歴史の必然 ― 2014年04月10日 00:38
歴史の必然
もう二度と作られることがない車というと、正確には全部のクルマが該当することになる。
復刻版のクルマが製造されることは有り得ない。
旧車をレストアするとか、そういうこととは違う。
見た目が似た車というのは確かにあるな。
ミニとかビートルとかは、そういうクルマである。
また、後継車種として、ネーミングやコンセプトやスタイルを引きずることもある。
911なんかは、ある意味で典型的な車だ。
しかし、もちろん、機械としてのクルマは同じではない。
年式が同じであっても、中身が変わっていることもある。
同じクルマは、その時代だけに作られ、モデルチェンジや生産中止となって、歴史から忘れ去られていく。
そういえば、ランエボが生産打ち切りになるという話が最近話題になった。
(【三菱 ランエボ 生産終了】ACD新採用、電子制御技術で完全武装…7代目[写真蔵])
http://response.jp/article/2014/04/08/220768.html
(三菱・ランサーエボリューション)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E8%8F%B1%E3%83%BB%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%82%A8%E3%83%9C%E3%83%AA%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3
「エボI〜III、エボIV〜VI、エボVII〜IX、エボXでそれぞれベースモデルが切り替わっているため、第1世代、第2世代、第3世代、第4世代という呼び分け方をされる。」
浮沈子が知っているのは、エボ7まで。
一つ前のエボ6は、リュック・ベッソンのタクシー2に敵役として登場する。
(TAXi2)
http://ja.wikipedia.org/wiki/TAXi2
「三菱・ランサーエボリューションⅥ
劇用車は左ハンドル(劇中車は、欧州仕様車「カリスマGT」を使用していたが、日本名が「ランサー」なので)。」
まあ、どうでもいいんですが。
リュック・ベッソンのタクシーといえば、第一作に登場する「強盗段メルセデス」の500Eである。
(TAXi)
http://ja.wikipedia.org/wiki/TAXi
「メルセデス・ベンツ 500E
強盗「メルセデス」の愛車。逃走用なのでリアスポイラーなどといったかなりの改造がされている(ダニエルのタクシーには及ばなかった)。」
プジョー406になんか、負けるわきゃないじゃないの・・・。
というわけで、本日のお題は、歴史の必然から生まれた500Eの話。
「ポルシェとの関係が非常に深いモデルで、チューニングはポルシェのバイザッハ研究所が担当した。パフォーマンスは最高ながら非常な高コストになってしまったため、ダイムラー側では市販するか否かかなり悩んだが、結局少しだけパーツをコストダウンした」
「北米市場での販売不振のために経営が悪化したポルシェが、遊休ラインで生産の一部をメルセデスから請け負っていた」ということだ。
よく、92年型はポルシェラインとか言われるが、実際には最終型まで一貫してポルシェが生産に関与していたらしい。
(今尚、語り継がれる「PORSCHE LINE 500Eの真実」に迫る!)
http://ameblo.jp/jautoceo/page-2.html
「今尚、多くの方が、「1992年モデルの500Eだけがポルシェ生産で、それ以降はメルセデス生産に改められた。」と、間違った認識をされて居られる様ですが、それは完全に間違いです。」
「1991年の最初の500Eから、最終モデルの1995年E500-LIMITEDまで、全ての500E・E500がPORSCHEの生産だった」とある。
W124は、ミディアムクラスのベンツとして1985年から生産された。
(メルセデス・ベンツ W124)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%83%AB%E3%82%BB%E3%83%87%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%99%E3%83%B3%E3%83%84_W124
「W201型 (190E) をそのまま大型化したようなデザインで、台形の小ぶりなテールランプが特徴。リアサスペンションは長らく続いたセミトレーリングアーム式から190E譲りのマルチリンク式に変更されている。フラッシュサーフェイス (外板の平滑化) が推し進められた結果、メルセデス市販車では史上初となる0.29のCd値となった。」
ハッキリ言って、横風に弱い。
高速性能重視で、その辺の詰めが甘い。
浮沈子がかつて乗っていた300Eは、東京湾アクアラインで横風に苦しめられた。
500Eでも、その傾向は残っている。
クルマの設計としては、どうということのないセダンの設計だ。
箱型(凸型)のルーミーなキャビンを持った普通の車である。
技術者が好きなように作ってコストをはじき、それに利益を乗せて値付けをしたクルマだ。
それでも、飛ぶように売れた。
「ベンツは自動車を作っているが、他のメーカーは、「自動車のようなもの」を作っている」
と、言ったとか言わなかったとか・・・。
それ程のものかと思うが、この時代のベンツは、そのくらいの実力があり、コストも掛けてクルマ作りをしていたわけだな。
そのW124型のセダンの中で、V型8気筒5リッターエンジンをぶち込み、330馬力のモンスターセダンを作ってきたわけだ。
今となっては、スカイラインのハイブリッドモデル(360馬力)にも劣る性能だが、22年前は超ド級の迫力だった。
こんなクルマをメーカーが作っていいのかあ?。
エンジン載せ換えて、ボディまで弄ってきたわけで、掟破りのメーカー純正の改造車であり、しかも、チューナーは泣く子も黙るポルシェというわけだな。
おまけに、製造の一部をポルシェの工場のラインで行ったというおまけまで付く。
クラクラする。
鼻血が出そうだ。
それだけではない。
この時代は、ボディの作りが頑丈で、クラッシャブルソーンはあったものの、大きなクルマが積極的に壊れて小さいクルマを守るコンパティビリティという発想を取り入れてはいない(実車は1995年のW210から)。
(コンパティビリティ)
http://www.mercedes-benz.jp/brand/safety/compatibility.html
ということは、500Eのボディ設計は、自車の安全だけ考えた頑丈なクルマを自由に作ることが出来た最後の時代ということになる。
環境性能とか言われ出す以前、エンジンのパワーは、大排気量とそれを実現するための多気筒化であると、誰もが信じていた時代だ(ターボもありましたが)。
頑丈に作られたボディに、大排気量のエンジンを載せ、容量の大きいATで、一気に加速する。
熱的に、ちと苦しいが、なに、250kmで走れば、走行風でよく冷える・・・。
そんな発想で現代の車を作ることは、もはや許されない。
この時代から、電子制御による自動車のスマホ化は既に始まっていて、スロットルアクチュエーターなどの電気信号でクルマをコントロールする技術が普及しだしている。
83タルガには、薬にしたくてもない。
機械の王国が隆盛を極め、電子制御の帝国へと発展していこうとする矢先である。
その時期に、500Eは作られた。
世界に1万台余り、ベンツが市販化を迷うほどのコストを掛けて、しかし、しっかりと利益を載せて売り出したスーパーセダンである(当時の値段は300Eの2倍以上)。
この時期を外していたら、きっと生産されることはなかっただろう。
1993年以降のW124の後、Eクラスと呼ばれるようになったミディアムクラスは、1995年にW210となり、フロントサスペンションがW124のストラットからダブルウィッシュボーンに変更されたほか、ステアリングが伝統のボール&ナット式からラック&ピニオン式となった。
