核攻撃、乱射事件、無差別テロから新型コロナへ:シェルターインプレースとステイアットホームに見る米国の危機対応2020年05月25日 09:44

核攻撃、乱射事件、無差別テロから新型コロナへ:シェルターインプレースとステイアットホームに見る米国の危機対応


浮沈子の今朝の体温は36.1度(これでも既に微熱状態)。

昨日は体調が悪く、最低限の買い物だけで、大型連休(おうちにいてね週間)並みのステイホーム状態。

そもそも、東京都が称揚したステイホームというキャッチは、米国で使われ始めたステイアットホームのもじりだ(未確認)。

先日から調べ始めたカリフォルニア州の感染だが、ステイアットホームも、シェルターインプレイス(SIP)と区別するための造語(?)のようだ。

まーたよく似た3文字熟語(?)を覚えなければならない。

・SPG(Submersible Pressure Gauge:残圧計)
・SIG(Spectrum Is Green:キャプテンスカーレットの「了解」に相当する符丁)
・SIP(シェルターインプレイス:後述)

似てねーよ!?。

まあ、どうでもいいんですが。

(シェルターインプレース)
https://en.wikipedia.org/wiki/Shelter-in-place

「エリアから避難したり、コミュニティの緊急シェルターを探すのではなく、すでに占有している建物内の安全を求めることです。」

我が国では、核攻撃や銃の乱射、無差別テロを想定した学校や一般市民を対象とした訓練が日常的に行われているわけではないから、シェルターインプレイスというのが何か、イメージし辛い。

まあ、地震対策の防災訓練みたいなもんか。

浮沈子が棲息する東京都では、「東京防災」という冊子が発行されていて、ネットでも見ることができる。

(「東京防災」の閲覧はこちら)
https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/1002147/1006044.html

一括か、分割かを選んで、内容を確認することができる。

見開き(2ページ分)でPDF1ページになっているので、注意が必要だが、冊子のページで164ページ辺りから、テロや核攻撃に関する記述がちょろっと書かれている。

ちなみに168ページからは感染症についても書かれているが、新型コロナに役立ちそうな話はない(手袋というのが気になるけどな:帰国後の発熱は直ちに医療機関受診とあるが、当局はこれに反して4日間じっと我慢していることを強いたしな)。

いずれにしても、米国で用いられているSIPは、マジヤバの緊急状態だ(窓の外では狙撃者が屋上からライフルぶっ放していたり、テロリストが爆弾抱えて自爆したり、核爆弾が破裂している:窓の外に落ちたら蒸発してるけどな)。

身近な堅牢な建物に身を隠し、鍵を掛け、窓を閉め、カーテンを降ろし、窓や入口から離れ、地下室があればそこに籠り、当局が解除するまで数時間から数週間(核攻撃の場合)缶詰めになることを意味する。

幸い、新型コロナはそこまでヤバくはない。

外に出てもいいし、生活必需品を買いに行くことも出来る。

同居人と連れ立って散歩も可能だ。

公園やビーチの使用制限がかかることもあるけど、ふつーの道を通行するのに制限はない(たぶん)。

不要不急の外出は制限されるし、集会は規模に応じて規制され、レストランやバーは閉鎖されるけどな(お持ち帰りは可?)。

レベルや期間は、米国の場合、州の中でも異なる。

カウンティ(郡)レベルで、きめ細かく決められているようだ。

イーロンマスクが違反承知で稼働させたテスラの工場とかは、アラメダ郡の規制絡みだからな。

そして、これらのミディアムなレベルのロックダウンを、米国の一部では、SIPに代わってステイアットホームと呼んでいる(カリフォルニア州辺りが最初みたいだ:NYではステイホームと言ってるみたいだ:後述)。

この話については、危機におけるリーダーシップとの関係で、興味深い記事が出ていた。

(危機的状況で人を動かすメッセージを発信する方法)
https://www.dhbr.net/articles/-/6749

「「指揮統制」型のリーダーシップが「説得による力」に取って代わられた」

「Stay Home. Stop the Spread. Save Lives.(家にいよう。拡散を止めよう。命を救おう)」

今風のシンプルなメッセージが訴求するという例だが、従来のプロフェッショナルなメッセージはこうなるそうだ。

「公衆衛生と安全を守るために、重要なインフラに影響を与える必須の活動に従事していないすべての居住者に対し、新型コロナウイルスの蔓延を緩和し、罹患率と死亡率を最小限に抑えるため住居にとどまるよう、ここに命令する」(対象者が明記されている点に注意だな:シンプルメッセージには含まれていない要素だ。)

いかにもお役人が書きそうな文章だが、これでも相当シンプルに思える。

「ラテン語に由来する単語と比べ、アングロサクソン系の単語は単音節から成り、具体的で、理解しやすい傾向がある。」

海外ではツーワードイングリッシュ(ディス・プリーズ、ノー・サンキューなど)を乱発する浮沈子的にも、分かりやすくてよろしい。

記事には、お馴染みのアンソニーファウチやデボラバークスの例も出てくる(なぜか、ドナルドトランプは出てこない:正しいかどうかはともかく、シンプルで効果的なメッセージは得意なんだがな:お前はクビだ!、消毒液を注射しろ!、武漢ウイルスと呼べ!・・・)。

この記事の中で、浮沈子的に気になったのは、例として出されているファウチの以下の言葉だ。

「米国がソーシャル・ディスタンシングの指針を緩和できるのは「検査、隔離、感染者追跡」という3つが可能になったときだと述べた。」

東京都は、今日にも緊急事態宣言が取り下げられ、明日午前0時から規制緩和が始まる。

クラスターの実績がある施設の解除は来月上旬と見込まれているが、検査態勢、隔離政策、感染者追跡のいずれも心もとない。

都知事は、1日20人の新規感染者ならこなして見せると豪語しているが、保健所のキャパシティは、1日10人もないだろう。

検査態勢にしても、NYのみならずロサンゼルスや武漢には遠く及ばない(たぶん)。

隔離体制なんて、1400万人規模のメガシティではあっという間に崩壊する(軽症者含めて、目標4000人とされている:達成状況は未確認)。

東京アラートは、早晩発令される。

海外からの流入は、構造的に阻止できないし、それを緩和する圧力は増すばかりだ。

少なくともNY並みに、1日4万件の検査能力(既に確保済み:ちっと少な過ぎる気も)、最大40万人の隔離施設(NYの感染者は36万人)、数万人のトレーサー(疫学調査員:NYは2万人弱を目標)の確保がなければ安心はできない(そうなのかあ?)。

ガラス細工の防疫体制を支えているのは、献身的な医療従事者と、お上の言うことに従い、世間体を気にする従順な一般市民だ(マシンガン抱えて議会に乗り込んだりしないしな)。

第一波を乗り切ったからと言って、2匹目のドジョウに期待するのは間違っている。

まあいい。

ハーバードビジネスレビューの記事は、不沈子にも耳が痛い言葉で結ばれている。

「ウイルスと同じように、言葉は伝染する。言葉は恐怖心やパニックを植え付けることも、理解や落ち着きを促すこともできる。何よりも、言葉は行動を引き起こすことができる。だから、言葉は慎重に選ばなければならない。」

心に刺さるな・・・。

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