水深15mの「深海」2018年12月16日 00:09

水深15mの「深海」
水深15mの「深海」


ちょっと、あまりにもひどい訳語なので、記事にする気になった。

(地球温暖化と戦う深海の「炭素貯蔵庫」を研究者が発見)
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/12/post-11418.php

「<グレートバリアリーフ周辺の深海に、大量の炭素を吸収する巨大な生態系があった>」

表題や副題、画像のキャプションに「深海」の文字が躍る。

深海に巨大な生態系があるとしたら、大発見だ!。

が、しかし、やっぱ、なんだか、どうもおかしい・・・。

「この深海の海草が相当規模の炭素を貯蔵しているかどうか、調べるべきだと考えた」

深海には、海藻は生えない。

炭素貯蔵を生態系に依存しているとすれば、無酸素呼吸を行うバクテリアのような存在しかないはずなんだがな・・・。

「マクリーディは、オーストラリアの他の大学の研究者と共同で、深さ15メートル以上の深海と、中間の海中、浅い海中のそれぞれの炭素貯蔵量を比較した。そして深海部の海草が浅い海中の海草と同レベルの炭素を吸収しているという分析結果を得た。」

ちょっと待ってくれ!。

「深さ15メートル以上の深海」って、何なんだあ?。

ここに来て、初めてこの記事の翻訳がおかしいことに気付く。

さっそく、英文の元記事を当たる。

(HUGE BLUE CARBON SINK DISCOVERED IN GREAT BARRIER REEF COULD BE WARDING OFF CLIMATE CHANGE)
https://www.newsweek.com/great-barrier-reef-climate-change-blue-carbon-seagrass-carbon-sink-1253855

元記事では「deep-water」となっているが、ちょうど上記該当箇所(日本版で引用したところ)には、その定義(この記事中での用法)が明記されている。

「deep-water (deeper than 15 meters)」

決して、深海という意味ではないのだ。

ここでは、水深15mより深い水中を、便宜的にディープウォーターと呼んでいるに過ぎない。

(Deep sea)
https://en.wikipedia.org/wiki/Deep_sea

「深海又は深層の最下位層である海の下に存在する、躍と上方海底 1000人の深さで、尋(1800メートル)以上です。」(ワケワカの自動翻訳のまま)

さすがにひどすぎるので、テキトーに翻訳する。

「深海または深層は海洋の最下層で、深さは1000尋(ひろ)(1800 m)以上です。」

ウィキの日本語版では、一般に水深200m以下となっている。

直ちに誤りとは言えないかもしれないが、文脈読めない明らかな誤訳だからな。

深海には、公式の明確な定義はないようだ。

ちなみに、ダイビングでは40mより深いところを大深度とかいうことがある(最近は、もっと浅いかもしれない)。

PADIなどの指導団体が定める、レクリエーショナルレベルでの最大運用水深が40mだから、それ以上という感じか。

昔でいえば、100m以深が大深度ということになるのかもしれない。

その深さまで、エアでタッチアンドゴーしてたという危ない話も聞く(良い子は絶対に真似しないでね!:マジやばです!!)。

GUEでは、30mからヘリウム混ぜろということになってるからな。

環境によっては、もっと浅い深度から混ぜることもあるらしい。

そもそも、エアを水中で吸うことを禁止している団体だからな。

まあ、どうでもいいんですが。

海藻が二酸化炭素を吸収して光合成をおこなうということになれば、深くてもせいぜい100mくらいまでだろう。

例外的に、長い波長の太陽光を活用できる生物(Roseiflexusとか?)がいるかもしれないが、英語のウィキにある水深1800mなんて、文字通り真っ暗闇に違いない。