(メルセデス・ベンツ W210)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%83%AB%E3%82%BB%E3%83%87%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%99%E3%83%B3%E3%83%84_W210
「1990年代中盤に発表されたメルセデス・ベンツの他の車種同様にコスト削減に伴う品質低下を指摘する声も多く、現在の中古市場の価格はW124と逆転しているケースも見られる。」
浮沈子の知人もW210のオーナーだったが、品質の低下を嘆いていたな。
ベンツは、普通の自動車メーカーになり、コスト管理をキッチリしてくる健全な会社になった。
そうして、500Eは、文字通り、二度と作られることのない不世出のクルマとなったのである。
浮沈子は、このクルマの登場は歴史の必然だったと考える。
連綿と続いてきた機械の王国、その頂点に於いて登場したこと、電子制御の恩恵を控えめに受けながら、まだ、その影響が限られていたこと、社内にSLやT124といった優れた部品を流用できる車種があったこと、設計製造にポルシェが関与できたこと、Cクラス開発で始まったコスト管理が及ぶ前であったこと、車体の設計に、コンパティビリティの思想が取り入れられる前であったこと。
他にも、セルシオが登場して、高級車の裾野が広がり、新たなフラッグシップを作り出そうというベンツ社内での動きがあったのかもしれないし、SLの4ドアバージョンを望む声が多かったのかも知れない。
この時(1990年頃)でなければ、決して世に出ることがなかったと思われる。
全ての要素が重なり、全ての要件が満たされた。
生まれるべくして生まれ、消えるべくした消えたクルマである。
最終型(95年型)が出てから、19年にもなる。
未だに根強い人気があるのは、その卓越した乗り味が、現代の他のどんなクルマにもないからである。
ベンツが作った、ベンツの中のベンツである。
まあ、ポルシェもちょこっと作ってますが。
その後、このサイズの乗用車は、コモディティ化し、セダンは売れなくなり、ワンボックスやSUVになり、各メーカーとも同じようなクルマを作るようになり、没個性化し、誰からも見向きもされなくなった。
さらに追い討ちを掛けるように、機械の王国は電子制御の帝国に取って代わられ、自動車という機械は、車載コンピューターのデバイスに成り下がる。
クルマはスマホと同じになり、コンピューターの許しがなければ、ピクリとも動かなくなった。
500Eのようなクルマ(そう、人間の意思で、人間の操作で、人間が予想したような動きをするクルマだ)が、今後作られることは決してない。
・・・。
いや、浮沈子は、金太郎飴のようなこのステレオタイプの決め台詞を、最近見直そうかと考えている。
特に、アルファロメオの4Cが、サーキットでポルシェ・ケイマンと同タイムを出したという記事を読んでからは、なおさらである。
(同タイム!!)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2014/03/19/7248307
「値段は4Cの方が安いだろうが、カーボンボディという強みがある。」
「これは、ⅰ3とかと違って、バスタブ型の本格的なものだ(しかも、オートクレーブ(圧力釜)を使った『プリプレグ方式』)。」
21世紀の500Eは、フルカーボンボディを纏い、最低でも700馬力を超えるハイブリッド直噴電動ターボエンジンを備え、ブレーキはセラミックディスクは当然として、オプションで逆噴射が付き(!)、全自動運転で時速350kmでアウトバーンを爆走するのだ。
電子制御は往年の500Eのフィーリングを完全にデッドコピーし、なんと、横風に弱いところまで再現している(するなよ!)。
ベンツのアルファベット順のクラスには、Fクラスというのが欠番になっている。
ここは、是非とも「最善か、さもなくば無か」とか気取ってないで、中途半端でもいいからF700とかいって、復刻を出して欲しいな。
開発は、ポルシェが忙しいので、今や飛ぶ鳥を落とす勢いの、同じフォルクスワーゲングループのアウディになるだろう。
アウディにしても、カーボンボディの市販車の開発になるので、力が入るに違いない。
ボンネットを開けると、フォーシルバーリングスの紋章が付いた部品があちこちにあるのは気になるが、フロントグリルには、レーダー装置と共に、陸海空を表すスリーポインテッドスターが、ばっちり付いているからOKさ・・・。
もう二度と作られることがない車というと、正確には全部のクルマが該当することになる。
復刻版のクルマが製造されることは有り得ない。
旧車をレストアするとか、そういうこととは違う。
見た目が似た車というのは確かにあるな。
ミニとかビートルとかは、そういうクルマである。
また、後継車種として、ネーミングやコンセプトやスタイルを引きずることもある。
911なんかは、ある意味で典型的な車だ。
しかし、もちろん、機械としてのクルマは同じではない。
年式が同じであっても、中身が変わっていることもある。
同じクルマは、その時代だけに作られ、モデルチェンジや生産中止となって、歴史から忘れ去られていく。
そういえば、ランエボが生産打ち切りになるという話が最近話題になった。
(【三菱 ランエボ 生産終了】ACD新採用、電子制御技術で完全武装…7代目[写真蔵])
http://response.jp/article/2014/04/08/220768.html
(三菱・ランサーエボリューション)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E8%8F%B1%E3%83%BB%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%82%A8%E3%83%9C%E3%83%AA%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3
「エボI〜III、エボIV〜VI、エボVII〜IX、エボXでそれぞれベースモデルが切り替わっているため、第1世代、第2世代、第3世代、第4世代という呼び分け方をされる。」
浮沈子が知っているのは、エボ7まで。
一つ前のエボ6は、リュック・ベッソンのタクシー2に敵役として登場する。
(TAXi2)
http://ja.wikipedia.org/wiki/TAXi2
「三菱・ランサーエボリューションⅥ
劇用車は左ハンドル(劇中車は、欧州仕様車「カリスマGT」を使用していたが、日本名が「ランサー」なので)。」
まあ、どうでもいいんですが。
リュック・ベッソンのタクシーといえば、第一作に登場する「強盗段メルセデス」の500Eである。
(TAXi)
http://ja.wikipedia.org/wiki/TAXi
「メルセデス・ベンツ 500E
強盗「メルセデス」の愛車。逃走用なのでリアスポイラーなどといったかなりの改造がされている(ダニエルのタクシーには及ばなかった)。」
プジョー406になんか、負けるわきゃないじゃないの・・・。
というわけで、本日のお題は、歴史の必然から生まれた500Eの話。
「ポルシェとの関係が非常に深いモデルで、チューニングはポルシェのバイザッハ研究所が担当した。パフォーマンスは最高ながら非常な高コストになってしまったため、ダイムラー側では市販するか否かかなり悩んだが、結局少しだけパーツをコストダウンした」
「北米市場での販売不振のために経営が悪化したポルシェが、遊休ラインで生産の一部をメルセデスから請け負っていた」ということだ。
よく、92年型はポルシェラインとか言われるが、実際には最終型まで一貫してポルシェが生産に関与していたらしい。
(今尚、語り継がれる「PORSCHE LINE 500Eの真実」に迫る!)
