一級国家2015年08月11日 00:24

一級国家


「日本は引き続き「一級国家」であることを目指すべきであり、ともに「一級国家」の米国と日本が十分なパートナー(a full partner)として協力することは、世界への貢献となる」

なんか、ピントがずれてるような気がしないでもないが、このセリフが米国のシンクタンク、しかも超党派の総意だということらしいので、あだ疎かにはできない。

(The U.S.-Japan Alliance
anchoring stability in asia:元ネタ)
http://csis.org/files/publication/120810_Armitage_USJapanAlliance_Web.pdf

(第 3 次アーミテージ・ナイ報告書
(The 3rd Armitage-Nye Report):概要がわかるレポート)
http://www.nsu.ac.jp/nsu/pdf/library/discuss/dp38.pdf

(与党強行採決? 安保法制は米「外圧」文書のコピペだ!:例によって、朝日の怪しげな記事!)
http://dot.asahi.com/wa/2015070800074.html

「安倍政権が成立する直前の2012年8月、今国会で審議されている法案の内容をまるで“予言”したかのような文書が米国によってつくられていた。」

<日本には決断しなければならないことがある。日本は「一流国」であり続けることを欲するのか、「二流国」に成り下がることに甘んじるのか。日本国民と政府が「二流国」のステータスで満足するというなら、この報告書は関心を持たれないだろう>

この報告書については、日経が詳細な記事を掲載している。

(日本は「一流国家」であり続けるのか、それとも「二流国家」に甘んじるのか
米国が突きつける質問~アーミテージ・ナイ報告を読む)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20120827/236020/?rt=nocnt

「ここでいう「一流国家」とは、経済力、軍事力、グローバルな視野、そして国際社会における指導力に裏づけられた国家の力のことだ。」

「女性労働力の拡大」

「自衛隊は、集団的自衛権行使の禁止など時代遅れの制約を取り払えば、より大きな役割を果たすことができる」

「原子力発電所を慎重に再稼働させたことを評価」

残念ながら、ここまでしか読めない。

海上自衛隊のサイトにも、概要がある。

(第3次アーミテージ・ナイレポート
“The U.S-Japan Alliance ANCHORING STABILITY IN ASIA”が公表される。)
http://www.mod.go.jp/msdf/navcol/SSG/topics-column/col-033.html

「本コラムに示された見解は、幹部学校における研究の一環として発表する執筆者個人のものであり、防衛省または海上自衛隊の見解を表すものではありません。」

まあ、どうでもいいんですが。

浮沈子的に気になったのは、朝日の記事で以下の記述があったこと。

「政策の変更は(中略)より軍事的に積極的な日本、もしくは平和憲法の改正を求めるべきだ。」

原文はこうだ。

「A shift in policy should not seek a unified command, a more militarily aggressive Japan, or a change in Japan’s Peace Constitution.」(レポートのP15:Prohibition of Collective Self-Defenseより)

意図的な誤訳だな。

それとも、ただのアホかあ?。

明治維新以来、我が国は、世界の「一等国」を目指して突き進んできた。

(列強 大英帝国)
http://www.infosnow.ne.jp/~sevas/adult/japan/japan5.html

「さて、19世紀後半の万国公法には、国のランクというものがありました。
 トップは勿論、「大英帝国」こと、イギリス。
 で、次の一等国というランクには「帝政ロシア」、「ドイツ」、「フランス」、「オーストリア」の4カ国が入ってます。
 ここまでの5国を「世界の5大国」といいます。」

「当時、対立していたロシアが東アジアに進出していくことをイギリスは心配していたのでした。
 ロシアの東アジア進出に対する盾として日本を使おう。
 そのために仲良くしておこう。
 と、いうのがイギリスの考えです。
 もちろん、日本だってロシアが東アジアに進出してくれば、次に狙われるのは日本ですので、イギリスに言われるまでもなくロシアに対抗しなきゃなりませんし、列強のトップであるイギリスと仲良くできるってのは、メリットが大きいです。」

・大英帝国→米国
・ロシア→中国

あー、すっきりした!。

太平洋戦争でチョンボしたが、米国はそのことをよく覚えているようだな。

浮沈子的には、別に我が国が一等国だろうが、一流国だろうが、一級国家だろうが、そうでなかろうが、どうでもいい。

資源と経済力を背景に、軍事力を増強し、世界を支配しようという健全な国家の在りようだ。

どんな国家も(北朝鮮だって)、それを目指しているし、我が国がその位置にいることも確かだ。

あとは、選択の問題である。

米国も、自衛隊が米軍の指揮下に入れとか、強大な軍事力を持てとか、平和憲法を改正しろとかは言っていない(例によって、朝日の誤訳(?)に騙されてはいけない:一応、週刊朝日宛にメールは出しておきましたが→後日、副編集長から誤訳を認める返事が来ました)。

だから、安倍政権も、集団的自衛権の部分的容認という政策選択をしている。

いいなりだな。

中国とか韓国にも、そういい含めているに違いない。

日本が暴走することがないように、米国が目を光らせてるから大丈夫だって・・・(ホントかあ?)。

米国の不沈空母として、しかるべき役割を果たせばそれでいい。

いい子にしてれば、資源の割り当てもあげるし、技術供与もしますっていってるし。

今のところ、安倍政権は、このレポートを忠実にトレースしている。

本音は、きっと違うんだろうが、よく自制しているように見える。

このシナリオに沿って、あと数年経てば、普天間の問題も解決するし、中国の進出も抑制できるだろう(って、誰が信じるもんか!)。

浮沈子は、最後には米国は中国に付くと思っている。

なぜって、それが米国の利益だから。

日本は切られるな。

いいだろう。

そうなったときのために、今からでも、核武装しておくことだ。

キューバとは、もう少し仲良くしとけばよかったな。

んでもって、核ミサイルを持ち込んで、米国本土を狙い撃ちすると脅せば、シェールガスとかも安く手に入れられたかもしれない。

まあ、海上封鎖されて、一巻の終わりだろうな。

(キューバ危機)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AD%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%90%E5%8D%B1%E6%A9%9F

「1962年初めにアメリカ合衆国統治下の沖縄に配備された核搭載の地対地巡航ミサイル「メースB」4基の発射命令が、同年10月28日未明、嘉手納基地ミサイル運用センターから読谷村の発射基地あてに無線で届いたが、不審に思った発射指揮官が発射作業を停止させた。後に発射命令は誤りであることが判明した。この事実は、2015年3月、関係者の証言により明らかとなった」

(MGM/CGM-13 (ミサイル))
https://ja.wikipedia.org/wiki/MGM/CGM-13_(%E3%83%9F%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%83%AB)

「中華人民共和国を意識した核抑止力として日本返還前の沖縄に配備されていた。その頃の日本の新聞、雑誌などでは「メース」、「メースB」とも表記されている。」

1962年に、こいつが中国本土に発射されていたら、現在の極東情勢はどうなってただろうか。

発射指揮官も、余計なことをしたもんだな。

一級国家といっても、せいぜいこんなもんだ。

米国の甘言に乗せられて、国を誤るようなことのないように、為政者にはしっかりしてもらわんとな。

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