燃料タンク2012年09月01日 02:57

燃料タンク


燃料タンクについては、給油の時くらいしかお世話にならないと思ったら大間違い!。

いつ、いかなる時も、お世話になっているのだ(だって、燃料が無ければ走らない)。

(【スズキ アルトエコ 登場】縮小されたタンク容量は実用上気になるか?)
http://response.jp/article/2012/02/11/169866.html

この記事によると、燃費を稼ぐために、燃料タンクに上げ底してわざわざ容量を減らしているという。

ここまでやると、本末転倒どころか、航続距離という性能を落としてまでカタログ上の燃費を稼ぐという、「愚挙」以外の何物でもない。

エコしようと思えば、20リットルしかガソリンを入れなければいいんだから。ユーザーを馬鹿にしているというか、馬鹿なユーザーを相手に商売しているというか、馬鹿馬鹿しい話だ(なんちゃって!)。

レギュラーガソリンだから、どうがんばっても3000円未満の給油しかできない。羨ましい限りである。

ボクスターや300Eは64リットルで、ハイオク満タンはおよそ9000円くらいだったが、500Eになると90リットルというスーパーカー並みのタンク容量である。

諭吉が飛んでいく!。

しかしだ、こんなもんで驚いてはいけない。

(ISUZU:トラック大図鑑『燃料タンク』)
http://www.isuzu.co.jp/technology/daizukan/tank/index.html
400リットル×2で800リットルだと!。軽油満タンで10諭吉くらいか。燃費はリッター3キロくらいだろうから、2000キロ以上の航続距離になる。

航続距離と燃料とくれば、航空機である。

(旅客機の燃料タンク - JAL - コックピット日記)
http://www.jal.co.jp/entertainment/cockpit/captain37.html

1バレル60米ドルというのが、燃油サーチャージなしの価格になるので、ざっと60×80÷160で、リッター30円(安っ!)で計算すると、21万7千リットルを飲み込むジャンボの場合、600万円以上になる。実際には、ジェット燃料はもっと高いので、運賃に差額が乗せられているわけである。燃費は、リッター50メートルくらいか。

ここまで来たら、いくところまでいくしかない。

(最新鋭コンテナ船の環境負荷低減仕様について)
http://www.mhi.co.jp/technology/review/pdf/443/443024.pdf

8000から9000立方メートル(!)とあるので、リッター換算すると800万から900万リットルということになる。1キロリットルのC重油の価格が6万7千円くらいだというから、満タンにすると5億円とか6億円になる。

(燃料油価格推移表(平成6年度~平成24年度))
http://www.jlc-ferry.jp/nenryouyu.html

実際の運行で満タンにすることはないのだろうが、燃費はなんとリッター185cmという記事があった。

(燃費1.9m/L??)
http://jq1ocr.exblog.jp/5884396/

これで終わりにしようかと思ったが、上には上があるのだ。

(サターンV)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%83%AD%E3%82%B1%E3%83%83%E3%83%88#.E3.82.B5.E3.82.BF.E3.83.BC.E3.83.B3V

約1億6千万馬力という、「現在までのところ人類が開発したものの中では最も高出力のエンジン」に食わせる燃料は、総重量の93パーセントとある。

1段目は42mの高さで直径が10mというから、概ね3000立方メートル、2段目は全長は24.9m、直径は第一段と同じ10mで2000立方メートル、3段目は全長は17.85m、直径は6.6mで600立方メートル、締めて5600立方メートルの燃料を食うことになる(外形寸法なので、容量はもっと少ないと思われる)。

コンテナ船よりは少ない。

しかし、価格は高いだろう。

ケロシンは航空燃料なので、リッター30円(中身は違うだろうが、ここではこの単価を使う)だが、液体酸素は50円、液体水素は1000円位する。

(液化酸素、水素ガス、ヘリウムガス - 宇宙航空研究開発機構)
http://stage.tksc.jaxa.jp/compe/end/FY19-0886.pdf

1段目に使われているF-1エンジンは、「毎秒976リットル(788kg)の燃料と1,565リットル(1,789kg)の液体酸素を燃焼室に供給する」とあるので概ね1200立方メートルのケロシンと1800立方メートルの液体酸素が使われることになる。

2段目と3段目は、J-2エンジンであるが、混合比が5.5とある。「混合比は,酸化剤流量と燃料流量の比で表される」ということらしいので、液体水素の割合が多いことになる。完全燃焼させてH2Oができるわけではないのだ。

(打ち上げロケットの燃料混合比について)
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1467987389