http://ameblo.jp/jautoceo/page-2.html
「今尚、多くの方が、「1992年モデルの500Eだけがポルシェ生産で、それ以降はメルセデス生産に改められた。」と、間違った認識をされて居られる様ですが、それは完全に間違いです。」
「1991年の最初の500Eから、最終モデルの1995年E500-LIMITEDまで、全ての500E・E500がPORSCHEの生産だった」とある。
W124は、ミディアムクラスのベンツとして1985年から生産された。
(メルセデス・ベンツ W124)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%83%AB%E3%82%BB%E3%83%87%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%99%E3%83%B3%E3%83%84_W124
「W201型 (190E) をそのまま大型化したようなデザインで、台形の小ぶりなテールランプが特徴。リアサスペンションは長らく続いたセミトレーリングアーム式から190E譲りのマルチリンク式に変更されている。フラッシュサーフェイス (外板の平滑化) が推し進められた結果、メルセデス市販車では史上初となる0.29のCd値となった。」
ハッキリ言って、横風に弱い。
高速性能重視で、その辺の詰めが甘い。
浮沈子がかつて乗っていた300Eは、東京湾アクアラインで横風に苦しめられた。
500Eでも、その傾向は残っている。
クルマの設計としては、どうということのないセダンの設計だ。
箱型(凸型)のルーミーなキャビンを持った普通の車である。
技術者が好きなように作ってコストをはじき、それに利益を乗せて値付けをしたクルマだ。
それでも、飛ぶように売れた。
「ベンツは自動車を作っているが、他のメーカーは、「自動車のようなもの」を作っている」
と、言ったとか言わなかったとか・・・。
それ程のものかと思うが、この時代のベンツは、そのくらいの実力があり、コストも掛けてクルマ作りをしていたわけだな。
そのW124型のセダンの中で、V型8気筒5リッターエンジンをぶち込み、330馬力のモンスターセダンを作ってきたわけだ。
今となっては、スカイラインのハイブリッドモデル(360馬力)にも劣る性能だが、22年前は超ド級の迫力だった。
こんなクルマをメーカーが作っていいのかあ?。
エンジン載せ換えて、ボディまで弄ってきたわけで、掟破りのメーカー純正の改造車であり、しかも、チューナーは泣く子も黙るポルシェというわけだな。
おまけに、製造の一部をポルシェの工場のラインで行ったというおまけまで付く。
クラクラする。
鼻血が出そうだ。
それだけではない。
この時代は、ボディの作りが頑丈で、クラッシャブルソーンはあったものの、大きなクルマが積極的に壊れて小さいクルマを守るコンパティビリティという発想を取り入れてはいない(実車は1995年のW210から)。
(コンパティビリティ)
http://www.mercedes-benz.jp/brand/safety/compatibility.html
ということは、500Eのボディ設計は、自車の安全だけ考えた頑丈なクルマを自由に作ることが出来た最後の時代ということになる。
環境性能とか言われ出す以前、エンジンのパワーは、大排気量とそれを実現するための多気筒化であると、誰もが信じていた時代だ(ターボもありましたが)。
頑丈に作られたボディに、大排気量のエンジンを載せ、容量の大きいATで、一気に加速する。
熱的に、ちと苦しいが、なに、250kmで走れば、走行風でよく冷える・・・。
そんな発想で現代の車を作ることは、もはや許されない。
この時代から、電子制御による自動車のスマホ化は既に始まっていて、スロットルアクチュエーターなどの電気信号でクルマをコントロールする技術が普及しだしている。
83タルガには、薬にしたくてもない。
機械の王国が隆盛を極め、電子制御の帝国へと発展していこうとする矢先である。
その時期に、500Eは作られた。
世界に1万台余り、ベンツが市販化を迷うほどのコストを掛けて、しかし、しっかりと利益を載せて売り出したスーパーセダンである(当時の値段は300Eの2倍以上)。
この時期を外していたら、きっと生産されることはなかっただろう。
1993年以降のW124の後、Eクラスと呼ばれるようになったミディアムクラスは、1995年にW210となり、フロントサスペンションがW124のストラットからダブルウィッシュボーンに変更されたほか、ステアリングが伝統のボール&ナット式からラック&ピニオン式となった。
(メルセデス・ベンツ W210)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%83%AB%E3%82%BB%E3%83%87%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%99%E3%83%B3%E3%83%84_W210
「1990年代中盤に発表されたメルセデス・ベンツの他の車種同様にコスト削減に伴う品質低下を指摘する声も多く、現在の中古市場の価格はW124と逆転しているケースも見られる。」
浮沈子の知人もW210のオーナーだったが、品質の低下を嘆いていたな。
ベンツは、普通の自動車メーカーになり、コスト管理をキッチリしてくる健全な会社になった。
そうして、500Eは、文字通り、二度と作られることのない不世出のクルマとなったのである。
浮沈子は、このクルマの登場は歴史の必然だったと考える。
連綿と続いてきた機械の王国、その頂点に於いて登場したこと、電子制御の恩恵を控えめに受けながら、まだ、その影響が限られていたこと、社内にSLやT124といった優れた部品を流用できる車種があったこと、設計製造にポルシェが関与できたこと、Cクラス開発で始まったコスト管理が及ぶ前であったこと、車体の設計に、コンパティビリティの思想が取り入れられる前であったこと。
他にも、セルシオが登場して、高級車の裾野が広がり、新たなフラッグシップを作り出そうというベンツ社内での動きがあったのかもしれないし、SLの4ドアバージョンを望む声が多かったのかも知れない。
この時(1990年頃)でなければ、決して世に出ることがなかったと思われる。
全ての要素が重なり、全ての要件が満たされた。
生まれるべくして生まれ、消えるべくした消えたクルマである。
最終型(95年型)が出てから、19年にもなる。
未だに根強い人気があるのは、その卓越した乗り味が、現代の他のどんなクルマにもないからである。
ベンツが作った、ベンツの中のベンツである。
まあ、ポルシェもちょこっと作ってますが。
その後、このサイズの乗用車は、コモディティ化し、セダンは売れなくなり、ワンボックスやSUVになり、各メーカーとも同じようなクルマを作るようになり、没個性化し、誰からも見向きもされなくなった。
さらに追い討ちを掛けるように、機械の王国は電子制御の帝国に取って代わられ、自動車という機械は、車載コンピューターのデバイスに成り下がる。
クルマはスマホと同じになり、コンピューターの許しがなければ、ピクリとも動かなくなった。
500Eのようなクルマ(そう、人間の意思で、人間の操作で、人間が予想したような動きをするクルマだ)が、今後作られることは決してない。
・・・。
いや、浮沈子は、金太郎飴のようなこのステレオタイプの決め台詞を、最近見直そうかと考えている。
特に、アルファロメオの4Cが、サーキットでポルシェ・ケイマンと同タイムを出したという記事を読んでからは、なおさらである。
(同タイム!!)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2014/03/19/7248307
「値段は4Cの方が安いだろうが、カーボンボディという強みがある。」
「これは、ⅰ3とかと違って、バスタブ型の本格的なものだ(しかも、オートクレーブ(圧力釜)を使った『プリプレグ方式』)。」
21世紀の500Eは、フルカーボンボディを纏い、最低でも700馬力を超えるハイブリッド直噴電動ターボエンジンを備え、ブレーキはセラミックディスクは当然として、オプションで逆噴射が付き(!)、全自動運転で時速350kmでアウトバーンを爆走するのだ。
電子制御は往年の500Eのフィーリングを完全にデッドコピーし、なんと、横風に弱いところまで再現している(するなよ!)。
ベンツのアルファベット順のクラスには、Fクラスというのが欠番になっている。
ここは、是非とも「最善か、さもなくば無か」とか気取ってないで、中途半端でもいいからF700とかいって、復刻を出して欲しいな。
開発は、ポルシェが忙しいので、今や飛ぶ鳥を落とす勢いの、同じフォルクスワーゲングループのアウディになるだろう。
アウディにしても、カーボンボディの市販車の開発になるので、力が入るに違いない。
ボンネットを開けると、フォーシルバーリングスの紋章が付いた部品があちこちにあるのは気になるが、フロントグリルには、レーダー装置と共に、陸海空を表すスリーポインテッドスターが、ばっちり付いているからOKさ・・・。
HID予習 ― 2014年04月10日 10:18
HID予習
自動車の前照灯といえば、ハロゲンランプが標準だった。
(ハロゲンランプ)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%83%AD%E3%82%B2%E3%83%B3%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%97