海藻なんて上等な生物は、とっくにいなくなっている水深だ。

深海は極端な貧栄養で、熱水鉱床などの特殊な環境がなければ、生態系が維持しにくい。

もちろん、全くの無生物ということはないだろうが、そこに二酸化炭素の貯蔵が出来るとは思えないしな。

記事を読むと、そういう話じゃなくて、光合成可能な比較的浅い水深におけるバイオマスに貯蔵されている量を、正確に見積もる必要がありそうだということらしい。

海水温が上昇して、それらの生態系が乱れれば、当然、貯蔵されていた二酸化炭素が排出されたり、吸収できなくなって、二重にヤバいことになるかも知れないしな。

ちなみに、地球の海洋の平均水深は3800mくらいらしい。

温暖化でグリーンランドの氷床が全て溶けても数m、南極の氷床が溶けても60m程度しか海水面は上昇しないからな。

誤差のうちということになる。

少なくとも、向こう数百年は約3800mで問題なかろう。

やれやれ・・・。

15mで深海とは、人騒がせな記事だったな・・・(ニューズウイークには、問い合わせ画面から通知しておいたので、後日訂正されるかもしれません)。

0.4度2018年12月16日 10:02

0.4度
0.4度


今朝の東京地方の最低気温は、朝7時13分に記録された0.4度だという。

べらぼうめ・・・。

先週、伊豆にダイビングに行っている時に、1度台になったのは知っていたが、体験してないので記事にはしなかったけどな。

今朝は、暖房が壊れているんじゃないかと思う程の寒さだ。

まあ、もっと寒いところはいくらでもあるだろうが、寒暖の差が大きいと身体に堪える。

昨日は、結局、宮古島の荷物をまとめきれないまま、午後からフィットネスに行って泳いできた。

筋トレは、ほぼ2週間ぶり。

気分転換にはなったが、今日に課題を持ち越してしまった。

まあいい。

明日の午前中に送ることが出来れば、何とか届くだろう。

お出かけ前の準備も、楽しみのうちだからな。

だらだらと長引かせて味わうのもいいかも。

毎朝チェックしているエボラの感染は、全く衰えることなく続いている。

(SITUATION ÉPIDÉMIOLOGIQUE DANS LES PROVINCES DU NORD-KIVU ET DE L'ITURI
Samedi 15 décembre 2018)
https://us13.campaign-archive.com/?u=89e5755d2cca4840b1af93176&id=9a337de507

「流行の開始以来、症例の累積数は確認された481人と推定48人である。合計で311人の死亡(263人が確定、48人が死亡)と183人が治癒した。
調査中の96の疑いのある症例。」

確定と可能性で529人の感染者、311人の死者が出ている。

疑い症例を加えて治癒者と死者を引き算すると、131人が治療中ということになる(そうなのかあ?)。

その中の何人かは、別の病気なんだろうが、エボラに感染していたとしたら、半分以上は助からないということだ。

新しい治療法が試されているようだが、効果があるかどうかは分からない。

残酷な話だが、エボラが流行しないと、臨床試験は行えないからな。

ワクチンの投与も行われているようだが、こっちも効果のほどは分からない。

たらればの話はいくらでもあるんだろうが、終息に結びつけることが出来なければ、焼け石に水だ。

ブテンボでは、感染の拡大は押さえられているようだが、疑い症例が増えている(8人→20人)。

その中から確定が出るようだとヤバくなるかもしれない。

武装闘争も絡んで大規模発症しているベニとか、地元の協力が得られないと伝えられているカトワなどは、まあ、リスクとしては大したことはない。

浮沈子は、ブテンボだけを見ている。

100万都市での感染爆発が起これば、いつか来た道になるからな。

みんな、それは分かっている。

丁寧なトレースを行い、リングワクチン接種を続けていれば、やがて収まってくると思われるんだが、その兆しは見えない。

週に30人から40人程度の感染者の増加が続いているからな。

年内に600人くらいになることは確実な情勢になってきた(あと2週間)。

しかし、ブテンボで感染爆発が起これば、こんなもんじゃ済まない。

隣国などへの拡散のリスクも飛躍的に高まる。

息を殺して見守る気分だな・・・。