で、400立法メートルの液体酸素と2200立方メートルの液体水素が使われる。

締めてケロシン3600万円、液体酸素1億1千万円、220億円の液体水素ということで、221億4600まんえんになる(液体水素、高いですねえ!)。

スペースX社のマーリンエンジンが、ケロシン系燃料を使用している訳が良く分かる。

ちなみに、燃費とかをロケットで考える時は、どうしたらいいのだろうか。

宇宙空間をいくらでも飛んでいられる衛星になれば、事実上無限の燃費になるともいえる。太陽系を脱出して恒星空間に飛んでいってしまうボイジャーとかは、めちゃくちゃ燃費がいいことになる。

(ボイジャー計画:現状)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9C%E3%82%A4%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%BC%E8%A8%88%E7%94%BB#.E7.8F.BE.E7.8A.B6

180億キロくらい飛んでいるので、燃料5000立方メートルとしてもリッター3600kmで、アルトエコなんて目じゃない(まだまだ、行けます)。

電気自動車2012年09月01日 22:32

電気自動車
電気自動車


電気自動車は、21世紀の駆動方式の最終的な形態なのか。

ガソリンを効率よく燃やすために、自動車の中に発電機と電池を積んでハイブリッド車が登場した。

究極のエコカーといわれる燃料電池車は、試作車レベルで留まっていて、実用化の目途は全く立っていない。水素ステーションなんて、見たこともない。

(JHFC水素ステーション)
http://www.jari.or.jp/jhfc/station/index.html#st-end

すでに半分近い水素ステーションが廃止されてしまった。

終わったのか!?。

いやいや、そんなことはない。

(ドイツ、水素ステーションを50か所へ拡大…2015年)
http://response.jp/article/2012/06/22/176617.html

(トヨタ、次世代燃料電池車を2015年に市販)
http://response.jp/article/2012/08/10/179520.html

2015年に向けて、海外では動きがあるようだ。

そもそも、燃料電池車というのは電気自動車である(動力装置はモーターしかない)。モーターを駆動する電気を、ニッケル系とかリチウム系の二次電池に蓄積するか、化学エネルギーから車載装置で取り出すかの違いである。

ストップアンドゴーが多い自動車のような移動体に対しては、トルク特性が低速で有利なモーターが適している。

極端な例かもしれないが、これも電気自動車である。

(Komatsu 960E-1)
http://www.webcitation.org/5t1AjWkm6

シリーズ式(正確にはディーゼル・エレクトリック方式:バッテリーを持たない:フライホイールでの蓄積は可能のようだ)では、モーターの特性を生かすことが最大の目的となる。

電気を使った動力は制御が容易であるが、電気そのものの蓄積が難しい。一番いいのは電車のように、外部から供給するトロリー式なんだが、ちょっと現実的ではない。

エネルギー効率は落ちるが、地上(軌道)一次式リニアモーターのように軌道側で駆動するという方法もある。高速道路のようなところでなら、可能かもしれない。内燃機関のクルマとの共存も可能だろう。走りながら充電することも可能だ。車載コンピューターとETCを活用して、課金も容易である。

市街地では電池(燃料電池含む)で走る。この方式なら、しょうもない電池をしこたま積み込んで、チョコッとしか走らず、鬼のように長い充電時間を必要とする電気自動車の致命的欠陥を補えるように思う(3分で充電しろよ!)。

トラック輸送とかで使えないだろうか。

専用レーンを走っていただいて、居眠り運転をしても衝突防止装置で回避でき、渋滞しても排気ガスを巻き散らかさず、モーターの特性を発揮できて一石二鳥。車間距離1m、時速200kmで移動可能だ。自動的に100台くらいのコンボイを組んで走らせれば、空気抵抗の軽減になる。間を空けないと、他の車が走れないので仕方ない。

(コンボイ (映画))
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%9C%E3%82%A4_(%E6%98%A0%E7%94%BB)

インフラや車両製造には費用がかかる。その莫大なコストをどうやって賄うかが問題だ。

原発を再稼動(どころか、バンバン増設)させて、安い電力を潤沢に供給し、電気自動車へのインセンティブを加速しよう!。燃料にかける税金を原資にしてインフラ整備を一気に行う。電気自動車に切り替えたほうが、だんぜんお得な状況を作り出せば、10年以内にモータリゼーションは完全に切り替わってしまう。

自家用車なんて、実際、どうでもいいんですよ。バスやトラックなどの産業用自動車の電動化をどうするかを考えていかなければ、電気自動車の未来は見えてこない。

ボクスターが電動化しても驚かないし、F1を電気自動車が爆走(っていうのか?)してもいいけど、産業道路(東名とか)をディーゼルトラックが走ってたんじゃあ21世紀的ではないでしょ?。