「店舗のダウンライトや自動車等の前照灯(ヘッドライト・フォグランプ)、ハンドライトなどに用いられる。」
いまでも、殆どのクルマは、ハロゲンランプだろう。
「ハロゲンランプが光る原理は白熱電球と同じで、内部のフィラメントに通電し、これを白熱させた際の発光を利用する。一般の白熱電球より明るくなるのは、フィラメントが白熱する際の温度が高いためである。」
「フィラメントは、通常のガス入り白熱電球同様タングステン (W) である。高温になり白熱するとタングステンが昇華する。しかし、ハロゲンランプでは、昇華してガラスに析出したタングステンがハロゲン (X) と化合しハロゲン化タングステン (WX2) を形成する。この物質の蒸気圧は比較的高いので蒸発し再びフィラメント部に戻る。フィラメント近辺で1400℃以上になるとハロゲンとタングステンが分離し、タングステンがフィラメントに戻る。この一連の化学変化をハロゲンサイクルと呼ぶ。この反応によりタングステンの蒸発によるフィラメントの折損が抑制されるため、一般の白熱電球に比べ50%程度明るい電球、あるいは約10倍といわれる長寿命の電球が実現できるようになった。」
基本的には、白熱電球と同じ原理で、タングステンフィラメントを発光させる仕組みだ。
ハロゲンサイクルにより、高輝度と長寿命を実現している。
じゃあ、最近流行のHIDはどうよ?。
(HIDランプ)
http://ja.wikipedia.org/wiki/HID%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%97
「HIDランプ (エイチ・アイ・ディ・ランプ、英: High Intensity Discharge lamp)は、金属原子高圧蒸気中のアーク放電による光源である。高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、高圧ナトリウムランプの総称であり、高輝度放電ランプ (こうきどほうでんランプ)ともいう。」
「電極間の放電を利用しているためフィラメントがなく、白熱電球と比べて長寿命・高効率である。」
「近年ではシールドビームやハロゲンランプに代わって自動車や鉄道車両などの前照灯に用いられるようになってきている。」
シールドビームというのは、反射板(リフレクター)付きの白熱電球のことだ。
浮沈子の所有するクルマでは、03ボクスターがリトロニックというHIDランプを採用してる。
(リトロニック・ヘッド・ランプ)
http://www.bosch.co.jp/jp/aa/products/model_chart.asp?id=LitronicHeadLamp#
白色光の明るいライトで、夜間ボクスターに乗っていて、ライトが暗いと感じたことはない。
昨日500Eのメンテの打ち合わせでJ-AUTOに行って、大物に加え、こまごまとした小変更をいくつか頼んだ。
大物のエアコンのコンプレッサー、電動ファン2個、スロットルアクチュエーターに加え、カーナビの交換(ゴリラの7インチ)、コンソール内のロータリーファンの交換、テレビアンテナの撤去、サイドミラーのゴムカバーの交換、ヘッドライトボックスの交換と併せて、HIDヘッドライトを注文した(その他には、100km程度での走行中の異音の点検:サイドブレーキかあ?)。
本当は、LEDにしたかったのだが、まだ出始めで、松本さんのクルマで(片側だけ)テスト中ということだったので、今回は見送りとした(やはり、現時点では、光量の点でHIDに分があるようだ)。
HIDも、当たりハズレがあるようだな。
クルマとの相性のようなものもあるらしい。
直ぐに壊れてしまう時があるようで、製品のばらつきなのか、クルマの電装系の問題なのかは不明らしい。
20世紀のクルマを21世紀に乗るのだから、いろいろと大変なのだ。
その時は、ハロゲンに戻すか、思い切ってLEDにすれば良い。
現行ではコストパフォーマンスの高いHIDが、いい選択だろう。
「電極間の放電を利用しているためフィラメントがなく、白熱電球と比べて長寿命・高効率である。」とある。
「発光原理は電極から放出される電子が対極へ引かれる途中、水銀原子が光を放出する。基本原理は蛍光ランプと同じである」
「HIDランプを点灯させるためにはフィラメントを内蔵した水銀ランプ(チョークレス水銀ランプ、バラストレス水銀ランプ)以外は蛍光ランプと同様「安定器」が必要である。」
「自動車やオートバイの高性能な前照灯として用いられ、ディスチャージヘッドランプと呼ばれることもある。ハロゲンランプのフィラメントに比べHIDランプのアークは点光源に近いため配光制御が容易で、指向性の高い照明が可能で遠くまで照らすこともできる。ただし、ハロゲンランプよりも配光が不安定で、配光範囲に明るいところと暗いところのいわゆるムラが生じるときがある。(特に後付けのHIDランプは、純正のライトリフレクターがハロゲンランプに適合した反射となるよう設計されているため、発生しやすい。)
点灯後明るくなるまでに時間がかかるためハロゲンランプのようにハイビーム ロービームを切り替えて使うことは出来ない。」
500Eの場合は、ランプの位置を動かす仕組みなので、そういった心配はない。
配光の調整は重要だな。
金川さんのクルマもHID付けているということなので、その辺のノウハウはあるだろう。
出来上がってくるのが楽しみである。
(ディスチャージヘッドランプ)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%B9%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%83%98%E3%83%83%E3%83%89%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%97
ここに出てくるキセノンランプという呼称については、いささか注意を要する。
(キセノンランプ)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AD%E3%82%BB%E3%83%8E%E3%83%B3%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%97
「点灯時のみキセノンの放電による熱を利用するメタルハライドランプの一種(自動車の放電式ヘッドランプに使われる)もキセノンランプと呼ぶことがある。また、キセノンランプのことをキセノン電球ということがあるが、キセノン電球はキセノンを封入した白熱電球を意味することもある。」
放電式の、いわゆるHIDランプのことを指す場合と、タングステンフィラメントの白熱灯の中に、キセノンを封入したキセノン電球をさす場合がある。
(キセノン電球 パナソニック)
http://www.taroto.jp/category/11757.html
まあ、これじゃないな。
HIDランプの別称として、キセノンランプという言い方をすることがあるらしい。
その時は、クルマのライトの話なら、HIDランプのことだと思えばいいのだ。
夜間走行が多い浮沈子には、有難いライトである。
具合がよければ、83タルガにも付けてみようかな。
自動車の前照灯といえば、ハロゲンランプが標準だった。
(ハロゲンランプ)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%83%AD%E3%82%B2%E3%83%B3%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%97
「店舗のダウンライトや自動車等の前照灯(ヘッドライト・フォグランプ)、ハンドライトなどに用いられる。」
いまでも、殆どのクルマは、ハロゲンランプだろう。
「ハロゲンランプが光る原理は白熱電球と同じで、内部のフィラメントに通電し、これを白熱させた際の発光を利用する。一般の白熱電球より明るくなるのは、フィラメントが白熱する際の温度が高いためである。」
「フィラメントは、通常のガス入り白熱電球同様タングステン (W) である。高温になり白熱するとタングステンが昇華する。しかし、ハロゲンランプでは、昇華してガラスに析出したタングステンがハロゲン (X) と化合しハロゲン化タングステン (WX2) を形成する。この物質の蒸気圧は比較的高いので蒸発し再びフィラメント部に戻る。フィラメント近辺で1400℃以上になるとハロゲンとタングステンが分離し、タングステンがフィラメントに戻る。この一連の化学変化をハロゲンサイクルと呼ぶ。この反応によりタングステンの蒸発によるフィラメントの折損が抑制されるため、一般の白熱電球に比べ50%程度明るい電球、あるいは約10倍といわれる長寿命の電球が実現できるようになった。」
基本的には、白熱電球と同じ原理で、タングステンフィラメントを発光させる仕組みだ。
ハロゲンサイクルにより、高輝度と長寿命を実現している。
じゃあ、最近流行のHIDはどうよ?。
(HIDランプ)
http://ja.wikipedia.org/wiki/HID%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%97
「HIDランプ (エイチ・アイ・ディ・ランプ、英: High Intensity Discharge lamp)は、金属原子高圧蒸気中のアーク放電による光源である。高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、高圧ナトリウムランプの総称であり、高輝度放電ランプ (こうきどほうでんランプ)ともいう。」
