・・。
一抹の不安を感じるな。
ロジスティクスの困難と、分散対応か・・・。
自然宿主からの感染がトリガーだから、流行地は概ね僻地だ(2014年のアフリカ北西部の大流行(首都に飛び火して大変なことになった)は例外だな)。
新型コロナやその他の感染症の影響で、エボラどころではないということもある(そうなのかあ?)。
死亡率も高い(50パーセント近い)。
3か月以上経っているのに、まだ収束の話がないというのも気になる。
何かあれば、また、忘れた頃になって書くかもしれない。
<さらに追加>----------
(コンゴ民主共和国2020のエボラ出血熱
エカトゥール県)
https://www.who.int/emergencies/diseases/ebola/ebola-health-update---%C3%A9quateur-province-democratic-republic-of-the-congo-2020
「コンゴ民主共和国のエボラウイルスによる11回目のウイルス感染が2020年6月1日に、エクアトゥール県のムバンダカ地域で一連の症例が検出された後に発表されました。」
(コンゴ民主共和国西部でのエボラ出血熱の発生は100例に達する)
https://www.afro.who.int/news/ebola-outbreak-western-democratic-republic-congo-reaches-100-cases
「州の首都ムバンダカで最初に事件のクラスターが検出されました。その後、州の17の健康ゾーンのうち11に感染が拡大した。これまでに報告された100例のうち、96例が確認され、4例が考えられます。43人が命を落としました。」
「アウトブレイクは、影響を受けるコミュニティが、赤道にまたがる州の遠隔地の密集した森林地帯に長距離にわたっているという、重大な物流上の課題を提示しています。最も広い地点で、集団感染は東から西、北から南の両方で約300 kmに広がっています。影響を受ける住民に到達するまでに数日かかることがあり、多くの場合、レスポンダーと物資は道路のないエリアを横断する必要があり、川のボートの長い旅が必要になります。」
前回の2018年の流行は、3か月半で終息し、症例数は54(死者33)に留まった。
今回は、違う様相を呈している。
2014年のアフリカ北西部の大流行では、特異な埋葬習慣が感染拡大のきっかけを作り、大都市に入り込んだために大変なことになった。
昨年の北キブ州などでの流行は、現地の政情不安が課題の一つだったしな。
今回は、広範で遠隔な流行地域とアクセスの困難さが仇になっているようだ。
既に、流行開始から少なくとも3か月半が経っている。
僻地に閉じ込められているうちはいいが、逆に関心が薄れ、大都市に飛び火して流行が拡大するようだとヤバいな。
新型コロナの時代のエボラはインパクトが小さいからな。
「堅牢なサポートが必要な緊急事態は、COVID-19だけではありません。最近の歴史からわかるように、私たちはエボラ出血熱を無視しています。」
浮沈子も3か月半、無視してたしな。
人のことは言えない・・・。
(コンゴ民主共和国(DRC)-エボラ出血熱状況レポート#33-2020年9月18日)
https://reliefweb.int/report/democratic-republic-congo/democratic-republic-ofthe-congo-drc-ebola-situation-report-33
「エカトゥール県でのこの新たな集団発生は、州の17の健康地帯のうち8地域に影響を及ぼし、117例が確認され、50例が死亡した。」
「360,292人がエボラワクチンを接種しました(エクアトゥールの27,303人を含む)。」
「International Medical Corpsは、新しいエボラ出血熱が発生しているエクアトゥールの20か所の新しい施設を含む、196か所の医療施設にIPCサポートを提供して、医療サービスの安全を確保しています。」
(コンゴ民主共和国で118件のエボラ出血熱の症例が検出された)
https://www.aa.com.tr/en/africa/118-ebola-cases-detected-in-dr-congo/1974073
「エボラ出血熱は中央アフリカの国の西部に広がっており、隣接するコンゴ共和国や首都キンシャサにまで達する可能性があるとの懸念を引き起こしています。」
「エクアトゥールでの集団発生は6月上旬に始まり、その後、17の健康ゾーンのうち12に広がっています。」
健康ゾーンの広がりについては、やや情報が錯綜しているようだ。
うーん、しばらく目を離さない方がいいかも。
(コンゴ、国境を越えて広がるエボラ出血熱のリスク)
https://www.voanews.com/africa/drc-congo-face-risk-ebola-spreading-across-border
比較的まとまった記事で、状況が分かりやすい。
「ジュネーブ-世界保健機関は、コンゴ民主共和国のエクアトゥール州の致命的なエボラウイルスが国境を越えて広がる可能性があるという見通しを提起しています。」
「州の17の健康ゾーンのうち12に広がっています。」
「人口も非常に流動的です。例えば、ムバンダカはコンゴ川の戦略的ハブであり、病気を取り巻く恐れと偏見があります。…貿易の中心なので、WHOは旅行者のスクリーニングも支援しています。」
「エクアトゥール州は広大な森林地帯であり、移動には長い時間がかかります。WHOは、感染地域に到達し、エボラ出血熱の犠牲者を特定して治療に参加させることの難しさは、発生を阻止するための努力を妨げていると述べました。」
資金不足も強調されているが、感染症対策で潤沢な資金が供給されたためしはないからな。
新型コロナとのダブルパンチのご時世に、それを期待する方が無理だ。
エカトール州のエボラは緩やかに継続している。
いつ、感染爆発が起きても不思議ではないけど、今のところ規模は小さい。
支援のアクセスの困難さは、逆に感染拡大の困難さでもある。
州都(ムバンダカ)での流行が拡大するようだとヤバいな。
万が一、キンシャサへ飛び火でもしたら、史上7回目の国際感染アラート発動になる。
(国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E7%9A%84%E3%81%AB%E6%87%B8%E5%BF%B5%E3%81%95%E3%82%8C%E3%82%8B%E5%85%AC%E8%A1%86%E8%A1%9B%E7%94%9F%E4%B8%8A%E3%81%AE%E7%B7%8A%E6%80%A5%E4%BA%8B%E6%85%8B
・2009年4月:2009年新型インフルエンザの世界的流行(初の指定)
・2014年5月:2014年の野生型ポリオ流行
・2014年8月:2014年の西アフリカエボラ出血熱流行
・2016年2月:2015-2016年のアメリカ大陸におけるジカ熱流行
・2019年7月:2018-2019年のコンゴ民主共和国北キブ州でのエボラ出血熱流行
・2020年1月:新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) の世界的流行(COVID-19 pandemic)
新型コロナは、最大の感染者数と死者数を出している横綱級だ。
それに比べたら、エボラ関連はショボイ。
ワクチンもあり、治療法も開発されつつある。
しかし、致死率ということになれば、今でも新型エボラの10倍以上だからな。
現代では、致死率の高い感染症が、発症前に高速交通機関によって短時間に世界中に広がる懸念がある。
幸い、新型コロナの影響で、人の移動自体が抑制されているので、国際感染症にとっては悪い話ばかりではないかもしれない。
地域限定で抑え込まれる公算は高い。
今回のエカトール州の流行は、封じ込めまでに時間がかかるかもしれないけど、大規模流行にはなりにくいパターンかも知れない。
現在でも捕捉されていないクラスターや、感染経路が数多くあり、ウイルスの伝播は細く長く続いているような感じだ。
一つ一つ丁寧に対応し、リングワクチン接種を徹底していくしかないだろう。
それが有効なことは、北キブ州の感染で明らかだしな。
首都への飛び火はヤバいけど、仮にそうなったとしても2014年のアフリカ西部の経験があるからな。
人類はバカではない(たまに疑いたくなる時があるけど)。
今は静観というところかな・・・。
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