「電極間の放電を利用しているためフィラメントがなく、白熱電球と比べて長寿命・高効率である。」
「近年ではシールドビームやハロゲンランプに代わって自動車や鉄道車両などの前照灯に用いられるようになってきている。」
シールドビームというのは、反射板(リフレクター)付きの白熱電球のことだ。
浮沈子の所有するクルマでは、03ボクスターがリトロニックというHIDランプを採用してる。
(リトロニック・ヘッド・ランプ)
http://www.bosch.co.jp/jp/aa/products/model_chart.asp?id=LitronicHeadLamp#
白色光の明るいライトで、夜間ボクスターに乗っていて、ライトが暗いと感じたことはない。
昨日500Eのメンテの打ち合わせでJ-AUTOに行って、大物に加え、こまごまとした小変更をいくつか頼んだ。
大物のエアコンのコンプレッサー、電動ファン2個、スロットルアクチュエーターに加え、カーナビの交換(ゴリラの7インチ)、コンソール内のロータリーファンの交換、テレビアンテナの撤去、サイドミラーのゴムカバーの交換、ヘッドライトボックスの交換と併せて、HIDヘッドライトを注文した(その他には、100km程度での走行中の異音の点検:サイドブレーキかあ?)。
本当は、LEDにしたかったのだが、まだ出始めで、松本さんのクルマで(片側だけ)テスト中ということだったので、今回は見送りとした(やはり、現時点では、光量の点でHIDに分があるようだ)。
HIDも、当たりハズレがあるようだな。
クルマとの相性のようなものもあるらしい。
直ぐに壊れてしまう時があるようで、製品のばらつきなのか、クルマの電装系の問題なのかは不明らしい。
20世紀のクルマを21世紀に乗るのだから、いろいろと大変なのだ。
その時は、ハロゲンに戻すか、思い切ってLEDにすれば良い。
現行ではコストパフォーマンスの高いHIDが、いい選択だろう。
「電極間の放電を利用しているためフィラメントがなく、白熱電球と比べて長寿命・高効率である。」とある。
「発光原理は電極から放出される電子が対極へ引かれる途中、水銀原子が光を放出する。基本原理は蛍光ランプと同じである」
「HIDランプを点灯させるためにはフィラメントを内蔵した水銀ランプ(チョークレス水銀ランプ、バラストレス水銀ランプ)以外は蛍光ランプと同様「安定器」が必要である。」
「自動車やオートバイの高性能な前照灯として用いられ、ディスチャージヘッドランプと呼ばれることもある。ハロゲンランプのフィラメントに比べHIDランプのアークは点光源に近いため配光制御が容易で、指向性の高い照明が可能で遠くまで照らすこともできる。ただし、ハロゲンランプよりも配光が不安定で、配光範囲に明るいところと暗いところのいわゆるムラが生じるときがある。(特に後付けのHIDランプは、純正のライトリフレクターがハロゲンランプに適合した反射となるよう設計されているため、発生しやすい。)
点灯後明るくなるまでに時間がかかるためハロゲンランプのようにハイビーム ロービームを切り替えて使うことは出来ない。」
500Eの場合は、ランプの位置を動かす仕組みなので、そういった心配はない。
配光の調整は重要だな。
金川さんのクルマもHID付けているということなので、その辺のノウハウはあるだろう。
出来上がってくるのが楽しみである。
(ディスチャージヘッドランプ)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%B9%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%83%98%E3%83%83%E3%83%89%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%97
ここに出てくるキセノンランプという呼称については、いささか注意を要する。
(キセノンランプ)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AD%E3%82%BB%E3%83%8E%E3%83%B3%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%97
「点灯時のみキセノンの放電による熱を利用するメタルハライドランプの一種(自動車の放電式ヘッドランプに使われる)もキセノンランプと呼ぶことがある。また、キセノンランプのことをキセノン電球ということがあるが、キセノン電球はキセノンを封入した白熱電球を意味することもある。」
放電式の、いわゆるHIDランプのことを指す場合と、タングステンフィラメントの白熱灯の中に、キセノンを封入したキセノン電球をさす場合がある。
(キセノン電球 パナソニック)
http://www.taroto.jp/category/11757.html
まあ、これじゃないな。
HIDランプの別称として、キセノンランプという言い方をすることがあるらしい。
その時は、クルマのライトの話なら、HIDランプのことだと思えばいいのだ。
夜間走行が多い浮沈子には、有難いライトである。
具合がよければ、83タルガにも付けてみようかな。
ソユーズで打ち上げ ― 2014年04月10日 11:25
ソユーズで打ち上げ
ソユーズロケットの射点がフランス領ギアナのアリアンの打ち上げ基地にもあることは、このブログでも触れた。
(団結・結合・同盟)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2013/12/21/7131974
そのソユーズロケットの打ち上げの様子を、ロケットに付けたオンボードカメラで捉えた映像が公開されている。
(On-board camera provides a unique perspective on Arianespa)
https://www.youtube.com/watch?v=rhqclpAa208
(欧州地球観測衛星 センチネル 1A 打ち上げ成功 ソユーズ搭載カメラの映像を公開)
http://response.jp/article/2014/04/09/220850.html
なかなかの迫力で、ローリングの制御とか、いささか気になる点もあるが、とにかく世界初公開だそうだ。
「映像では、ソユーズのフレガート上段エンジンに接続された2本のアンビリカルコネクタが切り離され、2基のアンビリカルマストが倒れるところから、衛星切り離しまでの行程をとらえている。およそ23分半のミッション継続時間は5分程度に編集されているが、第1段ブースターの分離やフェアリング分離、切り離されたセンチネル 1Aが太陽同期軌道へ展開されるようすが見られる。1950年代から打ち上げられてきたソユーズロケットが、軌道に到達するまでの行程をとらえた初の映像だ。」
うーん、こういう画像を見ると、地球大気というのが如何に薄っぺらで、宇宙空間というのは、手を伸ばせば届くところに広大に横たわっているということを実感させられる。
水中の世界と似たところがある。
しかし、どちらも人間の生存を拒む過酷な環境であることは間違いない。
水中というのが、陸上の大気(気体)と海水(液体)という相の違いによって区別しやすいのとは異なり、宇宙というのは、「ここから宇宙空間」という立て札があるわけではなく、希薄になる大気が連続的に変化していて、境目が分かりにくい。
概ね100kmが境目といわれているが、科学的な合理性はなく、人間が勝手に決めた無意味な境界である。
人工衛星の高度も、目的によってはこのくらいまで下げることがあるらしいので、確かに宇宙といえないことはない。
ちなみに、ISS(国際宇宙ステーション)は、400km位を回っている。
今回の衛星の運用高度は約700kmである。
(Sentinel-1)
http://ja.wikipedia.org/wiki/Sentinel-1
AとBの2機がセットで運用される予定で、もう1機は来年11月だそうだ。
「Sentinel-1で1日に得られる観測データは1Tバイトを超えると見積もられており、この大量のデータを送るために光通信を併用する。ドイツのTesat Spacecom社が製造した光通信ターミナルによって静止軌道の欧州データ中継衛星(EDRS)へ1.8Gビット/sのデータを送信し、この光通信リレーを使って観測データの50%をダウンリンクさせる見込みとなってる」
残りはXバンド送信機(520Mビット/s)でスバールバルとかアラスカの基地に直接送るようだ。
しかし、打ち上げ映像は、なかなかの迫力だな。
ソユーズロケットの射点がフランス領ギアナのアリアンの打ち上げ基地にもあることは、このブログでも触れた。
(団結・結合・同盟)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2013/12/21/7131974
そのソユーズロケットの打ち上げの様子を、ロケットに付けたオンボードカメラで捉えた映像が公開されている。
(On-board camera provides a unique perspective on Arianespa)
https://www.youtube.com/watch?v=rhqclpAa208
(欧州地球観測衛星 センチネル 1A 打ち上げ成功 ソユーズ搭載カメラの映像を公開)
http://response.jp/article/2014/04/09/220850.html
なかなかの迫力で、ローリングの制御とか、いささか気になる点もあるが、とにかく世界初公開だそうだ。
「映像では、ソユーズのフレガート上段エンジンに接続された2本のアンビリカルコネクタが切り離され、2基のアンビリカルマストが倒れるところから、衛星切り離しまでの行程をとらえている。およそ23分半のミッション継続時間は5分程度に編集されているが、第1段ブースターの分離やフェアリング分離、切り離されたセンチネル 1Aが太陽同期軌道へ展開されるようすが見られる。1950年代から打ち上げられてきたソユーズロケットが、軌道に到達するまでの行程をとらえた初の映像だ。」
うーん、こういう画像を見ると、地球大気というのが如何に薄っぺらで、宇宙空間というのは、手を伸ばせば届くところに広大に横たわっているということを実感させられる。
水中の世界と似たところがある。
しかし、どちらも人間の生存を拒む過酷な環境であることは間違いない。
水中というのが、陸上の大気(気体)と海水(液体)という相の違いによって区別しやすいのとは異なり、宇宙というのは、「ここから宇宙空間」という立て札があるわけではなく、希薄になる大気が連続的に変化していて、境目が分かりにくい。
概ね100kmが境目といわれているが、科学的な合理性はなく、人間が勝手に決めた無意味な境界である。
人工衛星の高度も、目的によってはこのくらいまで下げることがあるらしいので、確かに宇宙といえないことはない。
ちなみに、ISS(国際宇宙ステーション)は、400km位を回っている。
今回の衛星の運用高度は約700kmである。
(Sentinel-1)
http://ja.wikipedia.org/wiki/Sentinel-1
AとBの2機がセットで運用される予定で、もう1機は来年11月だそうだ。
「Sentinel-1で1日に得られる観測データは1Tバイトを超えると見積もられており、この大量のデータを送るために光通信を併用する。ドイツのTesat Spacecom社が製造した光通信ターミナルによって静止軌道の欧州データ中継衛星(EDRS)へ1.8Gビット/sのデータを送信し、この光通信リレーを使って観測データの50%をダウンリンクさせる見込みとなってる」
残りはXバンド送信機(520Mビット/s)でスバールバルとかアラスカの基地に直接送るようだ。
しかし、打ち上げ映像は、なかなかの迫力だな。
技術的冒険 ― 2014年04月10日 16:43
技術的冒険
ESA(欧州宇宙機関)が開発している次期打ち上げロケットのアリアン6は、紆余曲折を経て、PPHといわれるタイプになった(画像参照)。
(ESA、欧州次期主力ロケット「アリアン6」の基本構成を発表)
http://response.jp/article/2013/07/10/201852.html
完全再利用型を目指した案は、悉く退けられ、最も保守性高くコストが圧縮できる個体燃料ロケットと上段の再着火可能な液体燃料ロケットという無難な線に落ち着いた。
昨年の7月のことである。
(新型ロケット「低価格が売り」 欧州大手のCEO)
http://www.asahi.com/articles/ASG495RPYG49ULFA01Z.html?iref=comtop_list_sci_n01
「開発を進めている新型ロケット「アリアン6」については「低価格が売りだ」と語り、手ごろな価格でライバルを突き放す戦略を明らかにした。」
(ESA、アリアン6ロケットの基本構成をまとめる)
http://www.sorae.jp/030806/4946.html
「中国やロシアはアリアン5と似た性能で低価格のロケットを保有しており、以前から激しい競争を強いられてきた。さらにスペースX社のファルコン9のような、民間企業による安価なロケットも登場したことで、より競争が熾烈になることが予想される。」
「アリアン6の第1段は固体ロケットを3基横に並べた構成で、さらに第2段にも固体ロケットが使用され、つまり固体ロケットが縦と横に線上に並べた形をしている。これら4基の固体ロケットは基本的に共通のものが使われ、大量生産による低コスト化と信頼性向上が図られる。」
「第3段には液体水素と液体酸素の組み合わせを使用するヴィンチと呼ばれるロケットエンジンが使用される。ヴィンチはアリアン5の改良型であるアリアン5 MEで実用化される見通しで、再点火能力を持ち、2機の衛星をそれぞれ異なる軌道に投入することが可能となる。」
(アリアン6)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%B36
「ペイロード1tあたりのコストはアリアン5ECAと比べて30%から40%減となる予定」
「アリアンECAは、2つのペイロード合わせて10000kgまで、もしくは単一のペイロードを10500kgまで、静止トランスファ軌道へ運ぶことができた。このバリエーションでは、第1段でバルカン2エンジンを、第2段ではHM7Bエンジンを使用した。この第2段は空虚質量が2100kgで、14000kgの推進剤を搭載できる。HM7Bは以前アリアン4の第3段のエンジンとして使用されていた。改良されたバルカン2エンジンはバルカンに比べてより長くなり、ノズルやフローサイクルが高効率になり、混合比が向上した。この混合比は、第一段階のタンクの長さを調整したことにより実現した。また、新しい溶接法により固体ブースターが軽くなった。」
(時論公論 「衛星打ち上げビジネスの課題」)
http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/100/120984.html
「「世界主要ロケットの打ち上げコスト:静止トランスファー軌道投入能力(2012年)
・日本 H2A 90億円:4トンから6トン
・米国 デルタ4 不明:4トンから13トン
・欧州 アリアン5 80億円:6トンから10トン
・ロシア プロトンM 68億円:6トン
・中国 長征3 56億円:5.5トン
・スペースX ファルコン9 50億円:4.5トン」
この辺については、このブログでも取り上げている。
(衛星打上ビジネス)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2013/12/21/7133812
地球周回軌道上に衛星を打ち上げるというのは、既にビジネスの世界になっていて、技術的なチャレンジはその範囲の中でリスクマネージメントされる。
しかし、仮に、80億円の40パーセントオフで打ち上げることが出来たとしても、48億円というわけで、ファルコン9と同程度だ。
突き放すというのは、難しいだろうな。
個体燃料ロケットというのは枯れた技術で、運用上も液体燃料ロケットに比べれば各段にラクだ。
なにより、安い。
使い捨てならば、低価格、低リスクの選択をするに限る。
ESAが商売優先で、低価格路線を選択したのは正解だ。
しかも、3段目はアリアン5改良型の再着火型液体燃料ロケットを流用できる。
確実にコスト削減を果たして、技術的な冒険をしない。
米国、ロシア、中国のように、有人運用を考えなくていいので、個体燃料で十分である。
我が国は、H3の開発に液体燃料ロケットをメインに置いて、あわよくば中国に続いて有人運用を行おうと考えているようだ。
色気が在り過ぎなのである。
地球周回軌道の衛星は、これから全電化衛星が主流になることが見込まれている。
静止軌道に乗せる商用衛星でも、3トンくらいのコンパクトなタイプが多くなるかも知れない。
液体燃料ロケットをメインに打ち上げる方法では、価格競争力を維持できないだろう。
再利用できないロケットでは、技術的なチャレンジも出来ない。
金をどぶに捨てることになるからだ。
その意味でも、ファルコン9の再利用ロケットには意味がある。
ESAは、ビジネスに徹する路線を選んだ。
3基の固体燃料を1段目、1基の個体燃料を2段目、再着火可能な液体燃料を3段目にした構成(PPH)は、最も保守的な案だ。
それはそれで、一つの現実的な解である。
H3の商機は、いよいよ遠のくことになったな。
(アリアンスペース イズラエルCEO「小型衛星の打ち上げ競争激化」:追加)
http://response.jp/article/2014/04/10/220967.html
(Vinci (ロケットエンジン):追加)
http://ja.wikipedia.org/wiki/Vinci_(%E3%83%AD%E3%82%B1%E3%83%83%E3%83%88%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%B3)
ESA(欧州宇宙機関)が開発している次期打ち上げロケットのアリアン6は、紆余曲折を経て、PPHといわれるタイプになった(画像参照)。
(ESA、欧州次期主力ロケット「アリアン6」の基本構成を発表)
http://response.jp/article/2013/07/10/201852.html
完全再利用型を目指した案は、悉く退けられ、最も保守性高くコストが圧縮できる個体燃料ロケットと上段の再着火可能な液体燃料ロケットという無難な線に落ち着いた。
昨年の7月のことである。
(新型ロケット「低価格が売り」 欧州大手のCEO)
http://www.asahi.com/articles/ASG495RPYG49ULFA01Z.html?iref=comtop_list_sci_n01
「開発を進めている新型ロケット「アリアン6」については「低価格が売りだ」と語り、手ごろな価格でライバルを突き放す戦略を明らかにした。」
(ESA、アリアン6ロケットの基本構成をまとめる)
http://www.sorae.jp/030806/4946.html
「中国やロシアはアリアン5と似た性能で低価格のロケットを保有しており、以前から激しい競争を強いられてきた。さらにスペースX社のファルコン9のような、民間企業による安価なロケットも登場したことで、より競争が熾烈になることが予想される。」
「アリアン6の第1段は固体ロケットを3基横に並べた構成で、さらに第2段にも固体ロケットが使用され、つまり固体ロケットが縦と横に線上に並べた形をしている。これら4基の固体ロケットは基本的に共通のものが使われ、大量生産による低コスト化と信頼性向上が図られる。」
「第3段には液体水素と液体酸素の組み合わせを使用するヴィンチと呼ばれるロケットエンジンが使用される。ヴィンチはアリアン5の改良型であるアリアン5 MEで実用化される見通しで、再点火能力を持ち、2機の衛星をそれぞれ異なる軌道に投入することが可能となる。」
(アリアン6)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%B36
「ペイロード1tあたりのコストはアリアン5ECAと比べて30%から40%減となる予定」
「アリアンECAは、2つのペイロード合わせて10000kgまで、もしくは単一のペイロードを10500kgまで、静止トランスファ軌道へ運ぶことができた。このバリエーションでは、第1段でバルカン2エンジンを、第2段ではHM7Bエンジンを使用した。この第2段は空虚質量が2100kgで、14000kgの推進剤を搭載できる。HM7Bは以前アリアン4の第3段のエンジンとして使用されていた。改良されたバルカン2エンジンはバルカンに比べてより長くなり、ノズルやフローサイクルが高効率になり、混合比が向上した。この混合比は、第一段階のタンクの長さを調整したことにより実現した。また、新しい溶接法により固体ブースターが軽くなった。」
(時論公論 「衛星打ち上げビジネスの課題」)
http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/100/120984.html
「「世界主要ロケットの打ち上げコスト:静止トランスファー軌道投入能力(2012年)
・日本 H2A 90億円:4トンから6トン
・米国 デルタ4 不明:4トンから13トン
・欧州 アリアン5 80億円:6トンから10トン
・ロシア プロトンM 68億円:6トン
・中国 長征3 56億円:5.5トン
・スペースX ファルコン9 50億円:4.5トン」
この辺については、このブログでも取り上げている。
(衛星打上ビジネス)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2013/12/21/7133812
地球周回軌道上に衛星を打ち上げるというのは、既にビジネスの世界になっていて、技術的なチャレンジはその範囲の中でリスクマネージメントされる。
しかし、仮に、80億円の40パーセントオフで打ち上げることが出来たとしても、48億円というわけで、ファルコン9と同程度だ。
突き放すというのは、難しいだろうな。
個体燃料ロケットというのは枯れた技術で、運用上も液体燃料ロケットに比べれば各段にラクだ。
なにより、安い。
使い捨てならば、低価格、低リスクの選択をするに限る。
ESAが商売優先で、低価格路線を選択したのは正解だ。
しかも、3段目はアリアン5改良型の再着火型液体燃料ロケットを流用できる。
確実にコスト削減を果たして、技術的な冒険をしない。
米国、ロシア、中国のように、有人運用を考えなくていいので、個体燃料で十分である。
我が国は、H3の開発に液体燃料ロケットをメインに置いて、あわよくば中国に続いて有人運用を行おうと考えているようだ。
色気が在り過ぎなのである。
地球周回軌道の衛星は、これから全電化衛星が主流になることが見込まれている。
静止軌道に乗せる商用衛星でも、3トンくらいのコンパクトなタイプが多くなるかも知れない。
液体燃料ロケットをメインに打ち上げる方法では、価格競争力を維持できないだろう。
再利用できないロケットでは、技術的なチャレンジも出来ない。
金をどぶに捨てることになるからだ。
その意味でも、ファルコン9の再利用ロケットには意味がある。
ESAは、ビジネスに徹する路線を選んだ。
3基の固体燃料を1段目、1基の個体燃料を2段目、再着火可能な液体燃料を3段目にした構成(PPH)は、最も保守的な案だ。
それはそれで、一つの現実的な解である。
H3の商機は、いよいよ遠のくことになったな。
(アリアンスペース イズラエルCEO「小型衛星の打ち上げ競争激化」:追加)
http://response.jp/article/2014/04/10/220967.html
(Vinci (ロケットエンジン):追加)
http://ja.wikipedia.org/wiki/Vinci_(%E3%83%AD%E3%82%B1%E3%83%83%E3%83%88%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%B3)
宇宙ステーション ― 2014年04月10日 19:48
宇宙ステーション
現在、実働しているのはISSだが、設計寿命は2028年までといわれており、いつかは地球に落下してその使命を終える。
(国際宇宙ステーション)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E5%AE%87%E5%AE%99%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3
次期ISS構想はなく、具体的な話も上がっていない。
ショボイ話はいくつかあるが、有人で運用されているものは皆無である。
「ジェネシスI, ジェネシスII
ビゲロー・エアロスペース社により2006年7月/2007年6月に打ち上げられた、民間初となる宇宙ステーションの無人試験用モジュール。同社はその後も開発を続けており、2014年~2015年にはBA 330という有人モジュールを打ち上げるとしている。また、複数のモジュールからなる商業用宇宙ステーションも計画されている。」
「CSS(商業宇宙ステーション)は、ロシアのオービタル・テクノロジーズ社(Orbital Technologies)が中心となって計画している民間の宇宙ステーション。建設は2015年以降の見込み。ロシア連邦宇宙局・RSCエネルギア社との協力で、輸送にはソユーズ宇宙船・プログレス補給船が使われる予定。」
どれも、怪しい計画だ。
ものになりそうなのは、中国の天宮くらいか。
(天宮 (宇宙ステーション))
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A9%E5%AE%AE_(%E5%AE%87%E5%AE%99%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3)
「2020年ごろ打ち上げ予定の宇宙ステーション。試験機ではなく、旧ソ連のミールに匹敵するサイズの完成した宇宙ステーションと位置づけられている。コアモジュール「天和」、2つの実験モジュール「問天」「巡天」、無人補給船「天舟」といった構成要素が公表されている。打ち上げには長征5号が用いられる予定。」
宇宙ステーションの開発、打ち上げ、維持管理には膨大なコストがかかる。
「運用終了までに要する費用は1540億USドルと見積もられている」と、ISSの記事にある。
世界第二位の経済大国となった中国でさえ、月の開発と同時並行は出来ないということで、宇宙ステーションに絞り込んでいる。
実際には、長期間の維持は困難なのではないか。
短期間で放棄される可能性が高いと、浮沈子はみている。
5年も持たないと、断言しておこう。
そもそも、ISSだって、当初の予定では2016年までの運用期間だった。
どうやら、米国は2024年まで延長する腹を決めたらしい。
(Obama Administration Extends International Space Station until at Least 2024)
http://www.whitehouse.gov/blog/2014/01/08/obama-administration-extends-international-space-station-until-least-2024
これは、つまり、次期宇宙ロケットの開発が遅れているということに他ならない。
ISSの緊急避難用として計画されているオリオン宇宙船が打ち上げられたときに、ISSがなかったら洒落にならんじゃないか!。
まあいい。
とにかく、今しばらくは、ISSが浮かんでいるということだな。
宇宙ステーションといえば、浮沈子の世代では、車輪型で人工重力を発生させるタイプと相場が決まっている。
イメージ的には、2001年宇宙の旅にでてくるやつだ(画像参照)。
最近では、エリジウムもそうだな。
巨大で、人間が与圧服なしで普通に生活できて、長期に滞在できる人工天体だ。
エリジウムは、スペースコロニーだが、まあ、いいことにしよう。
ISSの運用が終わるまでに、同規模の宇宙ステーションができる見込みはない。
人類が継続的に滞在して地球軌道上を巡る人工天体は、最後ということになる(下手すると、天宮の方が、先に放棄されるかも知れない)。
人類が宇宙に築いた足がかりは、消えてしまう。
有人の宇宙時代は終わりを告げ、無人の人工衛星が人間に代わって全てを行う。
地球低軌道に、スペースシップ2で往還する旅行者はいるだろうが、軌道上にホテルを作って滞在するなどという話は、浮沈子に言わせれば詐欺同然の眉唾話だ。
民間人は、軌道周回して戻ってくるのがせいぜいである。
1960年代のレベルだ。
半世紀前から、人類は進歩していない。
今世紀中に火星軌道まで進出できるかどうかも怪しい。
往復で2年もかかる。
その間に浴びる宇宙放射線は、人体の許容限度を超える。
NASAは、往復するための具体的なプランを示していない。
実現は、あるいは不可能かも知れない。
人類の地平は、せいぜい月周回軌道上に留まり、他の天体への人類の到達は、月だけということも十分考えられる。
逆に、火星に片道切符で移住する方が簡単かも知れない。
放射線の遮蔽は、火星の地下に穴掘ってしまえばいいし、土木建設作業はロボットにやってもらう。
無人の貨物輸送船を飛ばす分には、金に糸目をつけなければ可能だ。
火星上にリゾートが出来たところで、おもむろに片道宇宙船に乗って移住するわけだな。
しかし、そんなことをするくらいなら、月の方が簡単だし、現実性がある。
それにしたって、膨大なコストを注ぎ込まなければならない。
宇宙ステーションどころではないのだ。
2024年以降のある日、ISSが廃棄され、人類の姿が宇宙空間から消えてしまう時、一つの宇宙時代が終焉を告げる。
生身の人体が宇宙空間に耐えられないのだから仕方がない。
そこに注ぎ込まれた金は、地球周回軌道上の人工衛星や、小惑星の資源探査に振り向けられるだろう。
宇宙は、商業的に利用される場となり、国威発揚の場ではなくなる(中国は別でしょうが)。
宇宙ステーションが地球周回軌道を回り続けているということが、当たり前になり、人類が宇宙空間に長期に滞在していることは、珍しい話ではなくなった。
そんな話は、もう誰も有難がりはしない。
21世紀は、宇宙時代の始まりではなく、一つの終焉なのだ。
浮沈子は、それでも一向に構わないと思う。
地上の問題が山積し、海洋という未知の世界が広がる地球にこそフロンティアがある。
観光としての低軌道周回と、無人機による探査、軌道周回衛星によるリモートセンシングなどが宇宙利用の全てになってしまって、どこが悪い?。
いつの日か、その凝り固まった人類の地平をぶち壊し、新たなテクノロジーで天駆けるアホな連中が出てくるに違いない。
しかし、それは何世紀も後の話で、このブログでは紹介できないな。
現在、実働しているのはISSだが、設計寿命は2028年までといわれており、いつかは地球に落下してその使命を終える。
(国際宇宙ステーション)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E5%AE%87%E5%AE%99%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3
次期ISS構想はなく、具体的な話も上がっていない。
ショボイ話はいくつかあるが、有人で運用されているものは皆無である。
「ジェネシスI, ジェネシスII
ビゲロー・エアロスペース社により2006年7月/2007年6月に打ち上げられた、民間初となる宇宙ステーションの無人試験用モジュール。同社はその後も開発を続けており、2014年~2015年にはBA 330という有人モジュールを打ち上げるとしている。また、複数のモジュールからなる商業用宇宙ステーションも計画されている。」
「CSS(商業宇宙ステーション)は、ロシアのオービタル・テクノロジーズ社(Orbital Technologies)が中心となって計画している民間の宇宙ステーション。建設は2015年以降の見込み。ロシア連邦宇宙局・RSCエネルギア社との協力で、輸送にはソユーズ宇宙船・プログレス補給船が使われる予定。」
どれも、怪しい計画だ。
ものになりそうなのは、中国の天宮くらいか。
(天宮 (宇宙ステーション))
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A9%E5%AE%AE_(%E5%AE%87%E5%AE%99%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3)
「2020年ごろ打ち上げ予定の宇宙ステーション。試験機ではなく、旧ソ連のミールに匹敵するサイズの完成した宇宙ステーションと位置づけられている。コアモジュール「天和」、2つの実験モジュール「問天」「巡天」、無人補給船「天舟」といった構成要素が公表されている。打ち上げには長征5号が用いられる予定。」
宇宙ステーションの開発、打ち上げ、維持管理には膨大なコストがかかる。
「運用終了までに要する費用は1540億USドルと見積もられている」と、ISSの記事にある。
世界第二位の経済大国となった中国でさえ、月の開発と同時並行は出来ないということで、宇宙ステーションに絞り込んでいる。
実際には、長期間の維持は困難なのではないか。
短期間で放棄される可能性が高いと、浮沈子はみている。
5年も持たないと、断言しておこう。
そもそも、ISSだって、当初の予定では2016年までの運用期間だった。
どうやら、米国は2024年まで延長する腹を決めたらしい。
(Obama Administration Extends International Space Station until at Least 2024)
http://www.whitehouse.gov/blog/2014/01/08/obama-administration-extends-international-space-station-until-least-2024
これは、つまり、次期宇宙ロケットの開発が遅れているということに他ならない。
ISSの緊急避難用として計画されているオリオン宇宙船が打ち上げられたときに、ISSがなかったら洒落にならんじゃないか!。
まあいい。
とにかく、今しばらくは、ISSが浮かんでいるということだな。
宇宙ステーションといえば、浮沈子の世代では、車輪型で人工重力を発生させるタイプと相場が決まっている。
イメージ的には、2001年宇宙の旅にでてくるやつだ(画像参照)。
最近では、エリジウムもそうだな。
巨大で、人間が与圧服なしで普通に生活できて、長期に滞在できる人工天体だ。
エリジウムは、スペースコロニーだが、まあ、いいことにしよう。
ISSの運用が終わるまでに、同規模の宇宙ステーションができる見込みはない。
人類が継続的に滞在して地球軌道上を巡る人工天体は、最後ということになる(下手すると、天宮の方が、先に放棄されるかも知れない)。
人類が宇宙に築いた足がかりは、消えてしまう。
有人の宇宙時代は終わりを告げ、無人の人工衛星が人間に代わって全てを行う。
地球低軌道に、スペースシップ2で往還する旅行者はいるだろうが、軌道上にホテルを作って滞在するなどという話は、浮沈子に言わせれば詐欺同然の眉唾話だ。
民間人は、軌道周回して戻ってくるのがせいぜいである。
1960年代のレベルだ。
半世紀前から、人類は進歩していない。
今世紀中に火星軌道まで進出できるかどうかも怪しい。
往復で2年もかかる。
その間に浴びる宇宙放射線は、人体の許容限度を超える。
NASAは、往復するための具体的なプランを示していない。
実現は、あるいは不可能かも知れない。
人類の地平は、せいぜい月周回軌道上に留まり、他の天体への人類の到達は、月だけということも十分考えられる。
逆に、火星に片道切符で移住する方が簡単かも知れない。
放射線の遮蔽は、火星の地下に穴掘ってしまえばいいし、土木建設作業はロボットにやってもらう。
無人の貨物輸送船を飛ばす分には、金に糸目をつけなければ可能だ。
火星上にリゾートが出来たところで、おもむろに片道宇宙船に乗って移住するわけだな。
しかし、そんなことをするくらいなら、月の方が簡単だし、現実性がある。
それにしたって、膨大なコストを注ぎ込まなければならない。
宇宙ステーションどころではないのだ。
2024年以降のある日、ISSが廃棄され、人類の姿が宇宙空間から消えてしまう時、一つの宇宙時代が終焉を告げる。
生身の人体が宇宙空間に耐えられないのだから仕方がない。
そこに注ぎ込まれた金は、地球周回軌道上の人工衛星や、小惑星の資源探査に振り向けられるだろう。
宇宙は、商業的に利用される場となり、国威発揚の場ではなくなる(中国は別でしょうが)。
宇宙ステーションが地球周回軌道を回り続けているということが、当たり前になり、人類が宇宙空間に長期に滞在していることは、珍しい話ではなくなった。
そんな話は、もう誰も有難がりはしない。
21世紀は、宇宙時代の始まりではなく、一つの終焉なのだ。
浮沈子は、それでも一向に構わないと思う。
地上の問題が山積し、海洋という未知の世界が広がる地球にこそフロンティアがある。
観光としての低軌道周回と、無人機による探査、軌道周回衛星によるリモートセンシングなどが宇宙利用の全てになってしまって、どこが悪い?。
いつの日か、その凝り固まった人類の地平をぶち壊し、新たなテクノロジーで天駆けるアホな連中が出てくるに違いない。
しかし、それは何世紀も後の話で、このブログでは紹介できないな。
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